牧山桂子 新潮社 2007年
[ちょいすじ] 白洲次郎と白洲正子の第三子にして長女の牧山桂子(かつらこ)さんにより暴かれる(!)、「生活」の中の次郎と正子。
いやー、いつかは読みたいと思っていた白洲正子さんの著書を読む前にこれ読んじゃったでしょー。
それら著作を、きっともう、普通の感覚じゃ読めないや(笑)
勝手に想像していた「素晴らしい」白洲正子観、崩壊~(爆)
「何かが変だ」 それは、私が何才の頃からか、自分を取り巻くまわりの世界を意識するようになった時に感じたことです…
この一文で始まり、
この本を書くにあたって、数人の友人たちに、自分たちの両親についてどのような思い出を持っているかを聞いたことがあります。彼らの両親についての思い出話は、きちんとした家庭の、テレビのホームドラマを見ているようでした。それらくらべ、私の両親は、子供の記憶に残るような事をする、おかしな人たちだったと思います。
このあとがきで閉じられる、思い出の断片集。
確かにフツーじゃない次郎と正子の「家庭」。
なれど、次郎なりに、正子なりに、つくられたその家庭に、愛あり。
時として意地悪なほど(特に母・正子に対して)秘話を暴く桂子。
なれど、そこにはやっぱり次郎への、正子への、愛あり。
家事能力のいっさい無い、
娘と常に張り合おうとする、
次郎へ勝ち誇ろうとする、正子。
ここで知ったそんな可笑しみを大事に抱えながら、
いつかその著作を読もう、白洲正子…