第89日目
命令形
本日のテーマは「命令形」です。
みなさんは、すでにこの文法シリーズの最初のころに 「~しましょう」とか、「~してください」という文章のつくりかたは学びました。復習の意味であらためて確認してみると
wir を主語とする文章では、主語と定動詞をひっくり返すと疑問文になりますが、この同じ形が文末をしり下がりに発音すると「~しましょう」という意味になります。
敬称の2人称 Sie を主語とした文でも、主語と定動詞をひっくり返して、疑問文と同じ形にし、しり下がりに発音すればお願いの文章になります。
見た目の形が疑問文と、誘い、お願いの文では同じなので、疑問文は最後に ? をつけ、発音をしり上がり、それに対して、誘い、お願いの文の方では最後に ! をつけ、発音をしり下がりにします。
Wir gehen zur Schule. 「わたしたちは学校に行きます」
疑問文 Gehen wir zur Schule?
「わたしたちは学校に行くのですか?」
お願い Gehen wir zur Schule!
「学校に行きましょう」
Sie gehen zur Schule. 「あなたは学校に行きます」
疑問文 Gehen Sie zur Schule?
「あなたは学校に行きますか?」
お願い Gehen Sie zur Schule!
「学校に行きなさい (行ってください)」
ただこのルール、唯一例外があります。動詞が sein のときです
Wir sind fleißig. 「わたしたちは勤勉です」
Sind wir fleißig? 「わたしたちは勤勉ですか」
Seien wir fleißig! 「勤勉にしましょう」
Sie sind fleißig. 「あなたは勤勉です」
Sind Sie fleißig? 「あなたは勤勉ですか」
Seien Sie fleißig! 「勤勉になりなさい」
☆
さて、今回学ぶ 「命令形」
というは、親称の2人称にたいするものです。
敬称の Sie は単数も複数も同じ形を使いましたが、
親称の2人称では、単数 du と複数 ihr の区別がありますから、「命令形」も二通りあるんですよ。
簡単な方から、頭に入れてください。
〇 親称の2人称複数形 ihr に対する命令形
― 動詞を人称変化 (定動詞化) させて、主語をとります。 (今回は例外もありません。)
gehen 「行く」→ ihr geht →主語をとる Geht! 「(君たち) 行きなさい!」
sehen 「見る」→ ihr seht →主語をとる Seht! 「(君たち) 見なさい!」
sprechen 「話す」→ ihr sprecht →主語をとる Sprecht! 「(君たち) 話しなさい!」
sein 「~である」→ ihr seid →主語をとる Seid fleißig! 「(君たち) 勤勉であれ!」
などなど
次に
〇 親称の2人称単数形 du に対する命令形
これは3つのパターンに分けて覚えます
① 規則的な変化をする動詞の場合
― 不定形から語尾 –en のうち、最後の「n」をとります。
arbeiten 「働く」→語尾から最後の「n」をとる Arbeite! 「働け!」
lernen 「学ぶ」→語尾から最後の「n」をとる Lerne! 「学べ!」
spielen 「遊ぶ、演奏する」→語尾から最後の「n」をとる Spiele! 「遊べ!」
などなど
注意) du の「命令形」は語尾 –en がそっくりなくなって、語幹だけで使われることもあります。→ Schau! 「見て~!」
口調上の問題に過ぎないので気にする必要はありません
② 不規則的な変化をする動詞の場合
― 不定形から語尾 –en をとり、語幹だけにします。
gehen 「行く」→ 語尾 –en をとる Geh! 「行け!」
schlafen 「眠る」→ 語尾 –en をとる Schlaf! 「眠れ!」
trinken 「飲む」→ 語尾 –en をとる Trink! 「飲め!」
などなど
注意) まれに語尾 –e をつけて使われることもあります。口調上の問題に過ぎないので気にする必要はありません
③ 不規則的な変化をする動詞のなかで、現在人称変化で幹母音を「i(e)」に変化させて使う動詞の場合
― du の現在人称変化形から人称語尾 –st をとる (主語も省略します)
sehen 「見る」→ du siehst →主語と人称語尾 –st をとる Sieh! 「見ろ!」
sprechen 「話す」→ du sprichst →主語と人称語尾 –st をとる Sprich! 「話せ!」
nehmen 「取る」→ du nimmst →主語と人称語尾 –st をとる Nimm! 「取れ!」
geben 「与える」→ du gibst →主語と人称語尾 –st をとる Gib! 「くれ!」
helfen 「助ける」→ du hilfst →主語と人称語尾 –st をとる Hilf! 「助けてくれ!」
などなど
注意) Gib! 「くれ!」の発音は「ギープ」と長い母音です
要注意の動詞
sein 「~である」の du にたいする命令形は → Sei! です→ Sei fleißig! 「勤勉であれ!」
werde 「~になる」の du にたいする命令形は → Werde! です→ Werde fleißig! 「勤勉になれ!」
sehen 「見る」の du にたいする命令形にもうひとつ「Siehe!」というのがあります、これは本なんかに出てくる形で「~を見よ (参照)!」という特別な形です
練習問題
日本語を参考に、カッコ内の動詞を適切な形に変えなさい
① Mutti, ( kommen ) mal her!
「ママ、ちょっとこっちに来て~」
② Kinder, ( fertigmachen ) endlich eure Hausaufgaben!
「子供たち、いい加減に宿題を片付けなさい」
③ ( fahren ) doch nicht so schnell!
「そんなにスピードださないで」
④ ( vergessen ) deinen Schirm nicht!
「傘忘れないでね」
⑤ ( bringen ) mir die Zeitung!
「新聞を持ってきてくれ」
⑥ ( warten ) einen Augenblick! ( ihr に対して)
「しばらくお待ちください」
⑦ ( buchstabieren ) den Namen!
「その名前の綴りを教えてください」
⑧ ( aufpassen)!
「気をつけて!」
⑨ ( anrufen ) mich heute Abend noch!
「今晩にでもまた電話下さいな」
⑩ ( nehmen ) doch Platz!
「まあお座り下さい」
⑪ Oh, bitte ( verzeihen )!
「あら、失礼」
⑫ ( lesen ) den Satz noch einmal! ( du と ihr、2通りで)
「その文をもう一回読みなさい」
⑬ ( sein ) ehrlich! ( du と ihr、2通りで)
「正直にしなさい」

解答
① Mutti, ( komm ) mal her!
「ママ、ちょっとこっちに来て~」
② Kinder, ( macht ) endlich eure Hausaufgaben ( fertig )!
「子供たち、いい加減に宿題を片付けなさい」
③ ( Fahr ) doch nicht so schnell!
「そんなにスピードださないで」
④ ( Vergiss ) deinen Schirm nicht!
「傘忘れないでね」
⑤ ( Bring ) mir die Zeitung!
「新聞を持ってきてくれ」
⑥ ( Wartet ) einen Augenblick! ( ihr に対して)
「しばらくお待ちください」
einen Augenblick 副詞的4格です
⑦ ( Buchstabiere ) den Namen!
「その名前の綴りを教えてください」
⑧ ( Pass ) ( auf )!
「気をつけて!」
⑨ ( Ruf ) mich heute Abend noch ( an )!
「今晩にでもまた電話下さいな」
⑩ ( Nimm ) doch Platz!
「まあお座り下さい」
⑪ Oh, bitte ( verzeih )!
「あら、失礼」
⑫ ( Lies ) den Satz noch einmal! ( du に対して )
( Lest ) den Satz noch einmal! ( ihr に対して)
「その文をもう一回読みなさい」
⑬ ( Sei ) ehrlich! ( du に対して)
( Seid ) ehrlich! ( ihr に対して)
「正直にしなさい」
☆
du に対する命令形の補足
語尾 -eln、-ern で終わる動詞の場合は口調上、du の命令形は -le、-re になります。ちょうど ich の現在人称変化と同じになることになります
handeln 「商う」 → Handle!
wandern 「さすらう」 → Wandre!
など
また、tun 「おこなう」の du に対する命令形も口調上の理由から Tue! となります。
命令形
本日のテーマは「命令形」です。
みなさんは、すでにこの文法シリーズの最初のころに 「~しましょう」とか、「~してください」という文章のつくりかたは学びました。復習の意味であらためて確認してみると
wir を主語とする文章では、主語と定動詞をひっくり返すと疑問文になりますが、この同じ形が文末をしり下がりに発音すると「~しましょう」という意味になります。
敬称の2人称 Sie を主語とした文でも、主語と定動詞をひっくり返して、疑問文と同じ形にし、しり下がりに発音すればお願いの文章になります。
見た目の形が疑問文と、誘い、お願いの文では同じなので、疑問文は最後に ? をつけ、発音をしり上がり、それに対して、誘い、お願いの文の方では最後に ! をつけ、発音をしり下がりにします。
Wir gehen zur Schule. 「わたしたちは学校に行きます」
疑問文 Gehen wir zur Schule?

お願い Gehen wir zur Schule!

Sie gehen zur Schule. 「あなたは学校に行きます」
疑問文 Gehen Sie zur Schule?

お願い Gehen Sie zur Schule!

ただこのルール、唯一例外があります。動詞が sein のときです
Wir sind fleißig. 「わたしたちは勤勉です」
Sind wir fleißig? 「わたしたちは勤勉ですか」

Seien wir fleißig! 「勤勉にしましょう」

Sie sind fleißig. 「あなたは勤勉です」
Sind Sie fleißig? 「あなたは勤勉ですか」

Seien Sie fleißig! 「勤勉になりなさい」

☆
さて、今回学ぶ 「命令形」
というは、親称の2人称にたいするものです。
敬称の Sie は単数も複数も同じ形を使いましたが、
親称の2人称では、単数 du と複数 ihr の区別がありますから、「命令形」も二通りあるんですよ。
簡単な方から、頭に入れてください。
〇 親称の2人称複数形 ihr に対する命令形
― 動詞を人称変化 (定動詞化) させて、主語をとります。 (今回は例外もありません。)
gehen 「行く」→ ihr geht →主語をとる Geht! 「(君たち) 行きなさい!」
sehen 「見る」→ ihr seht →主語をとる Seht! 「(君たち) 見なさい!」
sprechen 「話す」→ ihr sprecht →主語をとる Sprecht! 「(君たち) 話しなさい!」
sein 「~である」→ ihr seid →主語をとる Seid fleißig! 「(君たち) 勤勉であれ!」
などなど
次に
〇 親称の2人称単数形 du に対する命令形
これは3つのパターンに分けて覚えます
① 規則的な変化をする動詞の場合
― 不定形から語尾 –en のうち、最後の「n」をとります。
arbeiten 「働く」→語尾から最後の「n」をとる Arbeite! 「働け!」
lernen 「学ぶ」→語尾から最後の「n」をとる Lerne! 「学べ!」
spielen 「遊ぶ、演奏する」→語尾から最後の「n」をとる Spiele! 「遊べ!」
などなど
注意) du の「命令形」は語尾 –en がそっくりなくなって、語幹だけで使われることもあります。→ Schau! 「見て~!」
口調上の問題に過ぎないので気にする必要はありません
② 不規則的な変化をする動詞の場合
― 不定形から語尾 –en をとり、語幹だけにします。
gehen 「行く」→ 語尾 –en をとる Geh! 「行け!」
schlafen 「眠る」→ 語尾 –en をとる Schlaf! 「眠れ!」
trinken 「飲む」→ 語尾 –en をとる Trink! 「飲め!」
などなど
注意) まれに語尾 –e をつけて使われることもあります。口調上の問題に過ぎないので気にする必要はありません
③ 不規則的な変化をする動詞のなかで、現在人称変化で幹母音を「i(e)」に変化させて使う動詞の場合
― du の現在人称変化形から人称語尾 –st をとる (主語も省略します)
sehen 「見る」→ du siehst →主語と人称語尾 –st をとる Sieh! 「見ろ!」
sprechen 「話す」→ du sprichst →主語と人称語尾 –st をとる Sprich! 「話せ!」
nehmen 「取る」→ du nimmst →主語と人称語尾 –st をとる Nimm! 「取れ!」
geben 「与える」→ du gibst →主語と人称語尾 –st をとる Gib! 「くれ!」
helfen 「助ける」→ du hilfst →主語と人称語尾 –st をとる Hilf! 「助けてくれ!」
などなど
注意) Gib! 「くれ!」の発音は「ギープ」と長い母音です
要注意の動詞
sein 「~である」の du にたいする命令形は → Sei! です→ Sei fleißig! 「勤勉であれ!」
werde 「~になる」の du にたいする命令形は → Werde! です→ Werde fleißig! 「勤勉になれ!」
sehen 「見る」の du にたいする命令形にもうひとつ「Siehe!」というのがあります、これは本なんかに出てくる形で「~を見よ (参照)!」という特別な形です
練習問題
日本語を参考に、カッコ内の動詞を適切な形に変えなさい
① Mutti, ( kommen ) mal her!
「ママ、ちょっとこっちに来て~」
② Kinder, ( fertigmachen ) endlich eure Hausaufgaben!
「子供たち、いい加減に宿題を片付けなさい」
③ ( fahren ) doch nicht so schnell!
「そんなにスピードださないで」
④ ( vergessen ) deinen Schirm nicht!
「傘忘れないでね」
⑤ ( bringen ) mir die Zeitung!
「新聞を持ってきてくれ」
⑥ ( warten ) einen Augenblick! ( ihr に対して)
「しばらくお待ちください」
⑦ ( buchstabieren ) den Namen!
「その名前の綴りを教えてください」
⑧ ( aufpassen)!
「気をつけて!」
⑨ ( anrufen ) mich heute Abend noch!
「今晩にでもまた電話下さいな」
⑩ ( nehmen ) doch Platz!
「まあお座り下さい」
⑪ Oh, bitte ( verzeihen )!
「あら、失礼」
⑫ ( lesen ) den Satz noch einmal! ( du と ihr、2通りで)
「その文をもう一回読みなさい」
⑬ ( sein ) ehrlich! ( du と ihr、2通りで)
「正直にしなさい」

解答
① Mutti, ( komm ) mal her!
「ママ、ちょっとこっちに来て~」
② Kinder, ( macht ) endlich eure Hausaufgaben ( fertig )!
「子供たち、いい加減に宿題を片付けなさい」
③ ( Fahr ) doch nicht so schnell!
「そんなにスピードださないで」
④ ( Vergiss ) deinen Schirm nicht!
「傘忘れないでね」
⑤ ( Bring ) mir die Zeitung!
「新聞を持ってきてくれ」
⑥ ( Wartet ) einen Augenblick! ( ihr に対して)
「しばらくお待ちください」
einen Augenblick 副詞的4格です
⑦ ( Buchstabiere ) den Namen!
「その名前の綴りを教えてください」
⑧ ( Pass ) ( auf )!
「気をつけて!」
⑨ ( Ruf ) mich heute Abend noch ( an )!
「今晩にでもまた電話下さいな」
⑩ ( Nimm ) doch Platz!
「まあお座り下さい」
⑪ Oh, bitte ( verzeih )!
「あら、失礼」
⑫ ( Lies ) den Satz noch einmal! ( du に対して )
( Lest ) den Satz noch einmal! ( ihr に対して)
「その文をもう一回読みなさい」
⑬ ( Sei ) ehrlich! ( du に対して)
( Seid ) ehrlich! ( ihr に対して)
「正直にしなさい」
☆
du に対する命令形の補足
語尾 -eln、-ern で終わる動詞の場合は口調上、du の命令形は -le、-re になります。ちょうど ich の現在人称変化と同じになることになります
handeln 「商う」 → Handle!
wandern 「さすらう」 → Wandre!
など
また、tun 「おこなう」の du に対する命令形も口調上の理由から Tue! となります。
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