※こちらはSIMC 仙台国際音楽コンクールボランティアブログよりの転載記事です。
2011年4月7日(木)14:15開演
東京都文京区 不忍通ふれあい館 地下1階ホール
プログラム
バッハ:トッカータ ホ短調 BWV914 津島 圭佑
シューマン:クライスレリアーナ 作品16より 第1番、第6番、第7番、第8番 鈴木 美紗
リスト:巡礼の年 第2年「イタリア」より ダンテを読んで S.161-7 美世 真里奈
グルック:精霊の踊り ショパン:英雄ポロネーズ 作品53 佐藤 彦大
ショパン:幻想ポロネーズ 作品61 佐野 隆哉
ラヴェル:ラ・ヴァルス 法貴 彩子
去る4月7日、文京区根津の不忍ふれあい館ホールに於いて、仙台国際音楽コンクールピアノ部門出場者によるチャリティーコンサートが厳かに開催されました。
このコンサートは、第3、4回仙台国際音楽コンクールピアノ部門出場者の有志の方々が、この度の震災を受けて仙台市へのチャリティーコンサートを企画・主催し、春休みで海外から一時帰国中に急遽開催してくださいました。(出演者は別途ご覧ください)
チラシやプログラムの作成、会場予約、ピアノ調律立会い等、全て演奏者の皆さんが行いました。また、入場チケットの代わりに、ピアニストの鈴木さん、法貴さん、美世さんが事前に折鶴を折り、ご来場の皆様にお渡しして帰り際に回収し、それを後にミニ千羽鶴にするという、大変心温まる演出をもなさってくださいました。
コンサート当日は、椅子が足りなくなるほどの満員となり、東京方面においてもこの度の震災に対する関心の高さがうかがえました。
演奏に先立ち、コンサート開催発起人である第四回仙台国際音楽コンクールピアノ部門出場者の鈴木美紗さんがご挨拶をすると共に、被災地で犠牲になられた方々に一分間の黙祷を捧げてくださいました。
また、当コンサート開催の主旨を聞きつけて、音楽評論家の真嶋雄大先生が甲府より駆けつけてくださり、演目解説のご協力を賜りました。
演奏は、津島さん、鈴木さん、美世さん、米津さん(前半)、休憩を挟んで、佐藤さん、佐野さん、法貴さんの順に行われました。プログラムをご覧頂ければお分かりになるかと思いますが、大変豪華な内容の演奏会となりました。その一方で、演奏者皆さんがまさに祈りを以って演奏に臨まれた事は特筆せねばなりません。そしてそのお気持ちは、小さいグランドピアノから織り成されるまばゆい煌きの音色となって、会場いっぱいに降り注がれました。私は涙なくしてその場には居られぬほど感動いたしました。お客様方も一様に、充実の表情で最後まで聴き入っていらしたのが大変印象的でした。
また、休憩の折、演奏者の皆さんがロビーにて募金箱を持って義援金のご協力を呼びかけてくださり、ご来場の皆様も列をなして募金して下さいました。
お陰様をもちまして、入場料収入と募金を合わせまして、合計 469,619円となりました。皆様、誠にありがとうございました。
そして本日(4月22日)、皆様からお預かりした義援金を仙台市義援金口座に振込みました事をこの場をお借りしましてご報告申し上げます。
熱い思いを以って企画・演奏をして下さった出演者の皆様、被災地を思いご来場下さった大勢のお客様、コンサート開催を支えて下さったスタッフの皆様、たくさんの方々の温かいご支援を賜りました事を、コンサート管理人の一人として心より感謝申し上げます。
また、この度の義援金を仙台市長さんに直接渡すことが出来ないかと多方面の方々が模索・奔走してくださいました。残念ながら震災による諸事情により叶いませんでしたが、このコンサートの主旨にご賛同とご尽力をいただきましたことに厚く御礼申し上げます。
コンサート開催に至るにあたり、この度ほど人と人との繋がりの大切さを強く感じた事はありませんでした。
私がベルリンから東京に帰省したばかりの鈴木美紗さんと話をしたのが、地震の一時間前。春休みの間の再会を約束し、仙台で彼女のサロンコンサートを開こうと決めた途端の震災でした。その後はご存知のように、携帯電話の使用がままならない日が続き、彼女と再び声を交わしたのは震災後10日が経ってからでした。なにか出来る事はないかとの鈴木さんの申し出に、仙台で出来る事は今は何も無く、先も見えない。そちらで出来得る事を模索して欲しい、と返すことしかできませんでした。
しかし、それから奇跡のような経過をたどり、開催に至りました。
巨大な地震とその余震によって、東京でも多くの公演がキャンセルになり見通しが立たない中で開催会場が見つかった事。ピアニストの皆さんのスケジュールが唯一4月7日のみ全員フリーで、会場の空きと一致した事。現在中国在住のコンクールボランティア委員の千葉さんが立ち上げたチャリティーコンサート公式サイトを、東京在住のコンクールボランティアの方々が偶然見て下さって、コンサート開催のサポートに奔走して下さった事。ホームステイボランティアの大森さんとコンクール出場者の方々のこれまでの交流によって、海外からたくさんの応援メッセージを頂く事が出来た事…人と人との繋がりが、目に見えない大きな輪となって、わずか2週間足らずで開催に至ったのです。
春休みのわずかな休息の最中にもかかわらず、多くの労力と素晴らしい演奏にエネルギーを費やして下さったピアニストの皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。彼等の温かくも熱い思いがなければ、2週間でこのようなハートフルなコンサートは成し得なかったことでしょう。コンサート開催を仙台から応援して見守って下さっていたコンクールボランティアスタッフもみな同様の思いだと思います。
仙台国際音楽コンクールによって育まれてきた、コンクール出場者の方々とコンクールボランティアとの交流の深さ・大切さをいま改めて強く感じ、次回のコンクール開催への灯火とも言えるようなコンサートになったのではないかと思っています。
また、音楽とは人の心に慰めや癒しを与えるだけでなく、たくさんの人の流れを生み出し、集い、耳を澄まし足を留めるという大きな力がある事を改めて教えても頂きました。
余震も未だ続く中、将来を見据えるにはまだまだ難しい現状ではありますが、一日一日、少しずつ目線を上げて、仙台国際音楽コンクールボランティアみんなで一歩一歩前進する志を共有し、音楽の持つ偉大な力を信じて、芸術分野の側面から仙台の復興を支えられるよう、模索していければと思っております。
津島さん、鈴木さん、美世さん、米津さん、佐藤さん、佐野さん、法貴さん、そして、ご協力を賜りましたすべての皆様、本当にありがとうございました。
ボランティア委員 和久 佳菜
平成23年4月22日
にほんブログ村
2011年4月7日(木)14:15開演
東京都文京区 不忍通ふれあい館 地下1階ホール
プログラム
バッハ:トッカータ ホ短調 BWV914 津島 圭佑
シューマン:クライスレリアーナ 作品16より 第1番、第6番、第7番、第8番 鈴木 美紗
リスト:巡礼の年 第2年「イタリア」より ダンテを読んで S.161-7 美世 真里奈
グルック:精霊の踊り ショパン:英雄ポロネーズ 作品53 佐藤 彦大
ショパン:幻想ポロネーズ 作品61 佐野 隆哉
ラヴェル:ラ・ヴァルス 法貴 彩子
去る4月7日、文京区根津の不忍ふれあい館ホールに於いて、仙台国際音楽コンクールピアノ部門出場者によるチャリティーコンサートが厳かに開催されました。
このコンサートは、第3、4回仙台国際音楽コンクールピアノ部門出場者の有志の方々が、この度の震災を受けて仙台市へのチャリティーコンサートを企画・主催し、春休みで海外から一時帰国中に急遽開催してくださいました。(出演者は別途ご覧ください)
チラシやプログラムの作成、会場予約、ピアノ調律立会い等、全て演奏者の皆さんが行いました。また、入場チケットの代わりに、ピアニストの鈴木さん、法貴さん、美世さんが事前に折鶴を折り、ご来場の皆様にお渡しして帰り際に回収し、それを後にミニ千羽鶴にするという、大変心温まる演出をもなさってくださいました。
コンサート当日は、椅子が足りなくなるほどの満員となり、東京方面においてもこの度の震災に対する関心の高さがうかがえました。
演奏に先立ち、コンサート開催発起人である第四回仙台国際音楽コンクールピアノ部門出場者の鈴木美紗さんがご挨拶をすると共に、被災地で犠牲になられた方々に一分間の黙祷を捧げてくださいました。
また、当コンサート開催の主旨を聞きつけて、音楽評論家の真嶋雄大先生が甲府より駆けつけてくださり、演目解説のご協力を賜りました。
演奏は、津島さん、鈴木さん、美世さん、米津さん(前半)、休憩を挟んで、佐藤さん、佐野さん、法貴さんの順に行われました。プログラムをご覧頂ければお分かりになるかと思いますが、大変豪華な内容の演奏会となりました。その一方で、演奏者皆さんがまさに祈りを以って演奏に臨まれた事は特筆せねばなりません。そしてそのお気持ちは、小さいグランドピアノから織り成されるまばゆい煌きの音色となって、会場いっぱいに降り注がれました。私は涙なくしてその場には居られぬほど感動いたしました。お客様方も一様に、充実の表情で最後まで聴き入っていらしたのが大変印象的でした。
また、休憩の折、演奏者の皆さんがロビーにて募金箱を持って義援金のご協力を呼びかけてくださり、ご来場の皆様も列をなして募金して下さいました。
お陰様をもちまして、入場料収入と募金を合わせまして、合計 469,619円となりました。皆様、誠にありがとうございました。
そして本日(4月22日)、皆様からお預かりした義援金を仙台市義援金口座に振込みました事をこの場をお借りしましてご報告申し上げます。
熱い思いを以って企画・演奏をして下さった出演者の皆様、被災地を思いご来場下さった大勢のお客様、コンサート開催を支えて下さったスタッフの皆様、たくさんの方々の温かいご支援を賜りました事を、コンサート管理人の一人として心より感謝申し上げます。
また、この度の義援金を仙台市長さんに直接渡すことが出来ないかと多方面の方々が模索・奔走してくださいました。残念ながら震災による諸事情により叶いませんでしたが、このコンサートの主旨にご賛同とご尽力をいただきましたことに厚く御礼申し上げます。
コンサート開催に至るにあたり、この度ほど人と人との繋がりの大切さを強く感じた事はありませんでした。
私がベルリンから東京に帰省したばかりの鈴木美紗さんと話をしたのが、地震の一時間前。春休みの間の再会を約束し、仙台で彼女のサロンコンサートを開こうと決めた途端の震災でした。その後はご存知のように、携帯電話の使用がままならない日が続き、彼女と再び声を交わしたのは震災後10日が経ってからでした。なにか出来る事はないかとの鈴木さんの申し出に、仙台で出来る事は今は何も無く、先も見えない。そちらで出来得る事を模索して欲しい、と返すことしかできませんでした。
しかし、それから奇跡のような経過をたどり、開催に至りました。
巨大な地震とその余震によって、東京でも多くの公演がキャンセルになり見通しが立たない中で開催会場が見つかった事。ピアニストの皆さんのスケジュールが唯一4月7日のみ全員フリーで、会場の空きと一致した事。現在中国在住のコンクールボランティア委員の千葉さんが立ち上げたチャリティーコンサート公式サイトを、東京在住のコンクールボランティアの方々が偶然見て下さって、コンサート開催のサポートに奔走して下さった事。ホームステイボランティアの大森さんとコンクール出場者の方々のこれまでの交流によって、海外からたくさんの応援メッセージを頂く事が出来た事…人と人との繋がりが、目に見えない大きな輪となって、わずか2週間足らずで開催に至ったのです。
春休みのわずかな休息の最中にもかかわらず、多くの労力と素晴らしい演奏にエネルギーを費やして下さったピアニストの皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。彼等の温かくも熱い思いがなければ、2週間でこのようなハートフルなコンサートは成し得なかったことでしょう。コンサート開催を仙台から応援して見守って下さっていたコンクールボランティアスタッフもみな同様の思いだと思います。
仙台国際音楽コンクールによって育まれてきた、コンクール出場者の方々とコンクールボランティアとの交流の深さ・大切さをいま改めて強く感じ、次回のコンクール開催への灯火とも言えるようなコンサートになったのではないかと思っています。
また、音楽とは人の心に慰めや癒しを与えるだけでなく、たくさんの人の流れを生み出し、集い、耳を澄まし足を留めるという大きな力がある事を改めて教えても頂きました。
余震も未だ続く中、将来を見据えるにはまだまだ難しい現状ではありますが、一日一日、少しずつ目線を上げて、仙台国際音楽コンクールボランティアみんなで一歩一歩前進する志を共有し、音楽の持つ偉大な力を信じて、芸術分野の側面から仙台の復興を支えられるよう、模索していければと思っております。
津島さん、鈴木さん、美世さん、米津さん、佐藤さん、佐野さん、法貴さん、そして、ご協力を賜りましたすべての皆様、本当にありがとうございました。
ボランティア委員 和久 佳菜
平成23年4月22日
にほんブログ村