外国語を学ぶときの学習の重点はもちろん、単語がどう変化するか、その変化のルールを学ぶことに置かれます。それが文法を学ぶということの意味です
「わたし」「日本」「くる」「まだ」「一年」
このようにゼンジー北京さんみたいに単語をズラズラ並べるだけでも意味が通じなくはないですが、やはりとても滑稽な話し方です
どの品詞がどういうルールでどう変化するものなのか、についての基本はおさえておかなくてはなりません
これまでのところ、「不定詞」と「定動詞」の区別に重点をおいて、さまざまな動詞についてみてきました
最初のテーマが「不定詞が使われるケース」でしたから、動詞の変化そのもの、「定動詞」がどのようなルールに従って変化しているのか、についてはあえて話しませんでした。
先ずは実際の文章サンプルでたくさんの用例にじかに触れることが大切だと思うからです
用例をたくさん身につけていくと、脳の方も自然とそこに法則性を感じ取り、まとめをしてくれます
これからも、どの品詞がどういうルールでどう変化するか、その基本を実際の文例で身に着けていこう、というのがこのシリーズのコンセプトです
そして話の中心はつねに、文章を成立させるための不可欠な要素である「主語」と「動詞」の関係です
☆
先ず、手始めに「主語」と「動詞」だけで文章が成立しているケース、目的語がない文章から見ていくことにしましょう
S+V で構成される文章
自動詞とよばれるものですね
aller 「行く」 とか venir 「来る」 とか、また、pleuvoir 「雨が降る」といった動詞です
みなさんはデカルトのこの有名な言葉はもちろん知っていることと思います
「われ思う、故にわれあり」
この文章を実際のフランス語でみると、こうです
Je pense, donc je suis.
ここには二つの主語 ( je 「私は」 ) と二つの「定動詞」 ( pense は「不定詞」 penser 「思う」が主語 je に「定動詞化」されたもの、そして suis は必須中の必須動詞 être が同じように主語 je に「定動詞化」されたものです) が使われています
この二つ目の動詞 être の方の意味は「ある、存在している」ということになります。今回のテーマ S+Vで成立する代表選手のようなものです。
Je suis. 私は存在している
これは、Il pleut. 雨が降る ( il は天気の表現で使われる非人称の主語ですから、訳には登場しません)
と同じくらい、文章を成立させるために必要とされる成分をたった二語で完璧に備えた文章です
でも、私たちは文章を豊かにするために Il pleut maintenant.「今雨が降っている」というように飾りをつけ足したりします
Je suis. の方でいえば、Je suis là. とすれば「私はそこにいます」という意味になります。
では、文章成立に必要最小限の要素、S+V で出来ている (あるいはそこに飾りがついた) 文章を見ていくことにいたしましょう
Quand on parle du loup, il est là. ( parle は不定詞「 parler 」、 loup 「おおかみ」の発音は「ル」)
噂をすれば影 ( オオカミの話をすると、そこにいるぞ )
Ils vont à la campagne. ( vont は不定詞「 aller 」 )
彼らは田舎に行く
Ça va. ( va の不定詞も 「 aller 」 )
よろしい
Je ne marche pas. ( marche は不定詞「 marcher 」)
やだよ (わたしはその手にのって進まない)
Ça suffit. ( suffit は不定詞「 suffire 」)
やめろ (もう十分だ)
Ça sent bon. ( sent は不定詞「 sentir 」)
いい匂いだ
Ça dépand. ( dépand は不定詞「 dépendre 」)
(それは) 場合による
Monte vite, le train va partir. ( monte は不定詞「 monter 」の tu に対する命令形 )
早く乗って、電車が出るよ
Les fleuves descendent vers la mer. ( descendent は不定詞「 descendre 」)
川は海に向かって流れる(下っていく)
Au printemps, les cerisiers fleurissent. ( fleurissent は不定詞「 fleurir 」)
春には桜の花が咲く
Je n’y manquerai pas. ( manquerai は不定詞「 manquer 」の未来形 )
必ずそうします (忘れません)
Je suis né à Tokyo. ( né は不定詞「 naître 」の過去分詞、したがってここでの「定動詞」は suis の方です )
私は東京生まれです
Le mur de Berlin est tombé en 1989. ( tombé は不定詞「 tomber 」の過去分詞、したがってここでの「定動詞」は est の方です )
ベルリンの壁は1989に崩壊した
Mes lunettes ont disparu. ( disparu は不定詞「 disparaître 」の過去分詞、したがってここでの「定動詞」は ont の方です、ont の不定詞は「 avoir 」 )
メガネがなくなった
(注) 自動詞の完了形には助動詞として être が使われるのが普通ですが、disparaître は完了の助動詞として avoir を使います
☆
主語と動詞を並べ、さらにそこにいろいろと飾りの言葉をつければまだまだいくらでもこうした文章をつくることができます。
しかし、こうした文章と次の文章の間には文法上の決定的な違いが存在します
↓
Il est petit. 彼は小さい
この文章には S+V の他にさらに補語 ( C ) → petit という文章要素が付け加わっています
次回はこの S+V+C の文章パターンを見ることにしましょう
「わたし」「日本」「くる」「まだ」「一年」
このようにゼンジー北京さんみたいに単語をズラズラ並べるだけでも意味が通じなくはないですが、やはりとても滑稽な話し方です
どの品詞がどういうルールでどう変化するものなのか、についての基本はおさえておかなくてはなりません
これまでのところ、「不定詞」と「定動詞」の区別に重点をおいて、さまざまな動詞についてみてきました
最初のテーマが「不定詞が使われるケース」でしたから、動詞の変化そのもの、「定動詞」がどのようなルールに従って変化しているのか、についてはあえて話しませんでした。
先ずは実際の文章サンプルでたくさんの用例にじかに触れることが大切だと思うからです
用例をたくさん身につけていくと、脳の方も自然とそこに法則性を感じ取り、まとめをしてくれます
これからも、どの品詞がどういうルールでどう変化するか、その基本を実際の文例で身に着けていこう、というのがこのシリーズのコンセプトです
そして話の中心はつねに、文章を成立させるための不可欠な要素である「主語」と「動詞」の関係です
☆
先ず、手始めに「主語」と「動詞」だけで文章が成立しているケース、目的語がない文章から見ていくことにしましょう
S+V で構成される文章
自動詞とよばれるものですね
aller 「行く」 とか venir 「来る」 とか、また、pleuvoir 「雨が降る」といった動詞です
みなさんはデカルトのこの有名な言葉はもちろん知っていることと思います
「われ思う、故にわれあり」
この文章を実際のフランス語でみると、こうです
Je pense, donc je suis.
ここには二つの主語 ( je 「私は」 ) と二つの「定動詞」 ( pense は「不定詞」 penser 「思う」が主語 je に「定動詞化」されたもの、そして suis は必須中の必須動詞 être が同じように主語 je に「定動詞化」されたものです) が使われています
この二つ目の動詞 être の方の意味は「ある、存在している」ということになります。今回のテーマ S+Vで成立する代表選手のようなものです。
Je suis. 私は存在している
これは、Il pleut. 雨が降る ( il は天気の表現で使われる非人称の主語ですから、訳には登場しません)
と同じくらい、文章を成立させるために必要とされる成分をたった二語で完璧に備えた文章です
でも、私たちは文章を豊かにするために Il pleut maintenant.「今雨が降っている」というように飾りをつけ足したりします
Je suis. の方でいえば、Je suis là. とすれば「私はそこにいます」という意味になります。
では、文章成立に必要最小限の要素、S+V で出来ている (あるいはそこに飾りがついた) 文章を見ていくことにいたしましょう
Quand on parle du loup, il est là. ( parle は不定詞「 parler 」、 loup 「おおかみ」の発音は「ル」)
噂をすれば影 ( オオカミの話をすると、そこにいるぞ )
Ils vont à la campagne. ( vont は不定詞「 aller 」 )
彼らは田舎に行く
Ça va. ( va の不定詞も 「 aller 」 )
よろしい
Je ne marche pas. ( marche は不定詞「 marcher 」)
やだよ (わたしはその手にのって進まない)
Ça suffit. ( suffit は不定詞「 suffire 」)
やめろ (もう十分だ)
Ça sent bon. ( sent は不定詞「 sentir 」)
いい匂いだ
Ça dépand. ( dépand は不定詞「 dépendre 」)
(それは) 場合による
Monte vite, le train va partir. ( monte は不定詞「 monter 」の tu に対する命令形 )
早く乗って、電車が出るよ
Les fleuves descendent vers la mer. ( descendent は不定詞「 descendre 」)
川は海に向かって流れる(下っていく)
Au printemps, les cerisiers fleurissent. ( fleurissent は不定詞「 fleurir 」)
春には桜の花が咲く
Je n’y manquerai pas. ( manquerai は不定詞「 manquer 」の未来形 )
必ずそうします (忘れません)
Je suis né à Tokyo. ( né は不定詞「 naître 」の過去分詞、したがってここでの「定動詞」は suis の方です )
私は東京生まれです
Le mur de Berlin est tombé en 1989. ( tombé は不定詞「 tomber 」の過去分詞、したがってここでの「定動詞」は est の方です )
ベルリンの壁は1989に崩壊した
Mes lunettes ont disparu. ( disparu は不定詞「 disparaître 」の過去分詞、したがってここでの「定動詞」は ont の方です、ont の不定詞は「 avoir 」 )
メガネがなくなった
(注) 自動詞の完了形には助動詞として être が使われるのが普通ですが、disparaître は完了の助動詞として avoir を使います
☆
主語と動詞を並べ、さらにそこにいろいろと飾りの言葉をつければまだまだいくらでもこうした文章をつくることができます。
しかし、こうした文章と次の文章の間には文法上の決定的な違いが存在します
↓
Il est petit. 彼は小さい
この文章には S+V の他にさらに補語 ( C ) → petit という文章要素が付け加わっています
次回はこの S+V+C の文章パターンを見ることにしましょう