クラスター、オーバーシュート、意味が分かって使っているのか？
新型コロナウイルス関連の報道でクラスター、オーバーシュート、ロックダウンなど、やたらとカタカナ言葉を使っています。
特に政府関係者が使っているのが気になります。
最初に登場したのが「クラスター」でした。
英語の「cluster」の意味は「集団」、「群れ」、「塊」などです。
意味がわかっている人が会見をしていれば日本語の意味「集団」を使って「集団感染」と表現したと思います。
その後のテレビ報道では「クラスターいわゆる集団感染」などと本来なら必要のない説明付きになっています。
最初に会見で使った人は誰に向かってクラスターという言葉を使ったのか説明してもらいたいところです。
次に出てきたオーバーシュートはもっとわからない言葉になっています。
私は仕事柄、自動制御もやっているのでオーバーシュートと言う言葉を良く使います。
けれども自動制御に関わっていない人に説明するときは別の言葉で説明するか、使ったとしてもその意味を説明します。
自動制御の場合、オーバーシュートはある状態から別の状態に制御を変えた時に目標としている値を越えてしまうことを意味しています。
最も早く目標としている値に安定させるにはオーバーシュートさせる条件が
良いのですが、対象によってはオーバーシュートさせてはいけない場合があるのでこの言葉は良く使います。
日本語訳としては「度を超す」、「行き過ぎる」「飛び出る」となっていて本来であれば主語が必要な言葉です。
自動制御であれば「目標値に対して制御値がオーバーシュートする」というような使い方で、日本語で表現するなら「目標値に対して制御値に行き過ぎがある」といようになります。
新型コロナウイルス関連で使っている表現では何に対してオーバーシュートするのか全く説明されていないと思います。
病院の受け入れ可能な患者数を感染者数が超える状況を表現していたのかもしれませんが的外れな言葉のように思います。
ネットを見ていたら3/24の段階で河野太郎防衛相が「わかりやすい言葉にしたほうがいい」と苦言を呈されていました。
もっともな意見です。
その記事の中で、「クラスター」「オーバーシュート」「ロックダウン」はそれぞれ「集団感染」「感染爆発」「都市封鎖」などと言い換えられると指摘されたそうです。
やはり「オーバーシュート」は言い換えた言葉とはしっくり来ないですね。
言い換えた言葉の方はすぐに理解できますよね。
カタカナ言葉を多用する人は本当はわかっていない人では？
テレビ、コンピューター、スマートフォンなど、一般的になっている言葉はそのまま使って構わないと思います。
しかし、少し専門的な言葉は一般的ではないので、その分野の関係者以外の人に対しては使うべきではないと思います。
何か新しいカタカナ言葉を覚えるとやたらと使いたがる人が居ますが、そういう人は本当の意味を理解していないと私は判断しています。
言葉が悪いかもしれませんが学が無いから理解出来ていない、だから日本語に置き換えられないと言うことだと思っています。
専門家ぶって格好付けでカタカナ言葉を使うのは学の無さを露呈させているだけです。
少し脱線しますが、「ストイック」という言葉もよく耳にします。
本当に意味を理解して使っている人がどれだけいるのか疑問に思います。
出来るだけ日本語で表現してわかりやすい会話をしましょう
カタカナ言葉を日本語で表現出来ないのは勉強不足と思われるということを意識して出来るだけ日本語で表現しましょう。
カタカナ言葉が増えて行き、将来はほとんどの言葉がカタカナ言葉になってしまうと危惧されている国語学者の方も居られるそうです。
そうなると漢字が無くなることになります。
少し違った事例ですが12年前、仕事で初めて韓国に行ったときは町中の看板に漢字が多く入っていました。
その時の取引先の社長さんが話していたのは「若者は漢字を使わなくなっている」でした。
一昨年、昨年、韓国に行った際は日本語の看板には漢字があるものの、それ以外はハングル文字だけになっていました。
日本もカタカナの間に助詞や接続詞の平仮名が入っているだけという状況になる可能性があります。
表意文字である漢字は見ただけで意味が解る素晴らしいものです。
この大切な文化を無くさないようにしたいところです。
そのためにもカタカナ言葉は出来るだけ日本語に表現を変えましょう。
