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画像診断 初学者ブログ

画像診断をやりはじめたばかりの初学者のメモ書きです。
ご指導いただければ幸いです。

褐色脂肪細胞

2013-01-30 19:31:24 | 核医学
褐色脂肪細胞はPETでのuptakeが寒冷時に上がるため、腫瘍や転移との間違いが生じやすい。

おもに頸部、肩甲骨周囲、傍脊柱領域によく見られるが、副腎周囲など横隔膜下に認められることもある。

脂肪組織の中に存在したり、骨周囲に存在することもあり、PETのみでの鑑別は困難である。

また骨転移もCTでは全く硬化性/溶骨性変化が特徴的でない場合もあるので、診断は困難である。

疑った場合はMRIを追加で検査し、悪性の除外が必要となる。


(追記)
かなり古い論文だけども、褐色脂肪細胞の分布に関して剖検で研究しているものを見つけました。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1271341/pdf/janat00320-0042.pdf

剖検で認められた部位として、列挙されているのは

腎周囲、副腎、大動脈、頸部、縦隔とされています。

上の論文を踏まえて、PETの大御所にどれくらいの頻度で褐色脂肪細胞の生理的集積が認められるか聞いてみた。

基本的に横隔膜下はまれだが、頻度的には頸部~傍脊柱など横隔膜上:横隔膜下=20:1程度で認めるとのこと。


組織上に存在していることとアクテビティは違うので、画像上の違いが生じるのではないかと言われた。





勉強不足なのだけれども、SPECTとPETはいつもごっちゃになってどっちがどんなだかすぐに忘れてしまう。


これはすごくわかりやすい。

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/166232.html

SPECTはコリメーターが必要。γ線は一方向。

脳、心臓、肝臓などに使用する。


PETはコリメーターが不要。γ線は二方向。

癌、心臓、脳などに使用する。


「PETでは人体内にありふれた元素の同位元素であるC11、N13、O15、F18などが利用できることが重要です。水や糖や脂肪をこれらの放射性同位元素でラベルしたものを注射薬あるいは吸入ガスとして用いて、薬が血流と共に循環する様子や生化学反応で代謝される過程を詳細に分析できる訳です。これは診断はもとより、生理学や薬理学の基礎研究に非常に役立ちます。」

これが一番知りたかったところです。





tumor induced hypophosphatemic osteomalasia (FGF23/

2012-12-22 20:50:12 | 核医学
tumor induced hypophosphatemic osteomalasia (TIO)
腫瘍性骨軟化症


今核医学の世界でhotらしい。
111In-DOTA-c(RGDfK) がキーワードです。
読み方がイマイチ心許ない。



腫瘍が産生する物質により低リン血症を生じ、そのために骨軟化症が生じる病気。

近位筋の筋力低下も認める事がある。
採血ではFGF23が上昇する。

ただこの原因腫瘍は小さくて全身MRIやPETでも見つからない事が多い。

原因腫瘍は病理組織学的には間葉系腫瘍がほとんどで、phosphaturic mesenchymal tumor(mixed connective tissue variant)が70~80% と多数を占める。

間葉系腫瘍に発現しているsomatostatin receptor(SSTR)を標的としたoctreotide(Indium-111で標識)により腫瘍の局在を調べることができ、診断の一助となる報告が相次いでいる。

SSTR には 2 つのサブグループがあり,ソマトスタチンに対 する反応が高い SSTR2,3,5 と反応の低い SSTR1,4 があり, 後者のタイプの SSTR を発現する腫瘍では octreotide を使 用したシンチグラフィでも検出ができないばあいがある。
SSTR ではなく VIP レセプターを発現する間葉系腫瘍もあり、このばあいも検出できない。





http://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/048020120.pdf