「オー！ファーザー」伊坂幸太郎

ため込んでいた小説をようやく読み終える。
伊坂幸太郎氏の「オー！ファーザー」だ。
この作品は2006年に発表されながら、しばし単行本化されずに日の目を見ずにきた作品だ。
幸太郎氏曰く、第一期の集大成と語るほど気に入っていた作品ではあるようだ。
確かに、人気作家には作品の流れから１期、２期・・・と言われることは多々あるが、確かに幸太郎氏にも１と２期があるように感じる。
もちろん、今後２～３期へと変貌していくのかもしれないが、現時点では幸太郎氏の２期はどうも当たり外れが激しいように感じてイマイチ不満？
個人的には幸太郎氏の第一期の方が好みなので、その集大成ということで期待して手にしてみたが・・・。
う～ん、はっきり言えばドタバタ。
確かにこの雰囲気初期作にあったなぁ～？「陽気なギャングが地球をまわす」っぽいかな？

幸太郎氏の初期作は、「えっ」とあわてて読み戻って、「おぉ～、そうか」っと読み進めば進むほど絶妙にパズルがかみあってくるという、感心するような作品が多かった。これが実は幸太郎氏ファンを惹き付けてきたのだが・・・・中には当然ながらはずれ作もある。本作も個人的には寂しい感じ？残念ながらはずれとまでは言わずとも、当たりとも言い切れない。途中までは読ませたが、ラストが思いっきりドタバタ？う～ん、これが集大成？
軽い作品なので、単純に飽きはしなかったものの、読み終えた後にう～んと満足感を与えてくれるものでもない。
父親が４人いる少年の物語だが、う～ん正直設定に無理がある？登場人物はどれもえらく個性が強く面白いだけに、どうも残念だ。ホント惜しい。続編描けるメンバーだとも言えるほどだ。父親４人を各々主人公にして４作可能だろう。それだけにホント惜しい。途中これも伏線か？あれも伏線か？と期待したがどれも？？？っという感じ。本人が２期のスタートと語る「ゴールデンスランバー」や「モダンタイムス」のようなスピード感ある意欲作の登場を期待したいものだ。