チョイ前までは夢と希望に満ち溢れとった小市民の浅まし過ぎる野望と欲望の為の高度浄水処理施設

いろいろ誤解されて面倒臭いんで、当たり障りの無いタイトルにしましたよ
飽きたらまた変えますから…

『TheEARS(ジアーズ)』がレインダンス映画祭(ロンドン)にて上映決定!

2008年09月04日 17時12分54秒 | 映画
もうずっと前から関わっていた映画『TheEARS(ジアーズ)』●中村拓武監督作品が、ついにと言うかやっとと言うか、海外進出いたします。
この秋、イングランドのロンドンで開催される“16th Raindance Film Festival”っちゅうのに何故だかノミネートされてしまいまして、10月10日に上映されることが決まりました。
まぁ、周囲の監督とか鬼Pとかはかなり盛り上がってるんですけど、僕自身、なんか初めての経験で全然実感が湧かなくて、表向きメッチャ冷静なんですよね(笑)。
うん、もうちょっと時間が経てば、実感が湧いてきて、もっと素敵な気分になるんでしょうけど…なんだかこの出品決定で、やらねばいけないことが莫大に増えてしまって「それどころや無い!」みたいな感じです。

そんなわけでお久し振りの『TheEARS(ジアーズ)』が「レインダンス映画祭」に正式出品です。
●日時 2008年10月10日 14:00~
●会場 Cineworld Shaftesbury Avenue
    13 Coventry Street, Piccadilly, London W1D 7DH

【16th Raindance Film Festival】
http://www.raindance.co.uk/site/raindance-independent-film-festival
『TheEARS(ジアーズ)』オフィシャルサイト
http://wevco.com/the-ears/

続報が入り次第、こちらのブログにもアップしていきますのでお楽しみに!
皆さんの応援に大感謝。
そして今後ともよろしくお願いいたします!

『鉄コン筋クリート』★マイケル・アリアス

2008年03月14日 04時04分58秒 | 映画
日本のアニメーションって何でこうも秀作ばかりなんでしょうね。
とにかく、あの、絵の描き込みの凄いこと。
そして、一応近代日本の下町を舞台にしてはいるんだけれども、醸し出される独得の世界観。
こんなの良く考え付くね…って感じで。
驚きつつ見ましたよ。
そんでシロの声やった蒼井優が異様に違和感無く嵌ってたこと。
実は見る前に一番心配してたのがココで、最近のアニメ作品の傾向として、声の出演に本職じゃない俳優を使うのは如何なものか…と。
やっぱそんな心配を吹き飛ばす実力を持っているからこそ天才蒼井優なわけで。
かつてののジブリ失敗作で露わになった強大な政治力を振りかざすジャニーズでは逆立ちしても出来ない芸当ですな。
まぁ、物語はこの作品にとっては、添えもんのようなもんだったんで、あれですけどね。
なかなか、力の入った作品だと思います。
見て損はないでしょう。

『赤い文化住宅の初子』★タナダユキ

2008年03月13日 22時05分51秒 | 映画
なんだか凄い映画を見てしまいました。
暗いです。
もう、これでもかっー!ってぐらい、貧乏で不幸で全く救いようが無い初子の物語なんですが、その初子がとても強くて愛と優しさに満ちているのです。
こんなに不幸な境遇にも拘らず、他者を恨むことも無く、かと言って甘やかすことも無く、自分を見失わず、しっかり自身の足で立って、前向いて歩いていく初子がとても愛おしく感じました。
小さく地味な映画なのですが、良く出来た映画だと思います。
最後の駅のシーン、儚いながらも何かほんの少し希望を感じさせるラストショットには絶望的になりました。
それっぽく見えるけど、決してハッピーエンドじゃないんですよね。

主演の東亜優がいい存在感を出していました。
私もこのように優しく強くありたいと思います。

『カリスマ』★黒沢清

2008年03月13日 18時08分49秒 | 映画
ここのところ熱出してまして死んでまして。
まだ、いまいち体調が優れない私です。
こうやって、パソコンモニターやキーボードに向うのはいいんですが、タイピングするとなんだか頭がクラクラクラクラとします。
ただ、いつまで寝ていても、物事は停滞するだけで、成長も進歩もないので、今出来ることを、少しでもするのです。
その僅かな一歩が、一年後には365歩になるわけですし、10年後には3652歩の大飛躍になるわけですから、おちおちと休んでなどはいられません。
とまぁ、『カリスマ』。
まいどまいど黒沢清監督です。
ある評論で読んだけれど、いわゆる一般のお客さんの映画の良し悪しの判断基準って言うのは、その作品が如何に言語化し易いかし難いか…なのだということだそうです。
要するに、映画という映像作品を言語化する場合、もっとも言語化が安易なものは物語の部分。
つまり、物語が分かりやすいとその分、簡単に言語化できて、友達にも話せる、感想も書きやすい、つまり一般客にとっての評価の高い映画となりやすい傾向があるらしいのです。
方や、映像や音のインパクトで見せる作品や、物語以上にその哲学的テーマなどに重点が置かれている作品は、映画の内容を言語に置き換えることに、様々な思考の介在が必要になってくるために言語化が困難となり、いわゆる一般客にとっての評価の低い「わからない」映画となるのだそうです。
なるほどなるほどです。
そんなこんなで、この黒沢監督の『カリスマ』などは、その後者の最先端を行くような作品で、感想を言語化することが極めて難しい映画ではあるのですが、強いて言語化するなら、こりゃまた「なんじゃこりゃー!!!」だったのであります。
しかし、だからと言って僕の中で評価が低いわけではなく、とても心地良い快感と余韻に浸れた作品でもあったワケです。
まぁ、でも同じ黒沢監督であれば『CURE』『回路』『ドッペルゲンガー』とかの方が、面白かったのですが…。
誤解を恐れず簡単に言い放ってしまえば、他の黒沢作品のテーマとなっている哲学的部分のみを混じりっ気無しにピュアに取り出して、リアリティや情緒などを無視し、テーマ追求のみに基づいて構成された寓話作品とでもいいましょうか?
いやはや、こんなのやっちゃえる黒沢清監督を僕はすごくリスペクトいたします。

『ウール100%』★富永まい

2008年03月03日 04時37分01秒 | 映画
映画を数たくさん見ていると、たまにこうやって拾い物の作品に出くわすことがある。
ある時、予告編を見て即座に「これはすげぇ~!」と一発で絵のインパクトにやられてしまい、レンタルビデオ屋へダッシュ。
その最初の直感は強ち外れてはいなくて。
とても幸せである。
かの名女優・岸田今日子さんの遺作となった作品でもある。
儚くブラックなファンタジー。
もともとファンタジーは大好きな人種なもんで、もうのっけから画面に食らいつく食らいつく、釘付けとはマサにこのことだ。
とりあえずコチコチコチコチ…と幾重にも重なる時計の音に、ついノスタルジーを感じてしまう、つかみはオッケー。
もののけ「アミナオシ」を演じる『誰も知らない』で長女役をスゴスギル表現力で演じきっていた北浦愛って、こんなに妖艶だったっけ?
この監督さんって、僕は初見なんですが、絵作りの才覚も然ることながら、演者選びの能力にちょっと半端ない超非凡ものを感じたのです。
老婆2人や「アミナオシ」は元よりですが、老婆2人の娘時代の役に、ハッキリ言って一般的には無名なモデルさん2人を抜擢していて、しかもそのうち一人は日本語もままならないハーフの女の子。。。
でもそれがとても作品世界に馴染んでお見事なんですね。
この女性監督もホント只者ではありませんな。
もう一度見たい映画ですね。
『ウール100%』公式ウェブ⇒http://www.klockworx.com/wool/

『俺は、君のためにこそ死ににいく』★新城卓

2008年03月01日 00時54分37秒 | 映画
う~ん…甘いなぁ。
もうちょっとです。
良いシーンもあったんですけどね。
ただ当初、テレビに出まくっている某井筒和幸監督が作品を見もしないで「戦争賛美の糞映画だ!」と吹聴して世間の顰蹙を買ったが、決して彼が言うような戦争を賛美するような映画ではなかったのは確か。
折々に「靖国で会おう」という言葉が特攻隊員同士の間で交わされるが、それは保守系石原慎太郎氏による脚本であるわけだから仕方の無いことだろう。
だからと言って作品の内容は賛美どころか、真実を元に特攻の理不尽な現実に目を背けることなく忠実に描いている。
朝鮮人なのに特攻隊に志願した青年のエピソード、米軍の空爆で多くの「なでしこ隊」が殺戮されるシーン、ただただヒステリックに「死にに行け!」と思考停止状態で叫ぶ上官の姿、整備不良で訓練飛行中に事故で「まさに犬死にする」特攻隊員などなど。
これはかなり意外だった。
製作総指揮石原慎太郎ということで、保守的な視点からなのか…と思いきやである。
かなりニュートラルである。
主演の窪塚が映画の記者会見で井筒監督を意識して「観る前に言うヤツはアホ」と発言したことも頷ける。
まぁ窪塚ではないが、今回の作品鑑賞で僕も井筒和幸という人間の言葉と価値を今後あんまり信用しなくなるだろう…。
残念ながら自業自得と心得よ。
映画の批評はまず作品をしっかり見て(上映中に眠ったりせず)からするべきであると、当たり前のことを改めて思った次第だ。

『マンダレイ』★ラース・フォン・トリアー

2008年02月26日 04時09分37秒 | 映画
僕の大好きなデンマーク人映画監督、ラース・フォン・トリアーのアメリカ三部作の2作目。
あの『ドッグヴィル』の続編です。
今回、前作の二コール・キッドマンが降りたので、主人公グレースの配役が変わっていますが…。
『ドッグヴィル』と同様の手法、スタジオの床に線を引いて、簡単な家具を置いただけのセットで、物語は進行していきます。
確かに、この絵作りも2作目ともなると、ややインパクトには欠けますが、そこは鬼才ラース・フォン・トリアー監督、物語が進むに連れて人の本性や深層心理を浮き彫りにしていく演出手腕はまさに神業。
そして、大胆にも超大国アメリカを一つの村に見立てて、表向きアメリカ的押し付け民主主義への批判を見事に展開していますが、その実は価値観の多様性の実在と普遍的正義や幸福の不在という、如何にもこの監督さんらしい哲学的なテーマを織り成していきます。
前作『ドッグヴィル』のようなラストの超カタルシスは皆無ですが、それ以上のやり切れない不快さが癖になりそうな作品です。
次のアメリカ三部作の最終作でどんな結末を迎えるのか…今から楽しみで仕方がありません。

●『マンダレイ』http://www.manderlay.jp/
●『ドッグヴィル』http://www.gaga.ne.jp/dogville/

『バッシング』★小林政広

2008年02月25日 03時16分54秒 | 映画
イラク日本人人質事件の時に起こった、被害者たちへの心無きバッシングをモチーフにした作品です。
事件から帰国した被害者の一人の女性は、世間からの誹謗中傷の嵐に晒されます。
しかし映画は、この酷いバッシングに対して批判も肯定もしません。
ただ、淡々と被害者の視点で過酷な日常が描かれていきます。
だからと言って被害者の主人公に同情するわけでもなく、むしろすごく自分勝手で社交性にも欠けた、お子ちゃまのような人物に描かれていて、これっぽっちも共感できません。
そんなニュートラルな立ち位置がとても面白い映画です。
で、これを見たお客さんは何を感じるのか?
この作品はそこを突いてきます。
作品が観客に対して果し状を贈ります。

重くて暗い作品は好きなんで、個人的には楽しめました。
ホントいろいろなことを考えさせられる映画でしたね。
このような作品を高く評価するヨーロッパの人たちは偉いと思います。
日本の客も『恋空』みたいなショーモナイもんばっかり見てんと、しっかり欧米の人々を見習わなくては世界からいい物笑いにされますよ。
この事件同様、映画でも日本人の民度が試されているのです。

『ドッペルゲンガー』★黒沢清

2008年02月24日 01時24分33秒 | 映画
最近癖になってしまっている黒沢清監督の映画です。
前に見た『CURE』と根底では繋がっている作品ですね。
もっと言えば、同じ黒沢作品の『回路』とも繋がっている。
『CURE』はサイコサスペンス?のような、『回路』はホラー?のような、そしてこの『ドッペルゲンガー』はホラーコメディ?のような、でもどんな既成のジャンルにも当てはまらない秘伝クロサワ仕立てで、それぞれ切り口は違うけど描いているものは一緒のもののような。
普段は隠されている、本当の自分というか…本当の自分自身の欲求というか…、そんないわゆる哲学的なテーマが、これらの作品群には垣間見られます。
ホント面白いですね黒沢映画は。
世界のクロサワの魅力を知りたい人は、この3作品まとめて見ることをお勧めしますよ。
サルでも分かるワンパターンのハリウッド映画に飽きた人は、ぜひ日本のクロサワ映画で狐につままれるような体験をしてみてはいかが?
楽しいよ。

『CURE キュア』★黒沢清

2008年02月23日 02時29分58秒 | 映画
これは怖い。
ホント恐ろしい。
ちょっとトラウマになりそうな映画だった。
黒沢清監督はこの作品でもって、一気に国際的な評価と名声を手に入れる。
それも分かる。
こんなもん見せられた日にゃ、誰だってビックリして卒倒するよ。
評価高いのも当然ですよ。

しかし…いやぁショックだ。
何がショックかって…あのラストシーン。
もうなんだか…ホント何だかって感じで。
腰が抜けそうになったよ…って言うか、抜けたよ。


『父親たちの星条旗』★クリント・イーストウッド

2008年02月23日 01時58分16秒 | 映画
『硫黄島からの手紙』につづき、同じこの硫黄島プロジェクトのアメリカ側視点の作品を見る。
『硫黄島からの手紙』の方が良かったなぁ。
双方とも同じようなメッセージ性を持って、戦争というテーマを描いてはいるのだけれども。。。
何だか、こっちの方はイマイチ乗り切れなかったね。
なんでだろう?
英語だからかな?
まぁ一つ分かったことは、今も昔もアメリカっていう国はヒドイ国だということです。

『気狂いピエロ』★ジャン=リュック・ゴダール

2008年02月19日 00時52分31秒 | 映画
どういう風の吹き回しか、こんなクラシックな名作を見てしまいましたよ。
とてもお利口さんな僕です。
実は昔、学生時代に大学の友人に誘われて、劇場へこの『気狂いピエロ』を見に行ったことがあったんですよ。
まぁ、やたら、「ゴダールはええぞ、すごいぞ、気狂いピエロは最高や」とか、言い張るもんやから、なら、そこまで言い張るんなら見てやろう!というわけで観に行ったんです。
ところが、その当時のバカダ大学学生だった僕には、さっぱりその良さが分からず、散々腐したんですよ。
まぁ、今じゃ考えられないようなことですが、あのゴダール相手に散々腐したわけです。
で、そんなガキの頃の体験があって、あれから長い年月も経って、ゴダールという作家が、どういう人で、どんな作品を撮っているか、という基本的なことが分かるに連れて、ちょこちょこゴダール監督の映画も見るようになった訳なんですが、まぁ、そうやって、全部じゃないけど、ある程度、ジャン=リュック・ゴダールの作品の良さみたいなものも、理解できるようになってきたもんだから、今この名作を見れば、あの学生時代に見た感じ方と、また違った見方が出来るんではないかと思って、今回この名作『気狂いピエロ』を再度見たというわけです。

で、どうだったかって言うと、これがまた、なかなかいい感じに楽しませてもらえたんです。
だからと言って、どこぞのヨーロッピッア~ンなシネフィルみたいに「ゴダールこそ神!」とかは言わないけれど。
当時では分からなかった良さ美しさ面白さ驚きなどが、けっこうたくさん詰まっているのが分かって、なるほど時間をかけて勉強や経験はするもんだなぁ…と今さらながらに思いましたね。
確かに、一般的な映画文法を無視した前衛的な作品なので、ちょっと気を緩めると付いて行けなくなりそうなところ満載ですが、でもその分、最後まで緊張感を持って真剣に作品に集中することが出来ました。
うん、ここまで神経を集中させて、映画を見ることもなかなか出来ない体験だなぁ…と、感慨に耽ってみたりもしましたよ。
ああ…僕みたいなアホでもゴダールを面白いと感じられようになったんだなぁ…と、なんか嬉しくなりしましたね。

ま、とりあえず、映画を一言でも語ろうというなら、もしくは映画が好きとか、映画鑑賞が趣味ですとか、履歴書に書いたり自己紹介で人前で話したりするならば、絶対に見てなくちゃいけない、義務のような作品ですね。

『回路』★黒沢清

2008年02月17日 06時05分23秒 | 映画
天下の奇作『ドレミファ娘の血は騒ぐ』に続けて、また世界のクロサワの映画を見てしまいました。
世界のクロサワと言ってもアキラの方じゃなくて、世界のキヨシクロサワの方ですよ。
僕はアキラクロサワよりキヨシクロサワの方がめっちゃ好きですね。
もう、なんつうか、作る映画作る映画が、ホントみんな変てこなんだもん。
マジ日本が世界に誇る奇才ですよ。
鬼才と言ってもいいかな。
ホラーなんですけどね、怖いんですけどね、なんつうか、「カックン」する幽霊とかメッチャ怖いんですけどね、ソファーからゆっくり顔覗かせる幽霊の目とかメッチャ怖いんですけどね、幽霊なんだけど手で掴めちゃうとかメッチャ怖いんですけどね……、でもね、その中でも何が一番ビックリしたかって言うと、ある女性が飛び降り自殺をするシーンを引きのロング1カットの絵で撮っちゃったってこと。
これには一瞬「え…何?」って呆気にとられて、我に返ったところで「ゲゲェ!!!」目を引ん剥いてしまいましたよ。
僅か数秒ほどのシーンなんですけどね、手前で主人公の麻生久美子がいて、その向こうの鉄塔みたいなテッペンから人が「きゃ~!」って飛び降りるんですよ。
背景で人が普通に落ちちゃうんですよ。
えええ!!!これどうやって撮ったの!!!ってビビリますよ。
CG使ってはいるんですけどね、こんな発想が出てくる黒沢監督って、まさに鬼才、ホンマもんの鬼ですよ!人間業の演出じゃない。
それと、あまりに唐突な飛行機の墜落炎上とか…、ここで飛行機落としますか???って…。
なんなの?この感性?常人離れにも程があります(笑)。
絶海の中での印象的なラストカット~エンドロールが流れて、今回もやっぱり「なんじゃこりゃ~!」って言ってしまいましたよ。

それに付いて行けないレベルの低い客どもは「分からない」っていう思慮の無い言葉一言でもって、ネットで自分の馬鹿さ加減を全世界へ向けて曝け出していますねぇ。
ネットで黒沢作品を低評価している奴らって、みんなこの「分からない」っていう言葉で片付けちゃってるんですよね。
「分からない」のは自分が理解しようとしていない怠け者か、もともと理解する能力が不足している馬鹿かどちらかなのにね。
批判する人は「分からない」では無く、もっと意味のある言葉でもって説得力のある説明が出来ないのかなぁと思うここ最近。
まいどまいど書いてますが、まぁね、作り手もそうだけど、客ももっとレベル上げていかないと駄目だなぁと、殊に黒沢清作品のレビューを読むにつけ、つくづく思うわけですよ。

ああ、例によって例の如く、人の作った作品の猿真似映画か、無理矢理こじつけパート2映画しか作れない、ハリウッドが最近この『回路』をリメイクしたそうですが、果たしてどれほどの出来なんでしょうかね?

『ドレミファ娘の血は騒ぐ』★黒沢清

2008年02月16日 02時46分17秒 | 映画
『バベル』『硫黄島からの手紙』と、ここ最近けっこう重めの所謂アメリカ名作ばかりを見ている私ですが、今回もある意味、チョーーーーー名作を鑑賞しました。
このある意味チョーーーーー名作は、元々はポルノ映画『女子大生・はずかしゼミナール』という企画で制作されたらしいのですが、試写を見た日活が「これはポルノではない!」と拒否して、お蔵入りになるところを、EPICソニーやディレクターズカンパニーが出資して、一般映画として完成させたっていう作品です。
『硫黄島の手紙』の次が『ドレミファ娘の血は騒ぐ』ですから、我ながら、この振り幅の大きさが大好きです。
うちの出た大阪芸術大学っていう学校は、この『ドレミファ娘の血は騒ぐ』を講義の教材として使い、黒沢清監督をゲスト講師として招くという暴挙を行った大学で、そんな原体験を味わわせてくれた、作品と監督さんなのです。
だからどうってことではないですが。

いやぁ、何書いてるか分からんちょ。

『硫黄島からの手紙』★クリント・イーストウッド

2008年02月15日 04時47分32秒 | 映画
まずは、市川崑監督が亡くなりました。
ご冥福をお祈りいたします。

そんなわけで、殆ど洋画を見ない私が、『バベル』に続けてまたアメリカ映画を見てしまった。
社会現象になるくらい、とても話題になった作品なので今さらなんだけどね。
もう何も語る言葉が無い。
語る術も持たない。
近年稀に見る傑作。
アメリカ映画の底力を痛感した。

もしこれが日本人が作っていたならどうなっていたかと想像するとおぞましい。
極端に戦争の悲惨さと平和と命の尊さをヒステリックに叫びつつヒューマニズムやイデオロギーの糞尿に塗れるか、逆に祖国のため、愛する家族のため、守るべき者のために自らの命を捧げて戦う尊さをヒステリックに叫びつつ戦争を美化するか。
おそらくアメリカ人だからこそ、ここまで冷静に淡々ととてもニュートラルな目線で日本の戦争が描けたんでしょうね。
文句無く非常に素晴らしい映画でした。