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画像診断 初学者ブログ

画像診断をやりはじめたばかりの初学者のメモ書きです。
ご指導いただければ幸いです。

Page Kidney

2013-06-05 21:50:41 | 腹部
日本語でなんと言うのかわからない

最近ちょこちょこやっている画像診断アプリで出て来た。
green bookをひらいてみた

PAGE KIDNEY
= renin-angiotensin-mediated hypertension caused by
reduction of blood flow to kidney secondary to renal
compression in a perinephric / subcapsular location

Etiology:
(1) Spontaneous hematoma (most common)
(2) Blunt trauma with chronic contained
subcapsular hematoma / perirenal scarring
(3) Cyst
(4) Tumor

V stretching + splaying of intrarenal vessels
V slow arterial washout
V distortion of renal contour + thinning of renal parenchyma
V enlarged + displaced capsular artery


on setはsuddenでもゆっくりでもいいようだ。



腸回転異常症

2013-05-10 19:23:12 | 腹部
胎児の腸管は、一本の頭尾側方向に走る原腸から発達する。

発生上、腹腔動脈、上腸間膜動脈、下腸間膜動脈によって支配(血液供給)されている腸管をそれぞれ前腸、中腸、後腸という。これらの境界は十二指腸下行脚と横行結腸にある。

中腸は十二指腸のVater乳頭から横行結腸の脾弯曲までをさす。

腸回転異常はこの中腸の発生過程で正常ではない回転を来している状態を言う。



正常の回転を勉強するところからはじめる。

中腸は発生の過程で一旦臍帯内に出て、また腹腔内に戻って来る。

その間にSMAを軸として反時計回りに270°回転する。




180°回転したあとの図



さらに90°回転し終えたのが下の左の図



左の図ではまだ盲腸が肝彎曲あたりにあるが、この回転とは別に下のほうに伸びてくる。

それで完成。

全体の流れはこんな感じ




なぜ270°なのか腑に落ちなかったが、最初の腸管が上下方向に縦に並んでいるので、完成形は横であることを考えると納得した。


腸回転異常は以下の3つに大きく分類される

1)不完全回転型 incomplete rotation:180°で回転が止まる
  Ladd靭帯でイレウス生じる、中腸軸捻転が生じる
2)無回転 nonrotation:90°で回転が止まる
 中腸軸捻転が生じる
3)逆回転 reversed rotation


回転異常があると何が問題かというと、固定不良あるいは固定過多のために腸管の閉塞を生じる事がある。

1)であればLadd靭帯による十二指腸圧迫閉塞あるいは中腸軸捻転
2)3)であれば中腸軸捻転

が生じやすくなる。



ちなみにLadd靭帯とは








中腸軸捻転は不完全回転型でも無回転型でも生じるがそのシェーマはこちらがわかりやすい






ちなみに、これは発生異常の疾患だが、成人してから腸管閉塞で見つかる事もある。

画像のキーとしては

◉SMA,SMVが逆の位置にある

◉十二指腸水平部が腹腔動脈とSMAの間にない

事があるがこれがないからといって否定はできない。



難しい。


Erdheim-Chester病

2013-03-16 17:12:48 | 腹部
Erdheim-Chester病
エーデルハイム チェスター病

線維化を伴いながら組織球が浸潤し,黄色腫性あるいは黄色肉芽腫性病変を形成する原因不明の組織球症であり,免疫組織学的にCD68陽性,CDIa陰性の特徴をもつ。50歳代に多く,小児ではまれであり,男性症例が約3/4を占める。最近ではinterferon一αが非常に有効
骨と腎病変が典型的
骨:皮質骨の肥厚/両側対称性に骨シンチの集積+
  四肢長管骨に対称性に生じる骨硬化性病変
  肋骨・仙骨・頭蓋骨・腰椎にも生じうる
腎:両側腎周囲腔に軟部陰影増生
この2つが非常に特徴的
心臓/大血管:大動脈を取り巻くような暑い軟部組織coated aorta、肝動脈周囲や心臓周囲、縦隔脂肪織に広がる境界不明瞭な軟部陰影
肺:小葉間隔壁の肥厚、結節影
消化管

ECR case of the day 1-1

2013-03-10 06:17:22 | 腹部
オーストリアの学会に来ています。

観光に興味がなく、case of the day を見ています。

1つづつ復習を。


まず1つ目

49歳男性、seminomaの既往あり、術後化学療法後。
急な心窩部痛と高血圧クリーゼ(hypertensive crisis)を主訴に救急受診



Possible answers
Metastases from testicular seminoma
Retroperitoneal leiomyosarcoma
Renal cell carcinoma
Renal lymphoma
Transpelvic infiltrating urothelial cancer

というわけなんですが。

答えはRenal lymphomaでした。


解説を読んでみます。

seminoma術後であり、一番にその転移を考えたいのですが、画像上なんでそれが否定できるか。

一般的にseminomaは鼠径部血管に沿ったリンパ管を通じて転移する。
腸腰筋の前面~傍大動脈/腎門部にかけて広がりやすい。
またSeminomaの転移は一般的に軟部腫瘤程度のCT値である。

ここまでの所見は画像に比較的一致している。

精巣癌の後腹膜腔への転移であったばあい、尿管への浸潤を認める事はないし、対側のリンパ節の腫脹が全くないのも変である。
またseminoma術後放射線化学療法を施行されているため、二次癌(lymphoma や白血病)の発生率が上昇するであろう事も鑑別する際に考える必要がある。

よって、seminomaの転移は鑑別より除外される

その他の選択肢について
leiomyosarcoma:通常内部不均一、内部に壊死を伴うことが多い
Transpelvic infiltrating urothelial cancer:進展様式を考えると合致しないそうだが、イマイチ書いてある事がわからない。腎は萎縮するはずとのこと。
Renal cell carcinoma:局所的な水腎症や腎杯の圧排を認めるが、軟部組織腫瘍のような後腹膜進展はしないから。

Renal lymphomaは非常に稀な疾患なので、自分のような初学者がその画像所見を勉強するよりも普通のRCCの診断が出来るようになるほうが重要に思うが、
解説に掲載されていた部分のみ抜粋する。

50-60%:種々のサイズの多発性実質性病変
20-30%:後腹膜腔の軟部陰影が腎やその周囲を圧排する
これが特徴?


ちなみにretrospectiveに症状について画像と一致させると・・・
腎のリンパ腫は基本的に全身に広がるnon Hodgkin lymphomaが色々なところにできるのの一環で生じることが多く、今回のケースはそういう意味では稀
急性腎障害は尿管の圧排のため
高血圧クリーゼは腫瘍が浸潤性に腎動脈を圧排したため

だそうです。


若輩ながら、CTだけで臨床で診断は無理じゃないかと思った次第でございます。
まぁ、クイズですしね。



静脈硬化性大腸炎 phlebosclerotic colitis

2013-01-30 19:35:07 | 腹部
静脈硬化性大腸炎は静脈還流障害による虚血性大腸炎である。

画像は石灰化があれば、すごく特徴的。

病理では腸管壁ならびに腸間膜の細動脈に石灰化を伴う膠原線維の増殖があり、細静脈内腔が狭窄する。
右結腸が侵される事がおおく、特に上行結腸が多い。
(左結腸は動脈性の虚血性大腸炎が多いのが対照的)

急性期は虚血により浮腫状で易出血性である。

肝硬変合併しやすいが、原因は不明。
日本に多く、radiographicsで検索してもひっかからなかった。