Si le peuple français avait mieux connu sa reine,
(シ ル プープル フランセ アヴェ ミュー コニュ サ レーヌ、
l'histoire en eût, peut-être, été changée.
リストワール アン ウー、プーテートル、 エテ シャンジェ)
もしフランスの民衆が、
彼らの王妃のことをもっとよく知っていたら
歴史は、おそらく、変わっていただろう。
Le Figaro hors-série Marie Antoinette p.p.58-59
◇ peuple :(n/m)民衆、平民
英語式 people に、つい「人々」を peuple と言いたくなりますが、フランス語で
「人々」と言いたい時には、gens (n/mpl)を使います。
peuple には、フランス革命前の第3身分としての「平民」の意味があります。
◇ connu > connaître (vt) 知る
◇ reine :(n/f)王妃、女王
◇ histoire :(n/f)歴史
以前、フェミニストの方が、英語の history は his story 彼の歴史=男の歴史
であり、歴史は男性が作ってきたという偏見に基づいたけしからぬ単語である
…とおっしゃっていたのを聞きました。
…それは、間違いです。英語の history は
フランス語 histoire > ギリシャ語 historía
と語源を持つ単語で、his は 「彼の」とは縁もゆかりもありません。
◇ eût>avoir (aux)
◇ changer de + nom (sans article)(vi): (de 以下)(が)変わる、(を)変える、
(乗り物などを)乗り換える
ソフィア・コッポラ監督、キルスティン・ダンスト主演のアメリカ映画 『 マリー・アントワネット 』 は、カンヌ映画祭で賛否両論を巻き起こしました。
フランスのマスコミは、軒並み酷評…
しかし、こんなものを発見しました。
フランスの雑誌 《 Le Figaro 》 の、「マリー・アントワネット本」です。
映画『マリー・アントワネット』のシーンを織り交ぜながら、マリー・アントワネットの生涯や、マリー・アントワネット関連の映画、書籍などについて詳細に掲載しています。
フェルゼン伯爵も、出てまいります。
映画のことをこきおろしてはいましたが、実は、フランス人の皆さん、マリー・アントワネットのことが気になっておられるのでしょうか…
もしかしたら、日本の 『 ベルばら 』 ファンの皆さまの方が、マリー・アントワネットやフランス革命について、お詳しいかもしれませんね。
(写真が小さく表示されている方は、記事のタイトル 実は気になる? をクリックしていただくか、写真をクリックしていただくと、大きい画像が見られます。)
フランスの教科書もフランス革命について書き足りないのではないかな~とおもいます。
もしくはもっとシビアに革命をとらえていてチャラチャラした音楽とかが気に障ったのかも?
だからイロイロ厳しい意見があるのかな?
ネイティブにしかわからない
ラスト・サムライ的な時代考証の勘違いもないとはいえませんし。
とにかく、はやくみたーーーい☆
これから2週間、妄想も最高潮ですね!
映画『マリー・アントワネット』をフランス人がよく言わない第1の理由は、おそらく、「ハリウッド映画だから」でしょうね。第2は、「自分たちもよく知らないマリー・アントワネットのことを、他国人、特にアメリカ人に解釈されたくない」でしょう。
でも、こんな特集本が出ているところを見ると、カナ~リ、意識してるとみました!
内容は、日本のベルヲタで歴史好きの方なら、だいたいご存知のような内容です。
図版が豊富で、「泥棒の烙印を押されるジャンヌ・バロア」や「ヴァレンヌ事件発覚時の国王一家」など、興味深いものもありました。
フランス人がフランス革命についてどのくらい学んでいるのかは不明ですが、先日、フランス人に
「フランス貴族はかつらをより白くするために、小麦粉で作った『髪粉』をかけていた。パリの民衆が食べるパンが無くて飢えている時にも、貴族はファッションのために大量に小麦粉を消費していたので、民衆は大変怒っていた。」
と話したら、「知らなかった…」と、ビックリしておりました…
…もっとも、私も日本地理・日本史・そして時々漢字もわからなくて「梅雨」をど忘れして書けなかった時、このフランス人の方に教えてもらった…という恥ずかしい出来事もあったので、お互い様です…
映画『マリー・アントワネット』、早く見たい!!
公開が待ち遠しいですね~☆
はじめまして。リアルタイマーの若紫と申します。最近こちらのブログのことを知りました。こうした纏まったベルばら仏語版の研究は初めての試みですね。
仏語版について。アニメもですが、背景にある文化や言葉の違いを考えると、原作をそのまま訳したのではフランスの読者には上手く伝わらないだろうと思っておりましたら、矢張り原作のままとはいかなかったようで。まだつまみ食いでしか読んでおりませんけれど、原作の台詞と比較して首を捻ったり、感心したり。翻訳とは本当に難しいものですね。(Kana社の話では、細かい違いはさておき、原作の本質的なことが伝わればよいということでした)
さて、ご紹介のLe Figaro他、関連記事が書かれた複数の雑誌を入手、見出しを読んだ限りでは、「生身のアントワネット」に関心が高まっているように感じました。映画も、彼女の内面を描きたかったようですし。
ともあれ、club_3様の研究に触発されて、私も久し振りに仏語版を繙いてみようと思います。今後とも宜しくお願いいたします。
お詫びして訂正させていただきます。m(__)m
コメント、ありがとうございます。
若紫さまは、フランス語にも『ベルばら』にも精通された方と拝察申し上げます。
Kana版の成立についてもお詳しいようですね。
若紫さまのような方に浅学な内容のブログを読んでいただき、恥ずかしくもありますが、大変光栄です。
是非是非、様々なことをご教示いただきたいと存じます。
ブログの「概論」でも書きましたように、長きにわたって『ベルばら』から離れていた私を引き戻したのは、欧州の方々が、驚くほど『ベルばら』を愛しておられることを知ったことがきっかけでした。
『ベルばら』に限らず、アニメも漫画もブームになっていることは知っておりましたが、『ベルばら』が欧州で受け入れられている、ということは特別なことであるように思い、本当に久しぶりに読み返したのです。
長い時を経、大人になった今、読み返してみると、『ベルばら』の作品としての完成度の高さや普遍性を、今さらながらのように再認いたしました。
そして、フランス語を通して、この作品ともう一度向き合うことにいたしました。
私のフランス語は非常に拙いもので、フランス語版を読み切れるレベルには達しておりません…「フランス語の学習者の個人的『ベルばら』講読演習」…と、大目に見ていただければと思います。
Kana版を読んでいますと、私のような初学者でも「こなれた表現」であることが感じとられます。著作権の関係もあるのでしょうが、逐語訳に近い『ベルサイユのばら大事典』の翻訳とは異なっていて、興味深いものがあります。
限られた知識と微力なフランス語能力の私ですが、フランス語の表現による意味やニュアンスの違い、といった難しくも興味を惹かれてやまないことを、自分なりに書いていこうと思っております。
初歩的な間違いをすることも多々あると思いますので、ご遠慮なくご指摘いただきたく存じます。
そして、若紫さまのご意見を頂戴できれば、この上ない幸いです。
今後とも、どうぞ、よろしくお願いいたします。
m(v_v)m