アジア映画巡礼

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『燃えあがる女性記者たち』初日の御礼&裏話

2023-09-17 | インド映画

昨日、9月16日(土)に、『燃えあがる女性記者たち』の上映にお運び下さった皆様、ありがとうございました。特にユーロスペースでの上映で、トーク付きの回に来て下さった皆様、下手な司会者の私に温かく対応して下さって御礼申し上げます。お陰様で、限られた時間で監督お二人に十分に話していただくことができ、ずっと時計とにらめっこしていた私も安堵の息を吐くことができました。こちらの公式Xを見ると、皆さん撮って下さったお写真を添えて、実に素晴らしい感想をアップして下さっていて、何と上質なお客様方だったんだろう、と感動してしまいました。映画自体の力もあるのだと思いますが、それを受け止め、さらにトークの内容にも反応して下さっていて、今日は夕方からずっと、夢中になって読んでしまいました。このトーク映像、配給会社きろくびとさんがYouTubeとかにアップして下さらないかな、と願っています(今度会ったら言っておこうっと)。

昨日は、初回のトークにはTBSの番組「報道特集」の取材も入ったのですが、実は上映中にはロビーで上写真のように、監督お二人へのインタビューも行われていたのです。放送は16日当日の夕方だったため、私も見られなかったのですが、TVerで後日見られると思うので楽しみにしています。昨日の「報道特集」のうち、2話分はもうアップされているので、こちらをチェックして下されば『燃え上がる女性記者たち』関連の報道も間もなくアップされるのでは、と思います。

ところで、上写真の左手前、後ろ姿が写っているのは、映画館ユーロスペースの支配人である北条誠人(ほうじょう・まさと)さんで、こういった取材の立ち会いの他、この日は上映終了後にはトークのための会場セッティングもほぼお一人でやって下さり、頭が下がりました。北条さんは映画業界では尊敬を集めている方で、こちらのインタビューなどを読んでいただければ、どんなお仕事をなさってきた方かがわかっていただけると思います。ユーロスペースは1982年開館だそうなので、もう40年を超えたのですね。以前の場所の時代から通っている、劇場自体のファンも多いミニシアターです。インド映画『女神は二度微笑む』(2012年、日本公開は2015年)も上映して下さったのですが、今回の『燃えあがる女性記者たち』もいい成績を残して、「インド映画って、なかなかやるな」と北条さんに思っていただきたいですね。

舞台の合間には、ユーロの事務室にある応接スペースで待機。そこでうかがった監督たちのお話を一つ。左側のリントゥ・トーマス監督と右側のスシュミト・ゴーシュ監督は、すでに14年間、共同監督として多くの短編ドキュメンタリーを作って来ており、自分たちの制作会社も持っています。その会社名が「ブラック・チケット・フィルムズ」というのですが、「ブラック・チケット」とは何を表しているのか、お二人がいない時に通訳の藤井美佳さんと私、そして宣伝マンの加瀬さんとの間で話題になりました。「ブラックマーケットで買うチケット、ということかな?」と言ってみたりしたのですが、ちょっと判然としません。というわけで昼食から戻ってきたお二人に聞いてみると...。

「それはね、映画が人気になって、チケットが飛ぶように売れて手に入らない、ブラックマーケット(ダフ屋)からしか手に入らない、というようになってほしい、という気持ちからつけたのよ」とのこと。「あー、やっぱり。ブラック・メーン・ミレーガー?(ダフ屋からなら手に入るかな?)ってやつね」と私が言って大笑いになったのですが、日本では初日はほぼ満席だったので、これからHouse Full(満員)を出して、「『燃えあがる女性記者たち』のチケット、ほんとにブラック・チケットになったわよ!」とお二人に伝えることができたらなあ、と思っています。

あと、もう一つナイショのオマケ話を。スシュミト・ゴーシュ監督は右手の内側にタトゥーを入れているのですが、「それ、漢字じゃない?」と言って見せてもらいました。

三列になっていて、右から「名誉」「仁 勇 真 義 礼」「忠義」となっています。「僕の祖父や父は、スバス・チャンドラボースを尊敬していたんだ。それで日本文化にも興味を抱いていてね。この言葉は宮本武蔵の言葉だと思うんだけど」とのことで、私も全然詳しくないため、あとで調べてみると、どうやら新渡戸稲造の著書「武士道」に出てくる言葉が元になっているようでした。前にも書きましたが、スシュミト・ゴーシュ監督はベンガル出身で、トークでの話によると子供の時にお父様が亡くなり、親戚のご家族と一緒にいわゆる「大家族制」の中で育った模様です。そんなことから、お父様のイメージに連なる「武士道」への興味がこのタトゥーになったのでは、と思われます。

お二人はこの日、昼食に出かけた先で無印良品の店を見つけたらしく、紙袋を3つ下げて戻ってきました。そのあたり、若者らしくてちょっとほっこり。さすがのMujiも、インドにはまだ進出してませんからねー。(2023.9.21追記:読者の方から訂正が入りました。「無印良品は2016年以降、インドに進出しております。さすがですよね!!!  私も今年3月に出張で視察済みです。その時の出張について、上司がレポートにまとめておりますので、該当箇所を抜粋させていただきます。『無印良品は2016年にムンバイに初出店した。その後、ベンガルール、デリー、ノイダに出店したが、現在、ベンガルールとデリーの店舗は閉鎖し、今後はムンバイに2号店を出店する計画と報じられている』」T様、ありがとうございました! 監督お二人はデリー在住なので、それで渋谷でのご購入、となったわけですね)そして、リントゥ・トーマス監督はユーロの外の看板とも記念撮影をして、シネリーブル池袋での最後の登壇に二人で仲良く去って行きました。

本当に、素晴らしいゲストのお二人で、不平もわがままも一切言わず、ユーロではトークの後ロビーで希望者にはパンフレットにサインを入れる作業をしてくれたのですが、お一人ずつ丁寧にお名前をきいて、きちんとパンフに書き入れていて、本当に感心しました。その後も、希望する方が残っていらしたら一緒の記念撮影にも応じてくれるなど、頭が下がることばかりでした。そんなステキな監督お二人が作った映画『燃えあがる女性記者たち』をぜひご覧下さいね。それから、パンフレットをお忘れなく購入なさって下さい。監督へのロングインタビューの他、映画の背景となる状況の解説、そしてシナリオ採録まで、ものすごく中身が詰まったパンフレットです。普通の劇映画のパンフよりずっと充実しているので、今後のインド映画鑑賞の参考にもなると思いますから、900円をぜひ投資して下さいね! そうそう、私は24日にもまたユーロでお話をしますので、その時に来ていただけると嬉しいです。公式サイトにトークの登壇も情報が出ますので、お見のがしなく。最後に、『燃えあがる女性記者たち』の予告編を付けておきます。

映画『燃えあがる女性記者たち』予告編

 

 


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