エッセー

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ふうが悪いマスメディア 

2017-01-23 13:27:00 | 読書

トランプ氏とツィッター
 政治問題の報道で最近気になることがある。アメリカの新大統領トランプ氏は過激な発言で知られるが選挙戦中の武器はツィッターだった。TPP離脱声明もホームページだった。   記者会見でもトランプ氏はCNNの質問を受け付けず、逆に罵倒する様子が報道された。   トランプ大統領とマスメディアは激しく対立しているが、 バイパスされ、おまけに選挙結果も見誤ったアメリカの新聞テレビなど既存マスメディアは何とも格好がが悪かった。

安倍首相とツィッター
   日本の安倍首相もよくツィッターを使う。
  ほとんどが左翼系の新聞テレビや市民運動家は「安倍政治を許さない」と躍起になって批判攻撃するが安倍内閣と自民党の支持率は下がらず、選挙では圧勝して自民一強状態になっている。日本のマスメディアは格好悪いというよりふうが悪い感じだ。                             
  この辺まではアメリカと似ている。日米ともにマスメディアがエスタブリッシュメント化してしまい大衆から浮き上がっているのではないかという感じなのだ。

▼「日本会議」の影                                                                                       日本のマスメディアには更におかしなことがある。                                      安倍内閣の強力なバックアップ勢力である「日本会議」のことをほとんど報じないことだ。「日本会議」は「生長の家」の元信者だった人たちが中枢部にいる。 
  この辺の詳細は「日本会議の研究 管野完 2016年 扶桑社新書」と「日本会議の正体   青木理  2016年 平凡社新書」で知った。
  連立与党の公明党の母体は創価学会だ。「日本会議」と創価学会が背後にいる安倍政権はまるで宗教政権のように見える。

 日本のマスメディアは多くのタブーを抱えているが、宗教タブーもそのひとつだ。自公連立政権の背後にある宗教の影についてほとんど報道されないのはタブーにチャレンジする気概と勇気に欠けているからではないのだろうか

マスメディアの衰退
  長い間マスメディアは自他共に認めるオピニオンリーダーであり、第4権力と言われるほどの存在だった。われわれ視聴者読者は新聞テレビなどのマスメディアが選別し分析加工した情報を受け取るという受動的な立場にいた。マスメディアの偏向報道や誤報にも対抗する手段がなかった。                 
  しかし時代の変化とIT革命で状況は劇的に変化し始めた。トランプ新大統領と阿部首相がホームページやツィッターで直接国民に情報発信する状況はマスメディア衰退の表徴に見えるといえば言い過ぎだろうか。         
                     
 当初、情報多様化の波に乗って登場したツィッターを含むソーシャルメデイアは期待されたほどの自主性自発性を発揮できず、その80%はジャンク情報だと言われてきた。    
 だが最近は既存マスメディアを押しのけて、いよいよソーシャルメデイアが本来の機能を発揮する時代になってきたような感じがある。
  マスメディアが情報の百貨店ならツィッターやブログは情報の直売所のようなものだ。一般大衆が受動的な視聴者・読者から能動的な情報の発信者になってマスコミュニケーションに参加できる時代になったのだ。              

 げすの勘ぐりで、大げさかもしれないが、マスメディアの衰退は加速し「ふうが悪い」程度では済まないような予感がする。 
  老骨の私には今マスメディアのおかれている状況が「おごれるもの久しからず」「桐一葉落ちて天下の秋を知る」などのイメージで思い浮かんでいる。                                                                                              (2017/01/23)