『結ぶ』/皆川 博子 単行本
1998年11月30日 第一刷
株式会社 文藝春秋 短編集
あう。これはきつい。綺麗なのだがどうやら今の私には合わない。こういうこともあるだろう。昔に
読んでいたら物凄く好きになっていたかもしれない。トリップしたらこんな夢をみるのだろうか。
結ぶ/湖底/水色の煙/水の琴/城館/水族写真館/レイミア/花の眉間尺/空の果て/川
/蜘蛛時計/火蟻/U Bu Me/心臓売り
美しくて、残酷で、グロテスクで、夢に見そうな忘れられない極彩色の悪夢、という感じだ。『心臓
売り』が一番好きかもしれない。次いで『U Bu Me』。『結ぶ』は確かに凄い。
『結ぶ』。
『縫われ』たいですか?それとも『染められ』たい?アルマジロのように丸く、それとも
火熨斗で細かい模様を刻んでもらう?
細かい知識が響けばもっと楽しめるかもしれない。ちょっとお疲れ気味の頭にはすーっと通り抜け
ていってしまう夢現。
しかし、なんとも装丁が美しい。文字の選び方、配列、レイアウト、扉、細かいところに心がゆきと
どいている。
読んでいてはたと気になった。自分の文体が、である。どんな風に受け取られているんだろうか。
まぁそんなに悩むほど大した量も中身も書いていないけれど、客観的なところが急に気になってきた。
(悩む前に書き給へよ)