アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

”オーキッド”に会いに京都へ行こう

2011-07-19 | 東南アジア映画

先日「ヤスミンの世界」でトークをさせていただいた時、ご来場下さった皆様ありがとうございました。立ち見の方が何人もいらして、びっくりしました。暑い中来て下さったうえ、ずっと立ってご覧いただいてすみません。

あの折にもご紹介したのですが、京都でもヤスミン・アフマド監督を偲ぶイベントが行われます。

シンポジウム:「女性らしさ」の冒険
-「愛しい母」ヤスミン・アフマドの思い出とともに(告知サイト
   2011年7月31日(日)13:30~16:30
   京都大学芝蘭開館山内ホール

【第1部:マレーシアにおける教育と結婚】
 報告1「マレーシアにおける教育とライフデザイン」
     金子奈央(マレーシア・サバ大学)
 報告2「マレーシアにおけるイスラムと結婚」
      光成歩(東京大学大学院)

【第2部:「女性らしさ」の冒険】(日本語通訳あり)
 作品紹介 小野光輔(和エンタテインメント)
 参考上映『サンカル』(シャリファ・アマニ監督、2010年、22分、日本語字幕)
 パネリスト:シャリファ・アマニ(ヤスミン作品『細い目』などで”オーキッド”を演じた女優さん。最近映画監督としてもデビュー)、杉野希妃(韓国映画『まぶしい1日』、日本映画『クリアネス』『歓待』などに出演。アジアを横断し、女優・プロデューサーとして活躍中)、山本博之(京都大学地域研究総合情報センター)

 参加申し込みは以下の内容を書いてマレーシア映画文化研究会まで
(1)お名前、(2)ご所属、(3)ご連絡先(メールアドレス等)
e-mail:yasmin2011@cias.kyoto-u.ac.jp
FAX:075-753-9602
※定員80名、定員になり次第締め切り

 マレーシア映画文化研究会(HP)は、上に出したチラシによれば、”マレーシア映画を観て楽しむとともに、マレーシア社会が抱える課題や監督の個人的な想いを考えることを通じて、マレーシア映画の「おもしろさ」を共有し、映画を介してマレーシア社会について理解を深めることを目的とする研究会です”とのこと。こういったイベントのほか、「マレーシア映画文化ブックレット」というシリーズも出版していて、最新ブックレット「ヤスミン・アフマドの世界3『ムアラフ-改心』『ラブン』」がこの間出版されました。6月12日の拙ブログ記事でもご紹介したように、このブックレット・シリーズは映画に関して非常に詳しい分析がしてあり、お役に立つ出版物です。

この研究会は、京都大学地域研究総合情報センターの山本博之先生(先日はご来場ありがとうございました)が中心になってやっておられるのですが、京大のこのセンターには次のようなデータベースもあります。

マレーシア映画データベース(検索サイト)~たとえば、"P. Ramlee"と入れると、彼の出演作のデータがどどっと出てきます。映画の各データ、及びスタッフ・キャストとも詳しく出ていてありがたいのですが、「あらすじ」の所は英語だったりマレー語だったり。元はマレーシアのデータベースなのでしょうか?

タミル語映画データベース(検索サイト)~個人が所有していたVCDを基に作られたとかで、VCDのカバーが両面取り込まれています。たとえば、"Rajinikanth"で検索するとこちらが。項目とその内容が少々変なところがありますが("Classification/ジャンル"に入るべき内容が"Title/題名"に入ってしまっているし、題名の英訳が"Year Released/公開年"に書き込まれてしまっています)、まだ整理の途中なのでは、と思います。

タイ語映画データベース(検索サイト)~これもVCDカバーの写真が付いていますが、項目はジャンルと題名、監督名のみ。監督名はタイ文字で入っています。うーん、ローマナイズも入って、検索しやすいようになればいいですね。こちらも、まだまだこれから整備されていくのでしょう。

以上、興味がおありの方は、いろいろ検索してみて下さい。

最後に、先日のトークで、相方の石坂健治さんが言っていた100ヘェ~発言をちょっとご紹介。ヤスミンの作品は日本では一般公開されていず、DVDにもなっていませんが、それは日本の配給会社が怠慢だったわけでは決してなく、マレーシア側の製作会社に原因があるとのこと。日本側はオファーを出したのですが、マレーシア側が特に『タレンタイム』などは非常に高い上映権利料を提示してきて、あきらめざるを得なかったのだそうです。ヘェ~、そうだったんだ~。

ヤスミンが生きていたら、そんなことなかったんでしょうけどね。彼女は、自分の作品が日本で評価されたことをとても喜んでいましたから。でも、少し先になってもいいから、DVDボックスとかで出してほしいです。私なら、『細い目』『ムクシン』『タレンタイム』の組み合わせを選びますが、あなたなら、さてどれを?



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7 コメント

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ヤスミン作品 (Choo)
2011-07-22 13:18:48
cinetamaさん こんにわ。

大阪で夫とマレーシア料理店をしているCHOOです。
ヤスミン作品が大好きで、DVDボックス出れば買いた~い。今回はヤスミン作品がないのは残念ですが、
オーキッドがやってくるというので、とても楽しみにしています

良かったらトラックバックさせてください。http://yaplog.jp/cho_o/archive/476#tb
返信する
Choo様 (cinetama)
2011-07-22 16:50:19
コメント、ありがとうございました。

ブログも拝見しました。素敵なお店のようで、今大阪やったらすぐ食べに行くのに~、と残念です。関西に帰省した折にはうかがいますね。(しかし、アジア方面への帰省ばかりで、なかなか実家へは帰れず....)

トラックバックというのがコンピュータ音痴の私にはよくわからないのですが、お役に立てることでしたらどうぞお使い下さい。トラックバック、あとで調べておきます....。
返信する
返信おおきに (Choo)
2011-07-23 11:18:27
cinetama様

トラックバック許可していただき有難う
ございます。
7月31日、京都にいらっしゃるのですか。
あいにく日曜は定休日ですが、大阪に来たときはぜひ!お越しください。

これからもよろしくお願いします。
http://kennyasia.com/
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Choo様 (cinetama)
2011-07-23 20:33:53
再度のコメント、ありがとうございます。

31日は残念ながら、東京の原美術館であるシンガポールの映画コレクター、ウォン ハン ミンさんのトークイベントの方に行きます。(13日の記事をご参照下さい)今回はお目にかかれませんが、また今度、大阪に行く機会があったらお店にうかがいますね。おいしいマレーシア料理を食べさせて下さい!
返信する
大阪&京都 (竹内)
2011-07-25 05:10:35
cinetama様

Chooさんのお店は、それは美味しいマレーシア料理の食べられるお店です。お勧めですよ~~。特に海南チキンライスはマレーシアで出してもきっと!行列の出来る店になるだろうレベル。カレーや他のお料理も、シェフKennyさんの工夫が行き届いていて絶妙です!次回帰省の際にはぜひ、行かれてくださいねっ!

cinetama様は、京都に行かれないのですか?それは残念!では私が31日京都大学、翌1日は心斎橋のKennyasiaで、美味しいお昼を食べて帰ってきますです(^^)

シャリファ・アマニ嬢の初監督作『サンカル』上映も楽しみですが「女優、そして監督、プロデューサー」…という切り口から言うと、同シリーズのバーナード・チョーリーの姉、バーニスの撮った作品も見たかったかな…など、ちょっと欲張りですね(^^;

> 私なら、『細い目』『ムクシン』『タレンタイム』の組み合わせを選びますが、あなたなら、さてどれを?

私が3本選ぶなら『細い目』『グブラ』『タレンタイム』かな?『グブラ』という作品の持つ陰影(貧富、光と闇などの対比)と、最後に「希望と祈り」に帰結していくところが好きです。
返信する
Unknown (竹内)
2011-07-25 05:24:26
cinetama様、こちら↓も、もしお時間ありましたらチェックをお願いいたします_(_~_)_

ホー・ユーハンやピート・テオの友人であり、北京と大阪をベースに作品を撮り続けるマレーシア人監督リム・カーワイの最新作が7/25、28、8/2に上映されます。
CO2東京上映展
http://co2-tokyo-2011.jimdo.com/

リム・カーワイ監督作『新世界の夜明け』は、北京と大阪の新世界を舞台に撮られた作品、ヒロインは、台湾映画『不完全恋人』で阿部力さんと共演、その後彼と結婚された史可さんです。
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竹内様 (cinetama)
2011-07-25 08:49:29
続けてのコメントありがとうございました~。コアなニュースも含めて、いろいろな情報Terima Kasihです!

リム・カーワイの作品、面白そうですね。サイトをチェックしてみます。阿部力さんが結婚していたとは知らなかった....。史可という女優さんはお顔が浮かばないので、お顔確認も楽しみです。また、何かの折にはぜひコメントで教えて下さいね。
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