アジア映画巡礼

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『きっと、またあえる』のコレに注目!<7>悪態野郎アシッドはテルグの人気者

2020-05-26 | インド映画

さてさて、昨日の緊急事態宣言解除を受けて、待機していた映画の公開日が続々決まりつつあります。インド映画ファンの皆さんは、もうすでにニュースをキャッチなさっていることと思いますが、昨年のインド映画興行収入第1位のアクション大作で、リティク・ローシャンとタイガー・シュロフ主演の『WAR ウォー』(2019)も、7月17日(金)からの公開が決まりました。対コロナウィルス・ビタミン剤として、この1ヶ月余りいろいろ活躍してくれたこのお二人、いよいよ日本に華々しい本格的デビューを飾ります。配給会社は、ヴィッキー・コウシャル主演の軍隊アクション・インド映画『URI サージカル・ストライク』(2018)や、フィリピンのヘビーなアクション映画『BUYBUST/バイバスト』(2017)のDVD発売元インターフィルムです。詳しくは後日ご紹介することにして、今日は、こちらも早く公開日が決まってほしいインド映画『きっと、またあえる』(2019)のご紹介の続きです。

アシッド(酸)というおっかないあだ名をつけられたのは、映画の中で一度も本名で呼ばれたことのない、4号寮(H4)に住む2回生(ナヴィーン・ポリシェッティ)。同じ2回生のセクサことグルミート・シン(ヴァルン・シャルマ)とはマブダチで、いつも二人でつるんでは下級生を鍛えています。彼がなぜアシッドと呼ばれるかというと、何かにつけて激烈な悪態をつくからです。ヒンディー語では悪態や罵り言葉を「ガーリー(गाली)」と言い、よく複数形で使われて「ガーリヤーン(गालियाँ)」という形で登場します。ヒンディー語の「ガーリヤーン」には英語の4文字言葉「F×××」に匹敵するものが存在し、それを親族名称とくっつけてしゃべったりすると、それはそれは下品な言い方になり、普通の人はまず使いません。本作ではさすがに大学生だけあって、そこまで下品な言葉は登場しないのですが、性的な表現を使わない、軽めの「ガーリー」が出てきます。一般に、人々に一番よく使われる罵り言葉は「クッター(कुत्ता)」で、「犬」と言う意味です。韓国語と似ていますね。この映画では、アシッドではない人の口から出てきて、笑いを誘います。

あんまり汚い言葉を盛り込むと、映画の品性が損なわれると考えられたのか、「アシッドは悪態をつかせたら天下一品」という説明だけで、実際に汚い言葉は出てきません。このあたり、「Sex」からセクサというあだ名になりながら、ヤらしいシーンは全然出てこず、せいぜいが「ムスコ」や「シコる」という表現ぐらいのセクサの処理と似ていますね。アシッドの場合は、「卑しい、卑劣な」という意味の「カミーナー(कमीना)」ぐらいだったような気がします。ほかにインドの人が使うのは、「ニカンマー(निकम्मा/能なし)」「ムールク(मूर्ख/バカ)」「ウッルー・ケー・パッテー(उल्लू के पट्ठे/アホ、間抜け)」とかでしょうか。まだいろいろある気がするのですが、ヒンディー語を勉強する方も使わない方が無難なので、記憶に残らないようこの辺で。

このアシッドを演じるナヴィーン・ポリシェッティですが、実はテルグ語映画界では主演作をヒットさせたりしている人気者です。1989年12月26日ハイダラーバード生まれの30歳で、ボーパールの工科大の卒業生という、ドンピシャの経歴の持ち主なんですね。そこから舞台俳優になり、YouTubeにアップされた劇でスターになって2012年に映画デビュー。そして昨年、『きっと、またあえる』の前に公開されたテルグ語映画『Agent Sai Srinivasa Athreya(探偵サーイ・シュリーニワーサ・アートレーヤ)』に主演し、高評価を得ると同時にヒットにもした立役者なのです。この作品は、カーヴェリ川長治さんのブログで紹介されていますので、こちらをどうぞ。下はその予告編です。『きっと、またあえる』をご覧になったあとで、また見てみて下さいね。いやー、なかなかの芸達者です、ナヴィーン・ポリシェッティ。

Agent Sai Srinivasa Athreya Theatrical Trailer | Naveen Polishetty | RahulYadavNakka | Swaroop RSJ

というわけで、アシッド君との顔合わせもお楽しみに。公開日はいつでしょうねえ、『きっと、またあえる』。配給元のファインフィルムズ様、お早いアナウンスをお待ちしております。公式サイトはこちらですので、注目していて下さいね。早く言いたい、「やっと、またあえた!」。

<画像クレジット>

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