「初めてじゃないんでしょう。正直に話しなさい」と言われたことは、やっぱりちょっと、嬉しかった。
正直に、本心で、初めてだったから。
きっと、あなたをすごく信頼していたのだね。安心して身を任せました。そうすることが最も大切だとも思っていました。
くろねこさんは実家がお寺だから、と同僚が冗談で言ったとき、後輩が「やっぱり」と言ったのが可笑しかった。ただの農家です。宗教家に見えるのかな、それもある意味では褒め言葉だね。
初めても、年齢も、実家も偽らずに本当で、そのまんまの自分です。
考え方については、もしかしたら生き急いでいたのが原因かもしれないね。あるいは、生きることに一生懸命だったのか。僕は、社会で普通には生きられないと思っていたんだもの。
共感してもらえたら嬉しい。そうでなかったら、仕方がない。通じ合えて愛し合えたら、それはすごく素敵で、奇跡みたいに思える。
嫌いになった訳じゃないし、愛情は変わらない。心の中にはいつも、あなただけの場所がある。それは記憶とともに、僕を温め続けます。
もうすぐ雪が降ります。北国の厳しい冬が訪れます。そんな日々に僕たちは愛し合ったし、その時間は僕を支え、温め、心を自由にしてくれた。
そういうことを、強く、思っています。