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BL小説感想日記

主にBL小説の読書感想。基本ネタバレ。
Twitter(chika3270)もよろしく。
ぼちぼち更新。

37°/杉原理生

2014-04-21 09:10:16 | さ行(作家名)
著:杉原理生   絵:北畠あけ乃



銀行に勤める野田に突然掛かってきた数年ぶりの電話。
それは、大学時代の野田の秘密を共有する男、若杉からだった。
泊めることを了承してしまえば、面倒なことになる・・・
そうわかっていながら、野田は頷かずにはいられなかった。
とっくに終わったはずの関係だ・・・それなのに・・・?
静かな熱病のような恋が始まる!




学生時代、自分のなかの
仄暗い穴に若杉を引きずり込むように
身体を重ね続けた野田。


ほんの数か月間の
付き合いだったのに、
10年経ってもしっかり思い出せる。



セックスレスが原因で
離婚に向けて妻と別居中の野田は
あの頃の熱情の正体を知りたくて
彼の申し出通り、家に迎える。


野田はかなり屈折したタイプで、
とっかえひっかえのイケメンという噂の若杉を
一線を引いて自分に踏み込ませなかった。



世間体を気にする野田は、
堅い職場に就職も決まっていたし、
将来は妻を迎える気でいた。


若杉とずっと続くわけでないなら
ただ体を繋げてればいい。
それも酷い扱いで。


若杉にも身体だけの関係だと
言ってほしかったのに、
彼は「好きだ」と繰り返した。
とっかえひっかえのイケメンのくせに。
それが良かったのに。



まともに取り合わなかったけど、
言われるたびに苦しくなった。
不愉快になった。


それは、野田が
彼にハマりたくないって気持ちの
表れだとおもうんだけど、
当時の野田にそんなことは分からなかった。
分かりたくもなかった。



苛めてくれと
若杉に懇願し
さまざまな道具を用意する野田が
かなり痛々しい。



一緒にいたいがために
好きでもないハードなプレイをする
若杉も可哀想。



10年後のいま、間違いなく
あれは恋だったと
野田は気づくのだけど、
お互い抱えてるものが多くて…。



心理描写が細かです。
何気ない仕草や癖なんかの描写も良かった。
それが後でいきてくるというか。



寝てる間にいなくなられるのが怖くて
絶対に寝顔を見せなかった若杉が、
最後、安心しきって
うとうとしちゃったところでは
ほろりときました。


しかし受けが曲者すぎて
攻めが哀れです。



相変わらず性描写は少な目なので
そこを気にする方には向かないかも。


あと、いつもの
杉原さんの純愛を期待しても
裏切られると思います。


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★5


したたかに甘い感傷/坂井朱生

2014-04-17 18:27:58 | さ行(作家名)
著:坂井朱生   絵:旭炬


大学生の沢野英実は何かと自分をかまってくる先輩、
津曲弘明が苦手だ。彼の父親は英実たち家族が
経営していた老舗旅館を奪った企業の関係者で、
逆恨みだと頭ではわかっていてもどうしても拘ってしまう。
そんな英実の態度にもかまわずなにかと構ってくる
弘明がわからず戸惑うが、反発しつつも次第に彼に惹かれていく。
けれど彼が自分に優しくするのには理由があったのだと知り……。


※10年前の作品の再販らしいです。


英実は兄の悠貴と二人暮らし。
兄は、なぜか津曲弘明と
親しく連絡を取り合っている。


英実はそれが理解できないが、
弘明は悠貴に頼まれたからと
何かと英実の世話を申し出る。



誰かを恨んでいないと
頑張れない気がしていた英実は、
弘明の優しさを突っぱねていたけど、
やがて惹かれていくようになって…。



で、なんで弘明と悠貴が
親密なのかっていうのが
ずっと引っかかるわけで。


そしたらば!



悠貴ってば!



とんでもないことしてやがって
親密というよか
弘明に脅されていたんですねー。



なるほどー。




と、これは泥沼になって
美味しくなりそうな展開だなって
思ったのに、全然そんなことなかった。



「ほのかに苦くけれど甘く」


という作品の時にも思ったけど、
あと一歩なにか波乱が欲しいね。


ネタばらしのあと
意外とあっさり問題が解決するから
ちょっと物足りないっす。



それでも面白くないわけじゃない。


この著者の作品は
まだ2冊しか読んでないから
他のも読んでみようと思う。

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★3

息もとまるほど/杉原理生

2014-04-16 08:52:38 | さ行(作家名)
著:杉原理生   絵:三池ろむこ


幼いころに両親を亡くし従兄の彰彦の家で育てられた透。
年上でなんでも器用にこなす優等生の彰彦に、
いつしか恋心を抱くようになるけれど、
家族として一緒に暮らしている以上、
想いを伝えられずにいた──。
大学進学を機に家を離れた彰彦とは
疎遠になっていたけれど、
ひょんなことから彰彦が実家に戻ってくることになり…!?




17歳のときに
想いを確かめ合ったけど、
自分を引き取ってくれた
<家族>を裏切れないと思った透は
「もう二度としない」と告げる。
彰彦は透の意志を尊重して離れていく。



それから11年。
彰彦は離婚して透の前に現れる。
東京で起業するから手伝ってほしい、と。



透は、自分を正式に養子にしたいと
言ってくれる家族を置いて
上京することを決意できるのか…?



ってのが
おおまかな流れなんだけど、
こーれーはー、
攻めにもっとグイグイきて欲しかったかなと。


気持ちを押し付けるばかりが
恋愛ではないけれど、
透の優しい性格を考えたら
もう押すしかないじゃないかと。

あと、結婚してたのが
気に食わないなあ。

他に目を向けるために
付き合ったとかなら分かるけど
結婚までしちゃダメでしょー、と。


でも、相変わらず
素敵エピソード満載で
しっとりと話が進むので
雰囲気は抜群にいいです。


ろむこ先生の絵もキュートでした。

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★2

いとしさを追いかける/杉原理生

2014-04-15 07:49:46 | さ行(作家名)
著:杉原理生  絵:麻々原絵里依


進学のために上京した杜国が、最初に電話したのは
高校の先輩・掛井だった。杜国は高校時代、
ある目的で掛井に近づき、そして傷つけてしまった。
それ以来連絡をせず、1年ぶりの突然の電話で
「テレビの配線わかります?」と言って杜国に、
掛井は高校時代と同じように優しくて…。
「テレビの夜」を加筆修正し、
書き下ろし続編を同時収録。



母子家庭で育った杜国は、
母の不倫相手の息子・掛井と同じ高校に進み、
何も知らない1つ年上の掛井に
無邪気な後輩を装って近づく。


最初は相手が何も知らないのを
馬鹿にしたり哀れに思ったりしたけど、
掛井にも家に不満があると知り、
だんだんと意地悪な気持ちが消えていく。



甘やかしてくれる掛井に
杜国はどこまでも懐くんだけど、
そのうち、自分の親の関係は
知られたくないと思うようになり…。



やがて、掛井が進学で上京する日が近づく。


知られないまま関係が終わることに
ホッとしていたのに、
掛井が杜国に告白してくれた直後、
最悪な形でバレてしまう。



裏切ったもの、裏切られたものが
もう一度、信頼関係を結ぶのは難しい。


掛井のほうは
全て丸ごと受け入れてくれる
度量の大きさはあるけれど、

杜国としては
どうして掛井が昔のように
優しく接してくれるのか分からない。


受け入れてもらっても
いつ嫌われるんじゃないかって不安で。


そういう人の微妙な心理を
つついてくる描写がすごすぎです。


ただ、杜国が年の割にちょっと幼いかなと。
あと、掛井のしゃべりが独特で
慣れないと気持ち悪いかも。
「マギ」のアラジンみたいなんだもんw
私は好きだったけどね。


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★3


スローリズム/杉原理生

2014-04-14 18:52:04 | さ行(作家名)
著:杉原理生   絵:木下けい子


水森に毎週2回必ず電話をかけてくる矢萩は、
高校のときからの付き合いで一番身近に感じられる友人。
だが、高校生の頃、ゲイである事を告白した矢萩は
すました顔をして「安心しろよ、おまえだけは
絶対に好きにならないから」といい放った。
あれから12年。その言葉どおり
水森と矢萩はずっと友達でいるが…。




ゲイ×ノンケの12年に及ぶ
眩暈を覚えるほど焦れったい物語。


水森は、人の心の機微に疎くて
ちょっと天然さん。


それでも矢萩の態度や行動、言動が
友人以上のものだとは
なんとなく勘付いてる。


けれど、ハッキリ
「好きだ」と言われたわけでもないのに
こちらが気をまわすのは変だし
何より「おまえだけは好きにならない」と
言われているのだからなおさら。


とはいえ、
いい加減、すごく危ういバランスで
友情関係が成り立ってるのは分かっていて。



水森にしてみれば
矢萩への想いが盛り上がってても
先の言葉があるから踏み出せない。


矢萩にしてみれば
そう言っておけば
友達として一生そばにいられるから
一歩踏み出そうと思えない。



そんなこと言っても
人を想う気持ちっていうのは
単純に割り切れるものじゃなくてね。



ゆっくり進む話なんだけど、
2人の距離がすごく緊張感あって
飽きたりしないです。


誰にでも内容の予想はつくし
鈍感な水森にやきもきするし
早く矢萩を楽にしてあげて!
って思うけど、
そういう焦燥感を覚えながら読むのが
この本の楽しみ方なんでないかと。



2人ともいい男っていう設定なんだけど、
木下けい子さんのイラストが
ホントによく合ってて素敵です。

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★3

硝子の花束/杉原理生

2014-04-13 09:42:59 | さ行(作家名)
著:杉原理生   絵:佐倉ハイジ


大学生の瑛は、兄の恋人だった脩一と
一緒に暮らしている。数年前、兄・雅紀の
死に落ち込む脩一と一時期関係を持っていたが、
今はお互いそのことには触れられずにいた。
昔から脩一を好きだった瑛は、脩一と恋人同士に
なりたいと願っていたが…。
ある日、不思議な均衡を保ちながら暮らす二人の前に、
雅紀がかつて家庭教師をしていたという青年・本宮が現れ―。





兄の雅紀は、本宮という青年に
親友(脩一)と弟(瑛)のことについて
話していたことがたくさんあり、
それを少しずつ聞いていくうちに、
押し殺していた脩一への想いがあふれ出す。



一時期、亡くなった兄の
身代わりとして抱かれていて
いつかは自分を好きになってくれるって
思ってたのに、そうじゃないと分かって
でも離れられなくて一緒にいたけど、
実はいろいろと違ったようす。


視点が変われば
同じことでも違う意味をもつ、
ということに雅紀は気づきはじめる。


脩一と先に出会って親しくしていたのは瑛のほうで
兄は後から割り込んだかたちなんだけど、
脩一と瑛が仲良くて嫉妬するんだ。


兄にしてみれば、
瑛が6歳も離れてなくて
ちゃんと恋愛できる年齢だったら
自分じゃなくて瑛を選んでたんじゃないかと
思い悩むこともあったようで。


私は、その謎を解いて欲しかった。
いや、解けてるんだけど
より明確に示してほしかったなあと。

脩一にとって、雅紀と瑛、
本当はどっちが身代わりだったのかなって。
なんで最中に違う名前を呼んじゃったのかなって。


でも、それを
脩一視点で描くのと
雅紀にとって残酷な話になっちゃいそうだから
やっぱりなくてよかったのかな…?



瑛の秘めた想いが痛々しい。
硝子の破片で少しずつ
傷つけられてる気分になります。。。

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★4


親友の距離/杉原理生

2014-04-09 17:46:55 | さ行(作家名)
著:杉原理生  絵:穂波ゆきね


取引先の会社に美貌のゲイがいる──
噂に興味を掻き立てられ、その案件を
引き継いだ塚原進一。 ところが打ち合わせの
席に現れたのは、かつての親友・一ノ瀬七海だった!! 
学生時代、真剣に 告白されながら、酔ったふりで
うやむやに流してしまった進一。以来
疎遠になっていたにも かかわらず、
再会を喜ぶ七海と、再び親友として
付き合うことになり……!?




読んでると、学生時代の時点で
すでに塚原は一ノ瀬の虜だね。


ただ、塚原がノンケだから
一ノ瀬は必要以上に迫らなかったし、


どうせ叶わないと
腹をくくっていて
別の男と体の関係を持ったりしてる。



塚原は家庭環境のせいもあって
付き合いは真面目にするほう。

学生時代も
可愛い子に告白されても


100%で向き合う余裕がないからって
断っちゃうような律儀な面がある。



一ノ瀬と再会したときは
もう家庭環境も改善してたし
なにより余裕があったしで
親友への気持ちの
友情から愛情への変化に
戸惑いつつも受け入れる準備はできてたんだけど、


逆に、
片思いの長かった一ノ瀬にしたら
何?いまさら。冗談じゃない!って感じで。


その行き違いが面白かったかな。


相変わらず
心理描写が巧みで丁寧で
絡みまでいくのに時間がかかるけど、
読んで損はないと思いました。


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★3

光さす道の途中で/杉原理生

2014-04-09 07:28:39 | さ行(作家名)
著:杉原理生   絵:三池ろむこ



真野は、親友の栗田に紹介された高東のことが
自分でも不思議なほど苦手だった。奇妙なバランスのまま
仲のいい友人として高校生活を送る3人。その後、
他県に進学した栗田とは次第に疎遠になり、
同じ大学の真野と高東は距離を縮めていく。
ふたりは互いの気持ちに気付くが、
高東は時折見せる態度とは裏腹に、
何故か真野と一線を越えるのを拒んでいるようで…。



真野のことが好きで
関係を維持したくて気持ちを隠す栗田、
自分の気持ちを押し隠して
栗田の背中を押す高東、
二人の微妙な緊張感に気付きながらも
友人関係を壊したくなくて
深く考えない真野。





「友情」と「愛情」の
境界線上を行ったり来たりする
3人の関係にハラハラします。


高東は、ただの
親友・栗田の友達っていう以上の
過去のつながりが真野とはあって、
それもいいスパイスになってます。


そら真野も惚れるわなあと。


校門前の桜並木の下、
1年のときは栗田と歩き、
2年のときは高東を無視して
3年のときは高東に微笑みかける真野。それに嫉妬する栗田。
そうやって少しずつ変化していく
真野の変化が微笑ましいし栗田が切ない。

やたら桜の描写が話と絡んでて
美しかったです。


あとね、
栗田と真野は付き合ってたわけじゃないから
遠慮するこたないのに
高東がやたら律儀なんだよね。
みんないい奴だから誰も悪くなくて。


涙腺がゆるむ作品でした。

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★5


キスは痛いぐらいがちょうどいい/千地イチ

2014-04-08 10:11:37 | さ行(作家名)
著:千地イチ   絵:奈良千春


金もない、夢もない、したい事もない…。
堕落した生活を送っている美大生の小菅純太は、
新しく決まったアルバイト先のデザイン事務所で、
妙な男と出会う。誰とも口をきかず、目も合わせない、
だけどとても綺麗な男。小菅は一瞬にして、
この波古一貴(通称ハコイチ)の、神秘的な魅力に
惹かれていくのを感じた。誰より孤独で、
何にも染まらない純真なハコイチを、独り占めしたい。
小菅は少しずつ近づいていくことにするが、
ある日偶然、ハコイチの驚くべき秘密を知ってしまい…。



ハコイチはねえ、
ろくに学校に行けず
情操教育もまともに
受けていなかったから
物事の善悪が曖昧で
そのせいで、ちょっと怖い過去があるのねー。


小菅は、恵まれた環境なのに
遊びやギャンブルで借金まみれの
ろくでなしで嫌なことがあるとすぐ逃げる。


でもピュアなハコイチと
親しくなったことで
いろいろと変われる気がするようになる。


けど、借金を返すあてがあるわけでもなく
だんだん逃げられなくなってくる。それでも
ハコイチは小菅を「守るから大丈夫」って言うの。


ハコイチの「大丈夫」は
魔法みたいに小菅を安心させてくれて…。
なのに、悲しいかな。
小菅はやっぱりろくでなしで
ハコイチの気持ちを踏みにじっちゃう。



登場人物が多いんだけど
誰も彼も個性的なので
こんがらがることはないです。



マジ小菅いい加減にしろ!
って思うんだけど、
一度堕ちたら這い上がるのは
なかなか難しいよなあと思ったり。


リアリティはないけど
話が面白くて夢中で読みました。


ただねーーーー、
受け攻め逆であってほしかった…!

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★5

ナイショのシンメトリ/佐々木禎子

2014-04-07 19:08:09 | さ行(作家名)
著:佐々木禎子   絵:小椋ムク



雪の降る公園で、ダンスを踊る青年に
恋してしまった小鳥遊航。一年半後、
おたふく風邪をひいた双子の弟・翔の
身代わりとして大学の講義に出席した航は、
その青年―若手イケメン俳優の藤堂櫂と再会する。
自分を翔だと思い込んでいる藤堂に
「ずっとおまえが好きだった」と囁かれ、
臆病で超奥手な航はどうしても真実を
言い出せないまま、甘くとろける
ファーストキスに溺れて…。




あらすじ読むと
胸キュン切な系なのかな?
って思ったんだけども

読んでみたら
ただひたすら可愛いお話でした。


社交的で陽気な
双子の弟の身代わりを
根暗でマイナス思考の自分が
ちゃんとやれるか不安な兄。

なんだけど、
そう思ってるのは自分だけで、
実際は人を惹きつけてしまう
無自覚な天然人たらし。


私は天然のたらし君が
大好物なので、うおっふ!となりましたw


身代わりは成功したけど、
藤堂くんは双子の変化に気付いていて
なんかおかしいと思ってる。



だから、
好きになったのは弟のほうでなく
兄のほうなんだってのも
読んでてすぐ分かるから
安心して読めまする。



それより!
弟くんの恋愛事情のほうが
萌える気がするんですけどーーー。



スピンオフ出してくんないかな。



しかし、
この作品も小椋ムク先生の
イラスト目当てで買ったんだけど、
ホントこういう可愛い話に
合うイラストだねー。素敵やわ。

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★4

下北沢カフェ・エモート~恋の味も知らないくせに~/千地イチ

2014-04-05 08:24:21 | さ行(作家名)
著:千地イチ   絵:奈々村花世


下北沢にある小さなカフェ『エモート』。
そこのシェフである土ヶ谷創は、ある日、
ふらりと現れたパーマ頭の青年・喜多秀虎に、
無理やりアパートに居候されてしまう。
大食いで騒がしいほど明るい秀虎は、いつの間にか
カフェのホールスタッフとして働くようになり、
まるでひな鳥のように創の料理を心待ちにしている。
そのうえ、鍛えている創の身体に憧れを抱いていて、
ホモ疑惑も浮上!!絶体絶命の創の姿を見ても、
優雅なオーナーや、イケメンパティシエは面白がって知らんふりで…。
明るい謎の男・秀虎、短気な創、優しすぎるオーナーと、
のん気なパティシエ。厄介者ばかりが集まったカフェには波乱がいっぱい。




これねー、
私の萌えツボを高速で連打しやがったよ…。


ひょっこり現れて
全身傷だらけの記憶喪失の青年・トラ。

ある日、拉致情報を最後に
消息を絶ったホールアルバイト。


何者かに店が破壊され、
地元の2つの自警団の抗争勃発か?っていう
IWGPかよっていう事件もあり。



トラは、記憶喪失のくせに
創の料理の味を覚えていて懐いてくるんだけど、
どこでどう会ったのか創には記憶がない。


やがて、いっきに
事件が解決するんだけど、
その頃にはトラと創の関係も変化していて…。



いやあ、序盤の伏線が
いっきに解決したときは
スカッとしたねー。


トラは最初から創の肉体美に
異常な執着を見せて、
ホモじゃないって言い張るんだけど、
どう考えても行動がホモなんだよ。


んで、創の料理には愛が溢れてるとか
恥ずかしいこと平気で言ってくるし、
創はそれを自覚してから
自分の愛を込めた料理を
いちばんに受け止めてくれるのはトラだって
想い始めたりっていう、もうどうしてくれんの的展開。


事件はいろいろあるけど
基本ラブコメだから笑えます。


短い話だし
事件の連続なので
あっという間に読めます。



萌えフル充電でしたん♪

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★5


きみと暮らせたら/杉原理生

2014-04-04 15:35:15 | さ行(作家名)
著:杉原理生   絵:高久尚子



実家を出て、男ばかりのシェアハウスに
入居することになった大学生の一哉。
ところが隣室になったのは、十年前に別れたきりの
幼なじみの真帆だった―!?花より可憐な美少女は、
眼光鋭い強面な男前に大変身!!
昔は「大きくなったら一緒に住もうね」と懐いてきたのに、
なぜか一哉に無愛想で素っ気ない。
そのくせ一哉から目を離さず世話を焼いては、
他の住人とは特別扱いしてくれて…。




可憐で花の匂いがして
そこらの女の子より可愛くて
守ってあげなきゃと思っていた子が

自分よりでっかく成長してて
才能豊かな美大生になってて
おまけにイケメンになってたら…。



戸惑うよねえ(笑)。



真帆は一途で
小さい頃から一哉のことしか
想ってないんです。


でも一哉のほうは、
真帆のことが好きなんだけど
もう守るべき存在じゃなくなった真帆に
どう接していいか分からないんだよね。


いや、普通以上に
仲良く接してるんだけど、
もし付き合ったら
性的な接触では女役!?
ていう不安がつきまとう。



一哉が真帆と離れてた数年間に
付き合った女は
真帆が成長したらこんな感じかな、
と思うような子ばかりで、
だから精神的についていけない。


好き、なんだけどね。



幼馴染とか再会ものって好きだけど、
これはシェアハウスが舞台だから
他の住人がウザくて少し不満。


特に真帆のいとこの
陽人は人当りいいふりした悪魔だねー。
実際にこんな奴いたら
ぜーったい友達になれないわ、
という妄想までしてしまいました(笑)。


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★3

きみ、うた、そして幸福/四ノ宮慶

2014-03-30 17:08:21 | さ行(作家名)
著:四ノ宮慶   絵:兼守美行


「どうしたの、アンタ。今にも死にそうな顔して」
秋の前に現れた青年からは恋人と同じ甘い煙草の香りがした―
施設で育ち苦労して内科医となった秋は、
恋人を失ったのと同時に職も住処もなくし途方に暮れていた。
街に佇む秋に声をかけてきた純也に誘われるままに入ったバーで
飲み慣れないカクテルを飲んだ秋は、
懐かしい甘い煙草の香りに誘われるように純也と唇を重ね、
悲しくつらい現実から逃れるように、そのまま身体も重ねてしまう。
「どうせ部屋も余ってる」という純也と、
帰る場所のない秋は同居生活を始めるが…。




秋の生い立ちと過去が
どうしようもなくて、
そら近くにあるぬくもりに
すがってしまうよなー、と。


親に反発していながら
親名義のマンションに住み、
親名義のカードで買い物する純也に
イライラを募らせる秋だけど


あることをきっかけに
純也のなかにある寂しさや
孤独を知ることになる。



秋目線で話が進むので
彼の心情はよく分かるんだけど、
純也のほうはいまいちだったなー。


いや、秋に惚れてるのは分かるんだけど、
欲を言えば、モテ男の純也がどうしてそこまで
秋に入れ込むようになったのかってのを
もっと丁寧に知りたかったというか。


人が人と出会って
惹かれあって成長する話だから
読みごたえは十分です。

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★3


恋を綴るひと/杉原理生

2014-03-29 18:36:52 | さ行(作家名)
著:杉原理生   絵:葛西リカコ


寂れた家に一人で住み、
売れない幻想小説を書いている作家の和久井。
その元を毎週のように訪れるのは、
大学時代からの親友・蓮見だ。
人嫌いなのになぜか自分だけに懐いてくる
男の真意がわからないまま、
あいまいな関係を続けていた蓮見。
けれどある日、悪戯心から「彼女ができた」と
告げた途端、和久井の態度が一変!!
「小説のネタにするから、彼女にしたのと
同じことをしてくれ」と求められ!?



和久井のことを気に掛けるのは
彼がどこか浮世離れしていて
放っておけないからだ、
というのは蓮見。



和久井が学生のころ
先輩に襲われかけてたのを知っているから
気持ちにブレーキがかかって
好きだと自覚できない。



逆に、過去のトラウマから
自分への劣情に敏感な和久井は
蓮見が自分をそういう目で
見ていることを感じていた。



また、和久井にはある悩みがあり、
そのせいで自分とセックスは
無縁だと思っているから
蓮見に対する気持ちについて
考えてみたこともなかった。



そんな二人だから、
身体を繋いでからも
なかなか心が通いあわなくて
しんどい想いをする。



蓮見は自分の恋を自覚してからは
気持ちの整理が早かったけれど、
和久井は心が壊れかけているから
恋とか愛とかが分からない。



でも、お互いいつから好きだったかと
読み解いていけば
それはもう二人でつるんでた
学生時代からなのだと分かる。



長い長い回り道をした二人だけども
和久井の過去を知れば
それも仕方ないことかと納得。



和久井の過去にはちょっと
うるうるきちゃったかなー。

いつ死んでもいいやって
思ってそうなところが
またなんとも切なくて
蓮見が焦れるのもよく分かる。



萌えは少ないけど
胸がキュッてなる作品です。


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★4

メランコリック・リビドー/砂原糖子

2014-03-29 08:15:17 | さ行(作家名)
著:砂原糖子    絵:ヤマダサクラコ


中沢千夏史には好きな人がいる。
九つ年上の売れっ子カメラマン日和佐明。
日和佐は男も女も来る者拒まず、
だが「子供は嫌い」と千夏史を相手にしてくれない。
九歳のときに出会った日和佐は亡き兄・由多夏の恋人で、
千夏史が恋心を抱いても叶わない存在でもあった。
そして、二十歳になっても、千夏史の想いは募る一方だが…。




子供嫌いと言ってる日和佐だけど、
言ってる本人がすれた子供。


死んだ恋人が忘れられなくて
セックスに依存して
一夜限りの関係を繰り返す。


千夏史のことを
傍に置いて特別扱いしておきながら
自分ではそうと気づいていない。


千夏史も遠慮があって
なかなか踏み込めない。


気持ちを隠す千夏史と
気持ちに蓋をする日和佐に
じりじりとします。


日和佐と千夏史の兄の関係も
なかなか切ないものがあって。
兄は小悪魔君で気持ちを隠して
日和佐を振り回すのが上手だったから
日和佐は恋人に好かれてるのか不安だったんだね。

でも、その不安も
話の後半で解消されます。


祖父の遺品の小箱、
コイン、
犬のおもちゃ、

いっぱい小物が出てくるんだけど
それがいろんな場面でいきてきて
ほろりとさせられます。


やっぱり砂原先生は上手いなあ。



ちなみに昨日アップした
「センチメンタル・セクスアリス」に
出てくるカメラマンのスピンオフです。
併せて読むとより楽しい♪

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