
先日BLUE-Gで伺った話ですが、どうもアメリカでワシントン条約、それも木材に関する取締が強化されたようです。もともとハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)に関してはCITES(サイティス:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の許可証(輸出国の輸出許可書、経済産業省が発行した輸入承認証など)が無いと輸出も輸入もできないことになっていましたが、それが認可に関して規制が強化されたとのこと。アメリカ政府は輸入に関しても輸出に関しても許可証をなかなか発行しないようだ。
そこで真っ先に困ってしまったのがカナダのルシアー(個人製作家)達らしい。アメリカの隣国であるカナダには著名なルシアーが数多く住んでいる。彼らの顧客はアメリカ人。裕福なアメリカ人は趣味と安定した投資先としてギターをオーダーする。もちろん、木材も最高級のものを要求する。トップはジャーマンスプルースかアディロンダックスプルース。ネックはホンジュラス・マホガニー、サイドバックはハカランダだ。どれも希少な材ばかりだ。しかし、オーダーされてもアメリカに輸出できない。現在オーダを多数抱えている製作家もいるはずで、許可が取れなかった場合は一体どうするのだろう。
そしてアメリカのルシアー達。日本やヨーロッパからのオーダーを抱えた製作家が大困惑。しかも、彼らの中にはハカランダコレクターのような輩もいらっしゃる。果たして輸出できるのだろうか?許可を取らずに輸出してしまい、それが当局に見つかった場合(当然犯罪)の罰金がものすごい金額になったという噂もある(一説には数千万とも!)。それに嫌気がさして”オレはハカランダのギターはもう作らない!”と言い出した著名ルシアーもいると聞く。”どうせ同じ手間と制作時間がかかるなら(価格の高い)ハカランダのギターを作りたい”と言って、ハカランダ以外のギターのオーダーを渋っていたルシアーもいたというのに・・・。
とはいえ例えばマーチンのような大きな会社が輸出ができないとは考えにくい。けれども既にマーチンは良質なハカランダが相応数入手できないという理由でハカランダのギターはあまり作っていないようだし、たまに作るとそれはもうヴィンテージハカランダギターもビックリという価格だ。
そもそも”ハカランダ神話”に対して懐疑的な人も数多い。この件に関してネットで調べた時も弾き手はもちろんのこと、ギター製作家の方の中にも”ハカランダ神話は都市伝説”的な意見をお持ちの方が少なくはなかった。ただ、個人的には材が違えば当然音は違うので好みの問題はあるけれど”ハカランダの固有の音”は存在すると思う。それに60年代、70年代の洋楽を聴いて育ったりすると、そこで使われていたギターはハカランダで作られたものが少なくなかったので(1969年までマーチンが使うローズウッドは全てハカランダだった)、そのサウンドは耳馴染んでいる可能性がある。アコギサウンド=ハカランダサウンドが刷り込まれているわけで、それも好まれる理由の一つかもしれないと個人的には思っている。
またハカランダに対して課題評価されていると訴える人の多くは、その法外になった値段に関して意義を唱えている。また、先に述べた”どうせ同じ制作時間をかけるなら高額商品を作りたい”という一部製作家の態度に嫌悪感を抱いているようだ。CITESで規制されている希少な材なので値段が上がるのは致し方がないが、便乗値上げしているという見方もできるだろう。そもそも”ヴィンテージギター”の価格が”希少性”にあったりするのだから適正価格なんてあってないようなもの。戦前のD-45は91本しか作られていないから1,000万以上なのだ。”1,000万円の音”がするわけではない。楽器なのに音ではなくて希少性で評価される。そのあたりが論点になっているようだ。ただ、先ほども述べたようにハカランダ、というかすべての木材に個性があるし、材の質や保管状態でもずいぶん変わってくると思う。だからハカランダ=音はたいしたことないのに神話が独り歩きして高額になっている、とは言いがたいのではないか。確かに常識外だと思える価格のものも少なくないけれど・・・。
とはいえ、噂が本当ならばますますハカランダのギターは手に入らなくなってしまう。値段もまた上がってしまうかもしれない。ハカランダギター愛好家には誠につらい現実。インターネットを通じて全世界で商売してきたメーカーやルシアー(製作家)、ショップにとっても由々しき事態なのかもしれませんね。因みに、自分もサイドバックがハカランダのギターの音が大好きです。本当は50年代以前のマーチンD-28でいいものがあればと思っているのですが、とても手が届きません。その思いが煮詰まりまくった頃にMerillのC-28ココボロと出会い、購入し使っています。それまでは”ココボロ”という材には懐疑的だったのですがそのココボロギターははハカランダ・マーティンにとても近い音がします。それでも決して同じ音ではないんです。見た目もずいぶん違います。でもその違いは”個性”であり”固有の良さ”でもあるんですね。ハカランダのギターは一度、Ed Claxtonのギターを所有していたことがあります。とても緻密で丁寧に作られた素晴らしいギターだったのですが、諸事情により手放してしまい今手元にはありません。いつかまた、ハカランダギターを!と思いますので、個人的にもこの噂は噂であってほしいです。とはいえ、噂がウソであってもハカランダギターが手の届きにくい夢のギターであることは変わらないのでしょうけれど。
そこで真っ先に困ってしまったのがカナダのルシアー(個人製作家)達らしい。アメリカの隣国であるカナダには著名なルシアーが数多く住んでいる。彼らの顧客はアメリカ人。裕福なアメリカ人は趣味と安定した投資先としてギターをオーダーする。もちろん、木材も最高級のものを要求する。トップはジャーマンスプルースかアディロンダックスプルース。ネックはホンジュラス・マホガニー、サイドバックはハカランダだ。どれも希少な材ばかりだ。しかし、オーダーされてもアメリカに輸出できない。現在オーダを多数抱えている製作家もいるはずで、許可が取れなかった場合は一体どうするのだろう。
そしてアメリカのルシアー達。日本やヨーロッパからのオーダーを抱えた製作家が大困惑。しかも、彼らの中にはハカランダコレクターのような輩もいらっしゃる。果たして輸出できるのだろうか?許可を取らずに輸出してしまい、それが当局に見つかった場合(当然犯罪)の罰金がものすごい金額になったという噂もある(一説には数千万とも!)。それに嫌気がさして”オレはハカランダのギターはもう作らない!”と言い出した著名ルシアーもいると聞く。”どうせ同じ手間と制作時間がかかるなら(価格の高い)ハカランダのギターを作りたい”と言って、ハカランダ以外のギターのオーダーを渋っていたルシアーもいたというのに・・・。
とはいえ例えばマーチンのような大きな会社が輸出ができないとは考えにくい。けれども既にマーチンは良質なハカランダが相応数入手できないという理由でハカランダのギターはあまり作っていないようだし、たまに作るとそれはもうヴィンテージハカランダギターもビックリという価格だ。
そもそも”ハカランダ神話”に対して懐疑的な人も数多い。この件に関してネットで調べた時も弾き手はもちろんのこと、ギター製作家の方の中にも”ハカランダ神話は都市伝説”的な意見をお持ちの方が少なくはなかった。ただ、個人的には材が違えば当然音は違うので好みの問題はあるけれど”ハカランダの固有の音”は存在すると思う。それに60年代、70年代の洋楽を聴いて育ったりすると、そこで使われていたギターはハカランダで作られたものが少なくなかったので(1969年までマーチンが使うローズウッドは全てハカランダだった)、そのサウンドは耳馴染んでいる可能性がある。アコギサウンド=ハカランダサウンドが刷り込まれているわけで、それも好まれる理由の一つかもしれないと個人的には思っている。
またハカランダに対して課題評価されていると訴える人の多くは、その法外になった値段に関して意義を唱えている。また、先に述べた”どうせ同じ制作時間をかけるなら高額商品を作りたい”という一部製作家の態度に嫌悪感を抱いているようだ。CITESで規制されている希少な材なので値段が上がるのは致し方がないが、便乗値上げしているという見方もできるだろう。そもそも”ヴィンテージギター”の価格が”希少性”にあったりするのだから適正価格なんてあってないようなもの。戦前のD-45は91本しか作られていないから1,000万以上なのだ。”1,000万円の音”がするわけではない。楽器なのに音ではなくて希少性で評価される。そのあたりが論点になっているようだ。ただ、先ほども述べたようにハカランダ、というかすべての木材に個性があるし、材の質や保管状態でもずいぶん変わってくると思う。だからハカランダ=音はたいしたことないのに神話が独り歩きして高額になっている、とは言いがたいのではないか。確かに常識外だと思える価格のものも少なくないけれど・・・。
とはいえ、噂が本当ならばますますハカランダのギターは手に入らなくなってしまう。値段もまた上がってしまうかもしれない。ハカランダギター愛好家には誠につらい現実。インターネットを通じて全世界で商売してきたメーカーやルシアー(製作家)、ショップにとっても由々しき事態なのかもしれませんね。因みに、自分もサイドバックがハカランダのギターの音が大好きです。本当は50年代以前のマーチンD-28でいいものがあればと思っているのですが、とても手が届きません。その思いが煮詰まりまくった頃にMerillのC-28ココボロと出会い、購入し使っています。それまでは”ココボロ”という材には懐疑的だったのですがそのココボロギターははハカランダ・マーティンにとても近い音がします。それでも決して同じ音ではないんです。見た目もずいぶん違います。でもその違いは”個性”であり”固有の良さ”でもあるんですね。ハカランダのギターは一度、Ed Claxtonのギターを所有していたことがあります。とても緻密で丁寧に作られた素晴らしいギターだったのですが、諸事情により手放してしまい今手元にはありません。いつかまた、ハカランダギターを!と思いますので、個人的にもこの噂は噂であってほしいです。とはいえ、噂がウソであってもハカランダギターが手の届きにくい夢のギターであることは変わらないのでしょうけれど。
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