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BL小説感想日記

主にBL小説の読書感想。基本ネタバレ。
Twitter(chika3270)もよろしく。
ぼちぼち更新。

ファントムレター/砂原糖子

2014-06-16 19:43:24 | さ行(作家名)
著:砂原糖子   絵:広乃香子



梢野真頼は東京の片隅でシェフを務めている。
店に足繁く通う田倉訓とはいわゆる幼なじみだが、
昔の関係は封印し冷淡に振舞っていた。
しかし、田倉は屈託なく接してきて―。
同じ頃、九州の田舎町。小学六年生の治は、
自宅の蔵で古い手紙の束を見つける。
差出人「マヨリ」の真っ直ぐな恋心は、
やがて同級生・双葉への治の想いと重なっていき…。




阿蘇の田舎町で
恋心を温めていた真頼と訓。
けれど周囲にバレて
家族を傷つたことをきっかけに
真頼は一人上京した。


のちに上京してきた訓は
店に通ってくるけれど
真頼は自分の気持ちを隠しとおす。




一方、阿蘇の田舎町では
真頼の訓への想いを綴った
手紙風の手記を甥の治が見つける。
同級生の双葉への想いが
真頼の手紙と重なって抑えられなくなる。


双葉とキスしたところを
同級生に見つかり、からかわれ、
治と双葉は、東京で訓と幸せに
暮らしているであろう真頼の元を
訪ねることに…。



大人のカップルと小学生のカップルが
変にシンクロしてなんともいえない
雰囲気を作り出します。



子供の恋なんて一時的なもの。
自分たちの恋も一時的なもの。


そう片付けたい真頼だけど
自分が過去に書いた手紙を読み返して
どれだけ本気だったか
いまもどれだけ訓が好きかを思い知らされる。



田舎の問題は
何一つ解決しないんだけど、
気持ちが通じ合ってるのが
痛いほど伝わってきて
とっても幸せな気持ちになりました。





久しぶりに
しっとりした話を読んだなあ。



砂原さんの
バカみたいなコミカルな話も好きだけど
こういうテクニックを駆使した話もやっぱり好きだー!

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★5

くちびるは恋を綴る/杉原朱紀

2014-06-15 13:24:29 | さ行(作家名)
著:杉原朱紀   絵:サマミヤアカザ


普段は地味で目立たない舞台尺者の千里は、
次の舞台の脚本を担当する小説家の野上と出会う。
不躾な物言いに印象は最悪ながら、
なにかと構われ彼に惹かれていく千里。
千里の演技に触発され、千里のために役を
追加したいという野上。それが女役であることに
辛い過去を呼び覚まされつつ引き受ける千里だったが、
トラウマの元凶となった男と再会して!?



役者、業界人ということで
イケメンパラダイス。ヒューーーッ!


千里も中性的な顔立ちの美形。
内向的な性格だけど
人のためにならちゃんと怒れる
気の強さもある。
そして舞台に立つと別人になる天才肌。


そのギャップと実力で
先輩役者に可愛がられ、
入団3年目ながら何度も役をもらえている。
当然周りのやっかみも酷いが
そんなもんだとあっさりした性格もいい。


そんな中、千里が好意を寄せている野上から
女役を頼まれて引き受けるんだけど、
トラウマの原因となった
前に所属していた劇団の関係者に
ある恥ずかしい写真をネタに降板しろと脅される。



誰にも迷惑をかけたくない千里は
結局いうことを聞こうとするんだけど…、



小さい頃からしみついた
自己犠牲の精神で、
なんでも一人で抱えて悩んで
自分さえ我慢すればいいと思ってしまう千里が
読んでて可哀想でした。



それが野上と出会って
少しは変わっていったように見えたのに
トラウマには勝てなくて。


というか野上にだけは
知られたくない過去で…。



どんなに言葉を重ねても
誤解しか産まないような
出来事は口で説明するのが難しいんだ。



それでも、最後は
野上が助けてくれる。



野上は千里が思ってるより
ずっと千里を想ってるんだよ。



何も相談しない頼らない
なのにどんどん痩せていって
役にも集中できない千里が
歯痒くて仕方ないんだ。


千里を助ける野上は男前で
私の好物のスーパー攻め様ですね。


千里を取り巻くキャラが
みんないい人で
話が暗くなりぎないのが良かった。


この作品結構好きだったなあ。

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★4

高潔であるということ/砂原糖子

2014-06-13 17:52:30 | さ行(作家名)
著:砂原糖子   絵:九號



真岸悟は、ある事件を起こした志田智明への復讐を
弟に約束していた。約束の日である五年後、
復讐を促すメールが真岸に届く。志田の税理士事務所で
働き始めた真岸は、最初は冷たい男だと思っていた志田が
不器用なだけの優しい人間だと気づき、惹かれ始める。
そんな真岸のもとには、復讐を忘れるなと念を押すようなメールが届き……。



ゴミ屋敷に住むジジイを
近所の人は疎ましく思っていたけれど、
悟と弟はよく懐いていた。


けれど、ジジイが
酔っぱらって路上で寝ているところを
志田がひき逃げしてしまう。
3日後に出頭してきた志田には
実は飲酒運転でアルコールを抜くために
3日間あけたのではないかという疑惑まであった。


しかし、志田がひき逃げする前に
立ち寄った飲食店店員の証言がひるがえり
アルコールは飲んでいないことが証明され、
逆に路上で寝ていたジジイに批判が集まった。


実家が金持ちだから
証言がひるがえり、
さらにジジイ批判も実家の仕業ではと疑う悟。



判決で執行猶予がついたとき
志田が微笑んだのを見逃さなかった
悟と弟は復讐を誓った。



5年後、志田から何もかもを奪うつもりで
彼に接触した悟が見たのは
何ももっていない志田の姿だった。


家族には絶縁され
奥さんには不倫の末に逃げられ
仕事もやっと食べていけるだけの
依頼しか入ってなくて
奪うものが何もない。



それでも根気よく
何が復讐になるか探っていくうちに
志田が実は常に人のことを考え
優しさにあふれた人間だと分かってくる。


事件との違和感を覚える悟。


だけど、復讐を促すメールはしつこく届き、
とうとう悟は何も持ってないなら
自分を与えてそのあと捨てればいいという
傲慢な考えに至る。


それは確かに上手くいったのだけど…。



っていう
志田にしたら
とんでもなく迷惑な話ww



志田さんは
一見、冷たいようにも厳しいようにも
見えるんだけど、
それは相手のことをきちんと考えての行動なのね。
不器用なのよ。



悟はその優しさが
相手に伝わらないことに
イライラして
また不器用な志田にもイライラして
おせっかいを焼いてしまうのね。


だんだん呼吸が合ってきて
依頼も増えて
周りとも上手くやれるようになって
志田と悟の肉体関係もそれなりになったところで

弟と志田が鉢合わせしてしまう。



はあ。。。



志田が可哀想。。。




志田は、
太陽みたいに明るく周りを照らす悟に惹かれ、
悟は、
上っ面じゃない志田の不器用な優しさに惹かれ、


事件のことさえなければ
お似合いの二人なのにって
読みながらもうもうもう!
弟邪魔!って思っちゃった。


オチは「え?嘘でしょ。そんなことかよ」
っていう納得いかない感はあるけど
人間の本質をついてくるような
迫力のある作品だと思う。

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★5

美しい世界/四ノ宮慶

2014-06-11 18:49:45 | さ行(作家名)
著:四ノ宮慶   絵:日羽フミコ


高名な画家の息子である碧は、自身も幼い頃から
その才能を開花させ、類い稀な美しい外見とともに
周りから賞賛されて育った。しかし、その裏で父や
彼の弟子たちに日常的に性的虐待を受け、
淫らな高揚感なしには絵が描けないという異常な
環境の中で生きていた。本当の自分は穢れている……。
周囲と距離をとり生活を送る碧は、
太陽のようにまぶしい光を放つ後輩・朝陽と出会い、
自分も彼と同じ世界で生きたいと願うのだが――。




才能があるがゆえの
孤独を知っている二人が出会い
惹かれあっていく過程が美しいです。



碧が凌辱されているのを知ってなお
「先輩はきれいだ」
という朝陽もちょっと病んでるっぽい。



太陽のように明るく
才能にあふれた朝陽は
穢れた自分には勿体ない。

自分と関わることで
朝陽を汚したくない。


そんな碧の苦悩も知らず
朝陽は碧を慕う気持ちを隠さない。


どんなに避けても追いかけてくる。


朝陽から目が離せない碧は
こっそりと彼を目で追い、
彼のスケッチを描きため、

彼が決意して臨んだ試合を
目にしたとき、
それまでスランプだったのが嘘のように
描きたい衝動に駆られ、
絵筆を握る。



なかなかくっつかない二人に
イライラするけど、
これはこれでアリかなと。



しかし、この先生
凌辱もの好きだねー。


これまで読んだほとんどの作品が
嫌だけど体は感じる系だったよw

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★4

落椿/四ノ宮慶

2014-06-11 10:42:28 | さ行(作家名)
著:四ノ宮慶   絵:宝井さき


「男に尻を犯されたくて仕方がなかったくせに」
組の存続のため、自らの美貌と躯を餌に資金を
集めることになった大久保組二代目組長の晴矢。
男を欲しがる躯を恥じ、これまで守ってきた純潔を
見知らぬ男たちに貪られる苦汁の決断。
その調教を、幼いころから密かに想いを寄せていた
若頭の橘に施されることに…。硬く閉じていた蕾を
蕩かされ、蜜を垂らして悦ぶ躯は、やがて淫らに咲きはじめ―。




身体を売って資金を稼ぐって、
それ組長の仕事か…?
と疑問を抱きつつ読み進めました。



セットで媚薬を売って
それに中毒性があるので
主な資金源は体じゃなくて
薬ってことが分かってようやく納得。



でも、キャラが組長って感じじゃないから
どうもしっくりこないというか。



橘による調教は
お道具てんこ盛りで
ただただエロい。


けど、そこに愛が見えないので
無理やり射精させられてる感があって
組長が可哀想になりました。



淫乱な体を見知らぬ男の手で鎮めてもらって金にかえ、
空いた心の空洞は橘に埋めてもらう。。。


それが幸せとしめくくってますが、
やっぱり組長がやることか…?と
疑問、疑問、疑問。



エロいんだけど
いまいち萌えない。



エロ=萌え


ではないのだなと思いました。
この先生の「准教授と依存症の彼」
すごく好きだったから
いくつか他のも買ったんだけど、
なかなか好みのものがなくて残念です。
私とは相性が悪いみたいです。
むむぅ。

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★3

形代の恋/四ノ宮慶

2014-06-10 13:51:23 | さ行(作家名)
著:四ノ宮慶   絵:奈良千春




信じていたすべてに裏切られ家を飛び出した
高校生のガクは、繁華街で男に声をかけられ
暗い夜の世界に堕ちた。『赤い鳥』は会員制の
高級男娼館。覚えのない借金を負わされ逃げられないガクは、
そこで男たちに身体を買る日々を強いられる。
家族や恋人を持ちながらも自分に溺れる男たちを見て、
ガクは「愛」に失望し、自棄になったように
身体を投げ出し続けていた。ある夜、ガクは客のひとりから
薬を盛られ、ひどい虐待を受ける。そんなガクを助け
優しく介抱したのは、いつも冷酷な店の支配人・鈴木だった。
棄てたはずのあたたかいものに触れたガクは、心を揺らすが…。



どんな不幸がガクの身に起きたのかと思ったら
恋人に遊びだったと告げられて
ゲイバレした親に「けがらわしい」と
言われたというだけの話でした。
もっと絶対的な不幸が欲しかった。
じゃないと男娼館での生活のほうが
現実より辛いじゃん!耐えられるわけないじゃん!
ってツッコミいれたくなる。


というわけで
そもそもの設定に疑問をもったけど、
世間知らずの高校生が
恋人にも親にも見捨てられたら
自暴自棄にもなるかと気持ちを改めて読んでみた。



支配人の鈴木は、
日頃からガクのことが気になってた。
昔わかれた恋人にどことなく似てるのと
自棄になっていながら周りに気を遣って
笑顔でいるところが健気だなと。


一方ガクは、
いつも冷静な鈴木が
自分を救うために優しく抱いてくれたことで
気持ちが傾いていく。



でも、借金を負わされたガクが
店から解放されることはない。
そして、スタッフとは恋愛禁止なので
鈴木と付き合えることもない。


また、鈴木は
男娼館のオーナーである
ヤクザの組長に元恋人を人質に
とられていることを知り、
ますます自分とどうこうなることはないと
悟るガク。


そんななか、男娼を経営するヤクザの組内で
内部抗争が勃発し、男娼は解放されることになった。


堅気のバーを経営することになった鈴木の元に身を寄せ
恋人の代わりでいいからと体を繋げることを望むガクに
鈴木は次第に苛立ちを募らせて…。




そもそも鈴木が
手元にガクを置いておきながら
正式に付き合おうとしないのは、
独占欲が強くて嫉妬深くて
ガクを閉じ込めてしまいたくなるから、という
実は狂おしい愛情のせいなんですね。


前の恋人にも
そんな感情を抱いて
勝手に苦しくなって逃げ出したの。



そんな鈴木をそばで見守ってきた
スタッフの響がなにかと二人を
けしかけるんだけど上手くいかない。


鈴木、超ヘタレww


ガクもガクで
男娼だったこともあって
どうせ俺なんて…っていう思考回路だし
鈴木の元恋人の身代わりでいいやっていう
投げやりな態度で、いかんです。



どこまでも逃げる鈴木と追いかけるガク。



やっとくっついたらそれはもう甘々で。





しかし、できれば
鈴木はカッコ良くあってほしかったなあ。
組を出し抜いてガクを助けるとかさ。

これ組の内部抗争が起きなかったら
ガクを助けられてねーじゃん!
棚ぼたじゃん!って思った。


あと、響が超いいやつ。
もう響とくっつけよ!って思ったよ。


ガクは高校生とはいえ
幼すぎたねー。
身体だけは成熟してるけども。



しかし、絡みは濃厚で
お客さんに嬲られる場面とかは
痛々しいくらいでした。


鈴木とのセックスも
切ないものがあり。


くっついてからの絡みは
鈴木が暴走気味で受けた。



あらすじ読んで
ちょっとパンチの効いた重さを
期待してたから肩透かしくらっちゃった。



でも、前情報なしに読んだら
普通に面白いんやないかなあ。



ああ、でも設定が設定だけに
好き嫌いは分かれるか。。。

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★2

Fuckin' your closet!!/砂原糖子

2014-06-07 19:05:58 | さ行(作家名)
著:砂原糖子   絵:金ひかる


キャリアらしからぬ振る舞いの多い警視・市居瞳也は、
嫌々呼び出された現場で狙撃事件を目撃してしまう。
そこに居合わせた探偵・汐見征二から調書を取ろうとするが、
口説かれたりキスされたりとはぐらかされてばかり。
掴みどころのない汐見が気になる市居は?
ノベルズ版「シークレットでやっちまえ!」に
書き下ろし短編を加えて待望の文庫化。




これねー、
無責任に読むと面白いです。


汐見は元刑事だから
キャリアの市居なんて
だまくらかすのに何の苦労もいらない。


からかって
はぐらかして
翻弄して
ついでに市居のことも手に入れちゃう汐見は
やり手ですねーと。


でも市居もバカじゃないから
やがて真相にたどり着く。


けどやっぱり
汐見に一歩かなわずなんだね。


その辺モヤモヤする人は
受け入れられないかも。



後編は7年後の二人。

市居は真面目に更生してて
そしてもう汐見に翻弄されない。


最後に汐見に


「もうお前にはかなわい」


って言わしめたあたりは
スカッとしました。


成長する受けは読んでて楽しいです。

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★3

彼は死者の声を聞く/佐田三季

2014-06-05 10:57:36 | さ行(作家名)
著:佐田三季   絵:梨とりこ


グラフィックデザイナーの斎木が取引先で紹介されたのは、
画家として成功した幼馴染みの神成だった。
斎木が羨望してやまない才能を持ち、今は亡き斎木の姉・朋と
魂で繋がっていた男。朋の死は斎木に罪の意識を、
神成には斎木への憎悪を植えつけていた。
そして死者が見える斎木の左肩には、今もなお朋がいるのだ。
十年ぶりの再会は、斎木を過去に……まだ神成が斎木を慕い、
姉が生きていた葛藤の日々へと引きずり戻していく……。



痛かった。


差別、嫉妬、才能、罪悪感、憎悪、羨望…、


人のいろんな感情が
波のようにうねって
迫ってくる作品。



斎木は、姉の死について
神成に恨まれていた。

姉には知的障害があり、
斎木はその姉を鬱陶しく思っていた。
死を願ったことはあっても
自分のせいで死んでほしいと
思ったことはなかった。


でも、結果そうなった。



神成は斎木が好きだったが
朋のことも好きだった。


神成と朋は絵の天才で、
才能のない斎木は引け目を感じていて
どんなに描いても
美術家の父に認めてもらえず、


2人のことが好きなのに
受け入れることができず
逃げてしまう。


その後、朋が亡くなるのだ。



そんな斎木と神成の再会は
いいものではなかった。


斎木が学歴を詐称して
デザイン会社に勤めているのを知った神成は、
バラされたくなかったら奴隷になれ
と言って、無理やり体を繋げる。

さらに、引っ越してこいといって
毎日ムリに抱く。


斎木にとっては屈辱の日々だったけど、
結局、会社に学歴詐称のことをバラされ
会社にいられなくなってしまう。




長編だから
あらすじ追うのに文字数費やしちゃった。



これだけでも痛いでしょう?
でも、痛いなかにも
神成の斎木に対する愛情が見え隠れして、
そのたびに斎木は「愛されたくない」って
思ってしまうの。


愛されてしまうと
愛してしまうから。
それは才能に嫉妬している斎木としては
絶対に避けたいことなんだよ。
みじめになるからね。



脅される理由がなくなると
斎木は神成の前から姿を消すんだけど、
そのあとの狂った神成もすごくて。



これは、読むべきですよ。
凄い作品でした。

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★5

アカサギ~詐欺師と甘い鉄枷~/沙野風結子

2014-05-31 20:27:48 | さ行(作家名)
著:沙野風結子   絵:小山田あゆみ


結婚詐欺師の槙圭人のカモは、
ある条件を備えたノンケの男だ。
普通の男たちが自分によって骨抜きになっていく様は
愉快で仕方がない。だが、ある日、槙は弁護士の
恩田奏源に捕まってしまう。槙の被害者が示談を依頼したのだ。
恩田は他の男とは違って、槙の手管が通用せず、
槙の金目の持ち物をすべて押収して去って行った。
「色恋の案件など反吐が出る」。そう言い残して…。
槙は、腹癒せに恩田を次のカモと決め、
さりげなく接近を始めるが―!?



騙すつもりが惚れてしまって
攻めの真面目さに見合うように
更生する、的な
そんな話なのかなー?
って思ってたら
とんでもなかったです。




結果的には
受けの詐欺師・圭人が
攻めの恩田を落としたってことに
変わりはないんだけど、
その過程がありきたりじゃないというか。


攻めも受けも一筋縄ではいかない。
お互いに過去があり
お互いにプロ。


恩田は自分が次のカモになってると
ちゃんと分かってるのね。
でもいつの間にか
圭人を受け入れてんの。


それが圭人の手管なのかもしれないけど
圭人にしたら恩田が落ちてるようには思えない。


どこまでも
探り合う二人なんだ。



でも、ある日
過去にカモった相手に恨みを買って
監禁された圭人を
恩田が助けたあたりから
関係性が変わっていきます。



最後は嫉妬に狂った恩田が
圭人に貞操帯つけちゃう。


うおっふ。
萌えるや~んww



圭人がカモるのは
バツイチの親権を手放したノンケ男。
なんでその条件の男を
カモるのか、そして
そもそもなんで結婚詐欺しになったのか
っていうのが明らかになるとウルっときます。


伏線がキレイに張られてて
見事に回収されるのは爽快ですなあ。



個人的には
冒頭の硝子の天板越しの愛撫に
萌えました。

んで、天板越しの愛撫を
連想させる手の動きが
癖になってる恩田に
もう激萌え。

何気ない描写だけど
マニアックでエロいっすわ。


もしかしたら
この作家さん読むの初めてかも。


名前はかなりお見かけしてたのにな。
もっと早く読んでれば良かった。

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★5

シンプルイメージ/砂原糖子

2014-05-26 14:51:31 | さ行(作家名)
著:砂原糖子   絵:円陣蘭丸


海辺の町で暮らし始めた浅名千晶は、ある日、
コンビニ店員・永倉航から声をかけられる。
やたらとなれなれしい永倉は、長い片恋に疲れ
一人の時間を求める浅名には煩わしい存在でしかない。
それでも永倉の眩しい笑顔は浅名の頑なな心を
次第に溶かし始め、やがて互いに惹かれあうようになるが――?



お互いに事情を抱えているけど
あえてそれを見せずに


「いま目の前にいる相手」


に惹かれあっていく2人。


でも、航の過去と嘘を知ったとき
千晶はどうしても受け入れることができなくなってしまう。


航のほうも、
千晶に10年近く片思いしていた相手がいたことを知り、
自分とのお手軽な始まりとの違いに
違和感と嫉妬を覚える。



しっかしまあ、
航(攻め)は千晶(受け)より10歳以上も
年下のくせにセックスがうめーーー!
大好物のところてんあるしさあ~w



海辺の町での話ということで
潮風が薫るような
さわやかな印象の話です。



特別に痛いことはないけど
それでも恋愛にありがちな
すれ違いや誤解なんかが
丁寧に描かれてて
読みやすいです。


あと、なんにでも無関心だった受けが
攻めと付き合うことで
仕事や人間関係に積極的になっていく姿も良かった。


恋愛が人を成長させる話っていいよね♪

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★4

シガレット×ハニー/砂原糖子

2014-05-25 15:56:29 | さ行(作家名)
著:砂原糖子   絵:水名瀬雅良


目を惹く長身で人好きする爽やかイケメン、
唯一の欠点はモテるのに無自覚なこと!?
「先輩が女だったら彼女にするのに」
無邪気に恋愛相談をしてくる職場の後輩・浦木。
名久井はそんな鈍い男にずっと片想いを続けている。
けれどある晩、セフレとの情事を目撃されてしまった!
遊びだと嘯く名久井を硬い表情で咎める浦木。
なのに翌日思いつめた顔で「俺がセフレになります」
と立候補してきて。



イケメン浦木は考え方がアサッテのイタイ子ですw


「俺がセフレになります」


ってのもアホだけど


「今まで恋愛相談受けてもらったお礼に
 先輩のホモを治します」


って言い出すし。
正直、そこ読んだとき

「ホモは病気か?ざけんな。無神経!」


って思って攻めの浦木が
鬱陶しくてたまらなかったんだけど、
だんだん


「ああ、この子はアホな子なんだ」


って思いはじめたあたりから
楽に読めるようになりました。



一方、名久井さんは過去の恋愛が
トラウマになってて
恋愛なんてしたくないのに
3年間も浦木に片思いしてるという
意外とピュアな受けでして。



浦木の無神経さに振り回されながらも
こいつの態度を
本気にとったら痛い目みるぞって
気持ちにブレーキかけちゃう。


そのくせ
タバコ臭いと嫌われるかも、とか
乙女な思考全開で
禁煙に挑戦したりするあたり可愛いです。



ネガティブな名久井を
ポジティブな浦木が
ぐいぐい引っ張って
これはなかなかいいコンビだなあと。



ちょっとウザい2人だけど
悪くはなかったです。



ただ砂原さんの作品の割には
深みがなかったなーという
感じでしょうか。。。

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★3

シンプルライン/杉原理生

2014-05-01 12:05:30 | さ行(作家名)
著:杉原理生  絵:亀井高秀


連れ子同士で、一時期血の繋がらない兄弟だった
圭一と孝之。10年後、大人になって再会した二人は、
改めて兄弟のような、友人のような、
不思議な関係を築き始める。弟だった孝之への
恋心を自覚していながら隠す圭一と、
兄だった圭一へ想いをストレートにぶつける孝之。
しかし、圭一にはどうしても孝之を
受け入れることができない理由があって――。





血がつながってないから
恋したっていいじゃない!
って突っ走る弟と



実は血がつながってるかもしれない
と疑って二の足を踏む兄。




基本、お互いが好みのタイプで
小さい頃から好き同士。

でも、圭一のほうは
かなりのビッチさんです。


性に早熟で、中学時代から
そういう関係の友達を家に呼んで
いやらしいことをしまくります。


弟はそれに気づいていて
悶々と過ごすんですね。


ハッキリ言って
圭一は鬼です。


弟の気持ちに気付いていながら
親が離婚する直前に孝之に触るし
そのあと一切連絡取らないし。


10年経っても
弟に流されるふりして
触れ合うし
そのくせそのあとは
冷たくあしらうし。



そんな酷い仕打ちをされても
孝之は従順な犬みたいに
圭一の元へと通ってくるんだよ。


なんでー?
いい男なんだから
他にいけよ!って思うんだけどねー。



かなり自分勝手な受けなので
一途ビッチ受けが好きな私としては
不満なキャラだったなー。

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★2

さて、今から帰省のため羽田へ向かいます。
10日間ほど更新できない気がする。
あうぅ。。。

ブラックボックス/秀香穂里

2014-04-29 13:32:32 | さ行(作家名)
著:秀香穂里   絵:金ひかる


一度見た顧客データは全て暗記しながら、
両親の顔は思い出せない──。優秀な営業マンだけれど、
過去の記憶がない森里。そんなある日
「一か月30円で売ります」と自分を売る男に押し切られ、
家に連れ帰ってしまう。その男・敷島と接触して以来、
森里は過去を思い出そうとすると、激しい頭痛に襲われるように!!
俺の過去に一体何があったんだ!?
苦悩する森里を、敷島は観察するように見つめるが!?



おっと~!
なんだコレは。
私が普段読まないジャンルです。



帯に書いてあるし
早い段階で分かるので
ネタバレしちゃうと


森里はクローンです。
臓器移植目的のために、ある研究所で
クローンを作ってたんだけど、
森里はその中で唯一10年もってる
優秀な個体。


DNAは研究所のリーダーから、
他に必要な幼少の頃の記憶などは
敷島から受け継いでいた。


そう、敷島は
元研究者なのね~。



森里と敷島は
一緒に暮らすうちに
惹かれあうようになるんだけど、
それは研究所にしたら
裏切り行為で、
追われる身となります。


後半は逃避行と対決の話ですね。


森里が敷島と一緒にいるうちに
人間らしい感情をもつようになるんだけど、
少しずつ変わっていく様が
なかなか良かった。


最初は恥ずかしいとかいう感情がないから
エチではやりたいこと、やってほしいことを
奔放にねだって敷島を煽るのですよ。


でも最後らへんでは
感情が豊かになってるから
羞恥心とか覚えちゃって
可愛く恥じらうの。たまんねえって。


なるほど
こういう萌えもあるのね、と感心したっす。

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★3

夜の寓話/杉原理生

2014-04-24 13:03:10 | さ行(作家名)
絵:杉原理生   絵:木下けい子



「きみは楡崎圭吾と別れたほうがいいよ」
画家である亡き父の偲ぶ会があった夜に
知り合った男から、早坂蒼はそんな言葉を
投げかけられた。それがすべての始まりだった。
楡崎圭吾―彼は、亡き姉の夫であり、
いまはひとつ屋根の下で暮らしながら、
蒼を抱く男でもある。常に倦怠感を身にまとい、
なにを考えているのかわからないが、
初めて出会った子供のときから、
蒼は圭吾に惹かれ続けてきた。
互いに強く想いあいながらも、独占欲を押し殺し、
むしろ終わりをさぐりあうかのように、
一種の緊張感のなか、ふたりは身体を重ね続けている。
けれど、ひとりの男の登場により、
ふたりが築き上げた均衡は壊れはじめて…。



攻めも受けも
誰もが惹かれる美貌の持ち主。


はい、ここで既にオイシイ。
私、美形大好きなんで!



圭吾は父親が母親の
妹と浮気してできた子で
誰にも必要とされていないと感じていた。
誘われるままに体を繋ぐも
虚しさは募るばかり。


でも、蒼と出会って
執着心や独占欲と言うのを覚える。
けれど、ある事情から
いずれは蒼と離れなければいけなくて…。



有名な画家のもとに生まれた蒼は
姉ばかり可愛がる父親が好きになれなかった。
それでも美しく育ったんだけど、
姉が圭吾と結婚したとたん、
叔父が失踪し、父が病死し、姉が自殺した。



何かあると思いながらも
圭吾に惹かれて仕方がない。



という
ミステリ要素ありです。


蒼の知らないどんな過去があったとしても
蒼と圭吾の間で完結してるなら
誰にも2人の邪魔をしてほしくないのに
富田という男が圭吾の過去を
しつこく調べまわって
そのせいか圭吾は蒼から離れていこうとする。



うあああ。
もう富田出しゃばり!



富田と蒼は仲良くなるんだけど、
なんで蒼が富田を気に入るのか
理解できない。
危うい存在だって分かってるのに…。


分からないといえば、
攻めの気持ちもなかなか見えなかった。
最後攻め視点があるからなるほどってなったけど、
それまでは
蒼を好きなんだろうけどなんで?
っていう疑問しかなかったな。




しかし、圭吾の過去は
うーーーーん。でした。
だらしなさすぎ!
下半身ゆるすぎ!



でも、その設定にしないと
蒼とはくっつかなかったんだし
仕方ないかと。



けど、富田の存在が
後半から放りなげられたのが残念だった。
もうひと踏ん張り欲しかったなーと。


でも杉原先生の
こういう作品、初めて読んだ。
なんか純愛とか恋愛バカの
話ばっかり読んでたから新鮮♪

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★4

夏服/杉原理生

2014-04-21 20:32:45 | さ行(作家名)
著:杉原理生  絵:テクノサマタ


高校1年生の茅原は、毎日朝食を買う
コンビニで見かける先輩・坂江のことが
気になっていた。やがて、坂江の大人びた
外見とは違う意外な一面を知るたびに、
どんどん彼を好きになっている
自分に気づいた茅原は…。
出会い、初めての恋、先輩の卒業、
そして数年後のふたり―。
甘くやさしく、そして切ない。
恋する気持ちを丁寧に描いた、
珠玉のラブストーリー。




大学4年。
就職活動が上手くいかなくて
坂江先輩に八つ当たりしちゃう。


坂江のほうも新入社員で
慣れない仕事にいらついてたようで
喧嘩になっちゃう。



思い出すのは
高校生のときの先輩。

奥手な茅原を
先輩は急かさず焦らせず
ゆったりリードしてくれた。


甘くて瑞々しい青春時代を思い出して
素直になって謝ろうと決めて
2人で住む部屋に帰っていく茅原が
めっさ可愛いです。



坂江先輩も理想的な攻め。
冷静で大人びてるのに
子供っぽい一面があって
でもヤルこたヤッてる設定で。


うん。たまらん。


出会って、惹かれて、付き合うまでが
すごく自然な流れで描かれています。


こういう
じわじわ接近する話、大好きです。
いままで読んだ高校生もののなかでも
かなり上位にくるかもです!

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★5