にわか趣味 [自転車偏]

上の写真ですが、壊れた自転車ではありません。結構一般的に知られている自転車で、BD-1という名前です。ドイツのライズ＆ミューラー社(以降r&m)が開発販売している折りたたみ自転車です。これで車(VW)、時計(Sinn156)、自転車、嫁(ドイツ人とのハーフ)といった具合に大好きなドイツモノが揃ってきました。<一部大嘘>まぁ、BD-1は製造自体は台湾のパシフィック社という会社に製造委託しているわけですが、これは昨今の多くのドイツ車がドイツ外で製造されているのと同じと考えれば大勢に影響は無いと言えます。ちなみに所有する車(VW BORA V6 4Motion)はちゃんとドイツ本国製造です。

つまらない話だけど購入に至った経緯を。

さして自転車に興味がないのに何故BD-1を買ったかというと、最近になって子供に請われてサイクリングに出掛けることが多くなったからなんです。それまで自転車馬鹿の友人から貰った中国製のヘボい折りたたみ自転車しか持ってなかったんだけど結構これが便利で、子供に合わせた速度での近場までのサイクリングならなんら問題なし。10年程昔にMTBを買ったことがあって、それを車に積んで山に行ったりしてたんだけど、そんな大袈裟なことをしなくても安物の折りたたみ自転車で十分楽しいことを実感した次第。段々と欲が出てきて貧乏臭くない折り畳み自転車を欲しいと考えることに。今流行のミニベロなるレーサー型の自転車をチョロQ的にデフォルメしたような小自転車は見た目はカッコ可愛いものの、折りたためないのに小径というのが気に入らなくて却下。それに英語とフランス語が混ざったミニベロというジャンル名もキライだ。

そんなこんなで最初に気になったのがクワハラという自転車メーカーのGAAPという自転車。モノコックのフレームを使用したカッコいい自転車。でも、いざ実物をみるとなんだか全体出来に腰高でカッコ悪い。しかも高い．．．。そこのお店で紹介されたのが今回話題にするBD-1。聞いたこともみたことも無かったけど、一緒に付き合ってくれた自転車馬鹿の友人曰くドイツ製とのこと。値段も「展示車だから10万円で良いよ」言われたけれど、パイプフレームというのが気に入らなくてそのときは却下した。そんなとき、買い物に行った先のららぽーとでスポーツ車イスで有名なOXエンジニアリングが作っているモノコックフレームのGazelle(ガゼル)を目撃。一目惚れしてしまった。GAAPの如何にもエンジニアがデザインしたようなシルエットの流れが分断されているような箇所が無く、キレイにデザインされていてとても洗練されていたからだ。でもって色々調べてみたりした。とある伝でフレームだけは普通だったらありえない安価で手に入れられる条件が整っていたのだが、値段と(車イスではトップメーカーだけど、自転車としての)ブランドからすると無名に近い会社の自転車にフレームが安くなったとしても其の他の部品が全部別売りなため、結果として大枚を叩くのは如何なるものかと考えを改めて、自転車熱を冷まそうと躍起になっていた。

大手町から兜町辺りを歩いていると自転車通勤している人をよく見かける。ある意味コスプレ的な上から下まで自転車レーサーの選手のようなカッコをした連中やスーツの裾をまとめてミニベロにまたがるチョロQ乗り。ルイガノの小型車、安っぽい折り畳み自転車乗り、ピンからキリまでのMTBなど等。その中で眼を引いたのが件のBD-1だった。複雑な形状のフロントサスペンションをしているため、やたらと眼立つ。乗ってる連中も他の自転車乗りとは違ってコスプレ的な行き過ぎでもないし、貧乏臭さもなく、そんなに自転車が好きじゃないけど、これは気にっているといった感じで、あくまで便利でカッコいい道具として乗っているように見える連中が多かった。
店でみたBD-1はなんだか工場に転がっているなんかの部品のようだったが、街に放たれるとやたらとカッコよく見える。値段もスタンダードなタイプだと13万円強と、その他の著名な小型自転車と比べるとロープライス。当初はモデルチェンジ後のモノコックフレームを買おうと思っていたが、近所のとある自転車やで話を聞くと、パイプを擁したストレートフレームのモデルのほうが職人の手間が掛かっていて、よりモノとして愛でる対象となりうるとのこと。また2008年をもってしてストレートフレームは生産中止になってしまったので、もう新車では買えなくなるからとストレートフレームを買うこと決断。まぁ、その店ではストレートフレームを薦めておきながら、在庫を持っていなかったわけだけどｗ売約済の整備前の真っ赤なBD-1があり、かなりシャア専用していてカッコよかった！

自転車馬鹿の友人に行きつけの自転車屋にまだストレートフレームの在庫があるかを聞いてもらった。なにせ、もう無くなってしまうからといいうことで、どこもかしこも在庫を持っている店が無い始末。結果、前に「10万円でいいよ」と言われた車体とは違うものだったが、まだ1台残っており、しかもびっくりするぐらい値引きしてくれるとのこと。他にも話が入っているとのことだったので慌てて抑えてしまったわけ。
30坪程の店に入ると通路を移動するのも大変なぐらい自転車が並んでいる。50万円以上するアレックス・モールトンが造作なく何台も置かれていたり、どう見ても新品ではない滅茶苦茶高そうな自転車も多数。聞けば、修理やカスタムに持込まれた自転車が溜まりに溜まってしまい、催促が無いからずっと保管しっぱなしになっているという。数十万もする自転車がゴロゴロと転がっているのをみていると、なんだか10万前後の自転車を買うのに悩んでいた自分が馬鹿ばかしくなってくる．．．。車をいじるよりは安いんだろうけど、自転車も金が掛かるねぇ。店長曰く、BD-1も一旦カスタム化という熱病が発病すると際限なくいじりたくなって来るとのこと。本屋に行けばそんな熱病を蔓延させるべく有害図書が多数並んでいるので勉強してみて下さいとのこと。いきなり多段化やサドル他の部品の交換の話になったが、とりあえずはカッコ悪い純正のペダルを交換し、ワイヤーチューブの色をシルバーから黒に交換するだけに留めた。
しかし、気付けはネットでBD-1のカスタムを紹介したサイトを見入っている自分に気付く次第．．．。レーサーやらなんやらの他の自転車が欲しい病にはかかっていないが、どうやらカスタム病を発病してしまったらしい。

BD-1はその製造を任されている台湾のパシフィック社が別ブランドとしても発売しており、2004年まではフランスのPeugeot(プジョー)ブランドとライセンス契約をしてパシフィック18として発売しており、その後はイタリアのBianchi(ビアンキ)ブランドでフレッタとして現在は発売してる。フレッタのほうが安い値段付けな上に良い部品を使っていたり、バッジや塗装がカッコよかったりするんだけど、まぁドイツのブランドの方が良いやってことでBD-1でも後悔して無いです。

にわか趣味とはいえ、なににつけても金が掛かるねぇ。趣味の数は少ないに越したことが無いね。
自転車にはさしたる興味が無いとはいったが、アレックスモールトンは昔から欲しくてたまらない自転車だったりするｗ