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御伽噺ロジック

コードギアス中心に色々やらかします。

ぬくもりの証6

2007-04-13 18:58:08 | ぬくもりの証 第1部
慰めあう夜が明ければ、戦うばかりの日常に戻る。それが不満なわけじゃない。
己の願いのためなら、何を犠牲にしてでも、戦うだけだから。



目が覚めると、そこには、誰もいなかった。
「・・・スザク?」

鈍い痛みはあるものの、ゆっくりと身体を起こす。
自分の身体を見ると、事後の不快感はきちんと後始末はされていた。
残っているのは、紅い痕。

ぼんやりとそれを眺めていると、聞き慣れた女の声が響く。

「あの男なら、帰ったぞ。」
「C.C.」

シーツで身体を隠しながら、ドアから入ってきたC.C.を見る。

「マオはどうした。」
「・・・・ちゃんと葬ってきたさ。お前に迷惑はかけないようにな。」
「そうか。」

少しつらそうに、目を伏せながら報告するC.C.を見ながら、ただ頷く。

「お前は、あの男と寝たのか。」
「ああ。」

あっさりと肯定するルルーシュ少し驚きながら、からかうように話掛ける。

「よかったじゃないか。愛しい男に抱かれて。嬉しいか?」
「嬉しい?なぜ。あんなスザクをみていたくなかったから、できることをしただけだ。
・・・心が痛いときは、人のぬくもりが一番効くからな。」

懐かしい母の言葉を思い出すように、そう語る。

「何を言っている?お前は、あの男が好きなのだろう?好きだから抱かれたんだろう?」

怪訝な表情を浮かべながら、C.C.はルルーシュに問いかける。

「すき?」

その言葉に不思議そうに理解できないように、ルルーシュは呟く。

スザクに抱かれたのは、そんな理由じゃない。ただ、放っておけなかっただけ。
あんな風に苦しむスザクが嫌で、少しでも気が紛れるなら、私の温もりでいいなら・・・
いや、違う。ただ、7年前に、気付けなかった自分の罪悪感を埋める為だけに、抱くように願ったんだ。
そんな、身勝手な思いが「好き」なんて感情であるはずがない。

「そんなわけないだろ。スザクは大事な『友達』だよ。」

ハッと鼻で笑い、ありえないというような表情で、手を振って、否定する。
C.C.は眉を寄せて、ルルーシュを見る。

その視線から、目を逸らし、朝陽が上り、まぶしい光に目を細めながら、窓の外へと視線を向ける。


「大事な、友達だよ。」