オスカー君の憂鬱

盲導犬オスカーの
傷害事件に
なんてひどいことを！と
日本中が憤りやした。
声も出さずに
痛みに耐えていた、という
話に涙しましたんや。
あれから３ヶ月。
犯人はまだ挙がりやせん。
警察は
どうしたもんかと
頭を抱えているそうな。
道路であれ電車内であれ
目撃者が一人も出てこない。
１００台以上の防犯カメラを
調べても
それらしき人物が映っていない。
それに獣医師の所見では
ある皮膚病の傷跡が
フォークで刺したような
跡になることもある、という。
新聞やテレビで取り上げられ
国会でも
話題になっておりやした。
唯一盲導犬訓練協会が
刺されて声を出さないような
訓練をしていない、と
疑問を呈しておりやした。

どうも「事件」は
なかったようですな。
オスカーも飼い主も
なんら悪くない。
職場の人も
善意で届け出たのやろ。
警察が関わる前に
新聞テレビで「事件」が
大きく取り上げられてしもうた。
落ち着いて初動捜査をやっとれば
これが事件なのかどうか
すぐに分かったのでしょうな。

オスカーの傷は
癒えて無くなっているそうな。
でもオスカー君は
憂鬱やろ。
君はなにも悪い事ないんやで。
人間どもが
勝手に騒いでるんや。