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BL小説感想日記

主にBL小説の読書感想。基本ネタバレ。
Twitter(chika3270)もよろしく。
ぼちぼち更新。

恋をするのはおうちの事情1~2/西条公威

2016-06-23 14:08:27 | さ行(作家名)
著:西条公威  絵:有藤せな




高校の卒業式の日に弟の悠樹をおいて五人目の母親が失踪した。
生活費を稼がなくてはならない雅哉が知り合いに紹介された仕事は
男を相手に身体を売るものだった…。最初の客・田中によって
開かされていく身体。望まぬ肉体関係に自己嫌悪を抱きながらも
田中のくれる快楽と優しさに雅哉は溺れていく。
そんな矢先、生活苦からAVに出演する事になった雅哉だが。



田中(攻)の仕事的には雅哉(受)を
ビデオに出さないわけにはいかない。


ならせめて自分が相手役として出演しようっていう
流れになるのはわかるよ。



んで、雅哉が可愛くてたまらなくて
手元に置いておきたい気持ちもわかる。



けど、



言葉が足りねえ。。。




んで、雅哉もこれ以上一緒にいたら
自分も母親たちみたいに
弟を見捨てて田中の元に走ってしまう!って思って
別れようとするんだけど、
そのくせ稼ぐ手段がまた身売りかい!って。。。




不幸な境遇はわかるけど
悪い意味でアホな子は嫌いやからどうもね。


んで、2巻になって
ぜってー田中の元カノ出てくっから!
と思ったら案の定だし。


そして、こいつは田中の家を出るたびに
誰かにヤラれんのな。
もうダメだよー。バカだよーw





★3

2016年28-29冊目

リバーサイドベイビーズ/砂原糖子

2016-06-23 13:27:31 | さ行(作家名)
著:砂原糖子  絵:雨隠ギド



ワケアリで河川敷の小屋で暮らす高校生・三丈と、
その悪友で体力バカの多真上。腕っぷしの強い二人は
川原の住人達の用心棒をしつつ、喧嘩上等な毎日を送っていた。
ある日、わりのいいバイトを探していた三丈は、
多真上と共に女装でキャバクラの面接に臨む。
一目でバレた多真上に対し、三丈は見事採用。
疑われるどころか贔屓客もつき始め、貢ぎ物までもらって
ご機嫌の三丈だが、多真上の様子がおかしくなり…?



あらすじからして
あんまりそそられなかったんだけど
砂原さんだしと思ってかってみたさ。
んで蓋開けてみたらギャグだったwww


まずね、ミケ(受)もタマ(攻)もバカ。
とってもおバカ。


ミケのほうは勉強できないバカ。
タマのほうは勉強できないうえに天然のバカ。


ミケはタマが機嫌悪くなってんのが
自分のバイトに関係してんのがちゃんとわかってる。

けどタマのほうは壊滅的なコミュ能力でさ。
ありえねーありえねー。


ミケが客からもらったダイヤのピアスしてんの見て
「俺のものなのに」つって
口でがりがりとピアスを引きちぎったりすんの。



さらにミケを押し倒すんだけど
ミケとしてはその前に言葉が欲しいわけ。
好きだとかなんだとか。


そしたら応えるつもりだったのに
それがないもんだから揉み合いになってさ。
それを拒絶と受け取ったタマは
揉み合って気を失ったミケにありえんことしたりww



おーまーえーはーーー!ww



ってなったけど、このシーンが一番好きだったよ(笑)



アホ攻め面白いわ。



★3.5

2016年25冊目

さいはての庭/千地イチ

2016-05-26 16:46:00 | さ行(作家名)
著:千地イチ    絵:伊東七つ生



片親育ちで人の顔色を伺ってきた荘介は
ある事件により夢だった仕事を辞め、離婚した。
死ぬために訪れた鎌倉で作家の溜池フジ夫と出会い、
「自殺志願者とは面白い。死ぬ前にうちで働け」と
家政夫をすることに。着いたのは今は亡き敬愛する作家の家で
フジ夫はその孫だった。7歳年下で遠慮ない彼に“飯が不味い”
“もっと笑え”と振り回され、思い詰めていた気持ちが薄れる荘介。
あけすけなフジ夫だが彼には荘介を連れてきた目的があり。



作家買いなんだけど、
これはいまいちピンと来なかったなあ。



なんだろ。受けのキャラが好きになれないからかな。
基本、ネガティブ過ぎたり積極的でない人って
キャラでもリアルでも苦手なのよ。


この受けはある人にさんざん追い詰められたんだけど、
自殺するくらいならちゃんと向き合って
解決を試みるくらいしろよー、いい大人だろー?って
思ってしまいやした。



結局鎌倉で攻めの世話なるのも
なんか流されてる感ハンパないし。



良かったのは攻めが一途ゆえにドーテー君だったとこかな。


脇の女性編集者はいいキャラしてたなあ。
たくましかった。




★3

2016年13冊目






欲望交渉/四ノ宮慶

2016-05-26 16:19:13 | さ行(作家名)
著:四ノ宮慶   絵:幸村佳苗



ワケアリ富裕層の子息ばかりが通う私立校。
生徒指導担当の国語教師、天羽は喫煙を
注意したことがきっかけで暴力団組長の息子、
伊勢直也から執拗に嬲られるようになった。
天羽の被虐嗜好を見抜いた直也の行為は
次第にエスカレートしていき…。
そんなある日、指導室に現れた直也の世話係で
組長補佐の小早川を目にした瞬間、天羽は戦慄した。
彼こそはかつての教え子。そして…。



んぎゃあああああ!
もう何これ何これ何これ。
ただの3Pものだと思ってたら、
私の好きなボコられ系じゃないですかああああ!



この前読んだ「夜叉と羅刹」が
ラストだけ良かったのと比べたら
こっちは全編ツボ!ツボ!ツボ!




天羽はね、殴られたくて仕方ないの。
10年前にも直也のときと同じように
ある生徒の喫煙を注意して殴らて
しまいにゃ体の関係まで持ったんだけど
その快感が忘れられないわけさ。


だから、直也に殴られつつも
頭の中では10年前の情交を思い出してる。
つまり直也はダシにされてるだけwww


あはははーーー!


直也は直也で、殴ってるうちに
自分のチンコが反応してるのに気づいて戸惑うのね。
俺はホモじゃねーーーー!とかって。
だから挿入はせず、道具やらなんやらで責めるんだけど、
天羽がいつもチンコ勃てるくせにイカないもんだから
イライラが募ってどんどん酷く嬲るように…。



そこで10年前の元教え子登場ですよ。



ヒューーーー!



この元教え子がかっこいいんだよ。



どう収めるんだろうと思ったけど
結局直也はぜんぜんオイシイ思いしないというねww



うんうん。
好きなものに好きって素直に手を伸ばせないヤツは
指咥えて見てるのがお似合いさwww



あ~、ほんっと面白かった!




★5

2016年12冊目

夜叉と羅刹/四ノ宮慶

2016-05-18 02:47:54 | さ行(作家名)
著:四ノ宮慶 絵:小山田あみ


両親に愛されずに育った少年、鉄二。
心にあいた穴を埋めるように自傷行為を繰り返す日々は、
やがて他人を刃で切りつけることで満たされる犯罪紛いの
倒錯的悦びへとエスカレートしてゆく…。そんな十六歳の夏、
木根商会の若き組長・杜若一鬼と出会った。
冷徹な表の顔とは裏腹に太陽のような笑顔で鉄二を包み込む杜若。
ただ彼の傍にいたくて…底なしの愛が欲しくて…
鉄二は木根商会に入り浸るようになり…。凄絶なる究極愛!



久々の四ノ宮さん。
「准教授と依存症の彼」のような
どっかおかしな子が愛を知ってまともに
なってく話って好きなんだけど、


この作品の受・鉄二は狂いっぱなしでやんすww



やくざものは好きだけど、
しのぎもろくにできないバカは好みでないです。



でも、資金源調達の計画をもってきた
高校生の鉄二にプライドを捨てて頼り、
組をどうにかしようという姿には好感が持てました。



杜若は最初から鉄二のことが好きで、
性的な意味でも対象にしてたんだろうけど、
鉄二のほうが向けられる好意に
鈍感ではないけど信用してもいなくて。


体を重ね、愛をささやかれても
どこか満足できず、最中に自分を傷つけないと物足りない。


自分を傷つけるくらいなら俺を傷つけろと
杜若がいくら言っても聞かない。


自傷はエスカレートするばかり。
杜若を傷つけたい、でも好きな人を傷つけられない、
だんだんと鉄二は狂っていくんだ。



最後は自分のしでかしたことに絶望し、
泣きわめいて心神喪失状態になるんだけど、
それを許した杜若も相当病んでる。


共依存ってこのことかもなあ、なんて思ったり。



でも、こういうラスト好きだし、
嗜虐趣味ってツボだから楽しめました。



最初のウケの構ってちゃんを
やりすごせば面白いと思う。



★5

2016年9冊目

調教は淫酒に濡れて/砂床あり

2016-05-18 02:29:13 | さ行(作家名)
著:砂床あり  絵:小山田あみ


天涯孤独の潤音は、表の顔はやり手の実業家、
裏の顔は徹底したSを貫く一流の調教師・宗司一鷹に拾われる。
屋敷に住みソムリエ見習いとして励む一方、
夜は拘束された身体を宗司の前に差し出し、彼の巧みな手と
淫らな道具で狂おしいほど熱く愛される。宗司の調教で
ますます艶やかに濡れていく潤音の身体、官能に啼くたびに深まる二人の愛。
ところが、ワイン事業で思わぬ事態に直面した宗司。
力を貸すと名乗り出た「知人」は、潤音を差し出せと言ってきて!?



うわあ~。

あらすじにある知人とは、
SMサロン経営者で一鷹に潤音を預けた
孤高のSであるQ(クイーン)。

一鷹の新規事業が上手く展開せず、
また潤音に戸籍を取ってやりたいが
それも手続きに何年もかかりそう。


ってことで、Qが潤音を貸すなら
いろいろ融通しちゃるっていう話になり。


もちろん一鷹は断るんだけど、
潤音は主のためならと引き受ける決意をするんだ。


前半のこのあたりは昼ドラみたいで
正直辟易したんだけど、

Qの屋敷に舞台が移ってからは
楽しくてたまりませんでした。


ひそかに一鷹に自慰を禁じる命を受けた潤音は
ホントに我慢するんだよお。


吊るされようと電マ使われようと
失禁はしたものの射精はしない!



一鷹も含めたゲストを呼んで
晩さん会したときも
どんな辱めを受けようと耐える耐える。


しかし、一鷹は事業が一時暗礁に乗り上げたといえ
Sとしてはやっぱり一流でさー。
ホスト側のQの立場を食ってその場の支配権を握るあたり
惚れ直すには十分だったね。



帰ってからの甘々エッチは素敵だし
戸籍を取りたがってた一鷹の気落ちも熱い。
もうラブラブ馬鹿っプルだね。


それに引き換え、巻末のQの話は切なかった。
初恋の雪生が両親のボトムだったってのは
驚きだけども、母親がボトムを愛しすぎて
「心臓を食べさせて」と命じてしあうあたり
もう涙が…。


Qはそこで、ボトムを愛しすぎてはいけないって
セーブするようになるんだね。
気の毒だし、母親は結局狂ってしまったけど、
気持ちは分からないでもない。


私だって旦那の遺骨を食べたい衝動に
かられる夜はいくらでもあるもの。
究極の独占欲と愛情だと思う。



話がそれたけどQにとって
心の底から入れあげられるボトムは現れるのかな。


スペードが覚醒しねえかなあ。
でもあいつ自分しか見えてねえしなあ。
Qの言う通りエゴが強いよなあ。


Qのスピンを書いてくれたら迷わず買うね。
そこで一鷹や潤音の評価なんかも
語ってくれたら面白いのに。


実は嫉妬してたりとかさw


SMってほんと信頼関係と絆と情がなければ
耐えられるプレイではないようね。


とっても楽しく読了!



★5

2016年8冊目

恋煩い/砂原糖子

2015-12-15 12:00:19 | さ行(作家名)
著:砂原糖子  絵:志水ゆき


買収予定のボロアパートに偵察と称して部屋を借りた槻島。
深夜、部屋の壁に穴があるのに気付き覗いてみれば、
隣人は男性で好みの容姿だった。男が自慰を始め、
槻島は目が離せなくなる。その男こそ、売却を渋っている
管理人の永沼だった。翌朝改めて顔を合わせた永沼は
今時珍しいくらい実直な性格で、夜と昼、両方の彼に
興味をひかれてゆく槻島だが…?
ツンデレ社長と誠実なアパート管理人の、運命を変える恋。



砂原さん、私には当たりと外れの落差が大きい作家さん。
イラストが素敵なので当たれ~!と念じながら買ったのですが。。。



あう。。。入り込めず、でした。



エロいならエロい、萌えなら萌えに偏ったほうが良かったんでは?
槻島(受)はデキる男設定なんだけど、
言動や態度からはどうしてもそうは思えないし
出生の秘密とか勢いでペロって言っちまうし
買収理由もしょうもないしなんだかなー、です。



永沼(攻)が売却しない理由も
「やっぱりな」っていう感じだったし
なんせ中途半端よ。



槻島が初めて付き合った男が実は腹黒かったとか
今までこうだと思ってたのが覆されるような
そんなちょこっとしたゾッとさを入れてくるあたり
さすがだなあと思うけど、
運命変わるほどの恋だとも思えないし。



樫谷がいい男なもんで、
もし委員長が独身だったら
樫谷に調教してほしかった。



しかしなあ、
シリアスでいくと
「ファンタスマゴリアの夜」
「高潔であるということ」
「イノセンス」
王道やラブコメでいくと
「恋のはなし」「恋のつづき」
「恋はドーナツの穴のように」
あたりが好きだからまたそういう雰囲気の読みたい!


あ、言ノ葉は人気だけどシリーズ全部読む前に
おなか一杯になって結局2冊しか読まなかったです。はい。



★3


2015年179冊目


東京の休日1~2/桜木知沙子

2015-12-08 20:30:03 | さ行(作家名)
著:桜木知沙子  絵:北沢きょう




完璧な容姿を誇る北條は、総合病院で医師として働いている。
彼が職場の飲み会で酔っぱらい、二日酔いで目覚めたある朝。
ともに裸でベッドのなかにいたのは、なぜか男―
医局でバイトをしている大塚真史だった。
ゲイではない己の所業に、北條は逆切れする。
それ以来、真史と顔を合わせれば喧嘩ばかり。
そのたびにムカつきながらも、
相手が気になって仕方がない北條だったが…。



「札幌の休日」のスピンですね。



なんで俺が!?
っていう、完璧なエリートの鼻持ちならない傲慢男が
ずぶずぶにハマっていくのって面白いですよね。



札幌の休日は皇にも芦屋にも暗い過去があって、
ちょっと重苦しいシリアスな話だったけど、
こっちはノンケの北条(攻)が
真史(受)に振り回されてジタバタする
ちょっとクスクスしちゃう話だね。



無自覚に嫉妬したり独占欲をあらわにする北条が
もうおかしくおかしくて。



真史のほうも芦屋のことより
北条に気持ちが傾き始めた自分を
認めたくなくてジタバタジタバタ。



2巻では北条の心の狭さが全開ですw
くっついたんだから穏やかに過ごせばいいのに
また嫉妬したり誤解したり大変。

それでも少しずつ北条は成長してさ。
だって抱いた女は多いけど
まともに恋愛したのは初めてみたいなもんだからね。


カムアウトするしないとか
お約束の展開もありやす。



それにしても真史はちょっと無神経さん。
いくら北条と心通わせてても
昔好きだった男の話題をしょっちゅう出してきたり
ましてや偶然会ったからって
芦屋を北条に紹介したり。おいおいだよ。


北条が、今は好きじゃないとかの問題でなく、
お前が好きになったことがあるっていうのが問題だ
って言ったのにはそうだ!そうだ!ってなりました。



1巻はノンケの北条がハマった。ざまあ!
だったけど、2巻はちょっと真史うざ!でした。


そして、このシリーズをしめくくる
「しあわせのキス」を積んでますが
思ったほどハマらなかったのでどうしようかなあ、です。




★3

2015年177~178冊目

札幌の休日1~4/桜木知沙子

2015-12-08 20:17:32 | さ行(作家名)
著:桜木知沙子  絵:北沢きょう



大学二年の皇が住むマンションの隣に、
新しい住人・芦谷が越してきた。同じ大学に通う彼との出会いは、
皇にとって人生の奇跡だった―。
複雑な出自と過度の期待に、息を詰めるようにして生きてきた皇。
その重圧から四年間だけ逃避するため、進学先に選んだ札幌の地で、
芦谷は皇の最初の友人となり、皇の世界を開く扉となった。
やがて皇は、胸の痛みとともに初めての恋を知り…?
青春BLの金子塔、待望の文庫化。



長かった~。
エチが4巻までないよ!
あってもあっさりよ!ww



磁石みたいに自然とくっついて
こいつのことなら誰より分かってるって
そういう関係から
さらに一歩踏み込んで
誰よりも分かりたい渡したくないって
思っちゃう二人が誤解やらなんやらあって
うまくいかないのね。



まず皇(受)が超ネガティブ。
しっかりしてんのかしてないのかっていう。


芦屋(攻)は超ポジティブなんだけど
優柔不断だったりして。



そもそも芦屋には彼女がいるからね。
遠距離恋愛の設定だから
しょっちゅうは出てこないけど
皇の性格からしたらそれだけで尻込みする。



芦屋は親友の真史に告白されたことがあって
そんとき「ない」と思ってたから
皇のこともずっと「ない」と思ってて。


でも、感情がそれを諾としなくて。
ついつい暴走して皇を傷つけたり。


皇の出自も面倒くさくて
それをきれいに終わらせるのも
作家さん大変だったろうなとか思っちゃったw



しかし友人の壁は厚いね。


そこを飛び越えるってなったら
確かに4巻くらいないと無理だろうなあ。



読んでるほうからしたら
二人が両想いなのはわかるから
焦れましたよ~。



でもあったかい気持ちになれるのは確かです。
とはいえ私の趣味かというとそうでもない(笑)



★4


2015年173~176冊目

愛する/菅野彰

2015-10-13 03:53:13 | さ行(作家名)
著:菅野彰   絵:高久尚子



「卒業しても、先生に絵を習いたい」
苛めで不登校になりかけた由多を、
幼い頃から支えてくれたのは、絵画教室の講師・桐生凌。
美大進学を機に、募る想いをついに告白!!
必死な由多に絆されてか、二人は恋人になることに。
けれど入学早々、才能に注目され始めた由多に、
凌はなぜか冷たい。嫉妬や中傷も、先生がいれば怖くないのに―
由多は初めて、凌が自分を見ていないことに気づき…!?



これねえ、イチャラブを読みたい人には
ちょっと向かないかもですねえ。
エチ描写がさらりとしかないし
心理面の変化に重点が置かれてるんでね。




由多(受)は、感受性が豊かで
思ったことを素直に口にしちゃって、
それが相手や周りを傷つけるってことに
気付けないでいたのね。


凌(攻)は孤立する由多を
6年間肯定し続けて導くんだけど、
それは凌が優しいからでもなんでもなく、
自分の身に起きた過去のあることを悔いているから。



真っ直ぐで才能にあふれる由多を可愛がっても、
可愛がったぶんだけ凌は傷ついてた。



それを知ってからの由多は男前でした。
正直、それまでは
正しいことが常に正義じゃねえんだよアホ!とか
盲目的に凌を慕って凌を追い詰めるんじゃねえよガキが!
とか思いながら読んでたんだけど、
急展開してくれてよかった。



BLというより由多と凌の成長物語って感じ。
できれば凌の背景をもっと書き込んで欲しかった。
2段組みでも良かったくらいの内容だよ。



由多が不登校になるきっかけになった
親友の永遠もいいやつだったし、
大学で出会った亜紀っていう女子も良かったなあ。



明彦はホント嫌なやつだけど
こいつの話も読んでみたかった。
凌の才能に嫉妬して潰して
でもそんな自分に嫌気がさしてる感じが
グッときたね。


凌はちょっと腐りすぎな気もしたけど、
美大で潰されて時が止まっちゃったのかな~?


愛するのも愛されるのも
実は大変なことだし覚悟もいる。
そういうことが丁寧に書かれてました。

最後、由多が凌のために書いた
朝の絵はそれはそれは美しいんでしょう。


いい話でした。




★4.5


2015年168冊目

ハニーデイズ/杉原理生

2015-09-03 06:50:29 | さ行(作家名)
著:杉原理生   絵:青石ももこ



国巳は、自宅の離れに下宿している12歳年上の
諒一郎のことが大好き。しかし、小学生のときに、
兄のように慕っていた諒一郎の同性の恋人とのキスシーンを見て、
自分の「好き」が恋愛感情だと気づいてしまう。
国巳は自分の気持ちを諒一郎に告げるが、弟としかみてもらえない。
それでも諦められず、高校生になってもずっとずっと好きでいるが―。




杉原さんの作品だいぶ読んだけど、
これは攻めがヘタレですねえ。


涼一郎(攻)は、国巳(受)のことを
大事に想いすぎてそういう対象じゃないと言い切る。


国巳は特別に想ってもらえてるなら
それで満足―とはならなくて、
やっぱり高校生らしく恋人になりたいと思ってしまう。



涼一郎はね、国巳の家族に世話になったし
何より国巳が可愛いしで
自分なんかとくっついても
苦労と不幸ばかりがくっついてまわるような気がして
そんな思いを国巳にさせたくない。
それは分かる。


でも、中途半端な言葉で
国巳を縛ってしまうほどに愛してるんだよ。



だけどねー、12歳差でしょう?
相手はまだ高校生でしょう?
そら手なんて出せませんわ。



なのに国巳が煽る煽るw



結局、国巳を手放すくらいなら
先の苦労も引き受けよう。
真っ直ぐで素直な国巳を守っていこうと
覚悟を決めるまではうだうだでした。



国巳がかなり等身大の高校生というか
頭が恋愛脳なのよ。
ガキだし一直線だし読んでて恥ずかしくなりました。
高校生ってこんなにガキだったっけ?
って思ったけど、そんなもんかなとも思ったり。



けど、涼一郎との付き合いを誰にも
文句言わせないためには
いまできることを全力でやろうとする姿に
そこまでバカじゃないんだなと思ったね。
そういうところに涼一郎もめろめろなんでないかと。。。



★3


2015年161冊目

友達に求愛されてます/桜木知沙子

2015-09-01 16:14:08 | さ行(作家名)
著:桜木知沙子  絵:佐倉ハイジ



札幌の寂れた商店街で、父の居酒屋を手伝う涼真。
そこへ十年ぶりに悪友の迅が戻ってきた。
しかもイケメン美容師となった迅は
「ずっと涼真が好きだった。これからは全力で口説く」と宣言。
なんだかんだで友達以上恋人未満のような関係でいるうちに、
涼真もだんだんほだされていく。だが商店街が大きな
打撃を受けるような駅前再開発の計画に迅の父親が
関わっていることがわかって、二人の仲はこじれてしまい…?






あらすじを読むとちょっとウザいのかな?
って思ったんだけど、全然そんなことなかった!


迅(攻)は涼真(受)への想いを吹っ切るために
10年間離れてたのに、全然忘れられなくて
涼真に全力でぶつかって口説く決意をするのね。

涼真のほうも迅のことは誰より特別だし
一生離れたくないって思ってる。
ただ、それは友情だと思ってたから
それが恋愛だと認めてしまうのが怖いんだよ~。



けど、迅に触られるのもキスされるのも嬉しいし
迅が他の男と関係を持っていた過去を知れば嫉妬するしで
もう友情じゃ片付けられないと気づいて。




後半、商店街のほうは、なんとかしなくちゃいけないけど
なんとなくこのままやってけるんじゃないかと思って
盛り上げる努力もせずのらりくらりとやってきた
涼真と商店街の人たちが奮起するあたり良かったです。



贅沢を言わせてもらうと、
迅のほうが切ない気持ちをたくさん抱えてただろうから
迅視点も読みたかったなあと。
そんな感じ。





★3.5


2015年158冊目




教え子のち、恋人/桜木知沙子

2015-08-31 02:28:02 | さ行(作家名)
著:桜木知沙子   絵:高久尚子


学習塾の講師を務める真貝は、
過去の失恋の傷を抱えひっそりと暮らしていた。
そんな時、五年前に生徒だった玖波が、
大学生のアルバイト講師として現れる。
あどけない中学生が、男らしく華やかな美貌の大人の男に――。
戸惑う真貝だけど、ゲイバーにいるところを
玖波に目撃されてしまう!!口止めしようとした真貝に、
玖波はなぜか意味ありげな笑みで
「黙っている代わりに俺と付き合いませんか」と囁いて!?




ひゅーーーーーー!



コレね、私の好物でした。
話は超王道。



興味本位で付き合い始めた玖波(攻)のほうが
いつのまにか真貝(受)にずぶずぶにハマるっていう。



私は、こういう鼻持ちならないガキ、
余裕シャクシャクのガキが
だんだん本気になって焦る話大好きなんす。



自由奔放な恋愛を繰り返して
女をとっかえひっかえしてたくせに
真貝が「浮気は嫌だ」と言えば据え膳も喰わない。



真貝の過去に嫉妬して
実際に元彼が現れたらなにもできず
家で一人で悶々と過ごすことしかできないヘタレ具合も好き。



真貝はネガティブで消極的だけど、
ギリギリセーフで嫌いになれませんでした。



玖波の奔放さを知ってるから
好きだと自覚してもセックスだけで
繋がってるだけだとしても
その手管で関係を長続きさせようという
妙な開き直りとかイイネ!!!!



男同士のセックスに限って言えば
真貝の方がテクが上だから
受けのくせに積極的ですよ~。



こういう色事に興味なさそうな
地味で根暗な男が実はエロいってたまらぬ。



サクサクサクっと楽しく読めました。




★3.5


2015年156冊目


背中合わせの恋(下)/鈴藤みわ

2015-05-23 10:03:22 | さ行(作家名)
著:鈴藤みわ   絵:カズアキ


自分の知らないところで、文人が芹沢に抱かれ、
遠く自分の腕から離れていく…。一弥はそのときになって、
初めて胸をかき乱す感情を意識するのだった―。
この感情の渦は嫉妬だ。嫉妬が何からわき出るか自覚できないまま、
ついに一弥は残酷な決断をする。契約でもいい、お前が手に入るなら、
体だけ俺のものにさせて…。「アイドルグループとして一緒にトップに立つ」
という文人の仕事への情熱を盾に、一弥は文人に肉体関係の契約を結ばせてしまう。
抑えることができない文人への欲望に、一弥は日に日に溺れていく。
見えない相手の心に、傷つけ合う一弥と文人。
どこまでも平行線をたどる二人の距離を縮めることはできるのか?―。


背中合わせの恋(上)のつづき



一弥(攻)がやっと恋心を自覚したのに
文人(受)には芹沢がいた。。。


これはもう仕方のないことで。
でも実際は文人と芹沢は付き合ってはなく、
傷を舐めあうだけの関係なんだけど
一弥にそんなこと分かるわけもなく。


また、あることが原因で
一弥は女漁りをするようになるんだけど、
それを事務所に咎められた一弥は
辞めるか態度を改めて続けるかの決断を迫られる。


必死に引き止める文人に
「じゃあお前が俺の相手して」っていう
きたない提案をするのね。



文人にしたら、まさか一弥と体を繋げることになるなんて!
と嬉しいような、でも気持ちが伴ってないから虚しいようなっていう。



この辺がいちばんきつかったなあ。
文人がムリに入れて血を出しちゃうとことかさ。



キスはしない、一緒に朝も迎えない。
暗黙のルールのもと、それはうまくいったかのように見えたけど、
実際は一弥はそんなルールのせいで
また文人を傷つけまくってることに気付いてないの。



想いが通じてから、
一弥は文人をどれだけ傷つけたのか、
やっとで全て理解するんだけど、




おっせーーーーよ!



って後頭部殴りたくなりました。



ずっと捨てられなかった一弥とお揃いのピアスとか
処分できなかったクロゼットのなかの一弥の服とか
文人の想いが切なくて苦しくて「あぁ」ってなる。



ノンケが同性への恋を認めるのは覚悟がいる。
文人の粘り勝ちみたいな話だけど、
その間、文人は傷つき続けたわけだから
一弥はこれから文人をいやというほど
可愛がらないといけないし尽くさないとね。


大好きな芸能界ものだから
かぶりついて読んだけど、
こんなに恋愛恋愛してるキツイもんだと
思ってなかったから
いい意味で裏切られた。


「楽園のうた」のシンと那智もいい味出してます。



★5


2015年93冊目

背中合わせの恋(上)/鈴藤みわ

2015-05-23 09:52:02 | さ行(作家名)
著:鈴藤みわ   絵:カズアキ


「俺にダンス、教えてくれよ」タレント事務所に所属する
中学生・文人は、養成所で一弥と出会う。
ナンバーワンになる夢を追い求め、共に歩き、背中を追い続けるうち、
いつしか兄弟のように濃密な絆にむすばれていく。
やがて二人はアイドルグループ「NUMERO」のメンバーとして
デビューすることに。だがその頃、
文人は一弥に抱いたある感情と葛藤していた。それは片思いという、
長く遠く続く、険しい道のりの始まり…。どれだけ辛くても、
どれほど傷ついても、この恋だけは知られてはならない…。
君の隣で歩むために―。大人気BL小説「楽園のうた」スピンオフ。




これ文人(受)がしんどいです。
一弥(攻)は無自覚に文人のことが好きで執着してるし、
特別な人は?と訊かれたら「文人」と答えられる。


でも、女としか付き合ったことのない一弥は
それが恋心だとは気づけないんだよね。



文人の方は狂おしいほど一弥のことが好きなのに、
一弥がノンケだというのを自覚する出来事があって、
それならと気持ちを封印することにする。



兄弟のように仲が良く、
文人のことならなんでも分かってるつもりの一弥だったけど、
文人はいつの間にか一弥の前で
自然の笑顔を見せることはなくなっていたのね。
巧妙に弟分を演じるようになるんだ。


はあ。。。


なんだけど、一弥を責めるわけにもいかなくて。
だって、今まで女しか抱いたことなくて
男をそういう対象でみたことないやつが
自分の中の同性に対する恋愛感情らしきものを
認めるのってなかなか難しいと思うんだよ。



だから、文人に女を紹介するし、
一弥の想いを汲んで文人はムリに女を抱いたり。


もう辛いよ。辛いよ文人。



そんな文人の辛さを分かってくれる
先輩俳優が現れ、恋愛ごっこしてみない?との提案に
文人は乗っかることにするんだ。


なんだかなあです。
振り向いてくれない相手を一途に思い続けるのはキツイし
そら年上の男に甘えたくもなるよなあって。
これも文人を責められない。


上巻ではここまで。
絡みはないです。


背中合わせの恋(下)につづく


★4


2015年92冊目