アジア映画巡礼

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公開イベント「Up & Down: ドキュメンタリー×中国×アート -王我監督を迎えて-」

2017-10-12 | 中国映画

お知らせが遅くなってしまいましたが、明日、中国のドキュメンタリー映画に関する公開イベントがあります。

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 Up & Down: ドキュメンタリー×中国×アート

-王我監督を迎えて-

◼日時:10月13日(金)18:20開始 21:00終了予定
◼会場:立教大学 14号館2階D201番教室
    入場無料、申込不要、どなたでもご参加になれます。

◼プログラム:
 ・イントロダクション 王我×秋山珠子(立教大学)
 ・『Up & Down(上下)』(監督:王我/2007/12分/日本語・英語字幕)上映
 ・『映画のない映画祭』(監督:王我/2015/85分/日本語・英語字幕)上映
 ・トークセッション 王我監督×石坂健治さん(東京国際映画祭アジア部門ディレクター/日本映画大学教授/アジア映画研究会代表)×秋山珠子
◼共催:科学研究費挑戦的萌芽研究「カルチュラル・アサイラム―中国インディペンデント・ドキュメンタリーの生成と流通―」(研究代表者:秋山珠子、課題番号:15K12846)、アジア映画研究会
◼協力:山形国際ドキュメンタリー映画祭、東京大学 中国語映像翻訳ゼミ

◼開催趣旨:
 1990年、中国に初めて、国有メディアから離れ、個人が製作したインディペンデント・ドキュメンタリーが誕生しました。以来、中国インディペンデント・ドキュメンタリーは、常に現代アートとの密接なつながりを持ちながら、起伏に富んだ歴史を刻んでいます。中国初のインディペンデント・ドキュメンタリー『流浪北京』(呉文光/1990)は北京のボヘミアン・アーティストたちを捉え、2000年代に進んだデジタル化以降は多くのアーティストがドキュメンタリー製作に参入し、2006年には著名な美術評論家・栗憲庭(リ・シェンティン)が中国最大のアーティスト・コロニーである宋荘に中国初のインディペンデント映画基金を設立し、北京独立映像展が誕生しました。
 今回、お招きする王我(ワン・ウォ)監督は、数多くの監督やアーティストから指名が殺到するグラフィック・デザイナーであり、中国実験ドキュメンタリーのパイオニアとして知られています。氏による対照的な2本の作品—中国インディペンデント映画シーンのピークとその自由さを象徴する実験ドキュメンタリー『Up & Down』(2007)と、北京独立映像展が当局により中止に追い込まれた顛末を記録した『映画のない映画祭』(2015)—を上映し、トークセッションを行います。中国インディペンデント・ドキュメンタリーの起伏と、現代アートとの錯綜した関係を探求する貴重な機会となることでしょう。

●監督プロフィール
王我(Wang Wo)
 1967年河北省生まれ、2015年よりアメリカ在住。中央工芸美術学院でグラフィック・デザインを学び、清華大学にて美術デザイン修士号を取得。2004年から映画を撮り始め、独創的な実験ドキュメンタリー作品により国内外で注目される。主な作品に『Outside(外面)』(2005)、『Noise(热闹)』(2007)、『Up & Down(上下)』(2007)、『映画のない映画祭(没有电影的电影节)』(2015)など。グラフィック・デザイナーとして北京独立映画祭などのポスターを手がけ、そのシンプルかつ大胆な表現により、「中国で最高の映画ポスター・アーティスト」(栗憲庭)とも称えられる。艾未未(アイ・ウェイウェイ)、胡傑(フー・ジェ)など多くのアーティスト、映画監督とのコラボレーションがある。

●作品解説
『Up & Down(上下)』(王我/中国/2007/12分)
 王我作品を貫く、デザインとフォルムへの追求が凝縮された短編。複数のインディペンデント監督による、都市を描くオムニバスの1本として製作された本作のテーマは「北京」。冒頭、上下に分割された画面に映るのは、建国門から天安門広場へと至る、地上と地下の移動ショット。中国の中心である天安門広場に至ったのち、画面は左右に分割され、見慣れた風景は大胆かつユーモラスに再編集されていく。

『映画のない映画祭』(王我/中国/2015/85分)
 2006年から10回開催された北京独立映像展は、国内で公開されることのない中国インディペンデント映画の貴重な上映の場として、国内外の注目を集めていた。しかし当局からの規制は年々強化され、2014年ついに映像展は完全閉鎖を余儀なくされる。王我は中止に追い込まれた第11回北京独立映像展を、そこに居合わせた監督、アーティスト、スタッフ、観客らが撮影した雑多な素材とネット画面から再構成する。「開幕式」と「閉幕式」からなるシンプルな二部構成、エンドロールの大胆な使用法は、実験映画作家である王我の面目躍如である。


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台湾で『映画のない映画祭』が上映された時の予告編が出て来ましたので、貼り付けておきます。おお、王宏偉(ワン・ホンウェイ)もご出演ですね。

【第十屆台灣國際紀錄片影展】敬!華語獨立紀錄片|沒有電影的電影節 A Filmless Festival

先日山形国際ドキュメンタリー映画祭での上映時に見た浦川とめさんが、10月10日付けのブログで紹介していたこの作品、日本語字幕で見られるのが楽しみです。

 


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