ヨハン先生のドイツ語フランス語三昧

ドイツ語、フランス語をはじめて学ぶ人からブラシュ・アプしたいと思っている人まで、楽しく、しっかり身につくブログです

フランス語の文章構造の基本を理解しよう (6) S+V

2014-02-27 10:00:00 | フランス語文章構造の基本
外国語を学ぶときの学習の重点はもちろん、単語がどう変化するか、その変化のルールを学ぶことに置かれます。それが文法を学ぶということの意味です

「わたし」「日本」「くる」「まだ」「一年」

このようにゼンジー北京さんみたいに単語をズラズラ並べるだけでも意味が通じなくはないですが、やはりとても滑稽な話し方です
どの品詞がどういうルールでどう変化するものなのか、についての基本はおさえておかなくてはなりません

これまでのところ、「不定詞」と「定動詞」の区別に重点をおいて、さまざまな動詞についてみてきました
最初のテーマが「不定詞が使われるケース」でしたから、動詞の変化そのもの、「定動詞」がどのようなルールに従って変化しているのか、についてはあえて話しませんでした。
先ずは実際の文章サンプルでたくさんの用例にじかに触れることが大切だと思うからです
用例をたくさん身につけていくと、脳の方も自然とそこに法則性を感じ取り、まとめをしてくれます
これからも、どの品詞がどういうルールでどう変化するか、その基本を実際の文例で身に着けていこう、というのがこのシリーズのコンセプトです
そして話の中心はつねに、文章を成立させるための不可欠な要素である「主語」と「動詞」の関係です



先ず、手始めに「主語」と「動詞」だけで文章が成立しているケース、目的語がない文章から見ていくことにしましょう


S+V で構成される文章

自動詞とよばれるものですね

aller 「行く」 とか venir 「来る」 とか、また、pleuvoir 「雨が降る」といった動詞です

みなさんはデカルトのこの有名な言葉はもちろん知っていることと思います

「われ思う、故にわれあり」

この文章を実際のフランス語でみると、こうです

Je pense, donc je suis.

ここには二つの主語 ( je 「私は」 ) と二つの「定動詞」 ( pense は「不定詞」 penser 「思う」が主語 je に「定動詞化」されたもの、そして suis は必須中の必須動詞 être が同じように主語  je に「定動詞化」されたものです) が使われています
この二つ目の動詞 être の方の意味は「ある、存在している」ということになります。今回のテーマ S+Vで成立する代表選手のようなものです。

Je suis. 私は存在している

これは、Il pleut. 雨が降る ( il は天気の表現で使われる非人称の主語ですから、訳には登場しません) 
と同じくらい、文章を成立させるために必要とされる成分をたった二語で完璧に備えた文章です

でも、私たちは文章を豊かにするために Il pleut maintenant.「今雨が降っている」というように飾りをつけ足したりします
Je suis. の方でいえば、Je suis là. とすれば「私はそこにいます」という意味になります。

では、文章成立に必要最小限の要素、S+V で出来ている (あるいはそこに飾りがついた) 文章を見ていくことにいたしましょう

Quand on parle du loup, il est là. ( parle は不定詞「  parler 」、 loup 「おおかみ」の発音は「ル」)
噂をすれば影 ( オオカミの話をすると、そこにいるぞ )

Ils vont à la campagne. ( vont は不定詞「 aller 」 )
彼らは田舎に行く

Ça va. ( va の不定詞も 「 aller 」 )
よろしい

Je ne marche pas. ( marche は不定詞「 marcher 」)
やだよ (わたしはその手にのって進まない)

Ça suffit. ( suffit は不定詞「 suffire 」)
やめろ (もう十分だ)

Ça sent bon. ( sent は不定詞「 sentir 」)
いい匂いだ

Ça dépand. ( dépand は不定詞「 dépendre 」)
(それは) 場合による

Monte vite, le train va partir. ( monte は不定詞「 monter 」の tu に対する命令形 )
早く乗って、電車が出るよ

Les fleuves descendent vers la mer. ( descendent は不定詞「 descendre 」)
川は海に向かって流れる(下っていく)

Au printemps, les cerisiers fleurissent. ( fleurissent は不定詞「  fleurir 」)
春には桜の花が咲く

Je n’y manquerai pas. ( manquerai は不定詞「 manquer 」の未来形 )
必ずそうします (忘れません)

Je suis né à Tokyo. ( né は不定詞「 naître 」の過去分詞、したがってここでの「定動詞」は suis の方です )
私は東京生まれです

Le mur de Berlin est tombé en 1989. ( tombé は不定詞「 tomber 」の過去分詞、したがってここでの「定動詞」は est の方です )
ベルリンの壁は1989に崩壊した

Mes lunettes ont disparu. ( disparu は不定詞「 disparaître 」の過去分詞、したがってここでの「定動詞」は ont の方です、ont の不定詞は「 avoir 」 )
メガネがなくなった
 (注) 自動詞の完了形には助動詞として être が使われるのが普通ですが、disparaître は完了の助動詞として avoir を使います




主語と動詞を並べ、さらにそこにいろいろと飾りの言葉をつければまだまだいくらでもこうした文章をつくることができます。
しかし、こうした文章と次の文章の間には文法上の決定的な違いが存在します



Il est petit. 彼は小さい

この文章には S+V の他にさらに補語 ( C ) → petit という文章要素が付け加わっています

次回はこの S+V+C の文章パターンを見ることにしましょう


フランス語(ドイツ語)をステップアップしたいと思っているあなたに (5)

2014-02-26 11:21:03 | ドイツ語、フランス語
ヨハンはこのブログではドイツ語の初級文法について、動詞を中心に108回のシリーズを書きました (右側のカテゴリーの項目の「ドイツ語文法学習」)
そのときにも書きましたが、私たち日本人が外国語を覚える、というときのイメージでは、どうしても置き換え可能な(と信じている)名詞をどれだけたくさん覚えるか、という固定観念に陥っています。

しかし、cleptomanie  「窃盗狂」とか、semi-conducteur 「半導体」、はたまた tumeur 「腫瘍」やら embouteillage 「渋滞」... こうした初級ではあまり目に触れることがない名詞をどんなにたくさん覚えても、それでフランス語検定の4級から3級、さらには2級へとスキルアップしていけるわけではありません

先ず第一に「単語は文章の中でしか意味を持ちえない」し
次に「文章はコンテクストのなかで意味が成立するもの」だからです

つまり、肝心なのは、「文章を成立させる」っていうのはどういうことなのか、をしっかり意識することです

日本語では主語は往々にして隠されています

「かわいい赤ちゃん」

これは、誰がそう言っているのか、わからない文章です
でも、日本語ではこうした主語なし文が状況で理解可能なものとして発話され、受容されているのです (「かわいい赤ちゃんが笑っている」のか、「誘拐されたのはかわいい赤ちゃんだった」のか、「妹夫婦にできたのはかわいい赤ちゃんだね」と言っているのか、というように)

しかし、ドイツ語でも、フランス語でも、英語でも主語と動詞が文章の基本をなしていて、動詞が省略されて文章は成立しませんし、その動詞は主語が定まって「定動詞」となってはじめて文章が意味を持ちます
このことが外国語としてのドイツ語でも、フランス語でも学習のスタートラインにならなくてはならないのです

「学校」「バス」と単語をならべても、「はあ ??」となるしかありませんが
「こども」「学校」「バス」「行く」とならべると
ああ、「子供が学校にバスで行く」のか、と自然と文章が推理できます

外国語を学ぶということは、文章を成立させるために必要不可欠な「主語」と「動詞」を見極めること、それができれば、「~は~に~で~する」という文章をつないでいく要素も自然と理解され、次に、そうした組立が自分でできるようになってくれば、最終的に、そこに豊富なボキャブラリーを生かすことが可能になるという次第です



この新しいフランス語初級講座シリーズでは、
大学ですでに1年以上学習してきた人を対象にしています

フランス語の授業の最初は、難しい発音の練習に大いに時間がさかれているのではないかと思いますが、ここではそれらは「ドイツ語文法学習」のときとは異なり、省略されています

発音はヒアリングと裏表の関係です

これは音声のない文字ブログですから、みなさんは一年のときの教材のCDをしっかり勉強し直してください
あるいはヨハンがときどきYoutubeの役立ちそうなものをご紹介していますので、そちらでヒアリングの力は磨いてくださいね




これまでこのブログを応援してきてくださったドイツ語学習者のみなさんは、置き去りにされた ??

そういうわけではありません

今まで学習してこられた皆さんは、もう独り立ちして大空へと羽ばたいてください

Youtubeでたくさんブラッシュアップの材料を見つけることができます

この春休みには、例えば
次のYoutube動画 (字幕つきです) を何度も、何度も聞いてヒアリングの力を鍛えましょう

Der größte Schatz
http://www.youtube.com/watch?v=qZ7Vsi4W3BE

いったんウォークマンに録音して、テープをとめながら、タイプの練習をすれば
ヒアリングの力、タイピングの力が身に付くだけではなくて

文法も自然と身につきます

この画像はシリーズでいくつか他の物語も見つかりますから、探して今の課題を次々とこなしていけば、春休みは時間が足りないくらいかもしれません


☆ ☆

フランス語学習者のみなさん、
今の画像にはフランス語バージョンも見つけられます

Le plus beau des trésors
http://www.youtube.com/watch?v=lRknayjuoVc

フランス語はヒアリングの訓練が生命線です !!!

「聞き」、「話し」、「読み」、「書く」の訓練をバランスよく、こつこつと、辛抱強く、しかし、「楽しみながら」続けること、これしか上達の方法はありません



では次回からは、
「フランス語の文章構造の基本を理解しよう」のシリーズの続きに戻ります

フランス語の文章構造の基本を理解しよう (5) 不定詞5

2014-02-26 01:49:22 | フランス語文章構造の基本
à+不定詞 

C’est un peu difficile à retenir. (difficile à+不定詞 「~するのが難しい」)
それはちょっと覚えづらい

C’est plus facile à dire qu’à faire. (facile à+不定詞 「~するのが容易だ」)
言うのは行うより簡単だ

C’est dur à croire. (dur à+不定詞 「~し難い」)
信じがたい

Ça lui apprendra à vivre. (apprendre à+不定詞 「~することを教える、~することを思い知らせる」 apprendra は未来形)
彼にはいい薬だ (ざまあみろ)

La pluie continue à tomber. (continuer à+不定詞 「~し続ける」)
雨が降り続いている

Rien ne vous oblige à accepter. (obliger qn à+不定詞 「(誰々)に~することを強いる」)
あなたが承諾する義務は何もありません

Je suis prêt à partir. (prêt à+不定詞 「~する準備ができている」)
いつでも出発できますよ

Il n’y a pas à hesiter. (Il n’y a pas à+不定詞 「~するには及ばない」)
ためらうには及ばない

J’ai beaucoup à faire. (à+不定詞 「~すべき(こと)」、ここでのbeaucoup は「たくさんのこと」と名詞的に使われている)
やることがたくさんある

Tu n’as rien à faire ici.
ここは君の出番じゃない
(君には関係ない)

Je commence à avoir faim. (commencer à+不定詞 「~し始める」)
お腹がすいてきた

Tu commences à me taper sur les nerfs.
君には少々イラついてきた

 (注) ここに出しました例文にもありましたが、動詞 avoir の「定動詞」 a と前置詞の à は発音上区別がつかないので、片方の前置詞にはアクサン・グラーヴがつけられるわけです
理由はそれで納得ですが、ヒアリングのときには記号がついているわけではないので、特に意識して区別がつくようにしておかないといけない重要なポイントです


de+不定詞

Permettez-moi de vous présenter Monsieur Tanaka. (permettre qn de+不定詞 「(誰々に)~を許す」)
田中さんをご紹介します

Il leur a demandé de faire réparer la machine. (demander qn de+不定詞 「(誰々に)~するのを頼む」)
彼は彼らに機械を直させるように頼んだ

N’oubliez pas d’apporter votre passeport. (oublier de+不定詞 「~するのを忘れる」)
パスポートを持ってくるのを忘れないように

Il n’arrête pas de parler. (arrêter de+不定詞 「~するのをやめる」)
かれは話をやめない

Il vous prie de l’attendre. (prier qn de+不定詞 「(誰々に)~するのを懇願する」)
彼はあなたに待ってくれるよう願っている

Il est difficile de trouver un taxi dans ce quartier. (英語の it ~to~、 il は非人称の主語)
この界隈でタクシーを見つけるのは難しい

Ça ne sert à rien d’apprendre ça. (論理的な主語として、 servir à ~ で(誰々、何々)の役に立つ)
そんなこと覚えても役には立たないよ



venir+不定詞 (「~しに来る」) と venir de+不定詞 (「~したばかりだ」)

Venez me voir demain.
明日私に会いにいらっしゃい

Il vient louer la maison.
彼は家を借りにやってくる

Le train vient de partir.
列車は出たところだ

Je viens de vous téléphoner.
あなたに電話したところです



フランス語の文章構造の基本を理解しよう (4) 不定詞4

2014-02-26 01:36:26 | フランス語文章構造の基本
前置詞+不定詞

Cela va sans dire. (sans+不定詞 「~しないで」)
それは言うまでもない

Elle est repartie sans se faire remarquer.
彼女は気づかれないように帰って行った

J’ai donné mon accord sans réfléchir.
考えもしないで承諾してしまった


On vous attend pour commencer. (pour+不定詞 「~するために」)
始めるのにあなたを待ってるんですよ

Je suis trop fatigué pour courir.
疲れすぎてて走れない


Enlevez vos chaussures avant d’entrer. (avant de +不定詞 「~する前に」)
入る前に靴を脱いでね

Il lit avant de dormir.
彼は眠る前に本を読む

Je t’en parle avant d’oublier.
忘れる前に君に言っておこう

フランス語の文章構造の基本を理解しよう (3) 不定詞3

2014-02-25 01:56:24 | フランス語文章構造の基本
動詞+他の動詞の不定詞

J’aime nager à la piscine. (aimer+不定詞 「~するのが好きだ」)
私はプールで泳ぐのが好きです

J'aimerais devenir journaliste.
 (aimerais は条件法)
ジャーナリストになりたい

Je préfère écouter la radio. (préférer+不定詞 「~するほうが好きだ」)
私はラジオを聴くほうが好きです

Je préférerais essayer un autre restaurant. (préférerais は条件法)
別のレストランに行ってみたい

Je fais laver ma chemise. (faire+不定詞 「~させる、~してもらう」)
シャツを洗濯に出す

Je fais réparer mon auto.
車を修理に出す

Je ne sais pas conduire.
 (savoir+不定詞 「~できる」)
私は運転できません

A dix mois, il sait déjà marcher?
(生まれて) 10ケ月でももう歩けるの?

Je compte rester à Paris jusqu'en juin. (compter+不定詞 「~するつもりだ」、compter の発音は「コンテ」)
パリには6月まで滞在するつもりです

Miyané compte courir le marathon de Tokyo en 4h30mn. (4h30mn は quatre heures trente minutes )
ミヤネは東京マラソンを4時間半で走るつもりだ




aller+不定詞 (この形は「~しに行く」 英語のgo ~ing と、「まさにこれから~しようとするところだ」 英語の be going to ~ の両方の意味で使われます)

Va lui parler.
彼のところに話に行きなさい

Vont-ils venir me chercher vers sept heures?
彼らは7時頃私を迎えに来るんでしょうか?

Je vais déposer de l’argent à la banque.
私は銀行にお金を預けに行きます

Nous allons déjeuner au restaurant.
私たちはレストランに昼食に行きます

Je vais partir.
出かけるところです

Elle allait sortir quand je suis entré.
 (allait は半過去)
私が入っていくと、彼女は出かけるところだった