エジプト考古学者、ピラミッド内に空洞発見の発表を批判
エジプトのギザの大ピラミッド(Great Pyramid of Giza)の中心部に「旅客機サイズの空洞」が見つかったとする専門家チームの発表について、エジプト人考古学者らは4日、この発見発表を批判する声明を発表した。
エジプトのピラミッドの内部を宇宙線による最新の透視技術で解明しようと試みる「スキャンピラミッド(Scan Pyramids)」に参加する研究者らは2日、宇宙から飛来する粒子を用いた透視技術で巨大な空洞を発見したと発表。ピラミッド中心部にあるクフ王(King Khufu)の玄室と外部を結ぶ全長約50メートル、高さ9メートルほどの大回廊(Grand Gallery)の上に位置する空洞は全長が少なくとも30メートルあり、研究チームは19世紀以降でギザの大ピラミッド内における大きな構造の発見は初めてだとしている。発見は英科学誌ネイチャー(Nature)にも掲載された。
しかし、同プロジェクトを監督するスキャンピラミッド科学委員会のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)委員長によれば、これは新たな「発見」ではないという。
ハワス委員長はAFPの取材に、空洞発見の成果についてスキャンピラミッドの研究者たちから説明を受けたが「これは新たな発見ではないと彼らに伝えた」と述べた。
ハワス委員長によれば、ギザの大ピラミッドはもとから空洞だらけで、空洞がみつかってもそれが直ちに秘密の部屋の存在や新発見にはつながるものではないという。
さらに、エジプト政府の考古学委員会のムスタファ・ワジリ(Mostafa Waziri)委員長も3日、ギザの大ピラミッドで巨大な空洞を発見したとの発表を批判。「このプロジェクトは科学研究の手順を踏まえ科学的な方法で進めるべきものであり、研究成果は議論を経てから公表しなければならない」と述べた。
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