似てる(渋谷橙のことば)

詩を書いて、演劇をして、飲食店でバイトして、妻ができ、子がうまれた。さて、どうなる。自分の小説みたいな場所。

"牛乳配達の女の子"

2010-06-26 10:49:08 | 
ヘルメットが宙に浮いて
栗色の髪を夏に投げている

夜は短い

擦り切れ道の梔子の匂い
その白

会うことのない主に
安らかな恵みを届ける

街は
牛か藁か人形だかの鳴き声
朝焼けに眩んで

パンの匂いも白飯もワイドショーも
原付の操る風に流されてしまった

交差点には可愛い孤独が残った

"空になった"

2010-06-23 12:04:42 | 
空になった
箱を乾かし
暗くなったら
眠る

風はいつでも
知らないことを
渡しに来ては
連れ去るから

明るくなったら
目を覚まし
空の箱の
底を開く

内側だった
ところに触れる
風が吹いても
膨れぬように