西日本を襲った記録的な豪雨の被害者はさらに拡大し、毎日新聞の11日午後10時現在のまとめでは、死者は13府県で176人になった。この日、岡山、広島、佐賀の3県で計17人の死亡が確認されたが、安否不明者は依然として61人に上る。被災地は連日30度を超える暑さとなっており、自衛隊や消防の懸命な救助、捜索活動が続いている。

 死者数の内訳は、広島71人▽岡山57人▽愛媛26人▽京都、福岡各4人▽山口3人▽兵庫、高知、鹿児島、佐賀各2人−−など。

 安否不明者は広島が38人、岡山が18人。岡山県は11日、安否不明者の早期発見のため、倉敷市真備(まび)町地区46人と他市町5人の計51人の実名を公表した。公表後、真備町地区で33人の生存が確認されたが、甚大な被害を受けた2県の被害の全容は見えていない。

 堤防が決壊し、地区の3割が水没した真備町地区では新たに3人が遺体で見つかり、地区の犠牲者は49人になった。国土交通省は11日、地区内での宅地や生活道路の浸水がおおむね解消したと発表。8日昼からポンプ車を使って24時間態勢で排水作業を続けていた。

 広島県では、呉市安浦町で起きた土砂崩れの捜索現場から1人が見つかるなど、同市、広島市、熊野町で計13人の死亡が確認された。

 総務省消防庁によると、11日正午現在、15府県で避難指示・勧告が発令されており、各地の避難所には計6985人が避難している。岡山、広島の両県では計5997人が避難しており、厳しい暑さの中での避難生活が続いている。