CareTaker 's Log

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警察が情報漏えいを幇助する

2006-03-10 23:05:28 | 雑記
「逮捕されなければ対処できた」 公判でウィニー開発者 (朝日新聞) - goo ニュース

ファイル交換ソフト「ウィニー」の開発者で、著作権法違反幇助(ほうじょ)の罪に問われている元東大大学院助手のプログラマー、金子勇被告(35)の第20回公判が9日、京都地裁(氷室真裁判長)であった。弁護側の被告人質問で金子被告は、全国でウイルスに感染したウィニーを介して情報流出が相次いでいる問題について「私が逮捕されていなければ対処ができ、初めから問題は起きなかった」と述べた。

 弁護側は「流出問題の対応策を取れるのか」と質問。金子被告は「問題を防ぐように改良することは比較的容易にできるし、積極的に対処したいが、改良を問題視されて、罪に問われた。今改良すれば、また幇助に問われることになる」と述べた。

 この日は被告人質問に先立って裁判官の交代に伴う弁論の更新手続きがあり、弁護側は一連の情報流出問題は逮捕の約3カ月後から始まったと指摘。「被告はウイルス対策のアイデアを持っているが、警察に新たな事件にされることを恐れて対策を取ることができない」と述べた。

社説:海自情報流出 ソフトの欠陥放置も問題だ

情報のネット流出が相次いでいる。今度は海上自衛隊の機密情報が流れていた。戦闘訓練の計画表とその評価書など、国防にまつわる多数の機密が含まれていたというから、驚きだ。

 小泉純一郎首相は防衛庁に原因究明を指示し、海上幕僚監部は事故調査特別委員会を設けて全容解明を急ぐとともに、再発防止策の検討など、対策に追われている。

 護衛艦「あさゆき」の海曹長が艦内からコピーし、自宅の私用パソコンに入れた。このパソコンでファイル交換ソフトのウィニーが使われ、ウイルスに感染していたことから、ネットに流れ出した。

 過去最大級の軍事情報漏えい問題に発展しかねない事態が、自衛官のうっかりで起こってしまった。流出した中には、艦艇のコールサインや、暗号の解読機とみられる「符号変更装置」の操作手順などもあった。あまりにも深刻で、笑うに笑えない事態だ。

 流出発覚のいきさつも問題だ。今月16日にネット上の掲示板で「海自の機密情報が漏れている」との書き込みがあり調査を開始した。しかし、実際に流出を確認したのは21日になってからだった。

 インターネットは情報流通の中軸になりつつある。ネットの監視は自衛隊にとっても必要なことだろう。ところが、自分たちの情報流出を確認するのに1週間近くかかっており、自衛隊の情報収集能力も疑わざるを得ない状態だ。

 ウィニーによる情報流出は海自以外にも相次ぎ、連日のように報じられている。その中には警察や裁判所、刑務所、郵政公社、病院など公的機関も含まれており、そのたびに関係者は大慌てだ。

 実は、ウィニーの作者も、ソフトウエアに欠陥があることを認めている。一度流出したファイルを消すことができない管理不能の状況は、ウィニーの技術的欠陥が原因であり、解決するアイデアもあることを明らかにしている。

 しかし、この作者は一昨年、京都府警に逮捕され、現在公判中だ。ウィニーを開発し、改良を繰り返していたことが著作権法違反ほう助にあたるというのだ。

 その結果、作者が欠陥を改良したくても、それができない状態になっている。流出したファイルの消去が目的でも、ソフトに手を加えると、さらに犯罪行為を重ねることになってしまうからだ。

 ウィニーの作者の逮捕は、その時点から意見が分かれていた。著作権侵害は違法ファイルを交換した人たちの行為で、ファイル交換ソフトの作者が逮捕された例は、米国などでもないからだ。

 逮捕の結果、ウィニーの欠陥が放置され、警察や裁判所、自衛隊の内部情報までも流出し、どうすることもできない皮肉な現象が起こっている。

 ぜい弱性のあるソフトはウィニーだけではない。インターネットにつながったパソコンで機密情報を扱うのがそもそも問題だ。

 しかし、現実に社会に多大な被害を与えながら、ウィニーの欠陥が放置され続けているというのもおかしなことだ。

毎日新聞 2006年2月26日 東京朝刊


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コンピュータウィルスは自然界のウィルスとは違い人為的に造り出されたものである。ウィルスを作る人はその目的を達成するために攻略するソフトを研究し、脆弱な部分を見つけ、そこを攻撃するものを造る。だからソフトを造っている側も弱点を見つけるとその弱点を無くすようにソフトを改良するのである。

現在、ウィニーではその改良が出来ない。すれば罪に問われるからだ。もし、ソフトの改良ができていれば情報流出の問題が起きた直後に対策を取っていれば今のような問題はおきていなかった。ウィニーによる情報漏えいということでウィニー自体を批判するのは的外れだ。問題を引き起こしているのはウィニーではなくウィニーによって感染し情報を垂れ流しているウィルスであり、それを防ぐことをさせない京都府警にある。

現在、急いでなすべきは公判ではなく、これ以上の情報漏えいを防ぐためのソフトウェアのアップデートだ。それができなければ京都府警こそ情報漏えいの幇助で罪に問われなければならない。


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