虚偽110番、消火剤ぶちまけ、「ポリゲー」で警察おちょくる少年たち(産経新聞) - goo ニュース
ゲーム感覚で警察にちょっかいを出し、追われるスリルを味わう。そんな不届きな少年らに警察が“本気”を出した。8月、交番に消火器を噴射し、警察業務を妨害したとして、大阪府警少年課と岸和田署が、建造物損壊や威力業務妨害などの疑いで、15~16歳の高校生7人と16歳の専門学校生1人の少年8人を逮捕、大阪地検堺支部に送検したと発表した。少年らはゲーム感覚で警察官を困らせる行為を「ポリゲー」と呼んでいたといい、「警察官をおちょくり追われるスリルを味わうためにやった」と供述した。同署では今年に入り、少年らによるとみられる虚偽の110番や交番へのいたずら行為が相次いでいたが、今回の件では断固とした態度で事件摘発に向かった。その理由について同署幹部は「清掃に約5時間もかかった。悪質な警察業務妨害になるため逮捕した」としている。
■交番が薄ピンク色に
消火剤をまかれたのは大阪府岸和田市のJR阪和線久米田駅前にある岸和田署久米田駅前交番。
捜査関係者によると、事件が発生したのは5月18日の日付が変わる直前、午後11時59分ごろ。実行役の少年1人が交番ドアを少し開け、消火器のノズルを差し入れ、噴射した。
「シュー」と空気が漏れるような音がしたかと思うと、机や電話などがある交番内には薄いピンク色の消火剤が一面にまき散らされ、まったく執務ができない状態になった。当時交番には2人が勤務。1人が書類整理、もう1人は2階で休憩中だったが、壁で仕切られた執務室にはいなかった。
驚いた交番の警察官が外に出たところ、少年の姿はすでになかったという。
まかれた消火剤は泡ではなく、水をかけると固まってしまう粉末だったため、後始末が大変だった。当時久米田駅前交番にいた2人の警察官だけでは足らず、ほかの交番から応援を得てほうきや雑巾で清掃。朝5時までかかってようやく執務できる状態に戻したという。
岸和田署幹部は「これまで交番に卵や石を投げるなどの行為は耳にしたことはあるが、消火剤なんて聞いたことがない」と怒りをあらわにする。さらに清掃に約5時間もかかったことをあげ、「この時間、遺失物届や事件の被害届、交通事故などにも対応できなくなる」と憤った。
消火器による噴射事件直前の5月18日夜、久米田駅前交番から約70メートル離れた地点の路上に設置された防犯カメラに、少年グループが自転車に乗っている姿が映っており、このうちの1人は前かごに消火器を載せて走っていたという。
さらに犯行直後の5月19日未明、岸和田市内をパトロール中の署員が、たむろしていた複数の少年を職務質問しており、その服装が防犯カメラに映った少年らと似ていたことから、逮捕につながった。
8人の逮捕・送検容疑は5月18日深夜、共謀の上、久米田駅前交番のドアを開けて消火器のノズルを入れ噴射したとしている。これまでの捜査では、少年8人のうち1人が岸和田市内のマンションから消火器を盗み出し、さらに別の少年が自転車で運んだ上で実際に交番に消火剤をまいたとしており、この2人はそれぞれ窃盗と盗品等運搬の容疑でも立件された。
■「ポリゲー」聞いたことある
夕刻の退勤時間を迎えたある日の久米田駅前交番。一時消火剤で執務ができない状態にされた交番だが、ガラス越しに見える執務室はきれいに整頓され、ときおり交番勤務の警察官が出入りしていた。すぐそばのJR久米田駅では、電車が到着するたびに、大勢のサラリーマンや高校生らが改札をくぐって出てくる。
消火器噴射事件について聞くと、府立高校1年の男子生徒(16)は「コンビニにたむろする少年はいるが、まさか消火器をまくとは」と驚いた様子。また同市内の女性会社員(24)は「そんな事件があったとは。悪質ですね」と眉をひそめた。
ただ、ゲーム感覚で警察官を困らせるとされる「ポリゲー」については、ほとんどが知らないと答えたが、岸和田市内に住む私立高校3年の男子生徒(18)は「親からですが、『ポリゲー』って聞いたことがありますよ。夜、バイクに乗って走り周り、警察に追いかけられてスリルを味わうというものでしょ」と話した。
実際に「ポリゲー」は行われているようだ。
■「ポリオニ」の言葉も
岸和田署管内では、今年に入り、少年が交番に石を投げ警察官が現れると逃げたり、「けんかしている」「花火を団地に向けている」などと虚偽の110番をして警察官が向かうと少年らが逃走するといったいたずらが相次いでいた。
同署幹部は「警察はやることが多い。虚偽でも最初はわからないから、申告を受ければ現場に行く。こういうことをしていれば、本当に重大事件が起きたときに、対応できなくなる」と嘆く。
そして、「今回の事件は一線を越えた。こんなことを放っておいたら本来の警察業務に支障を来す。本格的に捜査して逮捕した」と打ち明けた。
捜査関係者によると、「ポリゲー」とは、警察とゲームする「ポリスゲーム」の略とみられ、短文投稿サイト「ツイッター」の投稿などで見られる表現という。ほかに「鬼ごっこ」に由来したとみられる「ポリオニ」という言葉もあるという。
数十年前から、「暴走族」とされる少年らがパトカーなどに追われ、そのことをおもしろがる風潮はあるにはあったが、この捜査関係者は「『ポリゲー』という言葉を使うと、悪いことをしている感覚がなくなってくる」とエスカレートする少年らの心理を指摘する。
少年が警察におもしろ半分にいたずら行為をし、犯罪になるケースはほかにもある。
北海道では、道警釧路署のミニパトカーの屋根などに乗った若い男の写真が「ツイッター」に投稿され、同署が8月下旬、パトカーに傷を付けたとして器物損壊容疑で、いずれも19歳の漁師の少年2人を逮捕している。
軽い気持ちで「ポリゲー」などと言って警察相手に不法行為に走る少年たち。岸和田署などに逮捕された少年らは「こんな大事になるとは思わなかった」と話したという。悪ふざけも一線を越えれば、取り返しがつかなくなる。
常識ある人間なら、当然のごとくやらないでしょうな~、どうなるか分かるから。
よく聞く「こんな大事になるとは思わなかった」なんて言葉は、自分たちが頭で考えずに行動している証左でしょ。
警察は文句は言われても、軽く見られてはいけないと思いますので、頭の軽い輩は、どしどし取り締まるべし!