噛噛堂ときどき営業中

ハイホーと、
めしの支度の合間縫い、
噛噛堂書店はときどき営業中。

「豚の死なない日」

2007年09月05日 | 読んだり

ロバート・ニュートン・ペック    白水社  1972年


[ちょいすじ] 豚のを生業とする父。文字は読めなくとも人間として気高きその父に育まれる少年ロバート・ペックの成長記。


四の五の言ってないで今日を生きる。
それが当たり前でなくなってしまった、逞しさに大きく欠ける我等がセーカツ…
小学生や中学生くらいの感受性のうちに、ぜひ一読願いたい。
なにかっちゅーと学校のせいにしてギャアギャア騒ぐ親どもも、
14頁目(!)ですでに血だらけ(なんで?って、これがまたのっけからスゲー展開でして…)になってる我が子ロバートを前にした、父と母のフツーな反応の前にひれ伏すがいい。(…ってそんなヒトは読書もしないか)

一匹の子豚を手に入れただけで世界一の幸せ者になるロバートの胸の高まり。
チョコレートケーキのためにさらりとリスを狩るロバートのそれが日常。
12才で一家を背負うことを引き受けたラスト「豚の死なない日」に向けて積み重ねられる「生活」を、
少年よ少女よ、父よ母よ、こりゃもう課題図書だぜよ!