チャイナMBAマネジメント協会

「CMMA: China MBA & Management Association)」

第6回 長江商学院MBAコース Kevin

2013-09-07 | 長江商学院MBA


<プロフィール>
台湾の高雄出身。父親は海運会社の商船船長。母親は中学校の生物学教師。妹が1人。高雄高等学校卒業後、国立交通大学に進学しコンピューターサイエンスを専攻。同大学にて修士号を取得した後、兵役を経てITRI(台湾工業技術院)に就職。2012年にてMBA取得を目指し、長江商学院に入学。2008年に結婚し、現在は2児の父。


Q. 子供時代の生活や教育について教えてもらえる?
A. 母親は教師だったから、厳しかった記憶があるな。よく勉強したし、成績もずっと良かったね。小学校のカリキュラムにBASIC言語を使ったプログラミングの授業があって、それ以来、それがずっと好きになったね。

Q. 中学校や高校時代はどのように過ごしたの?
A. 基本的に勉強ばっかりだね。スポーツにも興味なかった。父親はよく僕に株の話をしていたから、そのせいもあって、中高からビジネスに興味を持つようになった。

Q. 大学生活にして紹介してもらえる?
A. 大学では、コンピューターサイエンスを専攻したんだ。ソフトウェアも勉強したけど、他にも電気工学的なことも学んだ。仲のいい同級生に誘われて手話サークルに入ったりしたね。積極的な興味があった訳じゃなかったから、実質的にはユーレイ部員だったね(笑)
とにかく、たくさん単位を取ったね。成績も良かった。おかげでマスターに進む時は、テスト免除だった。

学生時代に独立して開発案件を受注

Q. バイトとかはしてた?
A. やってたよ。博士課程にいた先輩に誘われて、ベンチャー企業でのバイトを始めた。最初はプログラミングの仕事だったんだけど、あんまり給料がよくなかった。その後、同じ会社のプロジェクトでプログラミングに関しての本を出版することになって、先輩と一緒に共同執筆者としてチームに加わることになった。今思えば、大した金額じゃないけど、当時としてけっこうなお金を稼いでたね。

Q. 学生で本を出すなんですごいね。
A. そんなに大したもんじゃないよ。でも、本を出したお蔭でいろいろな開発案件の相談が持ち込まれるようになったんだ。それで、これはチャンスだと思って、自分でSOHOを構えて案件を直接受注することにした。僕が案件調整をして、それを知り合いの開発者に投げるというビジネスだね。とにかく忙しくて、顧客との折衝も大変だったけど、プロジェクトマネージメントの良い勉強になったね。それから、プログラムの価値っていうのは、それに掛かる工数とか難易度ではなくて、顧客のビジネスにどれだけそれが役立つかっていうことだと気が付いたのが大きいかな。単純な開発案件でも、顧客が儲けられる機能を提供できれば、高く売れることができたね。

兵役がきっかけで出会った会社とは

Q. 修士課程卒業後は兵役があったんだよね?
A. そう。ただ僕の場合は、兵役と言ってもエンジニア枠だったから、ハードな訓練はなかったよ。ITRI(台湾工業技術院)に派遣されて、そこでソフトウェアの開発をやっていた。ITRIというのは、独立行政法人みたいな組織で、最先端の研究を通して台湾企業のイノベーションを支援しているんだ。日本企業とも取引があるから、けっこう知っている人もいると思うよ。兵役終了後は、そのままITRIに残って就職したんだ。

Q. 仕事内容について教えてもらえる?
A. 僕がいた部署では、Wifiを使ったポジショニングシステムを開発していた。位置情報っていうとGPSが有名だけど、Wifiポイントを使って利用端末の位置を特定するこも可能なんだ。特に屋内とか都市部ではWifiを利用した方が精度がよかったりするよ。セールスした顧客は、ソフトウェア開発者やヘルスケア関連の会社だね。例えば、ケアが必要なお年寄りの位置を把握するために利用するとかね。僕はこの開発チームでプロジェクトマネージングやプリ・セールスを担当したよ。

Q. その間に結婚もしているよね?
A. うん。社内恋愛だね。部署は違って、彼女は海外の半導体会社を担当するセールス部門にいたんだけど、友人の紹介がきっかけで付き合うようになったんだ。2008年に結婚して、今は子供が二人いるよ。妻は今でもITRIに勤めているよ。

そして北京へ

Q. 中国に来た理由は?
A. 台湾にとって中国はどんどん重要になってきているから、中国に来てこっちで何が起きているのか自分の目で確かめてみたいと思ったんだ。僕の台湾の友人でも中国で働いている人はいっぱいいるよ。中国に進出している台湾企業も多いし、自分で起業した友人もいる。僕は、将来は中国と台湾の架け橋になるような仕事をしたいと思っているんだ。

<インタビューを終えて>
短いインタビュー記事ではなかなか伝えきれないですが、ケビンはとっても温厚で面倒見のいい友人です。一緒に出掛けると、よく「実はここのレストランは台湾資本」「このモールも台湾系のディベロッパー」「このドリンクブランドも台湾の会社」みたいなことを教えてくれます。日本の商品や文化に対する関心も高く、先日一緒に北京の「さぼてん」に行ってきました。すると得意そうに「北京の「さぼてん」は台湾の会社との合弁。さっき話してきたマネージャーも台湾人だよ」と笑っていました。そんな彼を通して、中国と台湾そして日本の結びつきの強さに気付かされることが多いです。今回のインタビューでは、ケビンの若かりし頃の(今でも若いですが)ベンチャースピリットが垣間見れて、個人的にも興味深かったです。

China's Reforms-Its Financial System and Politics_長江商学院

2013-09-05 | 長江商学院MBA


こんにちは、長江商学院の石川です。

写真は先日、北京で行われた校友会イベントの時に撮ったものです。
EMBAの卒業生が在籍する北京郊外のリゾート施設&ゴルフ場を訪ね、乗馬、ゴルフ、水泳等を満喫してきました。北京中心部から1時間くらいの距離にある施設ですが、聞くところによると日本人顧客もけっこういるとか。個人的には、広大な施設内をカートで走り回ったのが一番の想い出です。

さて、引き続きチャイナ・モジュールのご紹介です。
昨日受講した講義は「China's Reforms-Its Financial System and Politics」

清朝末期から現代に至るまでの100年間をざっとおさらいするというような内容でした。
Finance系の教授による講義でしたが、時間の都合もあったのか、どちらかというとマクロ的な対外経済政策の変遷を追う、というような構成でした。

この手の話になると、必ずベンチマークとしての日本が引き合いに出されます。
曰く、日本はMeiji Revolutionに成功していち早く産業の近代化を遂げたが、中国は過去の大国意識に囚われ西洋化が遅れた。毛沢東は大躍進・文革で国家に多大なる損害をもたらしたが、強固な権力基盤で中国を統一したという点は今も評価されている。改革開放政策以降、経済特区の開発、外資の導入、輸出産業の振興を通じて高い成長率を維持してきたが、これは海外企業からの学びによるところが大きい。今の我々を取り囲む製品・サービスのどれをとっても、海外初のものばかりで、中国オリジナルのものなど一つもない。今後も経済発展を遂げていくためには、市場の開放を促進してゆかなければならないし、大前提として安全保障環境の安定が必要。米国と対立するような状況になっては、経済どころの話ではない。

特別新しい発見があるような内容ではないですが、こうして俯瞰的に歴史を追うと、中国人の国家観が多少なりとも理解できてきたような気がします。

面白かったのは、一人一戸政策のくだりでディスカッションが盛り上がったところですね。
このテーマでも必ず日本の話がでてきます。
曰く、日本経済最大の問題は人口縮小である。中国も近い将来この問題に直面することになるが、一人一戸政策の緩和は必要か否か、という問いかけです。
大多数の学生は「労働人口の縮小は問題だから緩和すべし」という意見でしたが一人の学生が、
「途上国をみれば分かるように、一般に貧しい家庭ほど子だくさん。中国の農村部はまだまだ貧しく、しっかりとした教育を受けることができない子供たくさんいる。一人一戸政策の緩和は、貧富の格差を拡大するリスクがある」と反論しました。

教授の回答は
「所得再配分の不均衡は確かに問題。ただし、中国では総体としては過去と比べて全員が豊かになってきている。アフリカ等の地域で多産なのは、乳幼児の死亡率が高いという要因もある。つまり産んでも死んでしまう可能性があるから、たくさん産む。中国の地方では生活水準は上がってきている。また、子供の教育コストも高くなってきており、一人一戸政策を緩和したところで2人以上産む家庭は少ないのではないか。例えばシンガポールのように」というものでした。

教授曰く
「5年以内に緩和される方に賭けてもよい」
とのことでしたが、さてどうなるでしょうか。



チャイナモジュール&新入生_長江商学院

2013-09-03 | 長江商学院MBA
ご無沙汰しています、長江商学院の石川です。

さて、今月に入り楽しみにしていたチャイナモジュールが始まりました。
文字通り、中国ビジネスに特化したモジュールで、マーケティング、ファイナンス、CSR等々様々な観点から中国のビジネス環境、個別企業のケースを学びます。選択制ですが、目玉モジュールということもあって終日教室は満杯に近い状態です。現役学生だけでなく、北京在住の卒業生や提携しているIMD(スイス)からも留学生が来て講義を受けています。

毎日午前・午後の講義なので、なかなか忙しいですが、その代わり宿題・テストはなしです。
夜は宿舎に帰って、最近ハマっている中国ドラマを観ながら中国語学習をしています。

気候も過ごしやすく、夜などは涼しく感じるくらいです。
そう言えば初めて北京に来た時もこんな感じだったなぁ、とやや感慨深いものがあります。

そうです、長江に入って早1年が経ちました。
ということで、本日晴れて新入生とご対面。ちょうど1年前の自分がそうであったように、スーツでビシっと決めた新入生が学校の受付に列を作って並んでいます。どれどれ、とクラスメイトと一緒にのぞいていましたが、今年は女子が多い!確実に50%は女子です。

お昼休みには軽食をつまみながら、簡単な交流会。
気がついたら中国語で話している自分。通じないことも多多ありますが、なんとか会話も成り立つようになってきました。コツコツやってきたよかった、と自己満足に浸ります。

国籍をみると、今年は外国人比率が多い。
名簿をちらっと見た感じでは、アメリカ、イギリス、イタリア、インド、韓国あたりから来ています。
残念ながら、日本人はゼロ。
私のマーケティング力が足りなかったのでしょうか。残念です。


さて交流会にて、クラスメイトが連れていた女子と話をしていると、香港人であることが判明。
「香港からなんだ~、僕のルームメイトも香港人だよ。Alanって言うんだけど、もう話したかな?いい奴だけど、休みの時は朝から晩までTVばっかみてて、ホントどうしようもないよ。僕が朝起きた時からTV観てて、昼に出かけて夕方帰って来たら、まだ同じ姿勢でTV観てるくらいだからね、ハハハ・・・えっ、知ってる?・・・ひょっとして彼の紹介で長江に来たとか?えっ、まじで?そうなんだ~。香港にいる時からの知り合い?・・・えっ?高校も同じ?すごい!偶然だね・・・」

世の中狭いなー、ひょっとして元カノか?と邪推しながら教室に戻ると、

やや興奮気味の男子クラスメイト陣に囲まれ
「今年は可愛いコ多いよな!いいコ見つけた?誰々?誰がタイプ?」

なぜか、こういう質問は真っ先に私のところに来ます。

「うーん、ちょうどさっき話していた香港のコ。あのコはまぁまぁ可愛いかったかな・・・」
と答えると、周囲が爆笑。
「お前、Alanに殺されるぞ!あれは妹だよ、妹!」
「はっ?」

ということで、
実の妹だそうです・・・
(おいおい、あらかじめ言っとけよ・・・)

ちなみに別のクラスメイトからは
「嫁が今年入学したから、後で紹介する」
とのこと・・・

家族的な校風がウリの我が校ではありますが、こういうものなんでしょうか・・・