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BL小説感想日記

主にBL小説の読書感想。基本ネタバレ。
Twitter(chika3270)もよろしく。
ぼちぼち更新。

累る-kasaneru-/凪良ゆう

2016-05-26 16:58:20 | な行(作家名)
著:凪良ゆう   絵:笠井あゆみ




異母弟の奏人を母の虐待から庇い、
夢に魘されると共に眠り宥めてきた七緒。
ふたりが大学生となった頃、奏人から恋情を告げられ戸惑うが、
七緒もまた彼が愛おしかった。けれど、夢を見た。
奏人の夢と共通点があるようだが、徐々におぞましく
苦痛に満ちていく夢。奏人に抱かれている時だけは、
それから逃れられた。なのに夢が進むにつれ、
恐ろしい疑念がこみ上げてきて…。



これ、萌えはなかったけど
お話は面白かった。


二人とも健気でさー。



七緒は弟を守る優しい子なんだけど、
奏人のほうが実は七緒を全力で守ってた。
かっこいいね、この攻め。



しかし、夢の中で七緒は犯されまくるんだけど、
その中に嗜虐趣味のあるヤツがいてさ。
私としてはそいつのどんなプレイが
どれだけ辛いのかってところを詳しく読みたかった。

はい、ただの趣味ですww


後半のあのトチ狂ったじじいは面白かったなあ。
強烈だったよ。あのじじいヤルつもりやったんかな?www



こういう凪良作品は好きです。



★5

2016年14冊目

悦楽よりも、深く/ナツ之えだまめ

2016-05-18 03:23:19 | な行(作家名)
著:ナツ之えだまめ  絵:高崎ぼすこ



うつくしく魅力的な男・貴船笙一郎、伊織にとって
取引先のうちの一人でしかなかった貴船が、
何も知らなかった伊織に近づいて頑なな身体に快楽を教え、
愛を教えて一緒に過ごすようになって一年が過ぎた。
貴船は伊織を変わらず深く愛していたし、伊織も貴船を愛しているのに、
たったひとつの意見の違いによって、二人はすれ違ってしまう。
その溝を埋める前に、貴船が事故に遭って記憶喪失になってしまい…!?



貴船は初めての恋に浮かれていつでも一緒にいたいし独占したい。
伊織もこんなに焦がれる恋は初めてだけど、
離婚経験があるぶん、おいそれと貴船の「一緒に住みたい」という
要求にこたえられない。



貴船はすべてを伊織に投げ出す、差し出す準備があるけど、
伊織にはその覚悟がまだないんだよ。



正直、貴船の愛は深いけど、重いよね。
伊織が二の足を踏む気持ちはよくわかるよ。




記憶喪失になった貴船は、
伊織と出会う前の二年前で記憶が止まってて。
伊織がけがが心配だからとしばらくの同居を提案すると
ついてくるものの挑発的な態度ばかり。


それがね、普段の貴船からは考えられないような
幼稚さで可愛いんだよ。


わがままで意地悪で、
伊織と恋人だった未来の自分に嫉妬したり
伊織の気を惹くにはどうしたらいいか分からなくて
ダダこねたり。



記憶が戻ってからの貴船も良かったけど、
記憶のない貴船にももう少し旨味をあげたかったw


1巻でも思ったけど、
貴船はかなり歪んでるね。
執着愛といえばきこえはいいけど
どっちかってえと病んでますわー。




★4

2016年11冊目






初恋の嵐/凪良ゆう

2015-12-01 17:26:15 | な行(作家名)
著:凪良ゆう  絵:木下けい子


「俺は将来、悪徳弁護士になって金を稼ぐんだ!!」
大学生と偽って蜂谷の家庭教師に現れた同級生の入江。
目的のためなら年齢詐称も厭わない現実主義者だ。
有名ラーメン店の跡取りで、将来が決まっている蜂谷は、
自分と正反対な入江に驚かされてばかり。
共にゲイだと知っても「お互い範疇外だ」と
言い続けていたけれど!?
築き上げた友情の壁は簡単には崩せない──
こじらせまくった永い初恋



今回は白凪さんでしたね。



テンポ良くすいすい読めて
クスクスと笑わせてくれる。
けど、ちょっと毒もあって。


世間知らずの蜂谷(受)が
入江(攻)と出会って成長していくのもいいし、
完璧なつもりの入江のキャラが
いい意味で崩壊していく様も良かった。


入江はつらい家庭環境なのに
人生諦めてなくてハングリーな男。


入江にしてみたら天使みたいな蜂谷は
ハラハラさせられる存在だけど
実は蜂谷ってそんなにアホでないんだな。



大学に入った蜂谷に
実は彼氏がいないときがなかったと知ったときの
入江がもう「ざまあ」状態で、
そこらへんの入江視点が一番おもしろかった。



途中で事故的に一度ヤっちゃうも
また友達に戻って社会人になって付き合うのかと思ったら
またこじらせて。


でも8年分の想いを込めたエチはそれはそれは
とっても気持ちよさそうでうらやましいww


一人エチ用のローションを発見して
ほかの誰かを疑うとか鉄板だけど萌えるね。


凪良さんは「累る-kasaneru-」を積んでるんだけど、
それは黒凪さんだよね?


続けて凪良さんいくか
樋口さんのパブリック読むか迷うわあ~。



★4


2015年171冊目

ためらいといたずら/夏生タミコ

2015-10-04 09:40:18 | な行(作家名)
著:夏生タミコ  絵:ひなこ



深夜のコンビニ。仕事帰りでクタクタの朝陽に突然弁当をくれたのは、
時々女連れで見かける目の覚めるような美形の男だった。
そして数日後、再会した男の背中にはなんとランドセルが。
その大人びた子供――岳は、まだ12歳で、偶然にも朝陽の隣人だった。
親に放置されている岳を見かね世話をするようになった朝陽は、
簡単な手料理にもはしゃぐ無邪気な岳を可愛く思う。
だが朝陽を見る岳の目には、一途な恋の熱が灯っていた。



朝陽(受)が岳(攻)に懐かれて
ほだされて食っちゃう話ww


ショタは好きだけど、
大人に見える小学生っていう設定は
ちょっとなあ。ショタ好きとしては




違う!!!!!!!!!!!!!




ってなってしまう。



生活に疲れた大人(ゲイ)が
無垢な小学生に好き好き言われて、
あげく、「ここが変なの。熱いの」って
言われて見せられたらグラっとくるのは分かるよ~。



でも、大人なら我慢しないとw
ヤッてから祖父母に電話するんじゃなくて
ヤラずに電話しろと(笑)。
ほんとにイタズラじゃないか!
犯罪!犯罪!ww


でも、ここヤラなかったら
BLとしては物足りないので
良かったかな~とか。。。



しかし、やはしショタなら
年上攻めが手取り足取り調教するほうが好みだな。



★3.5

2015年166冊目

374.2℃ ~バースト+~/七地寧

2015-08-30 05:40:15 | な行(作家名)
著:七地寧  絵:笠井あゆみ



幼馴染みの槇人と五夏は、普通の学生として学校に通いながらも、
術者として仕事を受けている。五夏は穢れを祓い、カミを降ろす。
だが槇人は、カミをその身の裡から顕現させる。
槇人はオニとも称されるカミ憑きなのだ。そして、そんな彼と並び立ち、
鎮められるのは五夏だけ。「喰らい尽くして、誰にも渡したくない」と
餓えに衝き動かされ、首筋に歯を立てる槇人を宥めて―。



うーーーわーーーー!



七地さんって「テイストディファー」を読んで
私とは合わないなあと挫折し、
もう買わないと思ってたんだけど、
あらすじ見たら大好きな術者ものだし
イラストも笠井さんだしで
これは楽しめるかも!?と購入したんですが…、




合わなかった…orz




まず、登場人物が多すぎ。
五夏(受)は7人兄弟という設定のうえ
術者や依頼者、脇キャラまで
まあそれはそれはたくさん。


そいつらの説明に
だいぶ文章が割かれてて
話がほとんど進まない。
というか、説明だけで1冊終わってる。



これは続編出すつもりだから
人物紹介、術者の仕事紹介で終わらせたの?
次からは面白くなるってこと?



せっかくの術のシーンも迫力に欠けるし
槇人(攻)との絡みも萌えに欠けるし
説明も同じこと何度も書いてあって
さっき読んだよ!ってなるし
もうもうもう!です。



たぶん続きが出ても買わない。



丸々一冊序章とすら言えない
中途半端な内容でさー。


滅多にマイナスなこと書かない私ですが
読後「つまらん」と口にしたほど。


次巻で面白くなったとしても
私は買わないと思うです。


槇人と五夏の関係は気になるけど
そもそも文体が好みじゃないから
もうムリっす。ごめんなさい。




★2


2015年155冊目

或る猫と博士の話/成瀬かの

2015-08-28 02:28:43 | な行(作家名)
著:成瀬かの   絵:駒城ミチヲ



ある施設で生み出された、人と猫の遺伝子を持つリュリュ。
葬るべき対象だったが、殱滅計画を率いたユーリは、
密かに彼を連れ出した。健気な仔猫のリュリュが
可愛くてならなかった。成長しユーリより逞しくなっても
変わらず可愛く、愛しく思っていた。けれど―
「ねえ、ご主人さま。俺、もう子供じゃないんだよ?」
いつしか、ユーリに注がれる視線に熱が孕むようになって…。



リュリュ(攻)が可愛かったねえ。
小さいリュリュが一生懸命ユーリ(受)のために尽くして
でもまだまだ覚束ないところがあってさ。
それをユーリは微笑ましく可愛がってメロメロになって。



リュリュは施設暮らしのときに
戦闘訓練も受けていたから
肝心なところでは
必ずユーリを守る強さがあるのも
攻め様らしくて素敵。



しかししかし、リュリュの愛情が自分とは質の違うものだと
気付いたユーリがあの手この手でリュリュの気持ちを
外に向けようとするんだけど、そこがちょっと嫌だったなあ。



ある子爵の秘書にリュリュが興味を持ったのを
一目ぼれか?と勘ぐって身辺調査してさ。
孤児だからお金払えばこちらに来てくれるかもとか
ゲスいこと考えるんだよ。


自分も庶民の出で辛い思いしたくせに
なんだよそれ!ってなりました。



全体としては疑似親子ものかなあ。
引き取った子がどんどんいい男に成長して
それが自分以外に目もくれず
惜しみなく愛情を示してきたら…、


はい!オチますね。仕方ないねこれは。



あと、ユーリがすでに結構な年齢いってる設定で、
髪の毛が少なくなってきてたり
老眼鏡かけてたり
少しじゃれただけで息があがったり
変な態勢をとると体を痛めるっていう老体ぶりが
逆に萌えるじゃん!ってなりましたw


何も知らない子を手籠めにしたような
罪悪感を覚えて悩むユーリも可愛い。
そのくせリュリュがよそ見したら
何も手につかなくなってさ。
親心と恋心との間で悩むとことかたまらぬよ。



しかし、せっかくケモ耳&尻尾があるのに
それをプレイにいかせなかったのは残念。
もっと猫猫してても良かったのに。。。



近未来のSF風味な設定ですが
そこはあくまでほんのりなので
そこが苦手な人でも大丈夫かと。



★3.5

2015年153冊目

ニアリーイコール/凪良ゆう

2015-08-26 08:02:14 | な行(作家名)
著:凪良ゆう   絵:二宮悦巳



幼い頃に両親を亡くし孤独のなかで生きてきた仁居は、
高校時代はじめての恋に溺れ、その一途さゆえに
相手を追いつめ捨てられてしまう。以来十年、
人を愛することに臆病になっていた仁居は、
ある日、元同僚の国立と出会う。人懐っこく優しい国立は
独りきりの仁居の生活にするりと入り込み、
心をひどく波立たせた。自分の重すぎる愛情で
大切な人を失う恐怖に、国立から距離を置こうとする仁居だが…。




愛情に飢えた仁居(受)が
高校時代、佐田(攻)に夢中になるのは
もう仕方ないことだよね。


かといって、佐田もまだ大学生で
仁居の愛情を真正面から受け入れて
丸ごと引き受けるには子供だった。


別れは必然。



でも、そのとき佐田が放った一言に
仁居は縛られてしまって身動きが取れなくなってしまう。



国立(攻)は明るく社交的で
仁居の生活にするりと入ってきたけど、
彼にも辛い過去があって性行為に積極的になれない。



それでも国立はその過去を打ち明け
仁居に向き合おうとしたんだから、
仁居も自分の不安を吐き出すべきだった。


国立にしてみれば
偶然出会った佐田の口から
仁居の過去は聞きたくなかったよね。



しかし仁居がいつも川べりのアパートの窓辺で
一人ウォッカを飲みながら孤独に浸る姿は
胸に迫るものがありました。



国立の、性行為の途中で冷めてしまう癖は
完全には治らないけれど、
恋人の関係ってそれだけじゃないからね。



二人には幸せになってほしいです。



それぞれ背負ってるものは重いけど、
作品の仕上がりとしてはそこまで痛々しくなく
凪良さんらしい優しい読後感でした。




★4


2015年152冊目

手をつないでキスをして/名倉和希

2015-08-22 18:37:37 | な行(作家名)
著:名倉和希   絵:Ciel



シングルマザーだった姉を亡くし、小さな甥の凛太郎と暮らす拓海。
二人はある日、王子様のような元モデルの伊織と公園で出会う。
育児に料理に仕事にと一生懸命ながらも、なかなか掃除にまでは
手が行き届かない拓海を労り、片付けを手伝いに来てくれるようになる伊織。
子供好きで凛太郎を可愛がってくれることはもちろん、
拓海に想いを寄せて支えてくれる伊織の優しさに、
拓海もいつしか惹かれるようになるが…?



これは、純真無垢な青年が
大人の男の手管にほだされて食われちゃう話ですね。



大学生の頃から子供の面倒を見て、
一生懸命頑張ってきた拓海(受)。


凜太郎のことは可愛いけど、
将来のことを考えると不安で仕方ない。


そこへ、伊織(攻)みたいに
事情を共感してくれて手伝ってくれて
さらに褒めて甘やかしてくれる
イケメン王子様が現れたらそら惚れますわ。



伊織は、拓海が欲しがる言葉を
惜しみなく口にして、
拓海の心を自分に引き寄せる。



伊織は拓海の純真な笑顔に
一目ぼれしたわけだけど、
こいつ34歳のわりには子供っぽくて笑えるよ。



拓海の前ではスーパーイケメン王子様なのに
考えてことは中坊と一緒だからね。
拓海に触りたいとか抱きしめたいとか
いやいや距離感保たなきゃって葛藤してて
意外と余裕がない。




凜太郎のDNA上のクソみたいな父親が出てきて
引っ掻き回すけど、伊織の弟がまたカッコよくて。
なんで弟には婚約者がいるんだあああああ!って思ったw

将来、伊織と凜太郎で
拓海を取り合ったらいいのになあ。

全体的には子供出てくるBLあるあるだったんで
予想以上のことは特にありませんでした。ちーん。


★3

148冊目


ラ・エティカの手紙/名嘉あいか

2015-08-18 14:35:48 | な行(作家名)
著:名嘉あいか   絵:yoco



その日、岸和薫は幼なじみと十年振りに再会した。
デザインの依頼を受けて訪れた製薬会社に
彼、新開健祐はいたのだ。
青春時代を一緒に過ごし、ある日を境に友達のラインを超えた。
そんな関係が続くことが怖くなり、高校卒業とともに
健祐から逃げるよう上京した薫は、
十年経っても変わらず
好意を寄せてくる健祐を拒絶するのだが……?




yocoさんのイラスト目当てで購入。




10年ぶりに再会した薫(受)と健祐(攻)。
薫は、10年前に母親以外に行先を告げず
上京して地元を捨てた。


そこにはある理由があったんだけど、
薫はよく覚えていない。


ただ、健祐と離れなければダメになると強く想い、
実行したのだけど、その辺りの感情ややりとり
記憶がすっぽ抜けている。



思い出そうとすると呼吸が苦しくなり
パニックになりそうになる。



あの時、何があったのか。
健祐が自分に酷いことをするわけがない。
でも確かに何かがあって、
それで地元を離れたはずなんだ。



健祐と会うたびに情緒不安定になり、
会うまいと思っても
会ってしまう自分を持て余す。



一体あのとき何が。。。



って感じで進みます。




なんらかの事件が絡んでたり?
って期待したんだけど、
そんなことはありませんでした。



どちらかというと
思春期ゆえの感情の揺れに
耐えられなくなったというか。


このままの関係を地元で続けていくことへの
恐怖や戸惑い絶望感が引き金になったようです。



あと、デビュー作のせいか
まだ文章がこなれてなくて
読みにくかったりもしました。



トラウマがもうちょっと
パンチ効いてたら良かったのになあ。


全体的には可もなく不可もなくでした。



★3


2015年145冊目

囚愛契約/ナツ之えだまめ

2015-08-09 19:30:25 | な行(作家名)
著:ナツ之えだまめ  絵: 緒笠原くえん



「一週間、あんたの身体を俺にください。
大丈夫、ちゃんと快楽を仕込んであげます―」
それが、宮本高良の勤める広告会社・鳳翔堂の
一大プロジェクトに、コピーライターの長嶺祐也が
協力する条件だった。かつての後輩である長嶺の
みだらな調教に導かれて知る絶頂に、戸惑いながらも
溺れていく高良。だが、「好きなんです」高良に触れながら
苦しそうに言う長嶺の真意が読めなくて―。
恋情に囚われた7日間の契約のゆくえは?



タイトルから濃いの想像したんだけど、
純愛ものでしたねえ。


仕事人間で、チャラくて
でも面倒見が良くて前向きな高良(受)。


長嶺(攻)のことは特に可愛がってたけど、
自分の机にキスしてるところを見たことで
長嶺の自分への気持ちに気付き、
上手く接することができず、
気が付けば溝が2人の間には出来ていて
長嶺は会社を辞め、独立するのね。



で、あらすじの展開になるわけだけど、
高良は無自覚に長嶺のことを好きでさー。
長嶺になら何されてもいいって思ってる自分に
戸惑って、腹をくくれずにいるうちに
一週間が経って、別れて。。。



プレイはSMチックなんだけど、
先に書いた通り濃くないです。


でも話の内容からすると
これくらいのプレイがちょうどいいんでないかと。
尿○責め、ア○ルパール、手首拘束、コスプレ、
などなどありますが、
どれも気持ちがこもってるから良かった。
ハードじゃない分、長嶺の想いが伝わるというかね。

高良を気持ちよくさせることしか
考えてないところに愛情を感じました。

一週間の期限の最後の日だけ
身体を繋げるんだけど、
それが一番切なくて苦しくてやるせなかったかなー。



メモ魔の長嶺が、高良の好物を書き留めたメモを見つけて、
それを手帳に挟んで大事にする高良に萌えた。
チャラいくせに意外と純情という。
初めて本気になったなお前って思った。



双方の想いに差がありすぎすると
想いあっててもうまくいかないことってあって、
そういうのが上手く描かれてるなあと。


私は楽しめました。



★4

2015年140冊目

ここで待ってる/凪良ゆう

2015-07-27 10:47:07 | な行(作家名)
著:凪良ゆう  絵:草間さかえ


小悪魔ビッチ好きという嗜好のせいで、
なかなか恋人に恵まれない成田。
ある夜、ゲイバーで一目ボレした美人の飴屋と
いい雰囲気になるけれど、すんでのところで逃げられてしまう。
ところが数日後、成田が師範代を務める
空手道場に、飴屋が子連れで現れた!?
小学一年生の論が空手を習いたいと
言うのだ。好みど真ん中だけど妻子持ち──
以来、飴屋と子供を挟んでの微妙な
付き合いが始まって……!?



子供が出てくる話は苦手なので
アマゾンから届いた本の帯を見て
「子持ちゲイの話かあ~」と
萎えかけたんだけど、頑張って読みました。



結果



読んで良かった。




家族愛とか友情とか兄妹愛とか
いろいろ混ざってて
あとがきにもありましたが
愛情闇鍋状態です。




好きになった男が妻子持ちって
最悪なんだけど、
飴屋(受)がとても男前で憎めない奴で、
そして子供(論くん)を育てるのに必死で、
そんな姿を見たら成田(攻)は、
見返りなしに助けたいと思ってしまうのね。


成田は親の愛情に恵まれない子供時代を過ごしたから
論を放っておけないってのもある。


論は最初は他人様に迷惑をかけるな
という親のしつけに従って
可哀想なほど礼儀正しかったんだけど、
成田の祖父に懐いていって
最後は普通の子供みたいにワガママも
いえるようになってね。


成田のほうは、
気を張ってる飴屋の癒しになれればいいと
適度な距離を保って
出しゃばったりしないんだけど、
飴屋のほうは、成田の気持ちを利用してるみたいで
気が引けてだんだん息が詰っていくんだ。



飴屋は妻と同じアパートの上下で
別居中なんだけど、
そこにはまあありがちな理由がありまして。
疑似親子とだけ言っておきましょうか。




しっかりしなきゃいけない!
俺が妻と子を守らなきゃいけない!
って飴屋は気合入ってんだけど、
気持ちがおっつかないというか
気を張りすぎてぽっきりいきそうな
そんな危うさがあってね。
頑なすぎるんでしょうね。


それをゲイバーで晴らしてたんだけど、
成田と出会ってから
それじゃ憂さ晴らしできなくなった自分に気付いて。


飴屋夫妻はお互いを想いすぎて
空回りして上手くいかなくなったわけだけど、
のばら(奥さん)の気持ち分かるなあと思ったな。
私でも離婚申し出ると思うわ。



しかし、のばらの母親がクソでしたね。
でもこういうやつホントどこにでもいるわ。



成田と飴屋は不埒な出会いだったけど、
友情をはぐくんで、そして想いが溢れて
恋に抗えなくなっていってっていう。


前半は成田視点、後半は飴屋視点です。



子持ち設定だけど、
論くん可愛いし祖父もデレデレだし。
最後は上手く収まりすぎな気もするけど、
やっぱりBLはハピエンが読みたいので
こういうラストいいなあと思いました。


けっこう内容盛りだくさんなんで
ページ数のわりにはかなりの満足感でした。
さすが凪良さんですねえ~。


のばらと論と飴屋の本当の関係とか
二人が地元を逃げてきた理由とか
いろいろ切なかったし
内容は重いけど読後は軽やかでした。




★4


2015年126冊目

箱庭のチェリー/夏生タミコ

2015-06-22 11:04:15 | な行(作家名)
著:夏生タミコ   絵:みずかねりょう



高校生の遠野は、近頃教師の奈月が気になっている。
それは恋ではなく、冴えなすぎる外見とおどおどした態度で
舐められている奈月への憐れみに近い。ある日、級友の一人が
罰ゲームで奈月に嘘の告白をする。悪ふざけと気づかず
「返事は待ってほしい」と答えた奈月に級友は焦り、
遠野に尻拭いを押し付けてきた。だが相手が生徒とはいえ、
人生で初めて告白されたと嬉しそうにしている奈月に本当のことが言えず―。




タミコさんのデビュー作やっとこさ読みました。
設定的にはこれが一番好きだろうと思ってたんだけど、
ほんとにそうだった。どストライク!



奈月(受)は、熱心だけど授業は下手。
遠野(攻)は、そんな奈月を憐れだなあと思ってたんだけど、
男子生徒からの冗談の告白を真に受けてる姿を見ると
その思いは一層強くなる。



奈月はゲイで、だから男子生徒に告白されて
嬉しくてたまらないわけよ。
元々、その生徒が好きというよか
告白されたから気になってしまって
目で追ってという感じで。



遠野はそれをそばで見ているうちに
気持ちがだんだん奈月に傾いていって
もっと傍にいたい、でも先生は友達のことが好きで…。
って、ぐるぐるしちゃって、可愛いの。


ダサい服をかえさせたり、
瓶底メガネをやめさせたり、甲斐甲斐しいw


上から目線で生意気なくせに
そういうところが高校生らしくていいなあと。


一方、奈月はあまりにも色恋に免疫なさ過ぎて
ちょっとイライラしちゃったけど、
そうか、箱庭のチェリーってお前のことか!と
タイトルを思い出してニヤニヤ。


んで、遠野のアドバイスで外見を変えてから
生徒の態度が変わり、それが自信につながって
授業にもいい影響を与えてっていう
いい方向に変わっていくのも良かったな。



くっつくまでは攻め視点、
くっついてからは受け視点なんだけど、
もう奈月の鈍感さにバカバカバカ!って
なりながら読みましたw


目新しさはないけど、
こんな風に丁寧な文章で雰囲気作られたら
惹きこまれてしまうよ。
タミコさんの強みだねえ。



いいもん読みました。



★4

1015年111冊目


僕らは青い恋に溺れる/夏生タミコ

2015-06-19 14:56:59 | な行(作家名)
著:夏生タミコ  絵:コウキ。


逃げるように駆け出した大学生の晴生は、さっきの言葉を思い出す―
「好きなんだ、ハルオセンセ」。家庭教師先の高校生・硅が
そんな気持ちを抱いていたなんて…。混乱のまま晴生は親友の雪路を呼び出した。
一緒にいてひどく落ち着く数少ない貴重な友人、雪路。
その二人の間で激しい想いに翻弄されてしまうなんて、
この時の晴生はまだ知らず…!




青い恋=未熟な恋



でした。



タミコさんの作品に出てくる主人公って、
お前のせいで物事がややこしくなってんだよ!
ってパターンが多い気がするんだけど
これもそれでした。



春生(受)は優柔不断な性格で、
硅の気持ちに応えないまま優しくする。
弟みたいに可愛くて素直で頑張り屋な硅を
告白されたからって嫌いになれないの。


でもそれって硅からしたら
たまらなく辛いことで。


雪路(攻)に硅のことを相談しても
春生の気持ち次第だろって突き放されて
どうしていいか分からない。


雪路は複雑な事情を抱えていて
経済的に苦しく、支えたいと思ってるのに
いつもやんわり拒否されて
それも面白くない。



でも、あることがきっかけで
雪路に抱きしめられたことで気持ちを自覚するんだね。



あたしゃ硅が可哀想で可哀想で。
最後に硅視点の話があるんだけど、
荒れちゃって切なくてたまんなかった。



優柔不断ってダメね。罪だね。



告白されたあと、
雪路が言うように気持ちをしっかり
伝えていれば硅が暴走することもなかったし
きっともっと傷つかずに済んだ。



あちゃー!です。


この受け、優しい人柄で
一緒にいたら心地いいタイプなんだろうけど、
私はキラーイ。


自分の意見が言えないって
許されるのは子供だけです!!!!ww


ふぅ。



タミコさんの書くキャラって
好きになれないのが多いけど
これは特にそうだった。


それでも雰囲気に流されて読んでしまう。
恐ろしい作家さんです(笑)。




★3.5


2015年109冊目

叶わない、恋をしている/凪良ゆう

2015-04-09 22:55:45 | な行(作家名)
著:凪良ゆう   絵:水名瀬雅良



事故で両親が他界し、片岡志貴は大学を辞め、
昼は会社勤め夜はバイトをして三人の弟を育ている。
頑張らなければと思う反面、徐々に身も心も疲弊していく。
そんな折、志貴はバイト先で知り合った
神谷にある提案をもちかけられる。
それは、援助と引き換えに亡くなった恋人・暁の
身代わりとして傍にいることだった。
恋をしてはいけない、寝てもいけない、それが暗黙のルール。
わかっていたはずなのに、
神谷に惹かれていく自分を抑えることができず、
越えてはいけない一線を越えてしまい・・・
書き下ろしを加え、待望の文庫化!!




旧版も持ってるんですが、
加筆・書下ろしありとのことで
買い直しました。



話の内容は覚えてるけど
細かい表現は覚えてなくて、
かといって
旧版とどこがどう違うか
読み比べる元気がないので
買って良かったかどうか
いまいち判断できない。
ごめんなさ~い。




でもでも、書下ろしは良かったですよ。
神谷(攻)が志貴(受)の弟たちに
メロメロになっちゃう様が描かれてますw



本筋は、身代わりものってことで
あるあるネタなんだけど、
志貴がそれはもう大変な苦労人でしてね。


神谷の前でだけ気楽な大学生を演じることで
心が軽くしているのが切ないです。

誰にも頼れないから
甘えさせてくれる神谷に頼っちゃう。


でも、帰り際にお金を渡されるたびに
胸にじわりと嫌なものがたまってく。



弟のためにと頑張りながらも
学生を見ると歯痒い気持ちになったり
嫉妬してしまったり。


そういう心の綺麗なだけじゃない部分が
すごく共感できました。



神谷も実はダメなやつで、
全然大人じゃなかった。


志貴が最後あの行動に出なかったら
たぶんダメな大人のままだったんだろうな。



医者とのやりとりも切なかった。
暁に想いを馳せるとたまらなくなる。
私だったら身を引かずに
泣いて縋ってるなあとか思っちゃった。



神谷が最初と最後でだいぶ印象変わるけど
それも人間らしくてよかったです。


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★3.5

2015年61冊目

トレインビースト/西野花

2015-03-08 22:12:42 | な行(作家名)
著:西野花  絵:織田涼歌



ヤバい組織に追われているという友人に頼み込まれ、
差し入れを届けることになった柿崎忍。
しかし指定されたその電車に乗り込んだ途端、乗客たちが
一斉にいやらしい手を伸ばしてきて、忍はパニックに陥った。
集団痴漢―衝撃の事態に忍は恐怖したが、真相はさらに劣悪だった。
「教えてやるよ。ここはな、電車の中で思いっ切り
痴漢プレイをしたいっていう奴らの欲望を叶えるための場所だ。
お前はそのための『接待係』」獲物である忍に、
男たちの容赦のない淫虐の手が迫る。忍は逃げ場もなく拘束されて…。
乱れるほどに愛される、恍惚の陵辱ロマンス。



エロ本読みたい!と思って、
前から気になってた西野花さんを…。
「快楽刑」と迷ってこっちにしました。
電子で購入です。



友人・新井の裏切りによって、
集団痴漢列車の餌食になる忍(受)。


学生時代、自分とは正反対で
明るく行動的で社交性のある新井(攻)に
憧れていた忍だけど、新井のほうは、
自分を抑えて優等生を演じる忍が
心底嫌いだったという。



うわ……。



ひどい……。



仕掛け人は、新井とその知人の佐伯(攻)という男なんだけど、
新井は忍が嫌いだと言いながら、
痴漢されて乱れる忍に興奮して初モノをいただきます。
なんじゃそりゃw


そして、忍は恥ずかしい写真を取られ、
痴漢電車を企画主催した佐伯に脅されて
毎朝通勤電車で痴漢される日々。



そして、「やめて欲しければ俺を惚れさせろ」と
佐伯に言われ、忍はわけがわからなくなる。



けれど、体は開発され、
男なしではいられず、
婚約者ともなんだかんだあって別れ、
佐伯のものに…、という流れ。



ちなみに新井は堕ちた忍のことは
気に入ったようで佐伯に嫉妬します。
なんて自分勝手なやつw



佐伯と忍は心を通わせていったようだけど、
その辺の描写がもっと欲しかったかな。
2/3はエチ描写という作品なので
登場人物の心情が分かりづらかったです。



でもエロ本読みてぇ!
と思って手に取ったので
満足でした。




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★3

2015年48冊目