あるプロジェクトに携わっていて、
そのプロジェクト自体は、報告会も終わり、完了したのだけれど、
そこで使ったデータ類を提出する、という仕事が残っている。
このプロジェクト、かなり大がかりなものであったにもかかわらず、
雀の涙程度の契約料で、そもそも10倍くらいの仕事をこなしていたにもかかわらず、
変更要求やら重箱の隅を突くような細かい指摘が多かった。
疲弊もし尽くしたところに、
さらにグラフで示したデータの一覧表を提出して欲しいという要求が来た。
本来であれば、
先輩から指示が来る前に、「やっておきました!」と
ちゃちゃっとやってしまう仕事なのだけれども、
今回ばかりは、その気力すら湧かなかった。
プロジェクト、と考えれば、惰性というか、慣性(の法則)で、
勢いでやれなくもなかったのかもしれないのだけれど、
なぜかその力もなかった。
そもそもの問題を引き起こしたのが、
コミュニケーション不足、いい加減なマネジメント
(先方とやり取りしていた先輩がその内容を実動部隊に伝えていない、
報告書の考察を複数人でやっていたのだけれど、
事前に擦り合わせた内容をたった一人の先輩が勝手に覆してしまい
やり直しに次ぐやり直しが発生した…などなど)
ということもあり、信頼関係もガラガラと崩れ去っていた、
というのもあるのかもしれない。
もう一方の要因として、
莫大な量のデータ集計・転記に次ぐ転記、そして、誰もチェックしない
という状況の果てに、相当数のミスが発覚し、
集計担当者自身も、自信すらなくし果てていた、というのもある。
(ここは、ミスを犯すということが問題なのではなく、
人間はミスをするものだ、という考えに立ち、チェック体制を十分に
敷いていなかったことのほうが、本当は問題なのだが。
…まぁ、それを見越して、セルフチェックだけでなく、
第三者にチェックを頼む、ということも大事だったのだけれども。)
そもそも、他の仕事も抱えた中、
2ケ月で11冊、グラフ数にして約200、それを手作業でコピペしていく…
(更には、先輩のチェックが入るたびに、細かい体裁の修正で
全グラフの貼り直しというのが何度も何度も生じていた…)
というのがそもそも問題だったのだろう。
文句はいくらでも出てくる仕事ではあったのだけれども、
ここでふと思い出す逸話がある。
もう何度か紹介しているかもしれないけれども、
任天堂の岩田社長のことば。
---
岩田 あの、私の経験からいうと、
あるプロジェクトがうまくいくときって、
理想的なリーダーがすべて先を読んで
きれいに作業を割り振って分担して
そのとおりにやったらできました、
という感じのときではないですね。
糸井 ああー、そうですか。
岩田 まぁ、とくに、ぼくらの仕事は、
人を驚かせたり感動させたりすることですから、
事前に理詰めで計画をたてることが
難しいというのもあるんですが。
一方で、どういう企画がうまくいくかというと、
最初の計画では決まってなかったことを、
「これ、ぼくがやっておきましょうか?」
というような感じで誰かが処理してくれるとき。
そういう人がたくさん現れるプロジェクトは
だいたい、うまくいくんです。
---
私自身、そういう人(「これ、ぼくがやっておきましょうか?」という人)
であること心がけてやってきたつもりだったのだけれど、
今回ばかりは、このいいひとをやるのもバカバカしくなっちゃったなぁ、
(結局それって、うまく使われる=成果だけ取り上げられて、評価もされない、
だけなんでしょ?、と感じちゃった)ということなんだけれど。
なんだかこれも、カナシイことだなぁ。と思うのでした。
うまくいく仕事って、結局、
参画している誰もが、「これ自分がやっておきましょう」と
積極的にやってくことが大事なんだなぁ、って、改めて思ったのでした。
※岩田聡さんの言葉は、ほぼ日刊イトイ新聞
「適切な大きさの問題さえ生まれれば(梅田望夫×岩田聡×糸井重里)」
からの抜粋でした。
そのプロジェクト自体は、報告会も終わり、完了したのだけれど、
そこで使ったデータ類を提出する、という仕事が残っている。
このプロジェクト、かなり大がかりなものであったにもかかわらず、
雀の涙程度の契約料で、そもそも10倍くらいの仕事をこなしていたにもかかわらず、
変更要求やら重箱の隅を突くような細かい指摘が多かった。
疲弊もし尽くしたところに、
さらにグラフで示したデータの一覧表を提出して欲しいという要求が来た。
本来であれば、
先輩から指示が来る前に、「やっておきました!」と
ちゃちゃっとやってしまう仕事なのだけれども、
今回ばかりは、その気力すら湧かなかった。
プロジェクト、と考えれば、惰性というか、慣性(の法則)で、
勢いでやれなくもなかったのかもしれないのだけれど、
なぜかその力もなかった。
そもそもの問題を引き起こしたのが、
コミュニケーション不足、いい加減なマネジメント
(先方とやり取りしていた先輩がその内容を実動部隊に伝えていない、
報告書の考察を複数人でやっていたのだけれど、
事前に擦り合わせた内容をたった一人の先輩が勝手に覆してしまい
やり直しに次ぐやり直しが発生した…などなど)
ということもあり、信頼関係もガラガラと崩れ去っていた、
というのもあるのかもしれない。
もう一方の要因として、
莫大な量のデータ集計・転記に次ぐ転記、そして、誰もチェックしない
という状況の果てに、相当数のミスが発覚し、
集計担当者自身も、自信すらなくし果てていた、というのもある。
(ここは、ミスを犯すということが問題なのではなく、
人間はミスをするものだ、という考えに立ち、チェック体制を十分に
敷いていなかったことのほうが、本当は問題なのだが。
…まぁ、それを見越して、セルフチェックだけでなく、
第三者にチェックを頼む、ということも大事だったのだけれども。)
そもそも、他の仕事も抱えた中、
2ケ月で11冊、グラフ数にして約200、それを手作業でコピペしていく…
(更には、先輩のチェックが入るたびに、細かい体裁の修正で
全グラフの貼り直しというのが何度も何度も生じていた…)
というのがそもそも問題だったのだろう。
文句はいくらでも出てくる仕事ではあったのだけれども、
ここでふと思い出す逸話がある。
もう何度か紹介しているかもしれないけれども、
任天堂の岩田社長のことば。
---
岩田 あの、私の経験からいうと、
あるプロジェクトがうまくいくときって、
理想的なリーダーがすべて先を読んで
きれいに作業を割り振って分担して
そのとおりにやったらできました、
という感じのときではないですね。
糸井 ああー、そうですか。
岩田 まぁ、とくに、ぼくらの仕事は、
人を驚かせたり感動させたりすることですから、
事前に理詰めで計画をたてることが
難しいというのもあるんですが。
一方で、どういう企画がうまくいくかというと、
最初の計画では決まってなかったことを、
「これ、ぼくがやっておきましょうか?」
というような感じで誰かが処理してくれるとき。
そういう人がたくさん現れるプロジェクトは
だいたい、うまくいくんです。
---
私自身、そういう人(「これ、ぼくがやっておきましょうか?」という人)
であること心がけてやってきたつもりだったのだけれど、
今回ばかりは、このいいひとをやるのもバカバカしくなっちゃったなぁ、
(結局それって、うまく使われる=成果だけ取り上げられて、評価もされない、
だけなんでしょ?、と感じちゃった)ということなんだけれど。
なんだかこれも、カナシイことだなぁ。と思うのでした。
うまくいく仕事って、結局、
参画している誰もが、「これ自分がやっておきましょう」と
積極的にやってくことが大事なんだなぁ、って、改めて思ったのでした。
※岩田聡さんの言葉は、ほぼ日刊イトイ新聞
「適切な大きさの問題さえ生まれれば(梅田望夫×岩田聡×糸井重里)」
からの抜粋でした。