
ある日、あるプロデューサーの人に「今、監督の名前だけで客が呼べるのは、青山真治ぐらいだけだろうね…」と偉そうなことのたまわれたので、今さらのように『ユリイカ』を観る。
まだ熱あるのに。
37.3度。
医者はカルテに「急性気管支炎」というゴム印を押した。
抗生剤と咳止め、痰きりの薬をもらう。
とりあえず家でおとなしく寝とけ!と。。。
タイトルの『ユリイカ』とはギリシャ語で「発見」とか「見つけた!」の意味。
217分…3時間37分にもなる長尺の作品だ。
もう観る前から気合入れて臨む。
途中1回休憩を挟むが、一気に全編を見終えることができた。
これだけ長い映画だと、たいがいの場合中途でだれてしまうものだが、それがそうは行かない。
微熱も咳もお構いなしで自然とグイグイと画面に引き込まれる。
もう、のっけから。
バスジャックのシーン。
いきなり目が離せない。
役所広司、利重剛、松重豊、この何かモノに取り憑かれたような芝居にぞくっと鳥肌が立つような気配がした…決して微熱のせいじゃない。
そして、この作品でいきなり若くして、名女優の仲間入りを果たした宮あおいの無言の表情が重なる。
台詞や言葉による説明を廃した絵作り。
だけど、しっかり伝わるのは、それだけ演出力が高いっていう証拠。
セピア調の画面も僕の嗜好にフィットする。
手前味噌だけど、僕が大学の卒業制作で脚本・監督した映画も、その多くをセピア調の映像で構成した。
台詞もほとんどなかった。
そんな理由もある。
バスジャックシーンのあと、たくさんの時間を使って、事件に巻き込まれた人たちのその後が丁寧に描かれていく。
事件らしい事件も起きずに、極めて淡々とそれぞれの心の動きが綴られる。
ほんと何にも起こらないんだけど、ひたすら見てしまう。
その時間が何とも言えず心地良い。
おそらく監督始めスタッフたちがこだわってこだわりぬいて作り上げた映像は、瞬きすることさえも許してはくれない。
俺が撮りたいように撮ったんだ!どうだ!観てみろ!…そんな凄味を感じさせるくらいの迫力が、観る者の全身を鋼の分厚い重い板で力任せにぶん殴る。
バゴ~ンって感じ。
羨ましいくらいすごく贅沢な映画だ。
ただ、作家性の強い映画って、たまに観る分にはいいけど、続けて見ちゃうとキツイね……って言うのも、小市民的に楽しみたいって思う自分の正直な気持ちだったりするのだ。
とりあえず、お腹いっぱい…頭もいっぱい…しばらくこの手の映画はいいわ、少なくとも病気が治るまでは…(笑)。
好きなんだけど。
まだ熱あるのに。
37.3度。
医者はカルテに「急性気管支炎」というゴム印を押した。
抗生剤と咳止め、痰きりの薬をもらう。
とりあえず家でおとなしく寝とけ!と。。。
タイトルの『ユリイカ』とはギリシャ語で「発見」とか「見つけた!」の意味。
217分…3時間37分にもなる長尺の作品だ。
もう観る前から気合入れて臨む。
途中1回休憩を挟むが、一気に全編を見終えることができた。
これだけ長い映画だと、たいがいの場合中途でだれてしまうものだが、それがそうは行かない。
微熱も咳もお構いなしで自然とグイグイと画面に引き込まれる。
もう、のっけから。
バスジャックのシーン。
いきなり目が離せない。
役所広司、利重剛、松重豊、この何かモノに取り憑かれたような芝居にぞくっと鳥肌が立つような気配がした…決して微熱のせいじゃない。
そして、この作品でいきなり若くして、名女優の仲間入りを果たした宮あおいの無言の表情が重なる。
台詞や言葉による説明を廃した絵作り。
だけど、しっかり伝わるのは、それだけ演出力が高いっていう証拠。
セピア調の画面も僕の嗜好にフィットする。
手前味噌だけど、僕が大学の卒業制作で脚本・監督した映画も、その多くをセピア調の映像で構成した。
台詞もほとんどなかった。
そんな理由もある。
バスジャックシーンのあと、たくさんの時間を使って、事件に巻き込まれた人たちのその後が丁寧に描かれていく。
事件らしい事件も起きずに、極めて淡々とそれぞれの心の動きが綴られる。
ほんと何にも起こらないんだけど、ひたすら見てしまう。
その時間が何とも言えず心地良い。
おそらく監督始めスタッフたちがこだわってこだわりぬいて作り上げた映像は、瞬きすることさえも許してはくれない。
俺が撮りたいように撮ったんだ!どうだ!観てみろ!…そんな凄味を感じさせるくらいの迫力が、観る者の全身を鋼の分厚い重い板で力任せにぶん殴る。
バゴ~ンって感じ。
羨ましいくらいすごく贅沢な映画だ。
ただ、作家性の強い映画って、たまに観る分にはいいけど、続けて見ちゃうとキツイね……って言うのも、小市民的に楽しみたいって思う自分の正直な気持ちだったりするのだ。
とりあえず、お腹いっぱい…頭もいっぱい…しばらくこの手の映画はいいわ、少なくとも病気が治るまでは…(笑)。
好きなんだけど。
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