世界コンピュータ選手権の優勝ソフトとの対局者が決まる、人間側の棋戦「叡王戦」が佳境を迎えています。残すは決勝戦だけ。僕としては、どちらが勝っても満足。叡王と最強コンピュータが番勝負する、来年開催の「第2期電王戦」は、昨年の第1期よりも俄然注目度が上がるでしょう。
決勝戦進出者の紹介の前に、ベスト4から振り返るのが肝要です。
まずは、不世出の天才、将棋会の至宝にして将棋の代名詞、羽生善治三冠。叡王戦への参戦表明は、期待と驚きをもって将棋ファンに受け止められました。「人間界の最終兵器」とも呼ばれ、必ずコンピュータを打ち負かしてくれるものと信じている人も多いのではないでしょうか。
そして、史上初の平成生まれの棋士にして天才と称される若手のホープ、豊島将之七段。無冠のトンネルを抜けて、今期初めて棋戦で優勝し、連勝街道を爆進。ことしは勝率八割を超える驚異の成績を残しています。かつての電王戦では、コンピュータを返り討ちにして注目を集めました。
また、コンピュータの棋譜から徹底的に学ぶ次世代型棋士、千田翔太五段も勝ち上がり。コンピュータを上位の存在と認め、そこから学ぶことを始めた先駆者で、昨年のNHK杯では準優勝。固定概念を打破し、新しい将棋の地平を開拓し続けています。成績も上昇気流で、新しいムーブメントを起こす起点にもなりそうです。
最後に、満を持して登場した現代将棋の最高峰、佐藤天彦名人。ピラミッド型の総当たり戦で序列を決める順位戦で、頂点に君臨します。卓越した攻守のバランス感覚、正確な読み、最先端の研究に裏打ちされた、ど本命のキング。その実力は、今期の名人戦で羽生三冠を圧倒し、とうとうその牙城を崩しました。申し分はありません。
さて、準決勝に進んだのは彼ら四人ですが、その結果はどうだったのでしょう。
佐藤名人が羽生三冠を破り、千田五段が豊島七段を下して、それぞれ決勝の舞台に駒を進めました。特に佐藤名人ー羽生三冠戦は壮絶で、最後は持将棋(の引き分け)の可能性もあったようです。そのぎりぎりの攻防を佐藤名人が突破した。集中力も精神力も、相当高いレベルにあるようです。一方の千田五段も、10連勝以上していた豊島七段に土をつけたのは見事の一言。五段が決勝戦に進むことを予想していた人はいないはずで、充実ぶりが伺えます。
決勝戦は、将棋界のトップと、コンピュータ将棋のスペシャリストが相対することになりました。決戦は12月。そしてその先の電王戦。知性とは何か、進歩とは何か、来るべき人間社会の未来を占う上でも重要な戦いです。そして、2人がどんなドラマを見せてくれるのか、僕としてはとても楽しみです。
決勝戦進出者の紹介の前に、ベスト4から振り返るのが肝要です。
まずは、不世出の天才、将棋会の至宝にして将棋の代名詞、羽生善治三冠。叡王戦への参戦表明は、期待と驚きをもって将棋ファンに受け止められました。「人間界の最終兵器」とも呼ばれ、必ずコンピュータを打ち負かしてくれるものと信じている人も多いのではないでしょうか。
そして、史上初の平成生まれの棋士にして天才と称される若手のホープ、豊島将之七段。無冠のトンネルを抜けて、今期初めて棋戦で優勝し、連勝街道を爆進。ことしは勝率八割を超える驚異の成績を残しています。かつての電王戦では、コンピュータを返り討ちにして注目を集めました。
また、コンピュータの棋譜から徹底的に学ぶ次世代型棋士、千田翔太五段も勝ち上がり。コンピュータを上位の存在と認め、そこから学ぶことを始めた先駆者で、昨年のNHK杯では準優勝。固定概念を打破し、新しい将棋の地平を開拓し続けています。成績も上昇気流で、新しいムーブメントを起こす起点にもなりそうです。
最後に、満を持して登場した現代将棋の最高峰、佐藤天彦名人。ピラミッド型の総当たり戦で序列を決める順位戦で、頂点に君臨します。卓越した攻守のバランス感覚、正確な読み、最先端の研究に裏打ちされた、ど本命のキング。その実力は、今期の名人戦で羽生三冠を圧倒し、とうとうその牙城を崩しました。申し分はありません。
さて、準決勝に進んだのは彼ら四人ですが、その結果はどうだったのでしょう。
佐藤名人が羽生三冠を破り、千田五段が豊島七段を下して、それぞれ決勝の舞台に駒を進めました。特に佐藤名人ー羽生三冠戦は壮絶で、最後は持将棋(の引き分け)の可能性もあったようです。そのぎりぎりの攻防を佐藤名人が突破した。集中力も精神力も、相当高いレベルにあるようです。一方の千田五段も、10連勝以上していた豊島七段に土をつけたのは見事の一言。五段が決勝戦に進むことを予想していた人はいないはずで、充実ぶりが伺えます。
決勝戦は、将棋界のトップと、コンピュータ将棋のスペシャリストが相対することになりました。決戦は12月。そしてその先の電王戦。知性とは何か、進歩とは何か、来るべき人間社会の未来を占う上でも重要な戦いです。そして、2人がどんなドラマを見せてくれるのか、僕としてはとても楽しみです。