アジア映画巡礼

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バンコクで香港映画を見る&その他いろいろ

2023-09-02 | 香港映画

バンコクではうまい具合に、香港映画『風再起時』も見られました。昨日、BTSチットロム駅に直結したセントラルデパートにまず行き、絵はがきを購入。セントラルはタイでは「センターン」と発音するそうですが、日本の三越みたいな由緒あるデパートです。

その後、以前は伊勢丹があったショッピングモール、セントラル・ワールドの映画館SFシネマ・セントラルでお目当ての映画を見ました。でも、セントラル・ワールドもいろいろ様変わりしていました。下の写真は、大通りを挟んで向かいにあるスーパーのビッグCに行く歩道橋から撮ったセントラル・ワールドです。

以前はこの右手手前側が伊勢丹、さらにもっと以前には、その先もZenという日本風のネーミングのショッピングモールだったのですが、伊勢丹がきれいに姿を消し、セントラルデパートが全体を仕切っているようです。ところが日本のデパートが撤退したのに、内部は日本色がさらに濃厚になりました。6階にはこんな「リトル・ジャパン」が出現し、寿司やら焼き鳥やら果ては抹茶ソフトまで日本風の食べ物の店がいっぱい。つい抹茶&バニラのツインソフトを食べてしまいましたが、89バーツ(約370円)もしたのに抹茶もバニラもお味はいまひとつ。

 

他の階のレストランも、ほとんどが日本風の鍋やら寿司やら焼き肉やら大戸屋やらのお店になっていて、数年前に食べた7階のおいしいベトナム料理のレストランも、6階にあったタイ料理の名店タリン・プリン(Taling Pling)も姿を消していました。本店まで行かなくてもいいし、一人でも手軽に食べられるので、セントラル・ワールドのタリン・プリン店は重宝していたのですが。伊勢丹があった頃は全体に高級志向だったのが、一挙に庶民的になった、という感じですね。

で、さらに庶民的なクーポン食堂も7階に誕生していたので、お昼ご飯はここで、半ライスと3種のおかずで済ませました。95バーツと、ソフトクリームとあまり違わない値段です。半ライス+牛肉グリーンカレー+豚の内臓を揚げて豆と炒めたもの+野菜のうま煮でお腹いっぱいに。クーポン食堂にしてはちょい高めなだけあって、お味がとてもよかったです。

それで、肝心の映画のお話ですが、レスリー・チャン(張國榮)の曲から取ったと思われるタイトルの『風再起時(Where The Wind Blows)』は、トニー・レオン(梁朝偉)とアーロン・クォック(郭冨城)の二大スター共演という豪華版。日本が香港を占領した時代から1980年ぐらいまでを、警察の大物たちを主人公にして描いたもので、以前から香港映画『四大探長』(1992)や『跛豪』(1991)などで繰り返し描かれてきた人物たちが次々と登場します。主人公はアーロン・クォックが演じる磊樂(モデルの人物は呂樂)と言ってもよく、戦争中の若い時から警官になって大金持ちの娘に猛アタックして妻にし、どんどん出世していく姿を、妻以外の2人の女性との関係もからめながら描いていきます。その磊樂を醒めた目で見ているのがトニー・レオン演じる南江で、こちらはモデルが藍剛。2人とも若い時代は別の俳優が演じていて(これが、両方ともそっくりさんでちょっとびっくり。アーロンの方は徐天佑というお馴染みの顔だったのに、こんなに似ているとは)、あとは老年になるまで本人が演じています。

《風再起時》 預告 Trailer | 主演:郭富城、梁朝偉、杜鵑 | 特别演出:許冠文、春夏 | 聯合演出:譚耀文、金燕玲、吳卓羲、張繼聰 |梁朝偉榮獲亞洲電影大獎最佳男主角|翁子光導演編劇

 

上は予告編ですが、映画の出来は、というと、他にもマイケル・ホイ(許冠文)が特別出演したり、パトリック・タム(譚耀文)、周文健(マイケル・チャウ)、タイポー(太保)等々、ベテランが山と出ているにも関わらず、いまひとつ引き込まれません。警察のお偉方が腐敗していた1950~70年代の香港は、もう映画やドラマに描かれすぎていてお話も新鮮味に欠ける、という感じですね。それを打破しようとしてか、翁子光(フィリップ・ユン)監督はアップを多用する映像を重ねて迫力を出そうとしたようですが、残念ながらそれが裏目に出た感じです。ただ、磊樂の妻役の杜鵑(ジェニファー・ドゥ)が登場するシーンだけは、その服装の巧みな時代色が当時へとワープさせてくれ、雰囲気をたっぷりと味わうことができました。とここまで書いて「実は...」と告白してしまいますが、この上映、タイ語吹替版だったんです。トニー・レオンもアーロンも声が聞けず、ホントに残念でした。

そうそう、映画料金ですが、今回は260バーツ(1000円ちょっと)でした。とすると、この前のHouseシネマの160バーツはすごく安かったんですね。公開2週目のタイ映画『マン・スアン』も公開初日の『コンクリート・ユートピア』も160バーツだったので、合計200バーツ得したことになります。学生料金とかでこういう格安チケットに設定されているのでしょうか。なお、大手シネコンは現金が使えないところが多く、みんなカードで払っていました。SFセントラルの場合、「現金なんですけど」と言うと係の人が現金を受け取り、自分の手元にあるカードを操作して払ってくれて、チケットを渡してくれました。スタッフの人は、どこの映画館もとても親切です。

これで、見たい映画はみんな見てしまったため、明日はBTSに乗ってぐるっと回るかな、とか思いつつホテルに戻ったらあら大変! 部屋の冷房が付けっぱなしで、しかも設定が19℃と、冷凍庫かと思うような冷えっぷり。お掃除の人が消し忘れて出ちゃったのね。これは、下手をすると3月のインド旅行の二の舞で、風邪を引いてしまうかも、とまずは冷房を止めていっぱい着込み、「掃除後、冷房は停めてから部屋を出て下さい」という張り紙をしたり、もう1枚、ブタが震えているマンガを書いて、「凍え死ぬから冷房を付けっぱなしにしないで」と書いた上にチップを置いたりと大パニック。ダブルの毛布を2つ折にしてかけて寝たのですが、案の定寒くて夜中に目が覚めました。まったく、厄災は思わぬ時にやってくる。今日も塩でうがいしたりしながら、MBK(マーブンクローン・センター)とサイアム・パラゴンに出かけてあれこれチェック。

MBKはBTSの入り口が東急百貨店でしたが、東急もやはり姿を消し、日本のリーゾナブルなレストランがいっぱい店を出していました。土曜日のせいかどこも満員で、こんなにも日本食の人気が高いのかとびっくりしました。上階の方は自習室というか学習塾というか、そういうのが入っていて、これも驚きました。

 

 

その合間に、パラゴンには以前通りお店があったタリン・プリンで大好きなローストした豚肉の脂身とスイカジュースで昼食を。お花のディスプレイがすてきでしょう? これで元値は合計350バーツ(230B+120B)なんですが、税金とかいろいろついて400バーツちょっとに。今回食べた、一番贅沢なお食事でした。夕ご飯は、帰途ちょっと足を伸ばしてオンヌット駅に直結した小さなスーパーの食堂で、パッタイをテイクアウト。お店で食べると60バーツで、テイクアウトにすると65バーツなんですね。青物やレモン、唐辛子に砂糖などが付くので、少し高くなるのかな? パッタイは砂糖を効かせるとおいしいんですよ~。

そんなこんなでバンコク滞在も今日で終わり。明日からは本命のシンガポールです。

 


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