ツーといえばカー

「1Lあたり2円引きになりますが如何でしょうか」
新しく出来たセルフのガソリンスタンドに行くとOLくずれの派遣キャンペーンスタッフらしきキレイな女性が寄ってきて、系列ガソリンスタンドのお抱えクレジットカードに勧誘された。年会費は初年度無料、以後も簡単な条件で無料になるというので入ることに。
説明に適当に相槌を打ちながら、仮申込書に必要事項を書き込む。
「急いでるんですか？」と二十代半ばと思しきその女性。
「いや、全然」と答えて、続けて説明に相槌を打ちつつ、必要事項を書き込む。
「絶対急いでますよｗ」と笑い出した。
「いや、ほんと急いでないって。暇だからお茶でも飲みに行く？」
「でも、なんか凄い急いでるように見えますよ。全然話を聞いてないし、すっごい急いで字を書いてるし」
「イベントコンパニオンなの？何歳？」
「急いで下さいｗ」

本当にちっとも急いでいなかった。普通に話を聞いて普通の速度で字を書いているつもりだったが、そうは見えなかったようだ。
とにかくせっかちだ。そんなだから人の話を聞くのが大の苦手。それが高じて自分がおしゃべりになってしまった。見た目が神経質で無口そうに見えるらしいのだが、おしゃべりなので驚かれることが多々。
せっかちのせいで話半分で口を挟む悪い癖をいつも嫁に指摘される。もったいぶったしゃべり方をされると、じれったくなって勝手に先を読んで答えを出してしまう。結果、早とちりなことが多々あり、結構な頻度で間違えたり、話の内容が分からなくなったり。
仕事の電話でもそうだが、とにかくツーといえばカーと、用件を告げて欲しい。電話での無駄話が嫌いなわけじゃないが、用件を聞いた上でにしたいのだ。

得てしてもったいぶった物言いをする人間の話には中身が無かったり、落ちに切れが無かったりするもんだが、ドラえもんの話は聞いた方がいいようだ。
「もしもどこでもコプター！のび太くん、この道具は使い方によってはとっても恐ろしいんだ...。」
「あぁ、のび太く～ん、また話を最後まで聞かないで！」