イスタンブール 旅のつづき

以前旅の終着点だったイスタンブールに戻ってきて、生活を開始。また旅のつづきを始めたい・・・

トルクメン、大統領の死

2006-12-22 19:39:14 | トルクメニスタン
昨日学校の同じクラスのトルクメニスタン人の女の子が、授業中に携帯のメッセージを読みながら、「すいません、大統領が今日の朝亡くなったそうです。」と突然言った。

確かに悲しそうな顔はしていたのだが、独裁体制である同国の国民はなんて感じるのだろう、とても興味深かった。トルコ人と結婚している彼女にとっては、幼少育った同国に対する愛着は強く、それほど仲が良いわけではないので多くは語らなかったが、それでもショックのようであった。

さて、トルクメニスタンとは?
大統領が亡くなったというので多少の情報が流れているが、トルコにおいてはトルクメニスタンは同じトルコ系、またトルクメン語がトルコ語に80%ほど同じということもあって、関係は近い。ただ、実際はこれまではトルコ語に近い、独裁政治ということくらいしか知らなかった。


独裁政治、その別名は「中央アジアの北朝鮮」だそうだ。
ソ連からの独立後、99.5%の支持率でニヤゾフ大統領が再選され、以降も個人崇拝のような形で大統領崇拝が貫かれ、2002年には終身大統領となった。議会はあるものの、事実上民主党の一党独裁制。

首都アシュガバートには約50mおきに大統領の肖像画、銅像が並べられ、金で作られた14mの高さの大統領像は、太陽の動きに合わせて「回転」するそうだ。

国民の一般品、食べ物とか衣類とかにニヤゾフブランドなるものがあり、市場にはニヤゾフブランドが並び、そして神の啓示を受けて書いたとされる「Ruhnama」は国民の必読書となっていて、本屋にはずらっと並ぶようだ。それと、3年くらい前の朝日新聞の記事によれば、一般国民のインターネット接続は制限されていたようだ・・・

大統領像といい、是非とも行ってみたい国ではある・・・

補足、独裁制とはいえ、同国もイスラム国家ではあるものの、イランからのイスラム原理主義者、アゼルバイジャンからの原理主義者の流入を警戒するなど同国体制を保持しており、いわゆる今の北朝鮮のような対外政策を取ってはいないようだ。


トルクメニスタンの経済はというと、対外輸出額の3位にトルコがある。
これは恐らく原油、天然ガスか石油製品かと思われる。(ただ、トルコから見た輸入額としてはトルクメニスタンはその他に入るほど、額は大きくない。)

同国は、天然ガス、石油の埋蔵量が豊富。天然ガスの埋蔵量は世界第四位の規模で、同国輸出額の約50%。そしてその他の輸出額3割が原油、石油製品。綿花も盛んであるが、同国は資源によってのみ支えられていると言える。クラスの女の子に言わせれば、トルコでは2ドル/ℓ近いガソリンが1/10の値段で買えるそうだ。

ロシアからの影響力を排除するため、ソ連時代に天然ガスの輸出に対する恩恵が同国に還元されなかったことが原因の一つのようだが、ソ連からの独立後、ロシアへの天然ガス供給を停止している。そして、「永世中立国」として95年国連から承認されている。このようにロシアからの影響を逃れた同国にとって、最大の資源輸出先はイラン。新たなに建設したパイプラインを使い、天然ガスを供給している。

今年6月、カスピ海の原油がアゼルバイジャンのバクーからグルジア、トルコへと供給されることになったのは記憶に新しい。同じくカスピ海に接するトルクメニスタンにとっても、その可能性は膨らむ気はしていたのだが(実際、カザフスタンの原油まで手を伸ばそうかなどという話しもあったようだし)、今後新しい大統領になってどのように体制が変化するか、トルコとの関係はどう新たに構築されるか、注目したい。