アジア映画巡礼

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謎のタミル語映画DVD

2015-04-23 | インド映画

久しぶりにAmazonでショッピングをしていたら、謎のタミル語映画DVDが発売されているのを発見。この『希石』という作品です。

希石(原題:Arputham) [DVD]

クリエーター情報なし
ポンガル

紹介ページによると、『希石』は2002年の作品で、監督アルプタン(原題と同じ名ですね)、出演ラーガヴァー・ローレンス、アヌ・プラヴァカル、DVD発売元は「ポンガル」という会社で、2015年3月4日発売。「商品の説明」には、次のように書いてあります。

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(普段着のタミル映画) 
2002年にインド国タミルナードゥ州で公開されたホームドラマ風の映画。テレビドラマのようなこの軽いタッチの作品は、現地ではさほど話題にのぼらなかったもののドラマのなかでチェンナイの日常生活がよく描かれているため、日本人からするとタミル映画のテイストを知るのに格好の見本となっています。ラジニカーントやカマルハッサンなどスーパースターのビッグバジェット映画の片隅でひっそりと上映されている普段着のタミル映画のひとつです。

(小冊子付き)
タミル映画の構成を説明した14ページの小冊子。

(注:10文字/秒の字幕)
この字幕は早口のタミル語の直訳文です。通常の倍以上の字数になっており丁寧に読んでいると疲れるほどの分量になります。ストーリーは単純ですので字幕は眺める程度にして色彩ある活き活きとした映像をご鑑賞下さい。

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あまりにも正直というか、その前に「●カ」がつくような「商品の説明」ですねー。それにしても、「片隅でひっそりと上映されている」ような作品を、なぜに日本でDVD化? しかも、「読んでいると疲れる」ような字幕をなぜに付ける? 謎だらけです。

この「ポンガル」(意味は、1月13日前後に祝われるタミル地方の正月のこと、あるいはその時に食べる甘い味の炊き込み御飯のこと)という会社は、もう1本DVDを出しています。『カマラージ インド・タミルの近代史』という作品ですが、うまく貼り付けができないので、こちらの紹介ページをどうぞ。

もし、裏の事情をご存知の方がいらっしゃいましたら、コメントでお知らせください。とりあえず、この2本は買っておくことにしますが、もうちょっといい映画にお金を使いたいものですし、配給会社は「どうしてもこの作品を紹介したい!」という映画にお金を使っていただきたいものです.....。

 


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8 コメント

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減点方式にて採点 (ポンガル)
2015-04-23 20:32:20
このような縁の薄い国の、その南端の小さな州の、そのまたさらにマイナーな作品に最初にコメントいただき大変ありがたく存じます。
さて、ご質問の映画化の理由は以下の3点です。
1. 映画の冒頭に2分弱の詩の朗読があること。
2. 結婚式のマントラが合計24句はっきりした音声で収められていること。
3. 映画全30章の構成が緻密かつ論理的で、脚本から撮影・アフレコまで目立ったミスや重複、オーバーな演出がないこと。
また「読んでいると疲れる」ような字幕は、4文字/秒におさめるのは難しいと言う理由からです。

なお、次もうひとつ予定しております。
まだだいぶ先の話になりますが、そちらの方はもう少しだけいい作品ですのでご期待いただけるかと存じます。
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ポンガル様 (cinetama)
2015-04-23 21:39:37
コメント、ありがとうございました。

「裏の事情」どころか、表の事情をご存じの当事者の方からコメントをいただいてびっくり!です。御礼申し上げます。
選ばれた理由はわかりましたが、減点方式だとせっかく大金をお使いになるのにもったいないですね。とはいえ、とりあえず拝見してみようと思います。
でも、字幕だけは、ぜひ次回は4文字/秒でやってみて下さいませ。字数が少なくて情報が2、3割減になったとしても、映画への理解度は、字幕がない&よけいな字幕で全然読めない場合の2、3倍にはなると思います。

次回作は何でしょう? 「もう少しだけいい作品」とおっしゃらず、「素晴らしい作品!」と我々も納得するような作品をお選び下さることを心から願っております。
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希石? (きらび)
2015-04-24 20:32:51
cinetama様

はじめまして
いつも楽しく拝読しております。
ここでしか読めないような興味深い情報を、ありがとうございます。
また、映画の挿入歌の歌詞のようにお手間のかかるものまで、惜しみなく載せて頂き、本当に嬉しいです。おかげさまで、映画を観る楽しみが何倍にもなります。

ご紹介のタミル映画のタイトルについて、ちょっと気になったので、思い切って初投稿してみます。
ちょうどポンガル様もコメントを寄せていらしたので。

Arputhamを辞書で引くと、奇跡、偉業、不思議、すばらしいことといった意味だったので、まさかとは思いますが、奇跡の変換ミスではないかと気になってしまいました。
映画の内容に合わせて『希石』とされたのでしたら、的外れな指摘をお許し下さい。
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きらび様 (cinetama)
2015-04-25 00:49:14
コメント、ありがとうございました。

ポンガルさんはタミル語がおできになるようなので、多分、「奇跡/希石」の変換ミスではないと思います。
今日DVDが届いたので、連休中に見てみようと思います。

友人で、南インド映画に詳しい人からは、
「この作品に主演しているラガヴァ・ローレンスは、現在のタミル&テルグ語映画界で最もホットな監督の1人です。成功しなかったヒーロー主演作なんかよりも、ローレンス監督の傑作をDVD化してほしいです~」というメールをもらいました。
ダンス監督としても有名で、『ボス その男シヴァージ』や、チランジーヴィ主演のヒット作をたくさん担当しています。
そっちの方が見たいですねー。
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早まりました・・ (きらび)
2015-04-25 11:58:42
考えてみれば、長文の中ならともかく、タイトルで変換ミスのわけないですね。失礼なことを書いてしまいました。
長過ぎる字幕は、鑑賞には適さなくても、タミル語学習のに助けになるかもしれません。

数が多いだけに玉石混淆のインド映画。傑作をより抜いて販売、上映して頂けると、普通のファンにはありがたいです。
茨木での 『Uttama Villain』も楽しみです。カマルハーサンのは、ハズレが無い気がします。
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きらび様 (cinetama)
2015-04-26 12:37:45
再度のコメント、ありがとうございました。

きらびさんもタミル語がおできになるか、学習中でいらっしゃるのですね。
前のコメントで「辞書で引くと」とさらっと書いてらっしゃいましたが、ローマナイズ表記の付いていないインドの辞書では、単語を捜すだけでも大変ですし、ある程度文法がわかっていないと辞書は引けませんよね。
そういう私も、タミル語の単語を調べる時は四苦八苦している1人です。

カマラハーサン(私はついこう書いてしまうのですが、タミル語もヒンディー語と同じように、長母音の前の”a”は落ちて子音音だけになるのでしょうか。だとしたら、カマルハーサンですね)の作品は確かにどれも面白いですが、私的には『十変化(Dasavatharam)』(2008)はハズレでした。
アメリカ大統領に日本人の武道師匠...。ちょっとやりすぎですってば!
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カマル?カマラ? (きらび)
2015-04-27 17:15:14
カマルのルは、タミル語の綴りでは "l"なので、"a"が落ちたのではなくもともとついていません。
ハッサンという表記も良く見かけますが、長母音の文字"ハー"が使われているので、そのままカタカナにすると、カマル・ハーサンになると思います。
昔のことですが、タミル人のかたがたはカマラーサンと言っていた記憶があります。 "l "とハーを続けて発音すると、"x" の音は(私には)聞こえず、ラーに聞こえたのだと思います。

タミル語は昔習って、なんとか辞書が引ける程度です。でも、くだけた口語などは、単語に分解するのが難しくて、わけがわかりません。

ハズレが無いなんて、いかにもたくさん観ているような書き方をしてしまいましたが、80年代に何本か観たのが中心で、新しいのは追えていません。
やはりハズレもあるのですね。茨木での上映が楽しみです。

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きらび様 (cinetama)
2015-04-28 00:32:52
再々度のコメント、ありがとうございました。

あれ? 手元にあるタミル語のヴァラエティー誌ダイレクトリー本によると、「ka+ma+la+haa+sa+n」という書き方で、最後の「n」は文字の上に点というか、母音字が落ちる記号が付いていますが、あとの文字には付いていないんですが...。
と、今念のためタミル語版Wiki(下アドレス)を見てみたら、「la」の上にも点が付いていました、なるほど~。これで「a」が落ちた「l」になるわけですね。
http://ta.wikipedia.org/wiki/%E0%AE%95%E0%AE%AE%E0%AE%B2%E0%AF%8D%E0%AE%B9%E0%AE%BE%E0%AE%9A%E0%AE%A9%E0%AF%8D
ご教示、ありがとうございました。これからは、「カマルハーサン」と表記することにします。

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