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BL小説感想日記

主にBL小説の読書感想。基本ネタバレ。
Twitter(chika3270)もよろしく。
ぼちぼち更新。

やがて優しくひかる夜/夏生タミコ

2015-02-20 09:54:54 | な行(作家名)
著:夏生タミコ   絵:織田涼歌




初めての恋だった―。知り合ったのは大学時代、
チャラいけどカメラが好きで人当たりもよい彰二は、
大人しい史人にはキラキラ輝いて見えた。
あれから6年、自堕落に生きる彰二と同棲する史人は
最近疲れてしまっていた。「今度行こうな、一緒に」。
他愛ない、でも自分には大切だったあの頃の約束。
彰二はもう忘れたのだろうか。まだ好きなのに…!




いやあ、彰二(攻)のクズぶりにニタニタが止まらないw



どんな仕事も続かず、ギャンブルと酒に溺れ、
史人(受)の稼ぎをあてにして自堕落に生活。
そのうしろめたさを全て史人のせいにしてしまうんだけど
そのダメ思考がなんか分かるというか。
いい大人が情けないとは思うものの
卑屈さをチャラさで誤魔化していきてきた人間だから
そう考えちゃうよなあ。
甘えさせる人がそばにいるとこういうヤツはどんどん堕ちる。
だから彰二が史人のせいだと思うのも
あながち間違いじゃない。


一方、史人は彰二が初恋だったもんだから、
彰二のこと以外は目に入らないのね。
異常な執着心。
捨てられたくない、出て行かれたくないっていう気持ちから
彰二に強く出られないんだよ。
仕事をしなくても文句言わず、
出掛けると言えば金を渡し、
何やってんだってなるけど、
これは史人は彰二のためというより
自分のためにしてることですね。
相手のことをちゃんと考えてあげてない。
史人のほうが2歳年上なんだから
もうちょっとしっかりしないと。



人間としてダメな攻めと
恋人としてダメな受けなんで
別れるのはもう仕方ないかと。



彰二はしっかりしようともがくけど、
どうだろうなあ。
もうちょっと痛い目みてからのほうが
よかったんじゃないかと思ったり。


史人が出て行ったくらいで変わるなら
もっと前に変わってるよね。
更生させるにはもうひとひねり欲しかったな。



しかしまあ、ここまでクズ攻めだと
いっそ清々しいね。



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★3.5


2015年42冊目

ショートケーキの苺にはさわらないで/凪良ゆう

2015-02-15 09:05:37 | な行(作家名)
著:凪良ゆう    絵:草間さかえ




アンドロイドが普及し、人に代わって戦争すらしてくれる時代。
大学生の南里輝(なんり てる)は、自分だけを愛してくれる
セックス用アンドロイド、通称「裏ドール」を伴侶にすることを夢見ていた。
その資金を貯めるため裏方バイトをしていた風俗店に、
ある日とびきり美しい裏ドールが売られてくる。
悲しげな姿を見かねた南里は、つい貯金をはたいて
「彼」を買い取ってしまった。シンと名づけられた彼は、
ドールゆえの一途でけなげな愛を南里に注ぐが――。



シン(受)の自分への愛は
プログラミングのせいであって、
本当の愛じゃないかもしれないと
もたもたする南里(攻)が可愛いし、

人間に服従するシステムが組み込まれてるのに
南里以外の人に触れられると嫌だと思う自分は
不良品だからスクラップにさると
怯えるシンも可愛い。


シンに贅沢させてやりたくて
バイトに明け暮れる南里に
さびしいと意思表示するシンに
南里だけでなく読み手も萌えーーー!です。


シンは膨大な知識をデータとして保有してるけど、
経験はないから南里といろんなことを
実際に体験したり見たり知ったりして
より人間らしく成長していく。
そんなシンを南里は心から愛し、
シンも幸せという感情を覚えます。
やっとつながった時はホッとしました。



でも、シンに徴兵の命令が下り、
逃げるも逃げ切れず。



二人だけで遠いところで暮らしたい



っていう、シンのささやかな願いさえ
叶えてあげられない南里の苦悩が切ない。



南里とシンを支える
南里の大学サークルの仲間も
みんないい奴で良かった。


「ショートケーキの苺にはさわらない」


っていうのはこの物語のキーになる言葉で、
これによって二人が何度も結ばれます。



私は廃棄されたシンの代わりに
シンの記憶チップを埋め込んだ
球体ロボの存在も愛おしかったなあ。
人型だったらマスターにキスしたり
抱きしめたりできるのにって願う
健気なとこがたまらん。
感情が昂ぶると
ころころ転げちゃうとこも可愛い。


球体ロボと仲良く暮らしました、
でも良かったんだろうけど、
それだと球体ロボの願いはかなわないし、
やっぱりこのラストじゃないと
BL的にはスッキリしないかと思ったり。



あとねー、贅沢言えば、
「僕もマスターを気持ちよくしたいです」
とか言ってリバって欲しかった。
絶対萌え転げたと思うんだよねえ。

うん。これは本当に贅沢な願望なので
なくていいんだけど、
どっかで書いてくんないかなあ。



泣きはしなかったけど、
いろいろ考えさせられたし
胸もきゅってなったし
さすが凪良先生だなあと思いました。



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★4

2015年38冊目

おやじ貸します!?/夏乃穂足

2015-01-10 21:59:02 | な行(作家名)
著:夏乃穂足    絵:兼守美行


便利屋『兄弟屋』の裏メニュー・別れさせ屋。
尚は、双子の弟・伸に代わってその依頼を受けることに。
ところが、ターゲットは男!
経験乏しく、隠居モードで過ごす尚には荷が重い。
だが依頼者の新堂のために、依頼を達成しようと決意する。
最初こそは強面で強引な新堂に怯えていたが、
彼は自分に自信のない尚を認めてくれたのだから。
手管を学び、男に抱かれる“練習"をして──!?




アラフォーの尚(受)が
どこまでも頓珍漢で
そこを楽しめるかどうかで
この作品の評価が決まる気がする。




脇役も楽しい子ばかりだし
ターゲットの男も心底悪いやつじゃないし、
尚の過去のトラウマが
話の肝になってたりもするんで
コメディだけど話はちゃんとしてます。




まあ、アホな話には変わりないんだけどw





新堂(攻)は、一般的に見れば
強面のイケメンなんだけど
尚にしたら不動明王でして、
そんなずれた感性の持ち主の
尚視点で話が進むから
どんどんアサッての方向に流れて行きます。


だいたい、男を誘惑しないといけないからって
AFの練習するってバカか!?とwww





あと、私は亡くなった小見が
可哀想でたまりませんでした。


でも、それがなかったら
話が成立しないし、難しい。



そして、伸が実はブラコンだったってのに
すげー萌えましたね。


伸のスピンも書いて欲しいです。


シリアスなファンタジー続きの
夏乃さんだけど、今回は
全体的に軽いタッチなので
さらっと読めました。


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★3


2015年10冊目

美しい彼/凪良ゆう

2014-12-20 21:44:55 | な行(作家名)
著:凪良ゆう   絵:葛西リカコ


幼いころから緊張すると言葉がつかえてしまうため
内向的で、高校でも目立たない存在の平良。
そんな平良が憧れるのは、クラスメイトの清居だ。
人目を惹く美貌に、誰にも媚びない態度で、
クラスの王様として君臨する清居。
「彼にとっては、誰もが平等に無価値なんだ──」
グループのみそっかす的な平良は、
清居に忠誠を尽くすのが喜びだったけれど……!?
憧れの級友に抱く、信仰にも似た想い──
スクールカーストLoveストーリー。



何コレもう
たまらないんですけど!!!



ツンツンした俺様な清居(受)を
平良(攻)は心の中でキングと崇め
下僕のようにまとわりつきやす。



平良は、清居を崇めすぎて
思考がアサッテになっちゃってるし
いきなりキレる危ない奴だし
心のライフル持ち歩いてるし
ストーカーしちゃうしと
かなりキモイんだけど
なぜか憎めないとう
新ジャンルのキャラです。


平良視点では清居は
とてもクールで何考えてるか分からない
わがままなキングなんだけど


清居視点だと
平良のほうこそ
何考えてるか分からない謎な奴です。



清居は、この俺が平良ごときを
好きになるなんてありえないと言いつつ
手の甲にキスさせたり
卒業式でかすめるようなキスをしたりします。
無自覚に好きアピールしちゃうんだよね。


そして、そのアピールやフラグを
持前の鈍感さでことごとくへし折る平良w



そのすれ違いが可笑しくてたまらんです。




だいたい清居がフェラしてやろうかって言ってんのに
いやイイですって言って
トイレで抜くとか、もう平良バカすぎでしょww


清居の戸惑いぶりが
笑えて仕方ないです。


私としては
清居の意地っ張りなところがツボで
もう食べちゃいたいくらいです。


そうそう、
あと、初めて同士ってのもいいね。
ポイント高い。


ビッチも好きだけど、
一途に想い続けてってのは
やっぱりいいわー。


葛西さんの絵もイメージにぴったりだし
これ多分
しばらく読み返すと思う。




ハマりましたん♪



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★5


2014年476冊目

愛しのいばら姫/凪良ゆう

2014-12-13 09:13:49 | な行(作家名)
著:凪良ゆう   絵:湖水きよ



トップモデルの美山は、母に顧みられず
育ったため自身の美貌を商品としか思えない。
世間の評価とは裏腹に空っぽな自分──
過去の恋人の裏切りで、その思いは一際強くなった。
愛されることを諦めた方が楽で、毒舌は鎧なのだ。
けれど、新鋭デザイナーの久保田は、
そんな美山をおおらかに受け止めてくれる。
いつしか彼の優しさが染み入って、
心の奥底で眠る感情を目覚めさせ……。


「365+1」のスピンです。


久保田(攻)、なんていう人たらし!ww



頑なに心を閉ざして
自分の内面に踏み込ませない美山(受)の懐に
久保田はなんなく入り込むんだ。



美山は、拒絶したいのに構ってほしい、
構ってほしいけど、空っぽの自分を知られるのが怖い。


久保田を応援したいけど
そんな柄じゃないし。
でもSNSで久保田のブランドを推してしまう。
そんな自分の矛盾に、


もうこれは恋だ



と観念するしかない美山。



あー、もう美山、可愛い。
毒舌だけど冷たいわけじゃないし
愛をくれー!愛をくれー!って
全身で叫んでるようで痛々しくもあり
愛すべきツンデレ美人でした。



普段はクールなのに
久保田といるといい意味でバカになるし
不眠気味なのに
久保田がお守りとして布で
ささっと作ってくれた花を手に持つと
安心して眠れるとか
どんだけカワユスなのよ。



久保田は美山の家に泊まるたびに
その花を作ってくれて、
久保田にはいつも捨ててるとか言いながら
全部取っておいてるんだよねえ。
ちょっと美山、実は乙女…?
美山の可愛さを語り出したらきりがないですw


あと、眉間にしわが寄りがちな美山を
久保田がほぐすのにも萌えたなあ。


そして、久保田が意外とやり手ってのも良かった。
美山をイメージして服を作ってんだけど、
いつかトップモデルの美山に仕事を依頼できるよう
頑張る姿が男らしいです。


美山の元彼(業界の権力者)が出てきて
やきもきしたけど、
それも久保田が啖呵切って追い払うし、
美山も久保田とならどうなってもいい、
負けない!守る!って言い出したときは、



変わったなあ、美山…。



と親目線で読んじゃったよw



いつの間にか久保田の夢が
美山の夢になってて、
それが少しずつ実現していって
あー、夢に向かって頑張る二人って
いいなあと思っちゃった。



最後は最上級の甘々展開で、
もうお腹いっぱい。
げふー。



「365+1」とはまた違う
ファッション業界の素敵ラブでした。



そうそう、途中で久保田の初恋の女が
出てくるんだけど、そいつがウザくてさー。
でも美山がバッサリ斬ってくれてスッキリしましたw




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★5

2014年470冊目

鬼の涙が花だとしたら/夏乃穂足

2014-12-09 08:17:51 | な行(作家名)
著:夏乃穂足    絵:嵩梨ナオト



鬼が吼えると災厄が起こる―
古来より鬼と、それに魅入られた人間の伝説がある地、
希望谷でトンネル崩落事故に巻き込まれた古林千鳥。
千鳥を助けたのは鋼のような体躯と赤い髪を持つ隻眼の男・森羅だった。
だが彼は、幼い頃に千鳥の父親を殺した鬼・シンの面影を色濃く残している。
手厚い看病と労りの中、森羅の不器用な優しさに惹かれる気持ちと、
彼の正体への疑念が膨らんでいき…人間と鬼、種族を超えて育む一途な愛。


<ネタバレ>


異世界ファンタジーものです。


子どもの頃、大好きだったシン。
だけど父親を殺したかもしれないシン。


そんな鬼に惹かれることに
罪悪感を覚えるんだけど、


森羅が自分を救うために
危ない目に遭うのをまったく気にしてないのをみて
愛されていることを知り、
父の死にもなにか訳があるのではと思いなおす。



これね、
森羅がすごく寡黙で不器用でストイックで
それに対して
千鳥は一人でうじうじ悩まず
ガンガン攻めてく強気な性格でして
いいカップルになってます。


とにかく森羅の愛がでかいんだよ。
まさに命をかけて愛してます。


千鳥もそれに応えようと
人間界を去る決意までします。





そうそう、森羅が小さなケモ耳の子供を
3人預かってるんだけど、
その子たちとの疑似家族な
関係も可愛かったよー。


子供が「ちろりーちろりー」って
懐くんだけど、いやあ反則だろ、それ。



そして、森羅のライバルの禾烈が
ある事件を引き起こし、
鬼の世界に危機が訪れるんだけど、
そのくだりも良かったー。

禾烈は森羅と千鳥が力を合わせて
死ぬ覚悟で敵に向かってくのを見て、
初めて自分の気持ち、
森羅が好きだという気持ちに気付くの。


最後は禾烈視点のSSが入ってんだけど、
なんとも切なくてねえ。


途中まではウザいな禾烈
って思ってたのに
最後オイシイとこ持ってっちゃったよ。


いいお話だったと思います。
エロもいっぱいだしねw

私としては、
千鳥が触手みたいなものに
犯されるのがたまんねかったなあ。
しかもそれが初体験ですからねww



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★4

2014年465冊目


彼等/長野まゆみ

2014-11-10 12:50:43 | な行(作家名)
著:長野まゆみ


東京で受験生としての日々を送る凛一。
京都の大学でフットボール部の主力選手として活躍する享介。
遠く離れていてもこの思いは伝わっているはず―
そう信じていた凛一だったが、京都を訪れた折りに、
享介の意外な姿を見てしまう…。絡み合う周囲の人々の思惑、
行き違いやためらいをのりこえて、ゆっくりと心は結ばれていく。
二度とない、ふたりの季節を描く、好評シリーズ第三弾。



「白昼堂々」
「碧空」に続く
凛一シリーズ第三弾です。



完結編の第四作を先に読んでしまっていて
うお!話が繋がらねえ!ってなったんだけど、
やっとこれでスッキリしました。


今回は、
正午が恋をして酷い目に遭います。
もう誰も信じられない、恋なんてできないと
想ってしまうほどに。


それをそばで支える凛一だったけど、
それは凛一の手に余ることで。
知らず知らずストレスを抱え、
頼る人のいない身の上の孤独さをかみしめる羽目に。



そんな中、氷川がとった行動が
凛一に大きな衝撃を与え、
彼もまた、二度と人を愛せなくなりそうになる。



凛一の想いの強さが
ビシバシと伝わってきました。


同時に、満たされない想いを
肉欲で満たそうとする浅ましさも愛おしい。
まあ、相手にはビンタされて説教されるんですけどw



これがなかったら
確かに4作品目で氷川と凛一は
くっつかなかったなあと思いました。



それくらいの行き違いが
二人の間に起きて、
同時にそれは二人の関係の限界を
示してるんだろうなと。

ノンケ×ゲイは難しいね。


ちなみに完結編は「若葉のころ」です。

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★5


2014年447冊目

きみはいつか、ぼくの声を聞く/中庭みかな

2014-10-28 23:34:32 | な行(作家名)
著:中庭みかな   絵:木村ヒデサト



真幸は精神的な理由で声が出せない。幼馴染みの純太に
助けられてきたけれど、ある日、「好きで面倒を見ているわけじゃない」
という彼の本音を耳にしてしまう。喪失感の中、真幸の世界へ
入りこんできたのは、不良と噂される転校生の芝山実波。
「声を聞かせろ」と迫る彼は強引なくせに、時々さみしげな顔をする。
戸惑いながらも距離を縮めていく二人だが、なぜか、辛辣な言葉を
吐いたはずの純太は、真幸に近づく実波を許そうとはしなくて―。
青少年の心が織りなすセンチメンタル・グラフィティ。



あらすじを読んで、
三角関係か!?
と思ったんだけど違いました。



あのねーこれねー
残念ながら、



まったく萌えなかった…orz



真幸のトラウマになかなか興味持てなくて、
というかこいついろいろ忘れすぎだろう、と。


忘れてたんなら
声を出せないっておかしいだろう、とか
いろいろツッコミ入れながら読んじゃった。



盛り込みすぎなのかなあ?



ふぅ。
ごめん。私には合わなかったわ。。。




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★2


2014年431冊目

ぼくはこうして大人になる/長野まゆみ

2014-10-25 08:16:40 | な行(作家名)
著:長野まゆみ


海辺の田舎町に暮らすぼくは、中学三年生。
優秀でまともな少年に見せるだて眼鏡をかけ、
人に云えない不安を抱えつつ、級友たちの過分な
信望を得て平穏な学校生活を送っている。
ところがある日、クラスに七月という少年が転入してきた。
なかなかみんなに馴染もうとしない彼と関わるうち、
修学旅行中に騒動がおきて……。繊細にして傲慢、
冷静にして感情的な、少年たちの夏を描く。



長野まゆみさんの
同性愛小説です。


ぼく一(はじめ)は、
10歳離れた双子の兄姉や
従兄たちのせいで
幼いころ自分を女だと思い込んでいた。
そのせいもあってか
女性に興味がもてない。


それを隠すかのように
優等生を演じ、人の世話をして
クラスの雑用や面倒を押し付けられても
文句ひとつ言わなかった。


それなりに信頼もされてるし
人望も影響力もそこそこあると思ってた。


なのに、転入生の七月が
一の存在を脅かした。


自分は簡単につまはじきにされる存在だと
初めて気が付いた一は深く傷つき
それでも泣くまいと前を向こうとする。



そのひたむきさや繊細さが瑞々しいです。


七月も、七月をいじめようとする
一の幼馴染の健もそして一の好きな相手も
みんな実はいい奴というか、
悪い面ばかりじゃない。


ピュアでも賢くても分別あっても
一方ではいくらだって残酷になれる年頃の
心の機微が丁寧に描かれていて
ページを繰る手が止まりません。



最後、双子の兄姉や従兄が
なぜ一を女として育てたのか、
その理由が分かったとき、
たまらなくなったけど、
七月がいてくれてよかったなあと思いました。



ひと夏でほんの少し成長する
少年たちの物語に
胸がギュってなりました。


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★5

2014年426冊目

若葉のころ/長野まゆみ

2014-10-23 16:41:08 | な行(作家名)
著:長野まゆみ


京都の大学に進学し、二度目の春を迎えた凛一。
氷川と逢える平穏で幸福な日々がようやく訪れたかに思えたが、
三年ぶりに帰国した有沢が、再び凛一の心に波紋を広げていくのだった。
そんなおり、大学フットボール部の主将として活躍する氷川に関する情報を
外部に漏洩しているという疑いが凛一にかけられる。
ふたりはこのまま逢うことができなくなるのか……。好評シリーズついに完結。



凛一シリーズ第4弾。




シリーズ3作目が図書館になくて
読めていませんが、
とりあえず最終巻を先に…。



結果としては氷川と凛一はくっつくんだけどね。
けしかしてのは有沢でして。


有沢、凛一のことが
めちゃくちゃ好きじゃないかー!と
可哀想になりましたよ。


凛一は氷川が想いに応えてくれないから、
寂しかったりすると手近な男に頼ってしまいがちなんだけど、
有沢はそれを殴りつけて諭すんだよね。



えー、いつの間に
有沢そんないい男になった?って思いました。



氷川より有沢とくっついたほうが
百倍幸せになれるのに。



しかし、1~2作目で
いたずらっ子のように元気だった正午が
この巻では暗い子になってて
3作目の内容が気になります。



買うか迷ったけど、
図書館にリクエストしときました。



でもこのシリーズは
買ってもいいかもなあ。
素敵やもん。


集英社文庫だから
露骨な絡み表現はないけれど、
同性愛の恋愛小説として
手元に置いておきたい。


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★4

2014年425冊目

碧空/長野まゆみ

2014-10-23 16:29:49 | な行(作家名)
著:長野まゆみ


高等部に上がって新聞部で写真を撮り始めた凜一は、
遠く京都の大学へ入学しフットボール部で活躍を続ける
氷川を思いながら、ひとり過ごしていた。そんなある日、
有沢という謎めいた上級生が現れ、凜一を写真のモデルにしたいと
誘うのだった。有沢に魅かれ、孤独な心を乱す凜一。
はなればなれになりながらもお互いを求める少年たちの思いの行方は……。
好評シリーズ第2弾。



凛一シリーズ第2弾です。


氷川は日向の似合う真っ正直な男ですけど、
有沢は逆に翳のある嫌味な男です。



凛一は、有沢は危険だと思っていても
近付くのを止められない。



心臓が悪くて
運動もなにもかも制限されてきた有沢も、
凛一と一緒でどっかいろいろ諦めてる。




なんかすごく甘酸っぱかった。
有沢が凛一が欲しいのに
欲しいと言えなかったわけも、
その弱さも脆さも可愛かった。




しかし、氷川はやっぱり女いるのかあ。
なのに凛一との付き合いをやめられないって
とんでもないやつだよなあ。。。。



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★4

2014年424冊目

白昼堂々/長野まゆみ

2014-10-23 16:06:08 | な行(作家名)
著:長野まゆみ


1976年初冬。由緒ある華道家元の若き跡継ぎである原岡凜一は、
従姉・省子の男ともだちだったアメリカンフットボール部のエース
氷川享介と出逢う。その邂逅が、やがて二人の運命を変えていくことに……。
冬から春、やがて夏へと移ろう季節の中で、彼等の思いはどこへ向かうのか。



凛一シリーズ第一弾です。



凛一は、注意深くノンケに恋するのを避けてきたのに、
出会い頭の事故のように氷川に恋してしまう。


省子の友達ということで接点があり、
友達として付き合いが続いていく。



けれど、省子も氷川の友達の内藤も
凛一の気持ちに勘付いて邪魔してくるんだよね。



凛一は、自分が許されない想いを抱えてるっていう自覚が
誰よりもあるからされるがまま、いわれるがままで
全部自分が悪いんだと全部諦めてる。
恋が叶うとも想っていない。



凛一は、幼い頃に両親を亡くして
祖母と二人暮らしのうえ、
身体も弱くて、そんな境遇が
凛一を諦めの良い性格にしてしまったのかもしれない。



話としては、


すったもんだあって
キスする程度の仲には落ち着く。
けど、氷川は女作ると思うな。



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★4

2014年423冊目






それはおまえが童貞だからです/凪良ゆう

2014-10-22 14:40:19 | な行(作家名)
著:凪良ゆう   絵:イシノアヤ


社内きっての美形と評判の二ノ宮には秘密がある。
高校時代に股間の“特殊事情”を初恋の男に知られ悪気無く
傷つけられたせいで未だ童貞なのだ。やがて三十歳の誕生日、
突然超能力に目覚めたうえに初恋の男・世取と再会、
事件に巻き込まれて行動を共にするうち、ずっとお互いを
忘れられなかったことが判明するのだが…。
果たして二ノ宮の貞操は!?




凪良さん久々のコメディです。



童貞のまま30歳になると魔法使いになる



ってのはよくあるネタだけど、
そのネタを元にトンデモ設定で
ぐいぐい話が引っ張られていって
おいおいおいー!でした。



二宮(受)の股間の秘密は
まあ、可愛いもんなんですが
世取(攻)からしたら
忘れられない衝撃だったでしょうww
実際、忘れられなかったようですし。



二宮は乙女思考の美人(気は強い)、
世取はワイルドな男前(中身は無神経ゴリラ)です。

他にも超能力を得た童貞が社内にいて
ヤクザ、ドラッグなどの
事件を絡めておもしろおかしく進んでいきます。


話のテンポの良さ、
会話の言葉選びの秀逸さは
さすが凪良さん!です。


ただ、最後の世取視点の話は
面白かったけど
悪ノリしすぎというか
どうせならもっと萌えだけに
重点おいてほしかったような。。。
いや、贅沢いっちゃいかんな。


あれはあれで
面白かったし。うん。


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★3.5


2014年423冊目

紺極まる/長野まゆみ

2014-10-22 14:17:08 | な行(作家名)
著:長野まゆみ



仲介業者に騙された予備校講師・川野は、
予備校生・真木の家に居座ることになる。希んではいけない。
だけど本当に欲しいものは…。哀しみさえも甘美な十代の日々を描く。



何も知らずに図書館で借りたら
スピンオフだったというね…orz



でも、これ一冊でも読めます。



BLというよか男×男を含む
恋愛小説といった感じです。



最初、川野視点です。
自分勝手な理由で
真木の家に居候をはじめます。


でも、懐かない真木が妙に気にかかり、
真木がゲイだと知ってから
加速度的に惹かれていきます。


ちなみに、
川野は元妻と数か月前に離婚しばかりのノンケです。
それがいつのまにか真木に心を奪われていく。
その過程が丁寧に描かれています。




でも、真木には
10数年の付き合いになる浦里という友人がおり、
そいつに惚れてます。



浦里は亡くなった姉の夫と同居していて
そいつに懐いています。



うーん。
誰も報われない…?



真木は、浦里のことを気にかけながらも
川野のことも気に入ってんだよね。
浦里への想いが報われないから
じゃあ、川野っていう想いもあってさ。



でも、川野にしたら
そんな気持ちは受け取れない。



最後、2ページだけの章があって、
それには浦里が義兄への想いを振り切って
真木の兄の家に居候するっていう話なんだけど、
いろいろ勘ぐらされる。



真木のお兄さんは
真木の欲しがるものを敏感に察知して
先回りして手に入れるのが好きだから、
浦里を手にしようとしてるのかも…?だし、


浦里がやっと本気出して
真木の気持ちに応えようとしてるのかも…?だし、


浦里はただ単に
真木と友達だから近くにいたいだけかも…?だし。



でも章のタイトルが
「此の花咲く哉」だから
二人の関係を予感させてるだけかも…?だし。



うーん。私の読解力がないだけ?
みんなこれ読んでこれっていう感想もてたのかな?



私はもやっとして終わりました。



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★3.5


2014年422冊目

グッバイマイドッグ/夏乃穂足

2014-10-13 18:08:49 | な行(作家名)
著:夏乃穂足   絵:上田規代


保健所で殺処分を待つだけだったその犬は、
喫茶店のマスター・小野寺璃人に引き取られ、イチと名づけられた。
初めて愛情を与えられ、生きる喜びを知るイチだったが、ある日
不審な車に轢かれかけた璃人を庇い、命を落としてしまう。
イチを亡くし悲しみに暮れる璃人。そんな中、誰かにあとを
つけられていることに気付く。驚くほどの美貌を持ったその見知らぬ
若い男は馳辺一夏と名乗り、璃人を守るために付きまとっていると言い出し……。




元犬のイケメン青年×さえない喫茶店マスター。



前半は犬のイチ視点で話が進みます。
人生すべてを諦めた野良犬が
璃人に引き取られて幸せになる姿が描かれてます。
璃人のためならなんでもできる、
そう思って璃人をひき逃げから救って命を落とします。


でも、あの世のはからいで
人間として生き返ることになったイチ。


本来回収されるはずだった璃人の魂のかわりに
20個の善行を積んで人間としての魂を手に入れ、
璃人のかわりにもう一回死ねば璃人は助かるという。
猶予は3か月。。。



後半は璃人視点。
イチと恋仲になって幸せな日々を過ごす。


突然の死別、
いずれくる別れとか
まあ、泣き所はたくさんある。
オチが分かってても
あえて泣かされてやるぜ!っていう
優しい気持ちで読むといいと思う。



可愛いお話でした。



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★4

2014年417冊目