『落ち着いてきいてね。スザク君。ルルーシュとナナリーが亡くなったの。』
「え?」
黒の騎士団以外のテロリスト達が起こした事件。
収拾にあたったブリタニア軍によって追い詰められたテロリスト達は、近くにあった一般の病院に逃げ込み、そこで、自爆した。
特派はその事件の担当ではなかったが、テロ現場になった病院を慰問するユーフェミア皇女の騎士として、そこを訪れた。巻き込まれたのは一般人。やりきれない思いを抱えながら、その場にいた。けれど、そこに自分の大切な人がいたことなど、その時、知らなかった。
知らされたのは、事後処理がようやく終わり、数日ぶりに携帯の電源を入れたとき。
その瞬間に鳴った携帯に驚きつつ、通話ボタンを押す。そして、聞えてきたのは、会長の声で、彼女は信じられない言葉を告げた。
『ナナリーの定期健診で、あの病院にいたの。』
『遺体は見つからなかったんだけど、二人の私物がそこにあって、あの状況では、助かった可能性は、とても・・・・』
『よかった、君がつかまって。・・・・明日、葬儀を行うの。もし、来られるような、来てあげて。きっと君に会いたがってるから・・・二人とも』
頭が真っ白になった。
呆然と、通話を終わらせて、彼女から告げられた言葉が信じられなくて、フラフラした足取りで、彼女らが住む、学園のクラブハウスへ足を向けた。
明かりの灯らない、真っ暗なクラブハウス。
「ルルーシュ?」
「ナナリー?」
クラブハウスの中に自分の声が響く。
自分の気配以外、何も感じない。
迷子の子どものように、スザクは、二人の名前を呼んで、辺りを見回す。
いつだって、こうやって二人の名前を呼べば、答えてくれた。
『どうした?スザク』
『いらっしゃい。スザクさん。』
優しくて暖かい姉妹。つい先日、自分の騎士侯授与を祝ってくれた。
二人の笑顔と声が頭にちらつく。
でも、現実は、ただ、真っ暗で静かな空間があるばかりで、恐くなった。
『ルルーシュとナナリーが亡くなったの。』
(嘘だ!!!)
脳裏に甦る会長の言葉。ソレを否定して、駆け出した。
「ルルーシュ!!!どこにいるの!!」
クラブハウス中の扉という扉を開けながら、走り回る。
『ルルーシュとナナリーが亡くなったの。』
(嘘だ!!嘘だ!嘘だ!嘘だ!)
「ねえ、どこにいるの?隠れてないで、出てきて。」
『ルルーシュとナナリーが亡くなったの。』
(ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ・・・・・・・)
「お願いだよ。答えて!!ルルーシュ!!!」
バンッ!
最期に開けたのは、ルルーシュの自室。
月明かりだけが差し込む部屋。
微かに残るルルーシュの気配と香り。
でも、彼女はいなかった。
『ルルーシュとナナリーが亡くなったの。』
「ウソだ・・・・・・・・そんな、だって、ウソだ・・・・。」
頭を振って、あの言葉を否定する。
あの日、ルルーシュを抱いた、ベットが視界に映る。
ゆっくりとベットに歩み寄り、シーツに指を伸ばす。
あの日の彼女が甦る。
罪深い自分を優しく受け入れてくれた人。ぬくもりをくれた人。
『・・・・スザク』
彼女が自分を呼ぶ、甘い声が耳に残ってる。
彼女を抱いた感触がこの手に残ってる。
あのぬくもりをこの身体は覚えてる。
彼女がいない?もう、この世のどこにも?
彼女の香りが残るシーツを握り締める。
「こんなの・・・、ウソだろ?だって、ここに、ウソだ・・・。ルルーシュ!!!」
誰もいないクラブハウスに、スザクの悲痛な声が響く。
「え?」
黒の騎士団以外のテロリスト達が起こした事件。
収拾にあたったブリタニア軍によって追い詰められたテロリスト達は、近くにあった一般の病院に逃げ込み、そこで、自爆した。
特派はその事件の担当ではなかったが、テロ現場になった病院を慰問するユーフェミア皇女の騎士として、そこを訪れた。巻き込まれたのは一般人。やりきれない思いを抱えながら、その場にいた。けれど、そこに自分の大切な人がいたことなど、その時、知らなかった。
知らされたのは、事後処理がようやく終わり、数日ぶりに携帯の電源を入れたとき。
その瞬間に鳴った携帯に驚きつつ、通話ボタンを押す。そして、聞えてきたのは、会長の声で、彼女は信じられない言葉を告げた。
『ナナリーの定期健診で、あの病院にいたの。』
『遺体は見つからなかったんだけど、二人の私物がそこにあって、あの状況では、助かった可能性は、とても・・・・』
『よかった、君がつかまって。・・・・明日、葬儀を行うの。もし、来られるような、来てあげて。きっと君に会いたがってるから・・・二人とも』
頭が真っ白になった。
呆然と、通話を終わらせて、彼女から告げられた言葉が信じられなくて、フラフラした足取りで、彼女らが住む、学園のクラブハウスへ足を向けた。
明かりの灯らない、真っ暗なクラブハウス。
「ルルーシュ?」
「ナナリー?」
クラブハウスの中に自分の声が響く。
自分の気配以外、何も感じない。
迷子の子どものように、スザクは、二人の名前を呼んで、辺りを見回す。
いつだって、こうやって二人の名前を呼べば、答えてくれた。
『どうした?スザク』
『いらっしゃい。スザクさん。』
優しくて暖かい姉妹。つい先日、自分の騎士侯授与を祝ってくれた。
二人の笑顔と声が頭にちらつく。
でも、現実は、ただ、真っ暗で静かな空間があるばかりで、恐くなった。
『ルルーシュとナナリーが亡くなったの。』
(嘘だ!!!)
脳裏に甦る会長の言葉。ソレを否定して、駆け出した。
「ルルーシュ!!!どこにいるの!!」
クラブハウス中の扉という扉を開けながら、走り回る。
『ルルーシュとナナリーが亡くなったの。』
(嘘だ!!嘘だ!嘘だ!嘘だ!)
「ねえ、どこにいるの?隠れてないで、出てきて。」
『ルルーシュとナナリーが亡くなったの。』
(ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ・・・・・・・)
「お願いだよ。答えて!!ルルーシュ!!!」
バンッ!
最期に開けたのは、ルルーシュの自室。
月明かりだけが差し込む部屋。
微かに残るルルーシュの気配と香り。
でも、彼女はいなかった。
『ルルーシュとナナリーが亡くなったの。』
「ウソだ・・・・・・・・そんな、だって、ウソだ・・・・。」
頭を振って、あの言葉を否定する。
あの日、ルルーシュを抱いた、ベットが視界に映る。
ゆっくりとベットに歩み寄り、シーツに指を伸ばす。
あの日の彼女が甦る。
罪深い自分を優しく受け入れてくれた人。ぬくもりをくれた人。
『・・・・スザク』
彼女が自分を呼ぶ、甘い声が耳に残ってる。
彼女を抱いた感触がこの手に残ってる。
あのぬくもりをこの身体は覚えてる。
彼女がいない?もう、この世のどこにも?
彼女の香りが残るシーツを握り締める。
「こんなの・・・、ウソだろ?だって、ここに、ウソだ・・・。ルルーシュ!!!」
誰もいないクラブハウスに、スザクの悲痛な声が響く。