博多駅前陥没 「新たな仕事は受けるな!」穴埋め処理土 9時間後に用意
JR博多駅前で発生した大規模陥没事故は、地表近くまでの埋め戻し作業がほぼ終わったことで、10日朝から通信ケーブルやガス管などの復旧に向けた作業が始まった。作業の裏では、資材を集め、搬送した業者の奮闘があった
「道路が陥没し、大変なことになってしまった。流動化処理土での埋め戻しを検討している。いつまでに、どれぐらい用意できるか教えてほしい」
陥没発生から約4時間後の8日午前9時半ごろ、処理土の生産プラントを持つ建設業「環境施設」(福岡県筑紫野市)の営業課長、井久保憲一氏に電話がかかってきた。相手は事故現場の地下鉄延伸工事を施工した工事共同企業体(JV)の担当者だった。
処理土はセメントや粘土を含んだ特殊な土で、ビル建設などで地質改良に使われる。コンクリートのように固まりやすい性質を持ち、そのため、作り置きはできない。必要に応じて生産するしかない。
穴すべてを埋めるには7千立方メートルの、地表近くまで埋めるだけで4千立方メートルの処理土が必要となる。
「緊急事態だ。新しい仕事は受けるな!」。社内に号令が飛んだ。
井久保氏は、すぐさまプラントの状況を確認し、運搬するミキサー車確保に走った。8日午前11時半ごろ、「土は午後2時過ぎには現地に持って行ける。搬入車は5~6台は確保した」とJV側に伝えた。
実は、福岡に多い炭鉱跡地では、陥没事故が度々起きている。同社などは事故処理を通じ、緊急時のノウハウを蓄積した。
埋め戻し作業は、午後2時半から始まった。
すべての処理土を運ぶには、延べ1千回近く、ミキサー車で搬入する必要がある。関係者は、あらゆるところからミキサー車をかき集め、ピストン輸送した。
ミキサー車で現場に運ばれた処理土は、2台のポンプ車に移し替えられ、穴に注がれる。何台ものミキサー車が、スムーズに入れ替わり立ち替わりする様子は、ネットでも話題となった。
井久保氏は「すでに受注している工事に迷惑はかけられない。一方で、夜通し作業する運転手の疲労軽減の対策も必要で、とにかく大変な現場だった」と語った.
一方で「はらわたが煮えくり返っている。都市が成長している中で、事故が起きてしまうとは…」と悔しさや怒りをにじませ、声を詰まらせた。
高島市長は、市発注の地下鉄延伸工事が陥没の原因になった可能性を説明。「原因が設計にあったのか、施工にあったのか。管理する役所に瑕疵がなかったのか。究明をしたい」と力を込めた。
福岡市博多区のJR博多駅前の道路が大陥没した事故。実は、福岡出身で地層ファンとしても知られるタレント、タモリ(71)が、博多の地盤の弱点を言い当てていたという。どういうことか。
昨年9月に放送されたNHK「ブラタモリ」でのこと。この回は、タモリの故郷でもある博多に桑子真帆アナと訪れている。
ビル街のど真ん中にある遺跡の発掘現場を訪問。ここは、今回の事故現場と同じ市営地下鉄七隈線(3号線)の工事が行われているところだ。
この現場は、わずか3メートルほどの地層に、弥生時代から江戸時代まで5つの地層が積み重なっていることが、一目でわかるようになっていた。
さらに、その地層が海の上の砂丘に幾重にも積み重なってできたものであることを、福岡市博物館の職員らと実地で確認するという内容だった。
「図らずも、ブラタモリが博多の地盤の弱点を見抜いていました。番組内でも、遺跡に足を踏み入れたタモリが『砂ですね』と感想を漏らしていたほど。それだけ地盤が緩いということです」と放送関係者。さすがタモさん。
タモリさん凄い
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