薄曇り
雲の切れ目から控えめに太陽が覗き見している
出ておいで。。。恥ずかしがらずに
みんな君を待っているよ。。。いつもいつも
一進一退・・・母もMoKo嬢も同じ
今朝はようやく電話に出た母
昨日までの自分が良くわからないらしい
珍しく『心配かけてごめんね』の言葉
胸のつかえが溶け出して行く
母が父親を亡くした時
長兄は18才。。。大学進学が決まり
大好きな造船の勉強を夢見ていたという
入学1週間前・・・突然・・・父親の死
入学の朝・・・一人・・・合格通知と学生服を自分の手で燃やす兄
末っ子は物陰からその後ろ姿を見つめ・・・泣いたという
その後・・・若い家長となった長兄の苦労は計り知れない
それでも・・・何とか家業を守り通し兄弟を育ててくれたという
末っ子は乳母に守られながらも
家の為・・・早々に結婚した兄嫁の顔色ばかりを伺う
少々ひねた娘に育って行ったようだ
事あるごとに新しい支度をして貰える事にも素直に喜べず
気苦労をし続けたという
16才の時・・・乳母が逝ってしまった
自分の生涯の中で一番辛い瞬間だったという
唯一独り占めできた温もりと愛情
・・・心底感じた悲しさと本当の一人ぼっち
長兄に逆らう事も無く女学校へ通い無口な娘時代を過ごした
自分の中に燻り続ける家族のありかた
それさえ良くわからないまま・・・大人になって行ったと
そんな末っ子が長兄に逆らった結婚
当時は珍しく恋愛結婚だったらしい
家事はおろか自分の事さえ上手にできない妹を
苦労させたくない長兄の思い
『自分の目が届く所に。。。それなりの家へ』
・・・思いは裏切られてしまった
小さな漁師町に長男の嫁として嫁いだ末っ子
自分で選んだ事とはいえ・・・経験しなくても良かった苦労の始まり
ハァ~~~
そういえば・・・私が思い出す母のイメージは
ガリガリに痩せ眉間にシワ・・・だったな
両親の結婚により自分がここに存在するのだけど
母が語った人生を想像するだけで
どんより曇り空
ぽつり。。。ぽつり。。。
ひとりごと。。。