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鼓曲萬来

昇り龍とは

大相撲初場所は稀勢の里が優勝し

横綱昇進も日本人力士としては久しぶりの快挙
新年早々おめでたい事だ
 
横綱昇進としては、先ず推挙に返答しての例の口上によく使われる「四文字熟語」
稀勢の里は果たしてどんな口上になるのか
あるいはそのような熟語は用いない口上になるのか楽しみでもある
と、同時に土俵入りの型........
 
これは本人の口から「色々悩みましたが雲竜型にしようと思います」との言
うん、良い選択だと思う
 
何故かというと、先日講義の際
西野の口からこんな質問が塾生にあった
「よく目にする昇り龍(のぼりりゅう)、降り龍(くだりりゅう)の絵なんだけど
どっちが昇りでどっちが降りか解かるか?」というもの
 
まあ、実は、殆どの人が天に向かって上を向いているのが昇り
下を向いて降りてくる感じが下りと解釈しているのだが
これは一般的であって解釈によっては異なるものではある
 
龍はご存知のように十二支の中では只一つ架空の生物では或る
実世界では上を向けば昇り、下を向けば下りというのは当然ではあるが
架空の世界に於いては実質、上下或いは方位はないというのは
前にお話した通りだが存在しない
必ずしも上を向いている、あるいは下を向いているだけでは
その龍の向かっているのが天であるのか地であるのかは判断出来ないのだ
 
更に申せばこの昇り、下りは所謂、仏教で申すところの上求菩提(じょうぐぼだい)
 下化衆生(げけしゅじょう)に由来している
 
教えを請うときに身を、頭を低くして頂き
頂いた尊きものを希望を持って勇気をもって他に施してゆく
 
つまりこの場合は身を低くするが上を向く
 顔を上げて語る時が下を向くという事になるのだ
 
 雲竜型がどのような意味を持っているかについては言及は出来ないが
 稀勢の里が雲を貫く龍となって多くの相撲ファンの為に
 更に精進して稽古に勤しみ、更に相撲道の奥を極めようとする
 その一点からみれば選択は本当に良かったとそう思えるのである
 
おめでたい事だ、昇り龍の如くにと願う。

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