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ロートル技術屋の日記

物欲に負けて中古CPUを買ってしまいました。 ネットオークションやフリマの中古CPUは偽物と不動品に注意が必要

以前、リサイクルショップで見つけた超小型デスクトップPCのジャンク品が動作した話を紹介しました。


CPUに最も安価なCeleron G5905の中古を入手して動作確認しました。

動画のエンコードはCPUのグラフィクス機能に搭載されているIntel Quick Sync Videoを使うとCore i5 8500とあまり変わらないスピードで変換できました。

Celeron G5905のまま使うつもりでいたのですが、フルHDの動画を再生するとCPUファンのスピードが高速回転し結構うるさくなります。

低消費電力のCPUにすれば静かになると思っていました。
(Core i5-10500の未開封品を持っているのですが熱的には条件が悪くなるのと電源が心配なので試していません)

そんな中、フリマアプリに「取り外すまでは動作していた」という低消費電力版の上位機種Core i5-10500Tが14,000円で出品されていました。
動作保証なしの条件でしたが、取り外し前の動作を確認できる画像があったことと出品者に悪い評価が無かったので信用することにしました。

ちょうど年会費無料のクレジットカードを作ると上限3,000円の半額クーポンがもらえるキャンペーンをやっていたのでクレジットカードを申し込み、クーポンをもらって11,000円で購入しました。

Celeron G5905のTDP(熱設計電力)は58Wに対しCore i5-10500Tは35Wと6割程度です。
TDP(熱設計電力)は実際の最大消費電力ではありませんが目安にはなります。
最大消費電力は高性能版CPUはTDPの1.5倍以上、低消費電力版は1.5倍までにはならないそうです。

性能が良いのに消費電力が小さいのはとても良いことです。
値段が全然違うのが問題ですが...。

駆動周波数はCeleron G5905が3.5GHz固定なのに対しCore i5-10500Tは2.3~3.8GHzと動作状況により可変となっており負荷が低い場合にはかなり低い周波数で動作して低消費電力を実現しています。

Celeron G5905は2コア2スレッド、Core i5-10500Tは6コア12スレッドです。
コアはソフトウエアを同時に実行できるハードウエアの数です。
スレッドは同時に実行できるソフトウエアの数です。
Core i5-10500Tにはハイパースレッデイングという機能が搭載されていて1つのコアで2つのソフトウエアを同時に実行できる仕掛けが搭載されているのでコア数の2倍のスレッド数になっています。
スレッド数は6倍ですが実際の性能は3~4倍のようです。
それでも差が大きいです。

到着したCore i5-10500Tに交換すると正常に動作しました。
フルHDの動画を再生してみたところ、CPUファンの回転数は変化しませんでした。
目論見通りの結果になりました。

Intel Quick Sync Videoを使った動画の変換では2割ほど早く変換できるようになりました。

場所も取らず、消費電力も少ないのでこのPCをメインのPCにするかもしれません。

Core i5-10500の未開封品はもともとポイント消化で購入したもので、このまま使うことがなさそうなので処分するつもりです。

<中古CPUの話>
中古のCPUをネットオークションやフリマで購入する際は偽物や不動品に注意が必要です。
特に、「確認する環境が無い」とか、「大量仕入れのため」とかの理由をつけて動作未確認となっているものは危ないです。

偽物かどうかは画像から確認することが出来る場合があります。

それは一部の人には良く知られている方法ですが、インテルの保証内容の確認サイトで調べる方法です。

こちらのサイトでバッチナンバーとシリアルナンバーを入れて確認すれば偽物かどうか判別できます。(後述しますが完全では無いかもしれません)


インテルの保証内容確認サイトを開くとこの画面が表示されるので製品タイプのプルダウンメニューから「プロセッサ」を選びます。


中央の「シリアルナンバー/バッチナンバー」欄にバッチナンバーを右の欄にシリアルナンバーを入力します。

こちらの画像の金属部分に記載されている「V103C963」がバッチナンバー、
左上の基板に刻印されている「00724」がシリアルナンバーです。
箱にはいった製品の場合は外箱のラベルにも印刷されています。
(シリアルナンバーはもっと長く最後の5桁が基板と同じ番号になっています)

この画像のバッチナンバーとシリアルナンバーは別のCPUの物を組み合わせているので本来は実在しないと思っていました。

入力し終えたら確認ボタンをクリックしてしばらくすると結果が表示されます。

1.BOX版CPUの場合
BOX版は名前の通り紙箱に入った状態で販売されているものです。
3年間の保証があり、次のような画面が表示されます。
(ネットで販売されていた中古CPUのデータを使いました)


保証期限が表示されています。
これは正規の物です。

保証期間内であれば故障しても保証が受けられます。
ただし、納品書や領収書など購入したことを証明する書類が必要ですので注意が必要です。
品物と一緒に記名の無いレシート等をつけてもらうことが可能であれば万が一不動品が到着したとしてもインテルの保証が受けられるので安心して購入できます。

2.トレイ版CPUの場合
トレイ版CPUは専用のトレイに多数並べられてパソコンメーカーに供給される形態のCPUです。
メーカー製のPCから取り外されたCPUということになります。



トレイ版の場合はパソコンメーカーがPC本体を保証する形になるのでインテルの保証が受けられないということになっていますが、こちらの表示であれば正規品ということになります。

見本に上げた画像は別のCPUのシリアルナンバーを組み合わせているので存在しないはずでしたが、トレイ版と判断されました。
たまたま存在する組み合わせになっていたということのようです。
この調べ方は完全では無いのかもしれません。

3.番号を間違えて入力している場合
入力した番号が少し違っている場合はこのような画面になることがあります。

番号を確認して入力しなおすと正しい情報が表示される場合があります。
何度入力しなおしても表示が変わらない場合は偽物の可能性が高いです。

4.偽物の場合
偽物の場合はこちらのように「製品が見つかりませんでした。」という表示になります。


これは完全に偽物です。

ヤフオクに出品されているインテルの第10世代、11世代のCore i5の画像を調べてみましたが「製品が見つかりませんでした。」になるパターンが結構ありました。
特に第10世代最上位の10600は確率が高かったです。

CPUの偽物が存在する理由
何故、偽物が存在するかというと性能の高い人気のあるCPUはジャンク品、動作未確認でも結構高い値段で売れるからです。

過去に某国で金属のキャップ部分を偽造し、安いCPUの基板に装着して販売していたというような話があります。
動作はするのですが性能が低いというパターンが多かったようです。
これをもっと悪質にしたのが動作しない偽物です。

マニアの中には「殻割」と言って基板と金属部分を万力などを使って無理やり分離してCPUのコアと金属部分の間の放熱グリスを熱伝導の良いものに変えて放熱性を高めてオーバークロックという本来の周波数よりも高い周波数で動作させて性能を上げようとする人たちがいます。
この「殻割」に失敗して基板が割れてしまうことがあります。

こちらは殻割失敗品を集めたものと思われます。


また、オーバークロックのやりすぎでCPUが壊れる場合があります。
故障したCPUの金属部分を使って偽物を仕立てている人がいるのではないかと思われます。

すべて悪意のある人たちの仕業ということになります。

不動品の判別方法
偽物ではなかったとしても動作しない可能性が高い物を判断する方法があります。
それは、こちらの画像のようにCPU固定金具と接触する部分が大きく変形しているものです。



このようなCPUは動作しないジャンク品が多数の人の手に渡って何度も装着したり外したりが繰り返された可能性が高いです。
2~3度の装着ではここまで変形することはほぼありません。

とにかくCPUに関しては値段が安くても動作保証が無い物には手を出さないのが無難です。
特に性能の高い人気のあるCPUほど危険です。

今回購入したCPUは本当に必要だったかというと微妙なところです。
たまたまフリマアプリでそこそこの値段の物を見つけてしまい物欲に負けて購入してしまいました。
性能の低いPCを処分して空間を開けることにつながったということで納得することにしています。
出来る限り無駄遣いはしたくないのですが、気になりだすと止まらないのは困った性格です。

2023.6.14 追記

Youtubeで偽物のCPUを購入されて分解までされた方がいました。
参考になると思います。


追記終わり

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