■元凶はメーターではなく「メーター至上主義者」
誤解なきよう正確に挙げると、ダメージーメーターそのものではなく、
メーターを他人の評価基準としているユーザーに要因がある。
彼らの勝手な判断によって、Disc Priの評価が貶められていると言いたいのだ。
Healerを、メーターにおけるHealing Doneの値だけで
評価することほど馬鹿げた話はない。
純粋に多ければ多いほど良いDamage Doneとは性質が異なり、
Healing DoneやHPSなどは多ければ良いなんてものではないからだ。
Tankたちの努力によって向上されるMitigationやAvoidance、
さらには他のRaidメンバーたちの動きの上達などは、
総合的なRaidの被ダメージ量を減少させる。
当然、それに比例してHealing Doneも小さくなっていくのだが、
むしろこれは歓迎すべき結果であるはずだ。
ダメージメーターはあくまでダメージ量の計測が主目的のツールであり、
Healingメーターはそれに付随する、参考程度の資料として捉えるのがちょうどいい。
私たちHealerの最大の目的はRaidを生かしきることであり、
なるべく速く多くHeal量を稼ぐことでは決してない。
それなのに現在、Healerたちに対しても
稼いだHealing Doneの大小だけで評価を下すという風潮は、確かにある。
思い込みかもしれないが、長くDPSを経験してきた者ほど、そうする傾向が強い。
私はそんな彼らを「メーター至上主義者」などと陰で呼ぶことにしている。
■最大の武器が記録に残らない不遇のSpec
「メーター至上主義者」たちの頭の中は単純明快である。
Healing Doneが高かった = Good Healer
Healing Doneが低かった = Bad Healer
こんな考え方が広範に及んでいるものだから、Disc Priでなくても参るところだ。
ここのブログのオーナーも、他の大多数のDisc Priと同様、
「メーター至上主義」からの解放を切実に訴えている一人だ。
勝手に引用させていただく。
彼の挙げたNaxx Raidのメーター内で、
Disc Priである彼自身のHealing Doneの順位は、
7人のHealerの中でもダントツの最下位だ。
トータルのHeal量も、トップと比べては半分にも満たない。
もちろん「メーター至上主義者」から言わせると、彼はBad Healerの類になってしまう。
ただし、Disc Priの特性を把握すればわかることだが、
Disc PriのHealing Doneが低いことなど当然の結果である。
Disc Priの最大の強みは何と言ってもダメージ吸収の提供であり、
その吸収量は、Heal量としてはカウントされない。
彼は、自身が稼いだ400万のHealing Doneの他に、
約270万もの「Absorb Done」をもたらしたと告白している。
吸収量もHealingと見なされるのならば、彼も堂々と上位にランクされていたはずだ。
しかし悲しいことに、ダメージメーターは「Absorb Done」を計算しない。
Addon側の非ではなく、WoW本体のCombat Logが、
「誰の」「どのSpellによって」被ダメージが軽減されたのか、
吸収に関しては明示しないからだそうだ。
Disc Priの言わば「Effective Healing」のうち
約4割もダメージ吸収が占めるという事実も驚きだが、
とにかくこの貢献度が表面化せず、記録にも残らないというのは悲惨な話である。