楢葉で原乳の出荷再開 5年10カ月ぶり、旧避難区域では初
東京電力福島第1原発事故による避難指示が解除された楢葉町上小塙地区の農事組合法人「蛭田牧場」が24日、約5年10カ月ぶりに原乳の出荷を再開した。実証試験や検査を重ねて安全を確認し、本格的な営農再開を果たした。県によると、原発事故後に旧避難区域から原乳が出荷されるのは初めて。
蛭田牧場は原乳出荷再開を目指し北海道から新たに求めた乳牛33頭を飼育。昨年5月から今月まで毎週、計36回にわたり6頭から搾った原乳の放射性物質検査を続けた結果、全て測定器の検出限界値未満だった。
代表の蛭田博章さん(48)らは24日午前8時ごろから搾乳を始めた。18頭から約400キロの原乳を搾り、集乳車に移して出荷した。蛭田さんは「たくさんの人に支えられて営農を再開することができた。安全でおいしい牛乳をつくることで恩に報いたい」と語った。これまでは全て廃棄してきただけに「安全をより確かなものにしないといけない。責任の重さを感じる」と表情を引き締めた。
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