ヨハン先生のドイツ語フランス語三昧

ドイツ語、フランス語をはじめて学ぶ人からブラシュ・アプしたいと思っている人まで、楽しく、しっかり身につくブログです

ドイツ語を学びましょう 第25日目定動詞と枠構造・まとめ

2012-05-28 23:38:07 | ドイツ語文法学習
第25日目

まとめ

さて第25日目の本日は、定動詞と枠構造についてのまとめです。


文章の語順を表にしたものを締めくくりにもう一度見てみましょう ↓

△ (定動詞 A ) △ △ (枠に挟まれた成分 B )・・・(定動詞のパートナー C )


これまで色々な動詞のケースをとりあげ
定動詞 A がドイツ語では文章の第2位の位置に置かれること
文末 C には A の大切なパートナーが置かれること
そして A と C が両脇から枠をつくり、他の文章成分 B を挟み込むこと
をみてきました

〇 第2位の位置に来る定動詞と文末に置かれるそのパートナーをもう一度具体的な文章について確認すると

(あ) Er spricht(A) schon sehr gut Deutsch(C).

この文では定動詞 spricht の直接目的語である Deutsch とで枠がつくられています。


これにさらに話法の助動詞が定動詞として加わると、本動詞 spricht は不定形 sprechen になって文末にさがって新たな枠をつくります。(あ)で文末に置かれていた Deutsch は一つ繰り上がった位置にきます。

→ Er kann(A) schon sehr gut Deutsch sprechen(C).   


次に前綴りのついた動詞のうち、前綴りが分離するパターンの動詞の場合、

(い) Er steht(A) jeden Morgen sehr früh auf(C).
    
このように分離動詞は定動詞化されると前綴りが分離して、文末に置かれて枠がつくられます
これにさらに話法の助動詞が加わると、分離動詞は再び辞書に出てくる前綴りが分離していない形の不定形になって、文末に置かれて新たな枠をつくります

→ Er muss(A) jeden Morgen sehr früh aufstehen(C).
  

〇 枠に挟まれた文の途中(B) の語順

これは原則として後ろにいくほど重くなります。
どういうことか、これも図示すると、定動詞と文末のパートナーの中間の語順は、成分の軽いものから重いものに向かっておいていきます

△ (定動詞) ・・・・4・3・2・(1=定動詞のパートナー). ← こんな感じです。

Wir gehen(A) heute(3) mit dem Lehrer(2) ins Kino(1=C).「私たちは今日先生と一緒に映画に行きます」


・文頭△には必ずしも主語を立てる必要はありません。ただ文頭に出せるのは文の一成分だけです ( 単語1つという意味ではありませんよ )

→ Heute gehen wir mit dem Lehrer ins Kino. 
→ Mit dem Lehrer gehen wir heute ins Kino.
→ Ins Kino gehen wir heute mit dem Lehrer.

ただしこれは不可 → Heute mit dem Lehrer gehen wir ins Kino.

ドイツ語では語順は守るべきことを守れば、あとはかなり自由です。
原則、後ろにだんだん意味の重いものを並べていく性質があると覚えておきましょう。このことは実は日本語の訳と比べてみれば気がつくように、ほぼドイツ語、日本語同じ語順です。日本語とドイツ語の語順で最大に違うのは、ドイツ語では「定動詞」が第2位におかれ、日本語では「動詞」が間違いなく文章の締めくくりに置かれる、ということです。

Aus Italien schickt uns ein deutscher Freund jeden Sommer eine schöne Ansichtskarte.
「イタリアから私たちのところにドイツ人の友達が毎夏美しい絵葉書を送ってきます


前から後ろに意味の軽いものから、重いものを並べていく性質と、枠構造を利用して、自分が特に強調したいものを文末に持ってくることも可能です。
Ein deutscher Freund schickt uns jeden Sommer eine schöne Ansichtskarte aus Italien.


そして繰り返しますが、語順に迷ったら、時の副詞を先頭にだしてしまう、これテクニック!
Jeden Sommer schickt uns ein deutscher Freund aus Italien eine schöne Ansichtskarte.


〇 ただし、次のケースでは定動詞が文頭にきます。枠は守られ文末には定動詞の大切なパートナーが置かれます。

決定疑問文
Lernen Sie auch Deutsch? 「あなたもドイツ語を勉強していますか」
Müssen Sie auch Deutsch lernen? 「あなたもドイツ語を勉強しないといけないのですか」

「~しましょう」という形
Lernen wir immer fleißig Deutsch! 「いつも熱心にドイツ語を勉強しましょう」

「~してください」という形
Sprechen Sie bitte noch ein bisschen lauter! 「お願いですからもう少し大きな声で話してください」









ドイツ語を学びましょう 第24日目定動詞と枠構造15

2012-05-28 00:29:33 | ドイツ語文法学習
第24日目

本日の最初は「話法の助動詞」にさらに前綴りをつけた二つの非分離動詞です。もちろん基礎動詞部分の「話法の助動詞」とは全く別個の動詞になります。でも、現在人称変化は「非分離動詞」のところで勉強したように、不規則に変化します。
先ずは、ご自身で現在人称変化をしてみてください

(あ) bedürfen 意味「~を必要とする」

(い) vermögen 意味「~する力がある」




いかがですか、間違わずに人称変化できましたか?
では、解答を見てみましょう

(あ) bedürfen 意味「~を必要とする」
ich bedarf
du bedarfst
er bedarf

・・・
wir bedürfen
ihr bedürft
sie bedürfen


(い) vermögen 意味「~する力がある」
ich vermag
du vermagst
er vermag

・・・
wir vermögen
ihr vermögt
sie vermögen



前回の練習問題ではあまり種類を多くして、複雑になることは避け、「話法の助動詞」6つに絞りました。
今日は仕上げとして、前回の練習問題で慣れた6つの話法の助動詞と、前回再確認した二つの動詞 ( 話法の助動詞 mögen が接続法という形に変化した möchte と話法の助動詞と似た特殊な変化をする wissen )、そして本日みた bedürfen、vermögen、そして 第18日目で習った werden ( これも未来の助動詞として本動詞不定形と枠をつくります )、この11の動詞について練習問題を出すことにします。

〇 werden の助動詞としての用法
ドイツ語では確定的な未来を表す時には動詞は現在形ですませてしまいます。未来形は不確定的なニュアンス、「~するかもしれない」というケースで使われます。ですから、これも一種の話法の助動詞のような働きをするわけです。

Im Sommer werde ich vielleicht am Sprachkurs in Berlin teil. 「夏にわたしはおそらくベルリンの語学講習会に参加するでしょう」

Cf. 確定的であれば 
Im Sommer nehme ich am Sprachkurs in Berlin teil.

また、一般的に多く目にする用法として
Das werde ich auf keinen Fall tun! 「そんなこと何があってもしませんよ」
Du wirst auch mitkommen! 「お前も一緒に来るんだよ!」
というように主語が一人称のときに「意志」を表したり、二人称のときにはその主語に対する「命令」を表現したりもします。

Sie wird wohl krank sein. 「彼女はたぶん病気なのかもしれません」
というように現在の「推量」の意味でもよく使われます。

Er wird Arzt.
もちろんすでに習ったように、本動詞として「~になる」の意味でも使われます。



練習問題 グループⅠ、グループⅡのカッコに適語を入れ、グループⅠのドイツ語とグループⅡの日本語訳を組み合わせなさい。

グループⅠ
① So ( ) es sein.
② ( ) du es?
③ Die Milch ( ) schnell sauer.
④ Das ( ) keiner Erklärung.
⑤ Er ( ) es wissen.
⑥ ( ) ich das Fenster aufmachen?
⑦ ( ) du Klavier spielen?
⑧ Es ( ) Abend.
⑨ Das Kind ( ) kein Fleisch.
⑩ Der Wind ( ) nicht aufhören.
⑪ Er tut ihr alles, was er ( ).
⑫ Was ( ) Sie trinken?
⑬ Das ( ) wohl so sein.
⑭ Ich ( ) nicht, aber ich ( ).
⑮ Er ( ) jeden Augenblick kommen.
⑯ Er ( ) so was nicht!
⑰ Du ( ) es haben.
⑱ Mein Vater ( ) Sie gern sprechen.

グループⅡ
A (  ) になる。
B (  ) はすぐにすっぱくなります。
C 彼は彼女のために出来ることをなんでもします。
D そうでなくてはならない。
E 何をお飲みになりますか。
F 私はのぞんでいないけど、するしかないんです。
G 彼はそんなことも知らないのか。
H 父が (  ) と話したがっています。
I 風がやみそうにない。
J 君はそれを知っていますか。
K 窓を (  )てもいいですか。
L たぶんそうなんでしょう。
M 君にあげます。
N 彼は今にもやってくるかもしれません。
O それは説明を要しない。
P 君は (  ) をひけますか。
Q この子は肉が (  ) です。
R 彼がそれを知っているに違いない。







解答
① So ( soll ) es sein.
D そうでなくてはならない。 

② ( Weißt ) du es?
J 君はそれを知っていますか。 

③ Die Milch ( wird ) schnell sauer.
B ( ミルク ) はすぐにすっぱくなります。

④ Das ( bedarf ) keiner Erklärung.
O それは説明を要しない。

⑤ Er ( muss ) es wissen.
R 彼がそれを知っているに違いない。

⑥ ( Darf ) ich das Fenster aufmachen?
K 窓を ( あけ ) てもいいですか。

⑦ ( Kannst ) du Klavier spielen?
P 君は ( ピアノ ) をひけますか。

⑧ Es ( wird ) Abend.
A (  ) になる。

⑨ Das Kind ( mag ) kein Fleisch.
Q この子は肉が ( 嫌い ) です。

⑩ Der Wind ( will ) nicht aufhören.
I 風がやみそうにない。

⑪ Er tut ihr alles, was er ( vermag ).
C 彼は彼女のために出来ることをなんでもします。

⑫ Was ( möchten ) Sie trinken?
E 何をお飲みになりますか。

⑬ Das ( wird ) wohl so sein.
L たぶんそうなんでしょう。

⑭ Ich ( will ) nicht, aber ich ( muss ).
F 私はのぞんでいないけど、するしかないんです。

⑮ Er ( kann ) jeden Augenblick kommen.
N 彼は今にもやってくるかもしれません。

⑯ Er ( weiß ) so was nicht!
G 彼はそんなことも知らないのか。

⑰ Du ( sollst ) es haben.
M 君にあげます。

⑱ Mein Vater ( möchte ) Sie gern sprechen.
H 父が ( あなた ) と話したがっています。





ドイツ語を学びましょう 第23日目定動詞と枠構造14

2012-05-26 22:45:43 | ドイツ語文法学習
第23日目

〇 話法の助動詞の現在人称変化と話法の助動詞を使った文章

この文法講座では möchte 「~したい」という形をすでに第10日目のところで扱いました。

ドイツ語では動詞が主語にあわせた人称変化をすること、つまり「定動詞化」されることを、今までさまざまな動詞についてみてきました。知らない単語に出会った時私たちは辞書でその意味を確かめなくてはなりませんが、でもそれが「定動詞化」されている動詞である場合には、正しい形の「不定詞」に戻して引かなければ、辞書には出ていないということになってしまいます。

そこで ― 本日のテーマです ― 今の möchte にも当然「不定形、不定詞」があるはずです。それについてはまだ言及していませんでした。

möchte の「不定形」は mögen という形です。

ずいぶん違う形です。なぜこんなに形が変わってしまっているかというと、möchte は接続法という形になっているからなんです。

今は、しかし、みなさんはそのことを無視していてもかまいません。
möchte の意味が「~したい」となる、ということ、そしてこれは助動詞として他の本動詞の不定形と結びついて使われるということ、そのさい不定形の本動詞が文末に置かれ、枠をつくるということを知っていれば充分です。( 第10日目のところで繰り返し強調して説明しましたように、これは単独で、他の本動詞を省略して使われることもごく普通におこりますから、そのことも忘れないようにしてください )

でも möchte は「定動詞」であるというからには、主語が定まっているということですから、この möchte  という形の主語は何でしょうか? そして他の主語のときにはどう言う形になるのでしょうか? 疑問がわきますね。それを最初に見てみることにしましょう。

möchte の人称変化
ich möchte 
du möchtest 
er möchte 

・・・・
wir möchten 
ihr möchtet 
sie möchten


先ずは、よく発音してみてくださいね。この人称変化に大きな特徴があることに気が付くはずです。

一人称単数 ich と三人称単数 er のところが同じ形になっている!!!

既に習って来たところでは、もう一つだけ、このように一人称単数 ich と三人称単数 er の人称変化が同じ形になる動詞がありました。覚えていますか?

wissen  「知っている」という動詞です。( 第18日目 )

ich weiß
du weißt
er weiß

・・・・
wir wissen
ihr wisst
sie wissen


この wissen は助動詞ではありませんので、本当に特殊な変化をする動詞だと言うことが出来ます。
それを踏まえた上で、本日のテーマ、助動詞の種類とその現在人称変化をこれから見ていきましょう。

今、注意した一人称単数 ich と三人称単数 er の人称変化が同じになること、これはこれから見ていく「話法の助動詞」と呼ばれる助動詞すべてに共通する特徴なのです!!

〇 話法の助動詞6つあります。

(注意) haben、sein、werden も助動詞として使われますが、これらは時制の助動詞です。時制の助動詞は文章の時制を変えるために使われるのに対して、話法の助動詞は、文章のニュアンスを変化させるために使われるグループの助動詞です。以下にそれぞれの「話法の助動詞」の代表的な意味も掲げておきますが、同じ一つの「話法の助動詞」にも意味は多様にありますから、そのことも先ずは頭に入れておいてください。

können 「~できる」
ich kann
du kannst
er kann


・・・
wir können 
ihr könnt
sie können
 


müssen 「~しなければならない」
ich muss
du musst
er muss

・・・
wir müssen
ihr müsst
sie müssen


wollen 「~したい、~するつもりだ」(主語の意思)、「~だと主張する」
ich will
du willst
er will

・・・
wir wollen
ihr wollt
sie wollen


sollen 「~すべきだ」(他者の主語に対する意思)、「~だということだ」(噂)
ich soll
du sollst
er soll

・・・
wir sollen
ihr sollt
sie sollen


dürfen 「~してよい」
ich darf
du darfst
er darf

・・・
wir dürfen
ihr dürft
sie dürfen


mögen 「~が好きだ」、「~かもしれない」
ich mag
du magst
er mag

・・・
wir mögen
ihr mögt
sie mögen


なんども、なんども発音して、しっかり身につけてね!!!

〇 単数では不定形と幹母音が変わります!!! 変わらないのは sollen だけです。 
〇 主語が単数 ich と er のときの形が同じです。 
〇 主語が複数のときはすべて規則的に変化します。 






では最後に、話法の助動詞についての練習問題を出しますので、チャレンジして下さい。

練習問題
 日本語を参考に、カッコのなかに適切な話法の動詞を正しい形にして入れなさい

① Er ( ) schon gut Deutsch sprechen.
「彼はもう上手にドイツ語を話すことができます」

② Ich ( ) jetzt leider nach Hause gehen.
「残念ですがもう家に帰らないといけません」

③ Die Studentin ( ) noch heute abreisen.
「その女子学生は今日にも旅立ちたいと望んでいる」

④ ( ) ich fragen?
「質問していいですか」

⑤ Jetzt ( ) ich nichts essen.
「今何も食べたくありません」

⑥ Niemand ( ) so etwas sagen.
「誰もそんなことを言うべきではありません」

⑦ Hier ( ) man nicht rauchen.
「ここは禁煙ですよ」

⑧ Der Onkel ( ) schwer krank sein.
「おじは重い病にかかっているに違いありません」

⑨ ( ) ihr morgen wieder kommen?
「君たちは明日また来られますか」

⑩ Die Mutter ( ) jeden Morgen um 6 Uhr aufstehen.
「母は毎朝六時に起きなくてはなりません」

⑪ Der Zeuge ( ) nichts wissen.
「証人は何も知らないと言い張ります」

⑫ ( ) Sie diesen Wein?
「このワインはお好きですか」

⑬ Die Fische ( ) schwimmen.
「さかなは泳ぐことができます」

⑭ Niemand ( ) hier hinein.
「だれもここに入ってはいけません」

⑮ Er ( ) zu mir kommen.
「彼に私のところに来てもらいたい」

⑯ Wo ( ) sie hin?
「彼らはどこに行くつもりですか」

⑰ Seine Tante ( ) sehr reich sein.
「かれのおばさんはとても金持ちだそうだ」

⑱ Sie ( ) etwa siebzig Jahre alt sein.
「彼女は70歳くらいかもしれません」







解答
① Er ( kann ) schon gut Deutsch sprechen.
「彼はもう上手にドイツ語を話すことができます」 


② Ich ( muss ) jetzt leider nach Hause gehen.
「残念ですがもう家に帰らないといけません」 


③ Die Studentin ( will ) noch heute abreisen.
その女子学生は今日にも旅立ちたいと望んでいる」 


④ ( Darf ) ich fragen?
「質問していいですか」

 *ここでは許可を聞いているわけですから、Kann ich fragen? は不適切です。でも実際には初学者のなかにはこうした言い方をする人が多いので気をつけてね。Kann ich ~ は「~出来ますか」という聞き方ですから、自分のことなのに不自然なことを聞く人だと、受け取られてしまいます。Kann ich Ihnen helfen? 「何か私にお手伝いできることがありますか」、この場合は Kann ich ~ は正しい使い方になります。

⑤ Jetzt ( mag ) ich nichts essen.
「今何も食べたくありません」

 *意志として食べない、というのであれば Jetzt will ich nichts essen. と言う形も可能です。ここでは、それほど強い意志の問題としてでなく、単純に「食べたい」気持ちがわかない、という意味で mag です。

⑥ Niemand ( soll ) so etwas sagen.
「誰もそんなことを言うべきではありません」

 *ここでは Niemand darf ~ もありえますね

⑦ Hier ( darf ) man nicht rauchen.
「ここは禁煙ですよ」


⑧ Der Onkel ( muss ) schwer krank sein.
「おじは重い病にかかっているに違いありません」


⑨ ( Könnt ) ihr morgen wieder kommen?
「君たちは明日また来られますか」


⑩ Die Mutter ( muss ) jeden Morgen um 6 Uhr aufstehen.
「母は毎朝六時に起きなくてはなりません」


⑪ Der Zeuge ( will ) nichts wissen.
「証人は何も知らないと言い張ります」

 *will は「主張している」という意味です

⑫ ( Mögen ) Sie diesen Wein?
「このワインはお好きですか」

 *とくにこの mögen の用例ではっきり分かると思いますが、「話法の助動詞」でも、単独の動詞として使われるケースも多いですよ

⑬ Die Fische ( können ) schwimmen.
「さかなは泳ぐことができます」


⑭ Niemand ( darf ) hier hinein.
「だれもここに入ってはいけません」

 *この文章でも文末には不定詞がありませんね? hinein 「中へ」という言葉で gehen あるいは treten といった動詞を省略しても十分意味が伝わる時にはこのように省略されることも多いです。 Ich will nach Hause. 「私は帰りたい」などもそうです。

⑮ Er ( soll ) zu mir kommen.
「彼に私のところに来てもらいたい」

 *sollen は主語に対する他者の意志を表します。あまり「~すべきだ」という訳に頼らないで、状況を判断して日本語としてふさわしい訳語を探すようにしてね

⑯ Wo ( wollen ) sie hin?
「彼らはどこに行くつもりですか」

 *先ほどの⑭の問題と同じです。ここの主語 sie は小文字でしょ? 「あなた」ではありません

⑰ Seine Tante ( soll ) sehr reich rein.
「かれのおばさんはとても金持ちだそうだ」

 *噂の sollen です

⑱ Sie ( mag ) etwa siebzig Jahre alt sein.
「彼女は70歳くらいかもしれません」

 *推測を表す mögen です。可能性として können を使うこともできます。




ドイツ語を学びましょう 第22日目定動詞と枠構造13

2012-05-24 16:46:08 | ドイツ語文法学習
第22日目


分離・非分離両用の前綴り

ヨハンは前回、第21日目の練習問題に次の文章を出しました。↓
Wir sehen uns bald wieder. 「また近いうちに会いましょう」

この文章から動詞を不定形にして取り出しなさい、と問われたら、練習問題の逆のプロセスで、 sehen・・・wieder を一つにして、wiedersehen に戻りますね。
これは前綴り wieder にアクセントが置かれる「分離動詞」です。
分離動詞が使われた文章では、その動詞の意味を知りたいとき、前綴りを元に戻して辞書を引かないと正しい意味をみつけられないので、くれぐれも注意して下さい。

ところで、しかし、日常次の文章を耳にすることも非常に多いはずです。↓
Bitte, wiederholen Sie den Satz noch einmal! 「お願いです、もう一度文章を繰り返して下さい」

今の文章と同じように、この文章に使われている動詞を不定形で取りだしなさい、と問われたらどうなりますか?
答えはもちろん wiederholen となりますね?
この場合のアクセントの位置は前綴りの方ではなくて、 基礎動詞 holen に置かれます。発音「ヴィーダーホーレン」、意味「繰り返す」という非分離動詞だからです。

wieder は最初に記憶したアクセントを持たない7つの非分離の前綴りには入ってなかったのに、このように非分離の前綴りとしても登場することがあるのです。

この仲間に入る前綴りは
durch- hinter- über- um- unter- voll- wider- wieder-
8つで、「分離・非分離両用の前綴り」と言います。

これはゴロで覚えるには不向きなので、ここでの注意点をしっかりと記憶しておいてください。

〇 両用の前綴りが、「分離動詞」をつくるときには、アクセントは前綴りに置かれ、意味は前綴りの意味+基礎動詞の意味、であたらしい単語の意味をつくります。

〇 両用の前綴りが、「非分離動詞」をつくるときには、アクセントは基礎動詞に置かれ、意味は比喩的に変貌したあたらしい単語をつくります。

ルールはすでに習ったことを応用しているだけですが、

〇 「両用の前綴り」をつけた単語で、綴りは全く同じままで、「分離動詞」になる場合と、「非分離動詞」になるものがあるのでくれぐれも注意が必要です!!!

たとえば、今の wiederholen は、辞書には、「分離動詞」としても掲載されていて、意味は「取り戻してくる」となっています。この場合の不定形の発音は「ヴィーダァホーレン」となります

サンプル
Ich hole mir das Buch morgen wieder. 「わたしはその本を明日取り戻しに行く」

これらは綴りは全く同じでも別個の動詞ですから、辞書には分けて出てきます。辞書を引くときにもとの文章では「分離動詞」として使われているのか、「非分離動詞」として使われているのか、見極めたうえで訳語をさがさないといけないわけです。

紛らわしいものをサンプルとして挙げておきますので、どうぞ注意して下さい

umgehen
「分離動詞」 Hier im alten Schloss gehen oft Gespenster um. 「この古いお城にはしばしばお化けが徘徊します」(第21日目の練習問題)
「非分離動詞」 Die Gangsterbande umgeht geschickt das Gesetz. 「ギャング団は巧みに法の網をくぐり抜けていく」

umstellen  「分離」→ 意味「置き換える」
umstellen  「非分離」→ 意味「取り巻く」

durchblicken  「分離」→ 意味「見通す」
durchblicken  「非分離」→ 意味「見抜く」

durchbrechen  「分離」→ 意味「折る」
durchbrechen  「非分離」→ 意味「突破する」

hintergehen  「分離」→ 意味「背後に行く」
hintergehen  「非分離」→ 意味「欺く」

次のが教科書では一番よくサンプルとして登場するものです
übersetzen  「分離」→ 意味「向う側に渡す」
Das Boot setzt die Leute an das andere Ufer über.
「小舟が人々を対岸に運びます」

übersetzen  「非分離」→ 意味「翻訳する」
Der Student übersetzt immer fleißig den Text ins Japanische.
「その学生はいつも熱心にテキストを日本語に訳します」

unterdrücken 「分離」→ 意味「下に押しつける」
unterdrücken 「非分離」→ 意味「抑圧する」

vollgießen 「分離」→ 意味「一杯に注ぐ」
vollbringen 「非分離」→ 意味「完成する」

最後の wider は発音は wieder と同じですが、綴りが違うので混同しないように気をつけてね、 wider のほうは英語で言うと against の意味を持つ前綴りです

widerstrahlen 「分離」→ 意味「反射する」
widersprechen 「非分離」→ 意味「矛盾する」





本日は練習問題の代わりとして既出の例文を織り交ぜ、他にも文例を出しますので、日本語を参考に、ドイツ語をよく発音し、「分離動詞」、「非分離動詞」の区別を意識して、違いに習熟して下さい

Er holt sich den Titel wieder.
「彼はタイトルを取り戻す」

Das Boot setzt die Leute an das andere Ufer über.
「小舟が人々を対岸に運びます」

Der Student übersetzt immer fleißig den Text ins Japanische.
「その学生はいつも熱心にテキストを日本語に訳します」

Die Gangsterbande umgeht geschickt das Gesetz. 
「ギャング団は巧みに法の網をくぐり抜けていく」

Hier im alten Schloss gehen oft Gespenster um. 
「この古いお城にはしばしばお化けが徘徊します」

Ich hole mir das Buch morgen wieder. 
「わたしはその本を明日取り戻しに行く」

Bitte, wiederholen Sie den Satz noch einmal!
「お願いです、もう一度文章を繰り返して下さい」

Wir sehen uns bald wieder. 
「また近いうちに会いましょう」

Du widersprichst dir selbst.
「君は自己矛盾してるよ」

Er unterdrückt seinen Zorn.
「彼は怒りを抑える」

Gießen Sie das Glas bitte voll!
「グラスになみなみ注いでください」


Er hintergeht seine Frau mit einer anderen.
「彼は他の女性と (関係して) 妻を裏切る

Die Sonne durchblitzt die Wolken.
「太陽が雲間から光を届けます」

Das Wasser spiegelt die Spaziergänger wider.
「水面にハイカーたちの姿がうつります」

Das Kind vollbringt ein Wunder.
「この子は奇跡を成し遂げる」 


ドイツ語を学びましょう 第21日目定動詞と枠構造12

2012-05-21 23:45:38 | ドイツ語文法学習
第21日目

複合動詞を使った文章 (2) 分離動詞の文章

〇 分離動詞はタイトル通り、実際の文章においては定動詞となると前綴りが分離し ます ( 不定形ではもちろん辞書に出てくる形ですから、分離はしません、分離するのは「定動詞」となったときです )。そして、分離された前綴りは文末に置かます 。もともと不定形では一つだったものが、定動詞化されて前綴りが分離するわけですから、とうぜん第2位に置かれた基礎動詞にとっての最も大切なパートナーである前綴りが文末に置かれるのです。

Ich gehe heute aus.
「わたしは今日外出します」
ただし cf → Ich möchte heute ausgehen. 「私は今日外出したい」

Vater kommt spät nach Hause zurück.
「父は遅く帰宅します」

Die Sonne geht schon unter. Der Mond geht jetzt auf.
「日がもう沈み、月が今でる」

どうですか? 定動詞と前綴りがみごとにをつくっているでしょ?
これが本来のわく構造です。なにしろもともとひとつの動詞が分離しているわけですから、定動詞にとって、前綴りが大切なパートーナーであることは言うまでもありません。

こうした本来のわく構造では、否定詞 nicht は全文否定でも、前綴りの直前に置かれます

Ich gehe heute nicht aus.
「わたしは今日外出しない」

前綴り aus の直前に置かれた nicht は aus を否定することになりますが、その aus は定動詞 gehen と分離動詞をつくっているわけですから、結局定動詞が否定されるからです。
cf. 部分否定として可能な形
→ Ich gehe nicht heute aus.  「私は今日は外出しない」(heute を部分否定)

→ Nicht ich gehe heute aus.  「今日外出するのは私ではない」(ich を部分否定)
となります。




では既出 ( 10語 ) のものを含め、次の分離動詞、計30語、をアクセントに気をつけ発音し、意味とともに暗記しなさい。( 既出の単語の意味は思い出して下さい、忘れていたら前に戻って確かめてね )

aufblühen  「開花する」
aufgeben  「あきらめる」  →geben 
aufgehen  (既出)
aufhören  「やめる」
aufnehmen  「とりあげる」  →nehmen 
aufstehen 「起床する」
aufwärtsgehen  (既出)
ausgehen  (既出)
aussteigen  「下車する」
bekanntmachen  「知らせる」
einladen  「招待する」  →laden
einschlafen  「眠りこむ」  →schlafen
einsteigen  「乗車する」
haushalten  (既出)  →halten
hineingehen  (既出)
kennenlernen  (既出)
mitteilen  「伝える」
teilnehmen  「参加する」  →nehmen
totärgern  (既出)
umgehen  (既出)
umsteigen  「乗り換える」
untergehen  (既出)
vorschlagen  「提案する」  →schlagen
vorstellen  「紹介する」
vortragen  「講演する」  →tragen
weitersagen  「さらに次の人に言う」
wiedersehen  「再び見る」  →sehen
zurückgehen  「戻っていく」
zurückkommen  (既出)
zustimmen  「賛成する」

(注意) 矢印 → で基礎動詞を示してあるものは、現在人称変化で幹母音が変わるものです



では、これらの動詞30個をなんども発音して、意味とともに記憶できたら、実際の文章でチェックです



練習問題 日本語訳を参考に、カッコのなかを埋めなさい

① Das Baby ( ) sofort ( ).  
「赤ん坊はすぐにねてしまいます」

② Vater ( ) morgen wieder ( ).  
「父は明日戻ってまいります」

③ Unser Lehrer ( ) uns Studenten zum Abendessen ( ).
「先生が私たち学生を夕食に招待します」
 *uns Studenten は同格で、「私たち大学生たちを」という意味です

④ Wir ( ) uns bald ( ).  
「また近いうちに会いましょう」

⑤ Ich ( ) Ihnen ( ).
「私はあなたの意見に賛成です」

⑥ Hier im alten Schloss ( ) oft Gespenster ( ).
「この古いお城にはしばしばお化けが徘徊します」
 *Gespenster 発音「ゲシュンスタァ」、複数形です (単数形は Gespenst )

⑦ Er ( ) seinem Chef einen neunen Plan ( ).
「彼はボスに新しい計画を提案します」

⑧ Der Chef ( ) seinen Vorschlag ( ).
「ボスは彼の提案を採用する」
 *Vorschlag 発音「フォーァシュラーク」

⑨ Endlich ( ) die Kirschblühten in Japan ( ).  
「日本ではようやく桜の花が咲きます」
 * Kirschblühten 「桜の花」は複数形です (単数形は Kirschblühte、ちなみに Blume は「草花」、この Blühte は「樹花」です )

⑩ Bitte, ( ) Sie es nicht ( )!
「ほかの人には言わないでね」

⑪ Er ( ) die Hoffnung nicht ( ).
「彼は希望をすてません」

⑫ Er ( ) uns den Unfall von gestern ( ).
「彼が我々に昨日の事故について知らせてくれる」

⑬ Die Amerikaner ( ) in Osaka ( ).  
「あのアメリカ人たちは大阪で乗車します」

⑭ Die Deutsche ( ) in Kioto ( ).  
「あのドイツ人女性は京都で下車します」

⑮ Er ( ) uns seine Braut ( ).
「彼はわたしたちに花嫁を紹介します」

⑯ Wo ( ) du ( )?  
「君はどこで乗り換えですか?」

⑰ Wann ( ) euer Sohn mongens ( )?
「おたくの息子さんは朝何時におきるのですか?」
 *morgens は「朝には」という副詞です、morgen は「あした」という副詞、そして Morgen は「朝」という名詞です

⑱ ( ) er auch am Sprachkurs in München ( ).
「彼もミュンヒェンの語学講習会に参加しますか」

⑲ Unser Sohn ( ) oft nachts ( ).
「うちの息子はしばしば夜外出します」
 *nachts は「夜には」という副詞です

⑳ ( ) Sie doch endlich mit dem Geschrei ( )!
「お願いだからいい加減に大声出すのをやめてください」
 *Geschrei 発音「ゲシュらイ







解答

① Das Baby ( schläft ) sofort ( ein ).  
「赤ん坊はすぐにねてしまいます」

② Vater ( kommt ) morgen wieder ( zurück ).  
「父は明日戻ってまいります」

③ Unser Lehrer ( lädt ) uns Studenten zum Abendessen ( ein ).
「先生が私たち学生を夕食に招待します」

④ Wir ( sehen ) uns bald ( wieder ).  
「また近いうちに会いましょう」

⑤ Ich ( stimme ) Ihnen ( zu ).
「私はあなたの意見に賛成です」

⑥ Hier im alten Schloss ( gehen ) oft Gespenster ( um ).
「この古いお城にはしばしばお化けが徘徊します」

⑦ Er ( schlägt ) seinem Chef einen neunen Plan ( vor ).
「彼はボスに新しい計画を提案します」

⑧ Der Chef ( nimmt ) seinen Vorschlag ( auf ).
「ボスは彼の提案を採用する」

⑨ Endlich ( blühen ) die Kirschblühten in Japan ( auf ).  
「日本ではようやく桜の花が咲きます」

⑩ Bitte, ( sagen ) Sie es nicht ( weiter )!
「ほかの人には言わないでね」

⑪ Er ( gibt ) die Hoffnung nicht ( auf ).
「彼は希望をすてません」

⑫ Er ( teilt ) uns den Unfall von gestern ( mit ).
「彼が我々に昨日の事故について知らせてくれる」

⑬ Die Amerikaner ( steigen ) in Osaka ( ein ).  
「あのアメリカ人たちは大阪で乗車します」

⑭ Die Deutsche (  steigt ) in Kioto (  aus ). 
「あのドイツ人女性は京都で下車します」 

 (注意) Deutsche だけだと「男のドイツ人たち」、「女のドイツ人たち」どちらの意味にもなりますが、die Deutsche は「女のドイツ人」(単数形) という意味です。したがってカッコの中に入る動詞は ( steigt ) でないといけまん。
ちなみに一つ前の問題の場合で言うと、Amerikaner は「男のアメリカ人」とも「男のアメリカ人たち」ともどちらの意味にもなりますが、die Amerikaner となっているので「男のアメリカ人たち」になります。
初学者のみなさんにはまだここでは習っていないので、なぜそうなるかの理由は今問わずに例文とその日本語訳の関係だけに着目していてください。これはヨハンとしては映画でいうと予告編のような考え方であえてだしているものです。

⑮ Er ( stellt ) uns seine Braut ( vor ).
「彼はわたしたちに花嫁を紹介します」

⑯ Wo ( steigst ) du ( um )?  
「君はどこで乗り換えですか?」

⑰ Wann ( steht ) euer Sohn mongens ( auf )?
「おたくの息子さんは明日何時におきるのですか?」

⑱  ( Nimmt ) er auch am Sprachkurs in München ( teil )?
「彼もミュンヒェンの語学講習会に参加しますか」 

 *an ~teilnehmen 「~に参加する」

⑲ Unser Sohn ( geht ) oft nachts ( aus ).
「うちの息子はしばしば夜外出します」

⑳ ( Hören ) Sie doch endlich mit dem Geschrei ( auf )!
「お願いだからいい加減に大声出すのをやめてください」

 *mit ~aufhören 「~をやめる」