花たちばな日記

ていねいに日々を過ごしていきたいと思いつつ・・・。

この世のお祭り

2013-09-28 22:58:42 | 2013
「死が お前の扉を叩く時
お前は 何をささげるのか?
おお 私は そのお客の前に
私の生命で満たした器を ささげよう。
決して 空手では帰しません。

私の秋の日と夏の夜と
甘いぶどうの取入れと
忙しい生涯の すべての収穫と落穂とを
その前に並べ捧げましょう。
私の生涯が 終わって 死が私の扉を叩く時。」  (タゴール・「ギーターンジャリ」90)

「私は この世のお祭りへ 招かれました。
そして 私の生涯は 祝福されました。
私の眼は物を見、耳は声を聞きました。

このお祭りで 私は楽器を奏でるのが 役目でした。
そして 全力を尽くしました。
いまは 私は中に入り あなたのお顔を仰ぎ
私の無言の礼拝を捧げる時が 来たのでしょうか」(タゴール・「ギーターンジャリ」16)


今夕、友人のお父上のお通夜で 引用されたタゴールの詩です。

満ち足りた素晴らしい人生を全うされた方に ふさわしい詩でした。



私も時々思うのです。

神様にこの世に呼ばれてやってきて、こんどは帰ってきなさいとまた呼ばれた時にこの世を去るのだと。

タゴールは、「この世のお祭りに招かれました」と表現しています。


私も私の楽器を力を尽くして奏でましょう、この世というお祭りから去る日まで。

「貴婦人と一角獣」展

2013-09-12 21:19:19 | 2013
大阪国立国際美術でおこなれている「貴婦人と一角獣」展に行ってきました。
        

        
フランス・クリュニー中世美術館所蔵のあのタピスリーです。

昨日ぽっかり休みがとれて、来週から仕事も忙しくなるので、思い立って午後から行ってきました。
3時頃に入館したのですが、人も少なくゆったり見ることができました。

久々の、感動の美術館体験。
照明を落とした大展示室で、6枚のタピスリーが迎えてくれます。
中世の息遣いが伝わってくるようです。

絵画としても秀逸ですのに、それが織物でできているというもの驚きです。

それぞれのテーマの貴婦人や一角獣とライオンを見たり、
ミルフルールと呼ばれる千花文様の花を一つ一つ見たり、
かわいい小動物をみたり、
「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」の次にくる「我が唯一の望み」mon seul desir
貴婦人は宝石箱に装身具をしまっているのか、とりだそうとしているのか・・・いろいろ想像したり・・・

閉館のアナウンスがあるまで2時間近く、夢見心地でした。
椅子があったら、一日座って眺めていたいくらいです。

もう一回行けたらいいな・・・