「サイドカーに犬」

予備知識が何もない時に、不思議な作品に出会った。

話は80年代。　百恵ちゃんが引退し、国立に住んでいる。
喫茶店に置いてあったようなゲーム機が家に置いてある。

母の出て行った家にやってきた愛人とそこのうちの少女との心の触れ合いがメイン。

家にはやさしいけれど、諍いが嫌いな風変わりなおっちゃん、　そして、少女の弟。

大人たちがこの家にマージャンにやってきて。　いいようにヨーコさんを使っている。

その隣には、大人の会話が丸聞こえる場所に　子供の2段ベッド。


大人と子供なんだけど、　女同士の友情。

子供でも大人を気遣い。　大人でも子供の気持ちを大事に考えて接する。

それぞれの痛みも　こだわりも　分かり合って・・・

少女の気持ちにも無理が無い。
いつも左側を歩く少女。　　いつか、右側を歩けるようになるだろうか。
それとも　そのこだわりを持ち続けていくだろうか。

父の愛人のヨーコさんに竹内結子、　離婚後の出演。
離婚して、良い女になったなあと思ってしまいました。
演技も自然で、　子供への接し方にも無理が無い。
男に触れ合う時も　テレが無い。
今後の彼女にもついつい応援目線で・・・

そして、10歳の少女を演じている女の子が適役。
子供だけど、こだわりも思いやりも十分に持っていて・・
自分の目線で大人たちを見ていて・・・

亀の手、自転車、犬、それぞれの二人の話がうまい。

私、こんな作品に出会ったのは始めてかも。

原作は、「猛スピードで母は」で第126回芥川賞に輝いた長嶋有のデビュー作にして、第92回文学界新人賞に輝いた同名小説

女性だからか、妙に　どのシーンも伝わる物があった。

少女から大人の女性まで　お薦め。

HP・・・ここ